@ヴァイスフェルト
東京都港区六本木6-8-14コンプレックス北館3F
9/8(金)〜9/30(土)日月祝休
11:00〜19:00

始まる前からどんな感じになるのだろうといろいろと想像を巡らしていたこの展覧会。
内海聖史さんの作品に初めて触れたのが昨年のVOCA展。そこでの縦長の大きな画面、それをさらに比較的高い位置に展示された作品を眺めて、無数の緑の珠がゆっくりと降ってくるような感触が心地よく、以来さまざまなイマジネーションを喚起してくれるその世界に浸るべく同年のレントゲンヴェルケでのグループ展や今年春のAランチ、続くアートワークスギャラリーでの個展、先日のふなばしでの展示などに足を運んだ次第。
そして、心待ちにしていたこの「三千世界」。
僕のイメージとは違って、ちょっと暗めの照明のなか、幸福感あふれる色彩がひとつの壁から広がっていました。
5cm四方の手のひらに乗るほどのちいさな画面。
それらひとつひとつのキャンバスの地は真っ白に塗られ、そこに、「内海さんの色」と言ってもいい緑や青、さらに赤、先日のふなばしの展示でも登場した黒、そしてこれまで出てこなかった紫、紺、黄、茶、メディウムをそのまま使った鈍い透明感の色、さらにそれそれの色に白の絵の具を加えた爽やかな色調が、縦25×横40の1000点がきれいに展示されています。
1000という数から思い描く圧倒的な感じはなく、むしろ軽やかです。
緑や青といった濃い色のなかに上記のさまざまな色彩が浮かび上がるような感触で、こういうのはこれまでの内海さんの展示にはなかったなぁ、と新鮮です。
もちろんそのちいさな画面のなかで、およそ直径5mmほどのドットによって展開される世界は言うまでもなくひとつひとつに個性があり、至近で眺めてその違いを味わっていくのも楽しいです。
これだけの数が揃っているとそれこそ浮かんでくるイマジネーションも膨大。
さらに角度を変えて手前から遠くへと画面が連なるように眺めてみても面白いし、隣り合う2つ、あるいは3つ...という具合にこの1000の構成のなかからミニマムな部分をピックアップしてお気に入りの箇所を探していくのも楽しい。
いろんな人に観てもらいたい展示です。
たくさんの人が観てそれぞれがさまざまなイマジネーションを受けることで、この「三千世界」はさらに広がっていく...そう想像すると、なんだかこれまで感じたことがない高揚感に満たされます。
隣のスペースには、このサイズの作品で円を描くように展示されています。あわせて山本修路さんやカンノサカンさんのドローイングも共に展示されていました。この空間も嬉しいです。