堀藍 "物有引力"
@Ohshima Fine Art
東京都新宿区西五軒町3-7 ミナト第三ビル3F
03-3235-2271
1/15(土)〜2/5(土)日月火祝休
13:00〜19:00
Ai Hori 'Objectophilia'
@Ohshima Fine Art
3-7-3F,Nishi-Gokencho,Shinjuku-ku,Tokyo
03-3235-2271
1/15(Sat)-2/5(Sat) closed on Sunday,Monday,Tuesday and national holiday
13:00-19:00
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Ohshima Fine Artでの堀藍さんの個展です。
銅版画にして、実に緩くのんびりとした雰囲気が紡ぎ出されてなんとも和やかな印象が届けられます。大きな余白と小さな人物、そのアンバランスさが味わい深い魅力を醸し出します。
遊び心がこれまで以上に大胆にもたらされているのも興味深いです。
画面に取り付けられるチェーン、そこを昇っていく人の姿。ふわりとした質感で表現される山の縁と鋭い線で表現される人物の輪郭、そのコントラストが独特のスケール感へと転化されておおらかな景色として現れているように思えます。
画面のサイズの如何を問わず小さな人物描写が繰り出され、それがもたらす独特のユーモアに惹かれます。その小ささはかわいくもあり、しかし登場する人物自体はこの作品だとまずすべて大人の男性しかも仕事中、決して和やかなシーンではないはずなのですが、その場面を大胆な視点で俯瞰し、さらに同じく大胆に背景の省略を行うことでなんともコミカルな雰囲気が満ちてゆるゆると漂ってきているように感じられます。
構図にもそのユニークさは発揮されます。
細長いガードレールとその端にしゃがむ人。ガードレールの無機質にただ伸びる様子は、それ以外の何物も登場していないこの場面にシュールな空気感を導き出しているように思えます。一部に黄色く彩色が施されていることで、これだけある意味ほとんど何もない場面に強いコントラストが生み出され、ぱっと目にした瞬間にこの空気感に引き込まれます。
並べて展示されている皿回しに興ずる人々の作品も痛快です。
こちらも画面に立体的なアプローチが行われ、鮮やかな色の皿が登場することでどこか殺伐とさえしているとも言える大きな余白に明るさが灯って賑々しく軽やかな雰囲気がもたらされているように思えます。
登場する人々の仕草もいちいちコミカルで、その一生懸命さがまたじわじわくるような可笑しみを増大させているようにも感じられます。
背景が黒で表現され、夜の雰囲気が現れている作品も。この展示でひときわ重いアクセントとなって、ひとつだけ異なる気配の印象もひときわ強く印象に残ります。広げられているシートかなにかの抜けた白の明るさが際立ちます。
さらにドローイング作品も。ほぼモノトーンの色調で統一された空間にその色合いは馴染み、ふわふわとした紙の質感や滲む黒の淡い広がりもどこか銅版での表現に通じる味わいを届けているように思えます。
さらに展示方法がユニークな作品も。
ぶら下がる太くて大きな数珠、けったいなシチュエーションで起こる場面がその周りに筒状に展示される銅版画に表現されて臨場感が膨らみ、シュールな感触に満たされます。そもそもこのぶら下がる数珠は何、という根本的な謎めきすらユーモアに転化され、そして堀さんがゆるゆると紡ぎ出すのんびりとした雰囲気が空間に緩やかに作用して奇妙に心地よい違和感となって心にするりと忍び込んでくるんです。
奥にはこれまたユーモラスな作品が。
コップのむこうに人影。まるで温泉に浸かっているいる様子がまあ絶妙に表現されていて、しかもコップにはずいぶんとまあ濃い色の液体がなみなみと。。。
いったいどんな効能があるんだよ!?Σ( ̄口 ̄;)
なんて想像も浮かんできたり。。。
ふわふわと広がる大きな余白とそこに細やかに描写される人々、その仕草のかわいらしさとコミカルさ。これまで拝見している作品でもその風合いは紡ぎ出されていますが、さらにバラエティに富んだ場面が展開されているのもさらに楽しさを加速させているように思えます。
すっごく大きな作品とかも観てみたいなぁ、なんて思ったりもします。



