GROUP SHOW:極並佑・近藤亜樹・英ゆう・龍門藍
@imure art gallery | tokyo
東京都新宿区西五軒町3-7 ミナト第三ビル4F
03-6547-5258
1/15(土)〜2/12(土)日月祝休
11:00〜19:00
GROUPSHOW : Yu Kiwanami/Aki Kondo/Yu Hanabusa/Ai Ryumon
@imure art gallery | tokyo
3-7-4F,Nishi-Goken-cho,Shinjuku-ku,Tokyo
03-6547-5258
1/15(Sat)-2/12(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday
11:00-19:00
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imure art gallery | tokyoで開催のグループショー。京都で展示を拝見しているアーティストから今回はじめてのクリエイションまで、バラエティに富んだセレクションが興味深いです。
入り口すぐのところに展示されているのが龍門藍さんの作品群。
スクエアのキャンバスに大きく描き上げられるチョコレートケーキの迫力に引き込まれます。
力強いタッチでどっしりと黒い空間に鎮座する巨大なケーキの姿、溢れるような存在感にたじろぎそうな一方で、用いられる色彩はそれでも美味しそうな風合いを奏でていて、そのギャップに魅せられます。リアリズムへの傾倒が抑えられ、要素のひとつひとつが濃密で、ケーキのかわいらしいイメージと油絵の具の強い素材感とを混在させながら独特の雰囲気を醸し出します。
抽象的な風合いのドローイング作品も。
ペインティングで展開される具象性とは要素の輪郭や雰囲気において一線を画しつつも、どこか通じる儚げなかわいらしさが感じられるのも興味深いです。
京都での個展で拝見して強く印象に残る結い髪と熨斗のモチーフがひとつの画面に収まる作品。頭髪が丁寧に描写され、うなじの部分の艶かしさもしっかりと表現されて、ペインティングで現される迫力とはまたひと味異なる鋭く繊細な気配を奏でています。
スパイラルでの京都造形大の展示や昨年の+PLUSでの展示を拝見している極並佑さん。ジュリアン・オピにも通じる太い稜線とくっきりとした配色で展開されるキャッチーな情景、登場する人物は顔の部分が描かれず、それが導き出す匿名性によってこれほど鮮やかな色彩を備えているにも関わらずクールな雰囲気を醸し出しています。
これまでは背景が単色であったり、あるいは人物の描写と同じく太い稜線とストレートな色面とで部屋の風景が表現されている印象が強かったのですが、今回はその背景にユニークなアプローチが織り込まれている作品が発表されているのが興味深いです。
びっしりと背景を覆い尽くす、整然と並ぶ大きなドット。そのずらりと広がる穴越しに雄大な風景が現れていて、ダイナミックな奥行き感が生み出されています。しかもそちらは稜線を用いず比較的リアルなイメージが提示されていることもあり、手前に佇む2人の女性のキャッチーな存在感との間にもたらされるユーモラスなギャップが痛快です。
さらにドットもなくなり、風景と人物とで構成される作品も。景色と人物とのコントラストはさらに強まります。
ほぼ無彩色で描写される背景、どんよりとした曇り空とその暗い空の表情をを映し出す海、どこまでもずっと向こうまで続いているような空間が荘厳な雰囲気を漂わせ、ぐっと手前に背を向けて見返りながら佇む女性の存在感を際立たせます。ふたつの異なる世界が共存し、なんとも不思議な物語が脳裏をよぎっていきます。
英ゆうさんは京都で開催された個展で発表された作品が展示されています。
ペインティングでは花畑を細かいパターンで表現し、濃い色調と小気味よいリズム感に魅せられます。
細かいパターンが描き込まれる作品とはまた違った面白みを醸し出すペインティングも。どこか緩さが広がってコミカルな雰囲気を奏でつつ、画面左のグリーンの絵の具の垂れる部分の生々しさがその緩さの中に緊張感をもたらしています。
厚めの手漉きの髪を用いた版画作品も。
素材の質感とそこに乗るモチーフの有機的な風合いが独特の味わいを奏でます。あたたかみを備える版画のように思えます。
今回はじめて拝見する近藤亜樹さんの作品。
明るい色彩が際立つ色使いと画面に分厚く乗せられる絵の具の濃厚な物質感とで、無垢な感覚も保たれた伸びやかなイメージがエネルギッシュに描き上げられています。
黒を始めとして暗く濃い色が多く用いられている作品でも、どこか明るさ、勢いの良さを感じさせてくれるのが痛快です。
ピンクなど明るい色が大胆に用いられる作品は、それぞれの色彩の鮮烈さが際立って観る者の感性を煽るように激しい雰囲気を生み出します。カラフルな色彩の足と腹部とがユーモラスなクワガタらしきキャラクター、その表面は油絵の具の立体感が力強く表出し、その横にふわりと姿を現す女性の消え入りそうで、それでも濃厚さを保つ気配の存在も相まって強烈なインパクトを伴って迫ってきます。粗い仕上がりもむしろ魅力的、そのプリミティブな感触に引き込まれです。
大きな作品でも要素のひとつひとつの濃厚で濃密な存在感は一切弱まることがなく。逆に画面が広くなったことでそこに展開される物語性にさらなるダイナミズムがもたらされ、時空をねじ曲げるような異様に力強いシュールな世界が繰り出されています。登場するモチーフも増え、ひとつの情景に押し込まれる縮尺のバリエーションがその強烈さに拍車をかけ、またモチーフごとの動きのイメージがひとつの情景の中でぶつかりあうようにして混在していることで、凄まじくアグレッシブな雰囲気を創出しています。厚塗りの油絵の具の臨場感も遺憾なく発揮され、殺伐としていながらひたすらにポジティブで刹那的な展開に圧倒されます。
それぞれ異なるテンション感が互いのユニークさを際立たせているような感じも嬉しいグループショーです。



