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2012年02月01日

review:4人展 -絵画- 池崎拓也 / 石井友人 / 鹿野震一郎 / 近藤亜樹《12/10、1/19》

review:4人展 -絵画- 池崎拓也 / 石井友人 / 鹿野震一郎 / 近藤亜樹《12/10、1/19》mirror

4人展 -絵画- 池崎拓也 / 石井友人 / 鹿野震一郎 / 近藤亜樹
ShugoArts
東京都江東区清澄1-3-2-5F
03-5621-6434
12/10(土)〜2/4(土)日月祝・12/23〜1/4休
12:00〜19:00

4 artists show -painting- IKEZAKI Takuya/ Tomohito ISHII/ Shinichiro KANO/ Aki KONDO
ShugoArts
1-3-2-5F,Kiyosumi,Koto-ku,Tokyo
03-5621-6434
12/10(Sat)-2/4(Sat) closed on Sunday, Monday, national holiday and 12/23-1/4
12:00-19:00



4名のフレッシュなクリエイションをパッケージしたグループショー。
展覧会タイトルに「絵画」と据え、しかしいわゆる平面に留まらない幅広い表現をその言葉のもとに落とし込むことによって、その可能性を表現する側と鑑賞する側の両方へ提示し、問い掛けているように思えます。

αMでの個展での相当なボリュームも印象深かった石井友人さん、今回の展示ではひとつの壁面に3点、しかもトーンも統一された相当に抑制された壁面インスタレーションをつくりあげています。
モノトーンを基調としながら、そこに青と赤のずれた輪郭が重なって、昨今の3D画像を彷彿とさせるような情景が描かれていて、正面で作品と対峙したとき、眼前の情景は計算高く意図的な曖昧さが導き出されているような感覚が湧き起こります。経験的におよそ3つの像が重なって現されているその光景は観る側の脳内で修正され、具象的なイメージをしっかりと掴み取っていく、確信的に眼前のモチーフが何であるかを把握する・・・つもりになるのですが、この作品に備わる時間の経過に想いを馳せたとき、眺めていて3つの像がひとつの像へと帰結していくというよりは、むしろその逆でモノトーンの光景から赤と青とが抽出され、慎重に抜き出されているような印象で、それぞれ淡々とした風合いながらも理知的な深遠さとスリリングさもそこから感じ取れるのが面白く、そして興味深いです。

また、全体的にざらりとノイジーにモチーフを描き上げていることが、そこに青と赤の像がずれて重ねられていることも加わって、何となく遠い感触というか、決して突き放されているわけではないのですが、画面に収められた光景に対する適度な距離感の掴み難さからくる焦燥も、今回の石井さんの作品を拝見していて強く感じたことのひとつです。そこに観る側を圧倒してくるようなストレートな力強さは感じないのですが、我関せず的な粛々とした時空の存在、理知的に歪みが錯綜する異空間のイメージがだんだんと観る側の意識を浸食してきて、観賞後もどこか心に「引っかかり」が残り続けるような感じです。



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近藤亜樹さんの作品は、これまで拝見したもののキャンバスにがっしりと絵の具が乗るダイナミックなペインティングと比べると、ややそういったマチエルの立体感が抑制されていて、「描くこと」により振れているような印象を強く受けた次第です。
個々の作品に配される要素もこれまでの印象と比較して実にシンプルで、それぞれがひとつの場面を伸びやかに描いているような感じがして、その違いには近藤さんの深層の意識の変化が感じ取れるようにも思えます。

そのシンプルな構成、何を描くかという部分においてひとつのモチーフや場面をストレートに描き切ることにより、壁面に並ぶさまざまな情景や状況のひとつひとつが単独で力強い気配を放ち、全体として近藤さんらしいエネルギッシュさはしっかりと保たれ、そしてこれまで拝見してきた印象ではむしろ無邪気で溌剌としていた雰囲気も、内省的な情景や沈むような色彩が多く用いられていることで、対峙していてだんだんと意識も奥深いところへと静かに誘われていきます。

しかしながら筆捌きの力強さはそこかしこにしっかりと現れていて、至近で眺めて狂おしいまでの激しいタッチの集積とそれに伴って引き起こされる複数の色彩の凝縮や絵の具の盛り上がりの生々しさに接するとやはりその臨場感に呑み込まれ、やや有機的なモチーフが多く丸みを帯びた感触が強めでありつつも、そこかしこにがつがつとしたアグレッシブな質感が潜んでいて、そのエネルギッシュさに意識が引っかかると刹那、一気に力づくで引き込まれていくような感覚ももたらされます。



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鹿野震一郎さんはふたつの世界観を提示、それぞれに実験的な感触が備わっていることが面白く感じられた次第です。
キャンバスを額や角材に見立てたかのように、その「もの」の感触を全面に押し出して提示したインスタレーションは、表現のミニマルさと展開のユーモアがとにかく興味深いです。おそらくはマスキングも駆使して描かれるそれぞれの作品は、壁面に展示されたものも立て掛けられた細長いものもその側面にさまざまな色彩が垂れた痕跡が露になっていてそれが表層の奥に潜む色彩の存在を意識させ、かたちやモチーフだけでも充分に「もの」としての認識が強められているのですが、このことでさらにその構造へも興味が向かっていきます。

もう一方のグリーンの色調の作品では、具象的ながらややイージーな描写がふわふわとしたどこかユーモラスな気配を醸し出し、またコンポジションの面白みもそこから滲み出てきます。コーナーを隔てて並ぶ2点の大作ではまず真上から俯瞰しているような視点のどこか奇妙な感触に加え、置かれるものとその影とが律儀に描かれることで微妙な奥行き(というか高さ)が提示され、何とも不思議な空間性が導き出されているように思えます。もう1点の作品ではさらにさまざまな要素が配されてその並びの面白さも楽しく、小気味よくて飄々とした気配にほくほくとした心地よさがもたらされます。



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奥まった一角には、昨年islandでの二人展でも拝見した池崎拓也さんのインスタレーション。「絵画」というテーマで池崎さんの作品を拝見したとき、そこに用いられる色彩や構図的な構成がいっそうクリアに立ち上がってくるように感じられて興味深いです。
それぞれの要素が飄々とした佇まいでそこに存在していて、その感覚的な配置も何とも楽しげで、その一方で基本的に感覚的であるように感じられる配置に潜む「意図」へと想いを馳せたときに、さまざまなディテールの面白さにも感じ入り、そこからイメージが広がっていきます。「なんで?」という感覚から引き込まれていくのは何とも痛快です。

池崎さんのインスタレーションを続けて拝見し、いよいよ彼のソロの展示もぜひ拝見したいと思う次第です。ひとつの空間にぎっしりと要素が詰め込まれたときにつくりあげられる色彩感や構造に接してみたら、さらに得難いイメージに浸れるような気がします。



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posted by makuuchi at 10:00| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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