@Gallery ef
東京都台東区雷門2-19-18
4/25(金)〜5/19(日)火休
12:00〜21:00
Elisabeth Kopf air cigarette Tokyo Ideal
@GALLERY ef
2-19-18,Kaminarimon,Taito-ku,Tokyo
(Fri)-(Mon) closed on Tuesday
12:00-21:00
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いつものようにカフェスペースを抜けて奥の蔵へと歩みを進めようとして、生まれる一瞬の躊躇。
あれ?
お引っ越し?(・_・)
床に積まれた雑誌の束。
蔵の入口の扉から見える光景だけだと、それが展示だと気付けず、果たして入っていいものかどうかとためらってしまったのですが...。
今回のGallery efでの展覧会は、オーストリアのアーティスト、エリザベス・コップフさんのインスタレーションと、過去の活動の記録/作品とが展示されています。
コップフさんは、エア゜シガレットというコンセプトで、世界各国のさまざまな機会においてそのクリエイションを発表されているそう。
詳細は、Gallery efにアップされているインタビューや、STUDIO VOICEに掲載されているインタビューなどをご覧いただければより理解が深まると思います。
ざっくりと要約すると、何か好きなものがあったら煙草よろしく巻いて吸っちゃえ、みたいな感じです。
実際に火を灯けるのではなく、要は「気分」なのですが、そのポジティブな感覚は痛快!
ちなみに、エア゜シガレットの「゜」は、エアを意味するようです。
で、1階の展示。
過去の作品では主にご自身のデザインによるエア゜シガレットを出展されていたようなのですが、今回はコ敢えてデザインはせず、もっと直接的な「欲望」を象徴するものととして、さまざまな雑誌の一部を切り抜いて巻き、ずらりと床置きに配置したインスタレーションが提示されています。
実に幅広いジャンルの雑誌が積み上げられていて、それぞれの束の一番上に乗る雑誌のページにエア゜シガレットが。
巻かれている部分もユニークで、たとえば広告のページのテレビの画面部分であったり、協賛者の名前の部分であったりなど、思わず膝を叩いてしまいそうななかなか痛快な箇所がピックアップされています。
ページをめくるといろいろ出てきます。
なにより、金箔をいっしょに巻くことで重厚な感触も演出されているように感じられます。
聖書を音読する声の息継ぎの部分だけを編集した音が延々と地を這うように流れ、それでいて雑誌の束の重みが醸し出す静かな感触と相まって、独特の空間が作り上げられているのも印象的。
メッセージ性の如何を問わず、その雰囲気に浸っているとさまざまなイメージが静かに刺激されるような感触です。
正面には大きな絵が。
画面を舞う無数のキスマークが、「煙草を吸うならキスをしよう」というメッセージを象徴しているように感じられます。
2階の展示は、もしかしたら貴重かもしれない、と思わせてくれる、タペストリーにプリントされたコップフさんの過去の作品が展示されています。
煙草の箱の展開図、あとは切って巻くだけのエア゜シガレット。
洗練されたデザインのシャープさも気持ちよく、同時に、その公演会のパネラーと公演内容が一目で分かるようになっていたり、救急行為の説明が派一定ルなど、発表された機会に合わせてさまざまなメッセージや機能が織り込まれているのも興味深いです。
ぐるりと回っていちばん奥に展示されている、中国での墨絵のアートビエンナーレで発表された作品の縮小板は圧巻。
墨に浸されたエア゜シガレットが構築する1本の線。
実際は4メートルにも及ぶダイナミックなものだったようで、そのパワフルな臨場感はこの数十センチの線からも伝わってきます。
それぞれの展示や作品を拝見し、そのポジティブな発想性が楽しく、興味深いです。
イメージやメッセージが直線的に媒体やインスタレーションに作用している感触は、海外のアーティストの展示からは常に感じ取れるのですが、今回のコップフさんはそれがちょっと異なるテイストで、そのイメージと作品との距離感が面白いなぁ、と思った次第です。
口が淋しかったらぜひ、エア゜シガレットを。


