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2010年04月16日

〜4/14のアート巡り

〜4/14のアート巡り mirror

■4/10 Sat
Stepping IN | OUT 山本晶
アートフロントグラフィックス
東京都渋谷区猿楽町29-18 ヒルサイドテラスA棟
03-3476-4869
4/6(火)〜5/2(日)月休
11:00〜19:00
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GALERIE ANDOでの個展などで拝見している山本晶さん。そのときは小品のみで構成されていたのですが、今回は大作を中心にさまざまなサイズのものが取り揃えられ、山本さんの明るくポジティブで、そのなかに繊細さや感性の揺らめきが紡がれていくような世界がよりおおらかに展開されています。


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山本さんの作品を直に拝見してまず、そのマチエル、画面の質感に目が向かいます。
マスキングなども駆使され、バラエティに富むパターンが、しかも手仕事のあたたかみを残しながら展開されていて、さらにその上にもストロークが重ねられているなど、モニターやDMなどで画像を観た時の印象と比較すると、思いのほかその画面の「粗さ」が目につきます。
敢えて言葉にするとそれは「雑な仕上がり」ということにもなると思うのですが、しかしじっくりと対峙していると、そこにある要素全てが「感覚的な意図」に基づいて繰り出されているように感じられてきます。絵の中の情景がそういう風に育ち、広がっていく様子が肌で感じられるような、そういう深みに惹かれ、「なぜここにこのモチーフや色彩が入り、重ねられてるんだろう」というふわふわとした謎めきがそのイメージを膨らませてくれるんです。


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不思議な、というか変な言い方になってしまいますが、「観なければいけない絵」という印象です。観ることでそこに現れたものひとつひとつがさまざまなイメージを呼び込んでくれるように感じられます。そして、得られるイメージももとよりの画面の明るさによって沈むような感じがそれほど強くないのも嬉しく思えます。


山本晶_01.JPG



真島直子展「密林にて」
ミヅマ・アクション
東京都目黒区上目黒1-3-9 藤屋ビル2F
03-3793-7931
3/10(水)〜4/10(土)日月祝休
11:00〜19:00
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最終日に滑り込みで再訪。
人が少ないと、今回出品されている唯一の立体作品の存在感はさらに際立って感じられます。


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至近で眺めたりすると相当にグロテスクなのですが、それでもなんとも言えないかわいらしさが醸し出されているように思えるから不思議です。頭部が異様に膨らんだ骸骨も浮気上がる肋骨も剥き出しの歯も、妙にコミカルに感じられるというか...。


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鬱蒼とした情景を思い起こさせる鉛筆画は、味わい深さを伴う筆致でダイナミックなスケール感が創出されているように感じられます。


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眺めていると、さまざまな流れのようなイメージが画面から届けられます。
そして、全体を俯瞰しているような視点が得られるのも興味深いです。加えてひとつひとつのストロークに生命の蠢きを濃く思い起こさせてくれるのも興味深く思えます。


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sal 展
GALLERY MoMo Roppongi
東京都港区六本木6-2-6 サンビル第3 2F
03-3405-4339
4/10(土)〜4/30(金)日月祝休
12:00〜19:00
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展示作品数こそ4点と少ないものの、そのひとつひとつがあてがわれるギャラリーの壁面のほぼ全面を覆い尽くすほどのサイズで、ギャラリーの中を外から眺めた時点でそのスケール感に圧倒されます。


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サイボーグを思い起こさせる、メカニカルな表現と有機的な描写とが巧みに混在させられている作品群。黒の背景なども含め、ほぼ全ては鉛筆で描き込まれていて、その身近な黒の色調によって、ただ危ういような雰囲気が立ちのぼっているだけに留まらず、どこかポップな雰囲気をも高めているように思えるのが興味部かいです。


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構造のクリアさにも惹かれます。あまり難解なポーズや画面上の配置がなされていない、分かりやすい感じも嬉しいです。
数枚の布地を縫い合わせて作られる支持体に描かれる迫力の作品群に接し、小さな画面に描かれるとどういう世界が出てくるんだろうという興味も湧いてきます。


