@MARUNOUCHI CAFE 倶楽部21号館
東京都千代田区丸の内3-3-1 新東京ビル1F
7/21(金)〜8/11(金)土日休
13:00〜18:00
3つの個性。
それぞれがそのなかに必要かつ充分なイメージを織り込んで作り上げられた世界。
増田茂さんの風景写真と八木克人さんの女性のポートレートが八木さん自身のディレクションで融合され、神田サオリさんのドローイングが重なる...。
しかもこれらは軸で提示され、風合いはまさに「紙本」と呼んでも差し支えないくらい、日本的な感性がじわりと染み広がるような。
増田さんの風景は、葉が散った冬の樹木の枝のシルエットであったり湖畔に佇む洋館と水面に映る影だったり、この展示のタイトルにも入っているニューヨーク郊外のタキシード・レイクに訪れた場面をそこでの記憶や時間ととも収められたような印象。水墨のような味わいも感じさせるほどに、ゆくりとした時間がそこにはあるように思えます。
八木さんのポートレートは女性の躯のパーツをフォーカスしたもの。一見してそれが女性の身体のラインであることに気付けないほど、むしろ遠い風景ともイメージが同化してしまうほどのなめらかさと陰影。もちろんそれが女性の身体であることに気付いたとき、一気に距離感が近付く...そのイメージの逆転の瞬間はスリリング。
距離感が違うふたつの「景色」が重ねられて作り上げられた世界の奥深さ。画面の端の墨が滲んだような黒。過去と未来、現実と空想、回顧と創造、マジネーションが立体的に行き来します。
そこに重なる神田さんの感性。
ある作品では小さな爆発がそこで起き、宇宙の始まりのような塊が存在していたり、ある作品においては上から下へと風景や体躯のラインに沿って菊の花弁のような線が流れ落ちていく。また、静かに月が灯されていたり、ボディペインティングさながらに身体の部分に装飾が施されていたり...アプローチはさまざまですが、そこにすべてを打ち込むのではなく、その手描きの部分が織り込まれることでさらに孤高の世界へと押し上げているように感じられます。
特に、増田さんの風景になぞる線を眺めていて、もしかしたら神田さんはまさにタキシードレイクに広がる景色に自身のイメージを織り込んでいるのかもしれない、と思い浮かんだとき、その線のスケールがどこまでも壮大に感じられて...。
ひとつの作品をひとたび眺め始めると、常にそこに新しい発見があり、イマジネーションも広がり続け、なかなか離れ難いものばかり。
付けられシンプルなタイトルと、神田さんによる文字もその雰囲気に一花添えていました。
ホントに素晴らしいコラボレーションです。
平日昼のみ、しかもDMがないと入れなかったりとちょっと観るには面倒なところもあるのですが、その手間をかけても一見の価値がある展示です。
この日は神田さんのボボディペインティングのパフォーマンスも行われました。
一足先に登場したベリーダンサー。続いて鈴と鐘の音に先導されて、自身のペインティングが入ったセパレートの白のドレスを身に纏い、パレットに並んだ道具を手にした神田さんが登場。
DJが展開するオリエンタルなサウンドをバックに、完全に自己の世界に入り込んだ神田さんはひとつひとつに意味を感じさせる振る舞いで、するするとダンサーの肌に線を飾り付けていく...。
最初は床に座った状態で続けられ、途中から立ち上がってさらに。
おおよそ完成し、事前にボディペインティングが施されているもうひとりのダンサーも登場して土着的な打楽器のグルーブにあわせて暫しの宴。神田さんも共に踊る!
これだけのパフォーマンスモードに自己を追い込める神田さんに感服です。圧倒的なステージでした!


