@morph-tokyo
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10/27(金)
このブログでも、新宿タカシマヤでのイベントやMARUNOUCHI CAFEでのコラボレーション作品の展示とパフォーマンスをレポートしていて、それ以前にもいろんなライブペインティングや展示を拝見している、僕が知る中でももっとも精力的に、かつユニークなスタンスで活動されている大好きなアーティスト、神田サオリさん。
その彼女がライブペインティングで参加される、タイトルもずばり「“描くオト”」というライブイベントへ行ってきました。
僕が会場に入ったのは8時過ぎ。最初のアーティストのライブは終わっていて残念ながら拝見できなかったのですが、ステージを覆う薄いブラインドの向こうに見える縦長の画面に描かれた絵はうっすらとピンク色に染まって浮遊感溢れる風合いで、なんとなくそのときステージで展開された音のイメージも浮かんできます。
そして間もなく、ギタリストとキーボーディストがスタンバイ、危ない雰囲気のジャムを展開する中、三村玲士さん登場。続いて神田さんも。
いきなりハイテンションで歌いまくる三村さんに触発されたように、神田さんは濃い赤や黒の絵の具を駆使してそれまで淡い雰囲気だった画面を大胆に染め上げていきます。
轟々と動くようなひとつの流れが現れ、その大きなうねりに沿って、爆発するように大小の白い花が咲き乱れ...さらには手に取った刷毛で画面の中の光景を切り刻むかのごとく中央から外側へと線が引かれ、念を押し込めるような勢いで何かに憑かれたようにそれまで描かれた花や流れが塗りつぶされていく...。
ステージで展開される三村さんのアバンギャルドなパフォーマンスとパワフルな声量で聴き手を圧倒するステージングとともに、気が付くと画面の中にはまるで頭を抱えて天空に向かって何かを叫ぶ人の姿のようなものが現れていました。ライブの途中で神田さんの手によって三村さんの胸元にも赤い花が咲いたのも印象的。
嵐のようなステージのあと、続いては鍵盤奏者とチェロ奏者を伴って、鮮やかなかき色のドレスに身を包んだ田野崎文さんのライブ。
冒頭の、ちょっとおっとりした感じの人柄も伝わるていねいな挨拶のあと、やわらかい雰囲気でその人柄同様に、やさしいメロディに乗ってていねいに言葉が紡がれいきます。
先ほどまで激しい振る舞いで画面と対峙していた神田さんも、テンションをちょっと緩めて、楽しんで描いているような感じです。
歌と歌の間のMCで、神田さんとの出会いのエピソードを語る田野崎さん、それにやさしい視線でうなずく神田さん。画面の中の光景も、いつの間にかたくさんの花が咲く大きな木へと変わっていました。
ステージに合わせて絵がリアルタイムで目くるめく展開を見せる神田さんのライブペインティングには今回も感動...。
映像とは違う、その場その場の刹那的な変化の「時間的」な面白さと、そのときに感じたイマジネーションに対して瞬発的に画面に投影していくことで生まれる大胆さ。それはいつも圧倒的です。