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カオス*ラウンジ2010 in 高橋コレクション日比谷
高橋コレクション日比谷
東京都千代田区有楽町1-1-2 日比谷三井ビルディング1F
03-6206-1890
4/10(土)〜4/18(日)
11:00〜19:00
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昨今話題を集めるカオス*ラウンジ、その展示とようやく対峙できるとあり(先に開催されたGEISAI#14へは行けなかったこともあり...)、初日にまず足を運んだ次第。

おそらく僕の今の興味が向いている方向とはやや異なっている印象がありました。どちらかというと、それがコンセプチュアルなものであってもまずは「作品」それ自体のクオリティ、質の部分に目を向けがちなので、今回の展示を拝見し、おそらくまず間違いなく彼らが伝えようと意図する部分よりも先に「粗さ」を捕らえてしまうのが、自分にとって残念に感じられます。。。

もとい、翌日にもあらためて足を運び、その時はトークショーが開催されていたので展示を観る位置はある程度限られていたのですが、むしろある程度の距離を置いた状態で眺めた時のほうが、そこで繰り広げられているクリエイションの強度とパワーがよりダイレクトに届けられたように感じられたのが興味深く思えます。特に正面の壁面に展開されている梅沢和木さんの圧巻のグラフィック、華々しい色彩に溢れる情景の極めて現代的で今の感覚に満ち溢れる荘厳に接すれば、それはもう「おおっ!」と唸らずにはいられないです。

で、トークショーは全編を拝聴できていないのでその流れは掴めていないのですが、なんとなくの印象として、カオス*ラウンジの面々は相当にクリアに自身の展開とヴィジョンを持っているように思えた(彼らの発言は聞いていて単純に面白かったです)一方で、相対する外部の側の方々はそれに対して何かを言わなければいけないのだけど言葉が追いついていない、もしかしたらイメージも追いついていないのかも、というように感じられました。
僕自身、興味はあれどまだ何かを言えるほどに彼らの作るものに接していないので、機会を作っていろいろとチェックしたい、そして僕にとっての距離を掴めるといいな、と思っています、どうなっていくか分からないけどとにかく面白そう,今は僕はそれでいいのかな、と思う次第です。



北城貴子 HOJO TAKAKO
a piece of space APS
東京都中央区銀座1-9-8 奥野ビル511号室
03-3567-4330
4/7(水)〜4/24(土)日月火休
12:00〜19:00
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ちいさな空間に展示されている北条さんの作品はたったの2点。しかし、それでも充分に、北条さんの「今」を伝えるポジティブな空間が創り出されているように感じられるのがとにかく嬉しいです。


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コンパクトな空間の正面に展示された大きめの作品。
昨年京都での個展などで拝見した時と比較すると、画面全体が明るく、爽やかになっているように思え、その清々しい気配が心地よく感じられます。
画面の艶やかな仕上がりも、光に溢れるような風合いをより鮮やかに導き出しているよう思え、ふわりとした浮遊感にも似た、ぬくもりに溢れる高揚感に浸れます。


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カウンター側にも小品が1点。瑞々しい気配感がとにかく心地よいです。
ちょっと先の季節のイメージもあって、この次期にこの展示が観られるのも嬉しく思えます。


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岩渕華林展
ギャラリー椿GT2
東京都中央区京橋3-3-10 第1下村ビル1F
03-3281-7808
4/5(月)〜4/10(土)
11:00〜18:30(最終日:〜17:00)
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これまでシルクスクリーンの作品を拝見してきましたが、今回の岩渕さんの個展ではペインティングがその展示の中心に据えられていました。
版画作品と同様に黒をベースとした情景が展開されていますが、シャープなエッジが印象的な版画作品とは異なり、揺らめくように滲む描写がこれまでにない深みを醸し出しているように感じられました。


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お馴染みのモチーフも、これまでとはやや違う、どこか幻想的な風合いが醸し出されています。画面全体がメロウになった分、艶かしい感触が増したように思えます。


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もちろん、版画作品も数点展示され、そのコントラストも直に感じられたのも嬉しかったです。
版画のポップさとペインティングの妖しさ。それぞれが個性的な風合いを持ち合わせていて、それらが並行して展開されることでその世界観もより深まっていくように思え、今後もいっそう楽しみです。


