大槻素子『a blank』
@アルマスGALLERY
東京都江東区深川2-2-3
03-6412-8210
2/26(土)〜3/12(土)月休
12:00〜19:00

Motoko Otsuki "a blank"
@HARMAS GALLERY
2-2-3,Fukagawa,Koto-ku,Tokyo
03-6412-8210
2/26(Sat)-3/12(Sat) closed on Monday
12:00-19:00
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クリームのような、やさしくて和やかな風合いのタッチとテクスチャー、それで描かれるケーキが醸し出す雰囲気は思わず笑みがこぼれそうで、それでいてキャンバスに乗る絵の具の濃厚な質感によりほんのりと独特のスリリングな緊張感が漂う作品群をまず、大槻素子さんというと思い浮かべるのですが、今回の個展では描かれるモチーフのバリエーションが一気に広がり、またそれに合わせて用いられる色彩も増え、そして爽やかな雰囲気がふわりと空間を満たしていたのが心地よく感じられました。
サンドイッチやサラダなど、朝の食卓を彩るような印象のフレッシュなモチーフが採り上げられて楽しくて、また緩やかな具象性とストロークの濃厚さが描かれる情景の爽やかさにしっとりとりた穏やかな風合いをもたらします。
他にもさまざまな食材や料理が登場してきます。
淡い色彩が多く用いられることで軽やかな風合いも生まれて、作品を眺めているとふわりとした心持ちで満たされていきます。そして少しだけお腹もすいてきます。
構図のユニークさやそのバラエティの豊かさにも魅せられます。
画面いっぱいに、盛りつけられた料理が描かれた作品の迫力もどこかワクワクさせられ、一方で全体を捕らえて広く描く構図のものは、テーブル、お皿、そして料理のバランスがそのまま色彩のバランスにも作用し、さらに淡くもたらされる大きなシルエットも作品自体の色合いの印象をよりしっとりとおおらかに、豊かにしてくれているように思えます。
スウィーツを描いた作品も。
しかしチョコレートのブラウンのやや沈んだ色彩、加えて背景の濃いグレー調の色彩がひときわ印象的で、また色彩自体の独特のやさしさも展示の中のアクセントとしても効いていました。
いろんな食材が描かれ、多彩な色も用いられて広がった大槻さんのペインティングの世界、テクスチャーの濃厚さとモチーフの爽やかさとが響き合い、新鮮なイメージが嬉しいです。もっといろんなシチュエーションを採り上げた作品も是非拝見してみたいし、楽しみです。