new article

2007年12月04日

〜12/2のアート巡り

《11/23》
シェル美術賞展2007
ヒルサイドフォーラム
東京都渋谷区猿楽町18-8 ヒルサイドテラスF棟
11/21(水)〜12/2(日)
10:00〜19:00
シェル2007パンフ.jpg

今年で4年続けて拝見するシェル美術賞。
未知のクリエイションの発見と、既知のアーティストの力作との出逢いが嬉しいのですが、4回目とあって、いつもよりも更に既知のアーティストの作品が印象に残りました。

油彩で日本的なモチーフを描くスタイルに興味があるのですが、昨年拝見して以来気になっている上原雅美さんの作品も、今年も強いインパクトを感じました。油絵の具の魅力と力強さとがちょっと違うかたちで押し出されていて、スクエアのパネルに大胆に描かれた世界に今後の可能性を大きく感じます。もっとも個展を拝見したい作家の一人です。

驚いたのが、龍口経太さんの作品。そのクオリティの高さは以前からよく存じ上げているのですが、まさかシェルで観られるとは...!大胆な筆致の油彩の作品が大勢を占める中で、研ぎ澄まされた日本画のスキルで表現されるメイドの姿の昇り立つような静謐感が際立ちます。

淵沢照晃さんのペン画の登場にも意表を突かれました。ギャラリーエスでの個展で拝見して、緻密さに加え、押し寄せるノイズの連続を想像させる展開のかっこよさに惹かれたのですが、出展作品のなかで小さいめながら、思わず至近でじっくりと観てしまうほどの精緻さがよりユニークに感じられました。

杉田陽平さんのオリジナリティ溢れる世界もさらに力強く発展したのも印象的です。絵の具の塊が重なり、全てを呑み込んでしまいそうなほどの圧巻の色彩のうねりは凄まじいです。

福島淑子さんのグランプリ受賞も嬉しいです。独特の人物の表情と仕草からにじみ出る曖昧な時間、深みと奥行きを感じさせる黒の背景など、その世界がさらに深みを増したような印象です。

他、依田梓さん、麻生知子さん、mayuさんの作品も、続けて拝見している作家の今をチェックできて嬉しかったです。



《11/24》
池田光弘 宙を繋ぐ
SHUGOARTS
東京都江東区清澄1-3-2-5F
11/10(土)〜12/08(土)日月祝休
12:00〜19:00
池田光弘071110DM.jpg

VOCAで拝見して強く印象に残っている池田光弘さんの個展。
VOCAでは迫るような奥行き感とダークな色調、恐ろしささえ思い浮かぶほどに鋭いフォルムなどで繰り広げられる有機的な世界に惹かれたのですが、今回の個展では、色調こそクールな作品が並びますが、むしろ穏やかで静謐な雰囲気が印象的です。
細かい煉瓦などの緻密な描き込みや、幾何学的なイメージも浮かぶほどに、まるで計算されたように再現される遠近感。僕が持っていたイメージと異なる世界が繰り広げられていますが、その無機的とも思えるほどの整然とした雰囲気に、池田さんのクリエイションの深さを感じます。



《11/28》
'07年末チャリティー企画 290人のクリエイターによるオリジナルカップ&ソーサー展 お茶にしませんか?
ガーディアン・ガーデン
東京都中央区銀座7-3-5 リクルートGINZAビルB1F
11/26(月)〜12/22(土)日休
11:00〜19:00
お茶にしませんかパンフ.jpg

これは面白い!楽しい!
クリエイションギャラリーG8と同時開催のこの企画、こちらではこれまで「ひとつぼ展」で紹介されたたくさんのアーティストの絵柄が施されたコーヒーカップがずらりと並んでいます。
イラストレーターやペインターの作品が異なる支持体に描かれている空間性の面白さはもちろん、他のメディアのアーティストのカップを観て「・・・こう来たかぁ!」と思いっきり唸らされるものも。
ノーエディションで販売もされているので、じっくりと選びたいです。



筒井伸輔展
MIZUMA ART GALLERY
東京都目黒区上目黒1-3-9 藤屋ビル2F
11/28(水)〜12/22(土)日月祝休
11:00〜19:00
筒井伸輔071128DM.jpg

蜜蝋を用い、ユニークなプロセスを経て作り上げられる独特の世界。
筒井さんの作品を拝見するのは、前回個展以来たいへん久し振りですが、今回は色彩のバリエーションが増し、さらにその世界に大きな広がりがもたらされています。
時間をかけてじっくりと観て、たくさんの発見をしたい展覧会です。



《11/29》
THE SIX
横浜赤レンガ倉庫1号館2F
神奈川県横浜市中区新港1-1-1
11/29(木)〜12/2(日)
11:00〜20:00(最終日:〜16:00)
THE SIX 07パンフ.jpg THE SIX 07 DM.jpg

思わず唸る好企画。
6つの美大で開催された学園祭で行われた面白い展示をピックアップし、パッケージした展示です。
学園祭は芸大のしか観られなかったので、こういうかたちで再び紹介されるのもたいへんありがたい!