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熊谷明子 上田真由美展
アートギャラリー環
東京都中央区日本橋室町4-3-7
03-3241-3920
3/29(月)〜4/10(土)日休
11:00〜18:30(最終日:〜17:00)
熊谷・上田1100329.jpg

ふたりの女性アーティストがそれぞれのフロアでほぼ個展形式で紹介されていて、大阪で拝見して印象に残っている上田真由美さんの作品の魅力にあらためて接することができたのが嬉しかったです。


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白地に黒、そしてその隙間に潜むパステル調の色彩。黒はその存在を主張しつつ、他の色彩をくっきりと際立ててもいるように感じられ、そのバランス感がなんだか楽しい心地よいイメージをもたらしてくれます。


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やや濃い色調の作品も。
ペインティングとして相当にオーソドックスな風合いも持ち合わせていて安心感があり、加えて描かれる情景の身近さも相まって、画面のなかに満たされる和やかな雰囲気に何だかほっとするんです。


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さらに風合いの異なる作品も。


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ほっこりとした風合いと、溌剌とした色使い、画面に乗る絵の具の臨場感など、豊かな面白味に満ちた作品群です。
この展示の直後にGALLERY ZEROで開催される、即ち現在開催中の個展ではさらに新作で構成されているとこのとなので、こちらも楽しみです。


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中谷ミチコ そこにあるイメージ
森岡書店
東京都中央区日本橋茅場町2-17-13 第2井上ビル305
03-3249-3456
4/5(月)〜4/10(土)
13:00〜20:00
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今年のVOCA展で奨励賞を受賞され注目を集める中谷ミチコさんの個展です。
まずこの空間、古びたビルの一室におそらくヴィンテージもののアートブックなどを並べ、レトロな雰囲気がひたひたと広がっている森岡書店、その奥に構えられている展示スペースで観られたのが嬉しく感じられました。この雰囲気に、中谷さんの世界観はじつにしっくりときます。

床置きの作品。
中谷さんのこのシリーズの作品、VOCAに出品されたものと同じシリーズのものなのですが、そのVOCA展で子どもが無邪気に「この絵、右から観るとこっち向くし、反対側から観ると今度はこっち向くんだよー」と連れのお父さんに話していて、むしろ僕もそれで「おお...なるほど...」と感心させられた次第で。
中谷さんの仕事は、やはり彫刻家のそれだと基本的には思います。しかし、その技術をこのようなかたちで「平面」に落とし込まれたときに得られるユニークな効果にはあらためて唸らされます。
加えてどこかレイドバックしたような雰囲気にも惹かれます。ゆったりとした時間の経過を思い起こさせる世界観、その緩やかさにも和まされます。


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魚の鱗を纏う人物像。びっしりと覆い尽くされる鱗の密度、その緻密で細やかな表現にも引き込まれます。


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立体の作品も1点、窓際にさり気なく。


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本来であれば「凸」の表現である立体での展開を、敢えてこうやって「凹」の表現に落とし込み、樹脂で凹んだ部分を埋めることで表面に平滑性も獲得され、そのアプローチの面白さにさまざまなイメージも広がっていきます。何というか、奥まっているはずなのに、出るところが出ているように感じられるのが不思議です。
緩やかに、そして儚げに綴られていくような独特の物語性も含め、これからどんな世界が創出されていくかも楽しみです。


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森村泰昌「なにものかのレクイエム:外伝」
ShugoArts
東京都江東区清澄1-3-2-5F
03-5621-6434
3/11(木)〜4/28(水)日月祝休
12:00〜19:00
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いつものさまざまな歴史上の有名人を森村さんが演じた写真がずらりと並んでいます。
中にはこれまで拝見しているお馴染みのもの、既知のものも多数含まれ(ているように思ったのですが・・・実際はどうなんだろう)、アーカイブ的な要素も感じられるのですが、1点、絵画制作中のポロックを演じた写真があり、それは僕がポロックがどんな容姿なのか知らないこともあり、また絵の具を撒くような制作スタンスにも臨場感があって、なんとも不思議な気分に。もちろんここで展示されているので、それが森村さんであることはまず間違いないのですが、もしその空間から森村さんがいなくなったら、もっとリアリティが増すのでは、と。
結構その状況も徹底的にリアリティが追求されているように思われ、そのフェイクの空間は森村さんがいなくなった瞬間からもっと本物へ近づくような想像が浮かんできた次第。女装ものとかを思うと、その不思議さはさらに深まるように感じられます。
森村さんの仕事は基本的にはパロディと捉えて構わないと思っているのですが、パロディにしてはシリアスすぎる...ストイックなスタンスと強烈劇的な違和感とが混ざり合い交わって、その独特の臨場感を創出しているようにあらためて感じた次第です。



