@BankART Studio NYK
神奈川県横浜市中区海岸通3-9
9/1(土)〜9/17(月)
11:30〜19:00
Dialogue with the city
@BankART Studio NYK
3-9,Kaiganndori,Naka-ku,.Yokohama-shi,Kanagawa-ken
9/1(Sat)-9/17(Mon)
11:30-19:00
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橋本誠さんのキュレーションによる、作品のテーマにさまざまな角度で「都市」の一面を表現するアーティストを揃えた企画、初日にさっそく行ってきました。
この日はかなりの数の展覧会がオープニングを迎えた日だったこともあり、正午頃にBankART NYKに着き、まだ搬入・作業の余韻が残るなか、鑑賞開始。
ユニークなインスタレーションアーティストが多くクレジットされる中、最初に出迎えてくれた作品は山下律子さんのペインティングでした。
暗がりの中に浮かび上がる、独特のテクスチャーの油彩の作品。
画面に彫られたように展開する細かい線、そこに擦り込まれる色彩。表面の薄いベージュ色と筋のオレンジっぽい色、ギリギリのコントラストで、実に精緻にある風景が描かれています。
頭部の髪をオミットして登場する人物の性別が曖昧になり、描かれる光景の再現度はそれを覗くと相当に写実的でありながらも、その人物が醸し出すフィクショナルな肌触りが独特の奥深さをもたらしているように感じられます。
とにかく個性的なテクスチャーは見応えがあります。
画面の凹凸が放つ立体感を、至近で凝視し、作品の物質的なかっこよさに強く惹かれるんです。
展示スペースの中央部にも、過去の作品が数点展示されていて、線の色が違うときのもたらされる絵の雰囲気の変化、それでも損なわれない統一感等、いろんな角度で味わえるクリエイションです。
映像アーティストのカトウチカさん。
カトウさんが取る映像は、いつもさりげない...。
パーテーションで作られた細長くて狭い空間の奥で流れる作品、いくつかの場面を繋いだだけのシンプルな編集で、淡々と綴られる時間。それ以上でもそれ以下でもない、ありのままの「何か」が提供され、そこで時間を過ごしているとこちらも様々な意思や意図が削がれていくような感触。
その、川面だけを取ったりしたような何の変哲もない映像を、敢えて日常感を現したかのようなインスタレーションの中で、通り過ぎただけでは気付かないほどにさりげなく映し出されているものも。
なんだろう、このほっとする感じ...。
細長く綴られたスナップの作品も。
展示会場に入って、設営の残り香のようなものを感じてた理由は、インスタレーションユニットのパラモデルの公開制作のせいでした。
天井や壁を縦横に走る青いプラスチックのレール。僕が伺った時間は早かったこともあり、まだまだ箱の中にはこれから取り付けられようとしているプラレールでいっぱい。
公開制作は会期のはじめの頃しばらく続いていたようなので、今はきっと、もっと空間をびっしりとレールが覆っているのかな、と思うとまた見に行きたくなってきます。
まさに、進化し蠢く都市のイメージを表現したインスタレーション、童心にもかえって、楽しくアグレッシブな印象を受けます。
圧巻の黒。
塩津淳司さんの大作です。
塩津さんといえば、フューチャリスティックでダイナミックなインスタレーション、ギャラリー山口B1やタマビの企画などで観た作品が強く印象に残っているのですが、今回は広い壁一面を覆う、これまでとはひと味違うダイナミックさが溢れる作品。
磨かれ、擦られた表面。
磨かれた部分はその前にあるあらゆるものを飲み込むように映し出し、スクラッチ部分は何かの残像が刹那的に現れていくようなスピード感や、どこか殺伐としたかっこよさが感じられます。
すぐ側にはガラス張りの壁、自然光が遠慮会釈なく入り込む空間での展示だけに、時間帯によって雰囲気も激変してそう。夜に改めて体感してみたい空間です。
岩田とも子さんのインスタレーションは、細い白の角材を組み上げて、建物のようなオブジェを床一面に配したインスタレーション。
その奥の部屋では、狩野哲郎さんの日常を切り取り、大きな印画紙に小さくプリントして空間的なユニークさがもたらされた作品が。
個人的に、今回の展覧会でもっとも楽しみにしていたのは、西野壮平さんのコラージュ写真。
art and river bankで開催されたファイルでのレコメンデーションのときに拝見し、ずっと実際の作品で観てみたいと思っていたのですが、やはりあのサイズで実際に眼前にあらわれると、うねるように組み上げられたまちの風景とその迫力に圧倒されます。
都市を構成する様々な建造物。
それらの正面、あるいは斜め上の位置から撮影したものをカットし構築して再び1枚の写真で提示。
画面の至る所でミニマムに繰り広げられている都市の時間が放つ熱をも凝縮され、静止画の連続が骨太な時間の経過となって迫ります。
また、モノクロームなのもイメージを掻き立てます。様々な色彩をひとつのトーンで強引に纏めてしまったかのような力技にも凄みを感じます。
とにかく見応え充分です。
横浜での展覧会を終えたら神戸へと巡回するこの企画。
空間との関係性で作品の表情が変化するクリエイションで詰まっているだけに、神戸での展示を見に行くのが難しいのが残念。
しかし、斬新な角度やアプローチで表現され他都市の様々な表情にはひとつひとつに引き込まれていって、満足の展覧会です。