《11/30》
高山恒展[ 肉覚 ]
The Artcomplex Center of Tokyo 2F ACT4
東京都新宿区大京町12-9
11/26(月)〜12/1(土)
11:00〜20:00
高山恒071126DM.jpg

ジェッソが敷かれたパネルの白の上に緻密に描かれる鉛筆画。
モチーフがグロテスクで重たいのですが、それでも思わずじっくりと見入ってしまうほどの陰影の深みと細やかさは強く印象に残ります。


高山恒02 高山恒01

高山恒04

もっと他の展開をぜひ拝見したいアーティストです。



大橋博「image of inlet」
WADA FINE ARTS
東京都中央区築地3-2-5 第2平和田ビル
11/27(火)〜12/14(金)日月祝休
11:00〜19:00
大橋博071127DM.jpg

木彫とFRPの作品を配置し、なんとも不思議な味わいを放つインスタレーションが繰り広げられています。
子どものあの表情、白鳥のゆったりとしたユーモラスな姿、そして気付くと頭から離れない強烈なアクセント。



《12/1》
アニマル・コレクション
不忍画廊
東京都中央区八重洲1-5-3 不二ビル1F
11/19(月)〜12/1(土)日休
11:00〜18:00(土:〜17:00)
アニマルコレクションDM.jpg

不忍画廊のコレクション展的な展覧会ですが、そのなかに新しいアーティスト、柳ヨシカズさんがピックアップされていたのが印象的です。
シンメトリーで展開される動物の絵。やさしいグラデーションを伴った色彩の背景に、ていねいに描かれる動物の姿が美しいです。


柳ヨシカズ03 柳ヨシカズ01

柳ヨシカズ02



《12/2》
横浜美術館ボランティアが出逢った「若きアーティスト」展 日根野裕美 冨谷悦子 松宮硝子
横浜美術館アートギャラリー1
神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1
11/3(土)〜12/2(日)木休
10:00〜18:00(金:〜20:00)
若きアーティスト展2.jpg 若きアーティスト展1.jpg

3名の女性アーティストがピックアップされた企画。
それぞれ、異なる場所で拝見しているアーティストなので、この組み合わせにも面白さを感じます。

日根野裕美さんの日本画とペン画。やさしく穏やかに、時おり爽やかに広がる色彩と細やかに描き込まれる草花や飾りのなかに佇む女の子の姿。これまで比較的メインストリームな企画で紹介されることが多かった日根野さんの作品が、現代アートの先端を行く他の二人といっしょの空間に収められ、いつもと違う魅力も感じられました。

冨谷悦子さんの銅版画はやはり圧巻です。
現在開催中の六本木クロッシングにフィーチャーされているのも印象的ですが、凝縮された線で繰り広げられる魑魅魍魎の世界に、究極の緻密を思い起こさせてくれます。その一方で、柱に展示されていたペインティングの作品2点がユニークなギャップをもたらしていたのも興味深いです。

一度拝見したら忘れられない松宮硝子さんのガラスの作品。松宮さんの作品もこれまで何度か拝見していて、今回出品されている作品のいくつかは既知のものでしたが、今回の展示がいちばんよかったような気がします。先鋭的な可憐さ、危うさと儚げな風合い。有機的なフォルムを覆う尖ったガラスの針が放つ緊張感、ガラスという透過性のある素材が醸し出す氷のような繊細なイメージ。さまざまな要素が静かな空間と照明とによって引き出され、ぐんとリアルに迫るインスタレーションが繰り広げられていました。



ANTA RHEI‐全ては、流れ、全ては、変わる‐溝口達也展
clementsalon*workshop
東京都港区南青山4-26-16-B1
12/2(日)〜12/27(木)火休
11:30〜20:00(日祝:〜10:30〜18:00)
溝口達也071202DM.jpg

鉄の版によって表現される力強い風景。
街並みや製鉄所を俯瞰したものや、水平な視点によコンビナートのフォルムなど、重厚な展開がなされています。ユニークな手法も印象的です。
posted by makuuchi at 08:30| Comment(0) | TrackBack(1) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/70821904

この記事へのトラックバック

『宙を繋ぐ』池田光弘
Excerpt: 今日はお友達の個展を見にいきました。清澄白河駅を降りて、庭園の脇をぬけ、ひかりにあふれる公園を通って。公園にはたくさん羽虫がいて、みんなそれぞれが太陽の光を浴びて透き通るように輝いていた。雪虫を見てみ...
Weblog: アマヤドリ
Tracked: 2008-04-04 00:52