大矢加奈子「室内風景」
Gallery Jin
東京都台東区谷中2-5-22 山岡ビル1F
03-5814-8118
4/10(土)〜5/1(土)月火休
12:00〜19:00(最終日:〜17:00)
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独特なスタイリッシュさを醸し出すペインティング、いつものようにオレンジ色を多用し、水まわりの室内の情景などが描かれた大作、小品が展示されています。
はじめて大矢さんの作品を拝見した時にその作品の精度に唸らされたのですが、今もその仕上がりの良さはいうまでもなく健在、そして描かれる情景もよりメランコリックな雰囲気が立ちのぼっているようにも思えたり、または危ういほどのリアリティが届けられたりと、表現される世界にいっそうの奥行きがもたらされているように感じられます。



新田友美 個展「Infinite Set 1」
YUKA CONTEMPORARY
東京都文京区関口1-30-9
03-5272-2476
4/10(土)〜5/1(土)日火休
11:00〜19:00
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爽やかな妖しさに溢れる、ステキなペインティングが並びます。
極めてシンプルな、薄いトーンの色彩を背景に描き上げられる女性の全身像。画面に乗るストロークは、そのひとつひとつが鋭さをたたえていて荒々しささえ感じられるのですが、その集積が奏でる風合いはむしろ清々しく儚げな印象が届けられ、一貫する匿名性などの要素も重なり、独特の凛とした気配が導き出されているような印象を受けます。ほぼ等身大で女性の姿が描かれる大作から肖像のみの小品まで、ひとつの世界観のなかで豊かな雰囲気が創出されているようにも思えます。



■4/11 Sun
Island LOVES FRESH
island
千葉県柏市若葉町3-3
047-170-2404
4/2(金)〜4/11(日)
12:00〜20:00
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最終日に滑り込みで。
アートフェア東京でのislandのブースでも、壁面をペインティングで覆い尽くし、ひときわその溌剌とした展開が強いインパクトを放っていたのですが、この柏の大きな空間でもバラエティに富んだクリエイションがフィーチャーされていて圧巻で、どの作品にも、そのなかに「ひとひねり」入っている感じがまた痛快に思えました。
そのスタンスは何か強烈なオリジナリティを見つけようともがいている、模索しているようでもあり、何だかその必死さにあらためて心打たれます。人物像を象った樹脂のかたまりを回転させることでアバンギャルドな造形を生み出し、体全体で叫んでいるようなアグレッシブなイメージを彷彿させる木村泰平さんの立像や、本来はひとつの空間を覆う形で制作されたペインティングをフラットな壁面で再構築し、パネルの間隔にもウォールペインティングを施しダイナミックな展開を繰り広げた加茂昂さんのインスタレーション、顔料自体の材質の面白さを活かし、クラックがびっしりと画面上に生み出され、それをさらに削ったり擦ったりすることで混沌とした細密世界を生み出している松下徹さんの咲く品など、既に圧倒的な存在感を放つ作品も少なくなかったのですが、それでもさらにその自身の個性にさらなる「確信」を得ようとしているような印象で、そこから得られる「強さ」に期待も膨らみます。



■4/13 Tue
ヤマガミユキヒロ展『Sleep Walking』
neutron tokyo
東京都港区南青山2-17-14
03-3402-3021
4/7(水)〜4/25(日)月休
11:00〜19:00(最終日:〜18:00)
ヤマガミユキヒロ100407.jpg

今回のヤマガミさんの個展では、まず1階では一昨年のTARO賞でも発表されたペインティングに映像を重ねる作品の銀座と渋谷のバージョンほか、2階では写真を用いたコラージュ作品など、バラエティに富んだ構成が楽しいです。
なかでも映像がペインティングに重なる作品は、あらためてその構造の面白さに惹かれます。同じ絵が重なる映像によって時間帯も天候も変化し、映像が途切れたときのペインティングの静寂、その気配が消えた感触のスリルや筆致の生々しさに驚かされます。



