源生ハルコ「希う -こいねがう-」
@TOKIO OUT of PLACE
東京都港区南麻布4-14-2 麻布大野ビル3F
03-5422-9699
8/12(金)〜9/11(日)月火水休
12:00〜19:00
Haruko Gensho -Hope earnestly-
@TOKIO OUT of PLACE
4-14-2-3F,Minami-Azabu,Minato-ku,Tokyo
03-5422-9699
8/12(Fri)-9/11(Sun) closed on Monday,Tuesday,Wednesday and national holiday
12:00-19:00
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入り口にかけられた布をくぐって暗く仕立てられたギャラリースペースに入って刹那、並ぶ3点の大作の荘厳とした気配と迫力とに呑まれた次第。これまでもたびたび源生ハルコさんの作品は拝見していて、もとよりのかわいらしさと健気さとが淡く幻想的な響きを紡ぐ風合いがだんだんと深遠さを増しているような感じを受けていたのですが、今回の個展で一気に重厚なほどの深みを獲得したかような大胆な展開に大いに唸らされました。
さまざまな表情を浮かべる赤ちゃんの無垢な顔を大きくモノトーンで描き上げ、それを可憐な蘭で周りを囲むといった構図で統一された3点の連作。モノクロームと淡い彩色のレイヤー感も描かれる情景の深遠な幻想を強めることに深く作用し、生まれたばかりの生命の存在への穏やかな、静かな祝祭感がそこから漂い、溢れます。
源生さんの描写のリアリティにもあらためて魅せられました。やや遠目で眺めたときに感じる臨場感、近付くとそれらが細やかでかつ強靭なストロークの密集で構成され、ふわりと存在のリアリティがほどけていく感覚も切なげな風合いを強めてくれます。
蘭の花と金魚のハイブリッドを描いた小品、花のつぼみを捕らえた写真、奥まった一角に忍ぶように展示されたコラージュ画像の作品と、メインの大作に寄り添うようにして展示された小品もしっかりとそれぞれに魅力を放っていました。
空間としてしっかりと世界観が作り上げられた展示を経て、これからその独自の世界をどのように押し拡げていかれるかも楽しみです。