あるがせいじ展
@巷房・2
東京都中央区銀座1-9-8 奥野ビルB1F
03-3567-8727
9/6(月)〜9/11(土)
12:00〜19:00(最終日:〜17:00)
Aruga Seiji Exhibition
@Kobo 2
1-9-8-B1F,Ginza,Chuo-ku,Tokyo
03-3567-8727
9/6(Mon)-9/11(Sat)
12:00-19:00(last day:-17:00)
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巷房・2でのあるがせいじさんの個展です。
この展覧会の会期が1週間なのはホントにもったいない...。
出展されている作品数こそ4点と少ないですが、それぞれの作品からあるがさんの真骨頂と新展開とが感じられ、充実した構成となっているように思えます。
お馴染みの、スクエアの画面のなかに複雑なカットが施された紙が重ねられた作品。
1枚1枚に残る紙のラインの緊張感に意識が引き込まれていきます。
それぞれ垂直方向と水平方向とにストレートに走り、垂直に交錯していくライン。そのひとつひとつはむしろ「張っている」ような感触もあり、それがもとは1枚の紙である、という事実を忘れさせてくれるほどにシャープなイメージが放たれているようにも思えます。
それが幾重にも重なることで平面としての縦と横の関係性に物理的な奥行きが加わり、画面のなかに壮大なスケールを連想させる圧巻の空間が生み出されていて、その高密度の構造に魅せられます。
さらにその紙にプリントされた無機的な画像が、複数の紙による陰影と絡み合っていっそうミニマルな世界が創出されているように感じられます。
新たな展開を思い起こさせるユニークな作品。
遠目で眺めると、それこそミニマルな世界の極地というか、まるで手描きで白地に大小の黒のドットが配置された抽象的な平面作品に見えて、不思議な印象を抱きます。
それを至近であらためて眺めると、そのドットのひとつひとつに奥行きが...。
どうやらストレートに奥へと伸びているようではなく、少しずつ斜めに構築されているような印象で、そのことに斬新さを感じます。この奥へのイメージがぐん、と深まり、重厚な感触が迫ってくるような...。
表層の部分がこれほどシンプルなあるがさんの作品はこれまでお見かけした記憶がなく、考え抜かれた無機的で冷静な構造がくっきりとした輪郭のイメージを生み出している印象の作品が大勢を占めるなかで、こちらの作品はひときわその手仕事の部分が際立ち、これまでにない抽象的なイメージに溢れているのが面白く感じられます。
立体作品が1点。
コンパクトな空間のほぼ真ん中に設置された台上に、一見しただけでその世界観に魅せられてしまうほどの凄まじく複雑な構造が聳えています。
500枚を超える紙が重ねられて構築される圧巻の構造。
それほど大きな作品ではないにもかかわらず、いやむしろ、だからこそ、重なった紙の段差が導き出すアグレッシブな表層や、上から下へと視線を流していって奥まっていく部分と突出してくる部分とがさらに複雑な空間性にイマジネーションが刺激され、一気に引き込まれていきます。
時間を忘れて眺めていると、いろんなことに気付かされるというか、「もしかしたら・・・」ということが思い浮かんできます。その感覚はぜひとも実際にご覧いただいて感じてほしいのですが、そういって思い浮かんだことがどんどんと「間違いない」と確信に変わっていく感じがまた楽しいんです。
とにかく、無数の発見と刺激が満ち溢れているように思えます。
手仕事によるカットによってあの1mm以下のサイズをコントロールし、創出されるさまざまな構造は、その随所で信じ難いほどのレベルの精度と手仕事だからこそ微細なズレがせめぎあっていて、それが独特の凄みを放っているように感じられます。
冒頭の繰り返しになりますが、この展覧会は会期が今週土曜日まで。ぜひとも多くの方に実際にご覧いただき、至高のペーパーワークによる凄まじい構造から刺激を受けていただきたいと思う次第です。



