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2008年01月19日

review:CHIKA KATO|BETWEEN《1/11、1/15》

CHIKA KATO|BETWEEN
Azabu Art Salon Tokyo
東京都港区麻布十番1-5-10
1/11(金)〜2/9(土)日月休
12:00〜19:00
カトウチカ080111DM.jpg

CHIKA KATO|BETWEEN
Azabu Art Salon Tokyo
1-5-10,Azabujuban,Minato-ku,Tokyo
1/11(Fri)-2/9(Sat) closed on Sunday and Monday
12:00-19:00
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Real+Real=Virtual。


Azabu Art Salon Tokyoでのカトウチカさんの個展です。

淡々とした、淡白で単調な映像。

・・・もとい。

淡々とした、淡白で単調な「はずの」映像。
そこにたゆたうありのままの時間がありのままのかたちで「切り取られ」、再構築されてひとつのストーリーが曖昧に奏でられていく...そういった不思議な時間的体験をもたらしてくれる映像が、カトウさんの真骨頂のような気がしているのですが、そのことを再認識させられます。



まず、ウインドウに飾られた2点大判の写真が出迎えてくれます。
そして、通り沿いのガラス張りの空間、こちらでは蝶の視線をコンセプトに制作された、いかにもカトウさんらしい映像世界が展開する作品が上映されています。


カトウチカ012


緑の中、地下鉄の線路の上、横たわる人の傍...時おりサブリミナル的に、前後の時間の流れを寸断するような唐突な画像の変化を迎えつつ、淡々とそこにある景色のなかを視線が彷徨い動いていく様子を収めたような映像が流れていきます。
無声でまず鑑賞すると、無声だからこそのスリル、音声情報が遮断されることの「怖さ」に似た感覚が湧いてくるのですが、設置されているヘッドホンで音声とともに作品を鑑賞すると...


むしろ、「音」の作品なのかも、という印象さえ受けるほどに、圧倒的な臨場感が力強く、静かに迫ります。
その場所を通る車の騒音や、もっと単純に集音マイクを擦り付けていく風のノイズなどが、映像以上の存在感を轟かせるような印象です。



同じ空間には、小さな段ボール箱の内側に投影される映像作品も。
あまりにも身近な、しかも普段はその存在を意識から外されているようなものをこうやって取り込み、ちいさな空間をインスタレーションするのもカトウさんらしいです。
「・・・なんだろう...?」という小さな「はてな」から始まる発見に面白さを感じます。


カトウチカ013


さらに、横長で展開していく写真も。
伺った時間が遅かったこともあり、車両のヘッドライトやブレーキランプ、向かいの店舗のネオンなど、外のさまざまな光が画面に反射しているのが妙に効果的に感じられるのも面白いです。


カトウチカ009

カトウチカ010



奥の空間には、昨年BankARTで開催された「都市との対話」展に出品された映像作品が、壁にオープンに上映されています。
ピントがぼかされた、人の朧げなシルエット。人の姿の上をさらに別の光源が彷徨う場面。

薄い紙もある角度からは人の肌を傷つけるに充分な鋭さを内包しているように、緩やかで曖昧な映像の中にシャープな側面が常に見え隠れするような印象を受けます。


カトウチカ011



暗がりのなかに、多くの写真作品も展示されています。


カトウチカ008

カトウチカ007


カトウさんが制作した映像作品の一場面を抽出したようなものから、その映像を上映しているところを撮影したものなど、時間的な立体感を醸し出すシチュエーションが収められた作品が並びます。


カトウチカ005 カトウチカ002

カトウチカ001


もっとも人が登場する場合は動きの「支持」こそあると思われるものの、ほぼ演出されない、何気ないはずの映像作品からさらにたったひとつの瞬間が切り取られ、刹那的にすぎてしまう時間が醸し出すほのかな儚さや、逆にひとつの平面に切り取られた瞬間の存在の力強さなど、さまざまなイメージが喚起されます。


カトウチカ003 カトウチカ006

カトウチカ004



今回の展示は2階でも行われていて、こちらではカトウさんの比較的過去に制作された映像作品が続けて上映されていて、これらが一挙にチェックできるのもありがたいです。

白眉なのは、花火の作品。
夜、ある場所に佇む人の衣服に映し出されていく花火の爆発のシルエット。
さまざまな場面が織り込まれながら綴られていく作品で、人の影のかたちに切り取られた花火の残像の美しさが印象的です。


カトウチカ014

カトウチカ015



カトウさんの作品からは、被写体へのいとおしさとより、時に過剰なほどにも感じられるほどの冷静な視線の存在が伝わってきます。
過剰な無垢は狂気なのかもしれない、という想像すら湧いてきます。
さらに、そのクール過ぎる視線の奥にある好奇心。
クールで、斜に構えたスタンスが、実にユニークな時間を紡ぎあげるような気がしています。


これまでカトウさんの作品が上映された空間でもっとも印象に残っているのが、移転してしまった原宿のNADiffの店内で、本棚に直接、川面の映像が映し出されていて、たったそれだけでさらに亜ーティスティックに、不思議な空間に作り替えられていて。

またそういう場所で拝見したい、と、今回の作品を拝見してそれらの持つポテンシャルに思いを馳せた次第です。
posted by makuuchi at 10:30| Comment(0) | TrackBack(1) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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