@B GALLERY
東京都新宿区新宿3-32-6 BEAMS JAPAN 6F
6/22(木)〜8/15(火)
11:00〜20:00
和紙に滲む墨。
それが醸し出す独特の風合い、深み。
こういう空間がB GALLERYに作り上げられている新鮮さ。
始まってすでに随分と経っている大橋陽山さんの個展。楽しみにしていつつもなかなかちゃんと伺えなかったのですが、ようやくこの週末にしっかりと拝見することができました。
文字が持つ力というのはやはり特別です。
専門的な用語はちょっと分からないのですが、力強い草書で書かれた文字は、まさにその意味をダイレクトに表現しています。
時を遡ってその文字の意味の根源がそのまま形になる瞬間を捉えたような線のうごめきに加え、現代に息づくスピードをも感じさせるダイナミックさが迫ってきます。
「走」。もともとはもっと長い作品だそうです。
「空」、「天」、「地」。
意味を知ることで得られるイメージが一気に深遠に。
この空間をひとつ違うものに押し上げているアイテムは、天井から床へと微妙なたわみを持たせながら、まさに上から下へとひとつの流れを生み出すように飾られた軸。
そこに書かれた文字は「月」。
Tシャツや日本酒とのコラボレートも面白い!
こういう形で活かされる文字の面白さ。ひとつのデザインとしてもたいへんユニークな存在感を放っています。
自分が持っている「日本人的な感覚」の再確認。
先日の山口英紀さんの個展でも感じたことですが、こういう「書」を面白いと思うのは、自分が日本に過ごす日本人であるからというより、国籍に関係なくこういう「日本的(あるいは東洋的)」なものを面白いと思う感性があって、そこを刺激されるからなのでは、と思った次第。