「物語の伏線」 Part 1:井上大輔 鎌田友介 上村洋一 畠山瑞規
@GALLERY MoMo Ryogoku
東京都墨田区亀沢1-7-15
03-3621-6813
7/2(金)〜7/17(土)日月祝休
11:00〜19:00
"Hints for The Story" Part 1:Daisuke Inoue,Yusuke Kamata,Yoichi Kamimura,Mizuki Hatakeyama
@GALLERY MoMo Ryogoku
1-7-15,Kamezawa,Sumida-ku,Tokyo
03-3621-6813
7/2(Fri)-7/17(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday
11:00-19:00
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アーティストの大庭大介さんのキュレーションによる、フレッシュな個性をパッケージしたグループショー。前後半で各4名ずつのアーティストが紹介されるのですが、その前半ではさまざまなメディアのクリエイションが揃えられ、実にバラエティに富んだ構成となっています。
まず出迎えてくれるのが、畠山瑞規さんのペインティング。
画面ごとに統一感ある色彩で、有機的なパターンを沿わせながら独特のスケール感を備える不思議な情景が描き上げられています。
うねるかたちが導き出す立体感、奥行き感に引き込まれます。
そのひとつひとつはていねいに描き上げられ、かたちとしての存在はそれ自体に強度を感じさせてくれます。
そして、全体にもたらされるおおらかな陰影が、その抽象性の高いかたちを分割し、ある場面を創出しています。そのふたつの異なるスケール感がひとつの画面に巧みに織り込まれているところに得難いユニークさが生み出されているようにも思えます。
独特の「増殖感」がとにかく面白く、その動的なダイナミズムにぐんぐんと引き込まれ、イメージもそれに伴って膨張し、濃密になっていくような感じです。
もっといろんなバリエーションで観てみたいクリエイションです。
ギャラリーに入ってすぐに目に留まる作品のひとつが、スペースのほぼ中央に設置された2つの台、その上に配された黒の方形の立体物。井上大輔さんの作品で、表面に水が循環し、また撥水性(もしくは親水性)のある素材がその表面に迷路のようなパターンを展開し、いくつかの穴から水が湧く構造によって表層の形状が常に変化を続けていきます。
水が用いられている作品ということで涼しげな感触も奏でつつ、しかし構造としての硬質な印象やブラックの色彩の重厚感、そして何よりパターンの幾何学的な面白さがフューチャリスティックなイメージを呼び起こしてくれます。
さらに、常に流動しながらそのパターン上で浸食と溶解とを繰り返し、表面の立体感を変化させていく水の素材としてのユニークさにも惹かれます。実験的な作品ではあると思うのですが、ここから先にどのような展開がなされるかも興味津々です。
井上大輔さんのもうひとつの作品は、黒を背景にさまざまな光のラインが複雑に絡まるようにして這う写真。こちらはシャボン玉を撮影したものとのことで、子の未来的な幻想性を立ちのぼらせる画像が意外なものから得られていることに驚かされ、そして複雑に蠢く光の線を目で追って、その動きの無秩序な感じにも引き込まれていきます。
鎌田友介さんの作品、提示しているイメージが面白いです。
平面では逆に容易く表現できるいわゆる「奥行き感」を、敢えてふたたび三次元に引き戻して展開したような印象。今回展示されている作品は蛇腹の扉を彷彿させるかたちなのですが、おそらくある位置から眺めたそのものを一旦平面的に解釈し、そこで得られた構造を敢えて平面的な幾何学形体のまま三次元に再生することで、理知的な歪みを空間にもたらすユニークな展開が導き出されているように思えます。
そうやって落とし込まれた作品は、立体であることにより観る角度でさらに新たな、そしてさまざまなバリエーションの奥行き感をその場に導き出し、さらに不思議な平面空間性というか、ある意味なんともシュールな構造をそこに生み出しているように感じられます。
よくよく考えるとそれはどうなっているんだろう、という気付かなかった好奇心をそそるクリエイションのように思えます。
奥のスペースには上村洋一さんの作品が並んでいます。
平面、立体、映像とバラエティに富んでいて、しかもそれらにユーモアと論理性とが同居しているように感じられるのが楽しいです。
シルバーの支持体にさまざまな色彩のドットと線とが整然と配列された作品。これらはモールス信号が基になっているそうで、しかもそれが意味するのは雨音らしく、そう思って眺めると,実は伝えている意味と作品自体の視覚的な印象とのギャップに思わず笑みがこぼれます。
表面にメタリックカラーを配した、キューブを重ねたようなかたちの立体作品。
表層にさらにさまざまなパターンや形が施されていて、それらが光沢による映り込みと相まって不思議な空間をその表面に生み出していき、イマジネーションの拡張を促してくれます。
映像作品は、一見すると淡々と何かが映し出されているだけの淡白なものなのですが、眺めているとその画面それぞれであることが起こるとそれに合わせて音が鳴る、というもので、「あっ!」という感じがなんとも微笑ましく。
今回はバラエティに富んだ構成で新鮮なイメージが満ち溢れていて、それらに刺激されるのが心地よいです。
続く後半では、今度は平面作品のみで構成されるということも伺っていて、そちらもまた楽しみです。



