AKI INOMATA “インコをつれてフランス語を習いに行く”
@AI KOWADA GALLERY
東京都江東区清澄1-3-2-6F
03-6313-7700
11/27(土)〜1/15(土)日月祝休
12:00〜19:00
AKI INOMATA "French lessons with a Parakeet"
@AI KOWADA GALLERY
1-3-2-6F,Kiyosumi,Koto-ku,Tokyo
03-6313-7700
11/27(Sat)-1/15(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday
12:00-19:00
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AI KOWADA GALLERYでのAKI INOMATAさんの個展です。
フューチャリスティックな空間を創造したインスタレーション、携帯電話をアレンジした作品などさまざまなアイデアを形にしていくような展開がいつも新鮮なイメージを届けてくれるユニークなクリエイションを展開されるAKI INOMATAさん。今回の個展では、フランス大使館跡で開催された展示で発表された「やどかりに『やど』をわたしてみる」の一連の作品と、展示タイトルにも据えられた映像作品とで構成され、斬新さとコミカルさとが独特のバランスで繰り出されている様子がなんとも楽しく感じられた次第です。
入り口正面に上映されていた映像作品。
タイトル通りにフランス語を学ぶときにインコも常に同伴するというシンプルな記録映像的な作品で、INOMATAさんを含むいっしょにフランス語を習う女性の皆さんや教える講師役の方(すべて分かる方にはお馴染みだったりするのもまた楽しかったりします)の声も賑やか、インコの仕草がまたかわいくて、全体的に淡々とした静かな進行ながらも終始おだやかで明るい雰囲気が保たれています。
特に最後の場面でインコがしゃべる場面がなんともいとおしく、そして例の鳥がしゃべる感じのユーモラスさがこの小さな物語、というか時間の記録の「落ち」として心地よいおさまりを間たらしてくれるのも印象的です。
ヤドカリの作品は、これはフランス大使館跡での展示で拝見したときにもまず感じたのですが、とにもかくにもこのアイデアを思い付いた時点で「勝ち!」といった印象で。
ただでさえちいさな貝殻に器用に身体を収めるヤドカリの仕草自体が充分にかわいいのですが、その貝殻の部分が都市や城壁やらなどの風景になっていて、さらに透明なのも効いていて、ヤドカリがそのINOMATAさんが作った「宿」に身体を収める様子がとにかく痛快です。
丸い画面の写真作品、白い背景にさらされるヤドカリたちの姿が何ともけなげというか、いとおしいことこの上なく。。。しかもカッコいいという。。。
新しい、しかもずいぶんとハイカラな宿を得てかさかさと動くヤドカリの様子をとらえた映像も。このかわいらしい動きに様々な感動やら感嘆やら驚嘆やらが沸き起こってきます、もう目が釘付けです。
そして、「宿」も公開されていたのも嬉しい限りで。
小さな台の上に乗せられた「宿」は、その台座からの光を受けて透明のフォルムの瑞々しい風合いをいっそう際立たせながらそこに佇んでいるような感じも印象に残っています。
ひとつひとつをじっくりと眺めると、ヤドカリがちゃんとうっかり(笑)入ってくれるようにていねいに再現された入り口の穴から続く貝殻の再現部分と、その貝の上に乗るようにして小さく作り込まれた都市風景、それぞれのシャープなフォルムが洗練された美しさを奏でていました。
これらは最近少しずつ目にするようになってきた「立体出力」なるテクノロジカルな手法を用いて製作されているとのこと。なるほどそれであれば、穴の内部の再現も可能、と唸らされた次第。
透明の素材を用いたことで、この小さな造形に備わる実に細かいテクスチャー、貝殻部分の複雑で抽象的な凹凸と都市や城壁が小さく再現されている様子の緻密さが陰影によって美しく表出されていて、その精緻さと澄んだ緊張感にも引き込まれていきます。
奇しくも生き物が登場する作品がパッケージされた今回の個展、それぞれのかわいらしさがユニークな視点で引き出され、またさらにそれぞれに「言葉」や「住居」といった「人間」の営みに強く関わる要素を生き物を登場させることであらためてそれらのことについて想いを馳せることが促されることも興味深く感じられました。
これからどんなクリエイション、唐突なアイデアが出てくるかがホントに楽しみです。