「無題 -絵画-/UNTITLED -Painting-」井上樹里,佐原和人,竹内義郎
hpgrp GALLERY 東京
東京都渋谷区神宮前5-1-15 CHビルB1F
03-3797-1507
4/2(金)〜4/25(日)月休
11:00〜20:00

3名の平面作家がフィーチャーされている展覧会。
まず佐原和人さん、今回展示されている中でももっとも大きなサイズの作品に目を奪われます。
お馴染みの都市の一場面をシルエットで描き、さまざまな色彩をそこに施す作品なのですが、よりその空間構成に大胆さがもたらされているような感じで、加えて随所に抽象的な面白さ、豊かな表情が現れていて、それによってもたらされている重厚な幻想的な雰囲気にも惹かれます。


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円形の作品や、細長い画面の作品も。


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参加されている中でもっともベテランの竹内義郎さんは、ひときわ渋く、そして濃厚な雰囲気を創出しているように感じられます。くっきりとした形を画面の中央に据えた抽象世界。独特の深みが伝わってくるように思えます。


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井上樹里さんの描く情景にもおおいに引き込まれます。
パネルに直に描かれるタブローで、ラメが入ったような顔料が用いられていたり、そこにさまざまなテクスチャーが挿入されるなど、アプローチのバリエーションの多さで紡ぎ上げられる静謐に、時間を忘れて対峙してしまうような。スケール感のおおらかさも印象的です。


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小品もそれぞれに面白味を奏でています。
さまざまな色彩での展開に、イメージもさらに広がっていきます。


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■4/14 Wed
Jungle Project!! -Johnny come lately- 安藤隆一郎 稲垣萌子
@MORI YU GALLERY TOKYO
東京都新宿区西五軒町3-7 ミナト第三ビル4F
03-6906-9556
3/27(土)〜4/17(土)日月祝休
12:00〜19:00
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再訪。
凸倉庫でのオープンスタジオで拝見している二人のアーティストの作品群と東京でふたたび相見えることができて嬉しいです。
稲垣萌子さんの版画作品、さまざまなサイズのものが展示されていて、その広い画面で展開されている有機的な世界観にあらためて引き込まれます。


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うねうねと画面を這う,葉脈や血管を思い起こさせる緻密な線の広がり。そこに建物の画像やスカルなどが織り込まれて、異様な妖しさが創出されています。


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独特の世界観の広がりが今後どのように広がっていくかも楽しみです。


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安藤隆一郎さんは、凸倉庫で拝見したものをそのまま発表。
このサイズで展開される緻密な描写が楽しいテキスタイルの作品が白い壁面に展示され、あらためて対峙できたのも嬉しく思えました。


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SPRING SHOW - Room with a view - ten artists, ten creations
Ohshima Fine Art
東京都新宿区西五軒町3-7 ミナト第三ビル3F
03-3235-2271
4/10(土)〜5/1(土)日月火祝休
13:00〜19:00
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Ohshima Fine Artで開催のグループショー。これまでこちらで紹介されたアーティストを中心に、フレッシュな個性がパッケージされていて見応え充分の空間がつくり出されています。

なかでもぐっとその密度に引き込まれたのが及川恵子さんの鉛筆画。
びっしりと描き込まれる密集して生える葉、その鬱蒼とした雰囲気によってもたらされる壮大なスケール感に圧倒されます。
ファイルを拝見するとこのスタイルの作品は他になく、これからどんな世界が展開されるかも興味深いです。


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肉の絵で覚えている笹田晋平さんは、加工される前の吊られる肉の塊を臨場感たっぷりの画面で表現。もってりと画面に乗せられる絵の具、その厚みによってより濃密な雰囲気が生み出されているように思えます。


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大沢拓也
ギャラリー広岡美術
東京都千代田区神田駿河台3-1-7 烏山お茶の水ビル2F
03-5281-1001
4/7(水)〜4/17(土)日休
11:00〜18:30
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これまでも折りにふれて拝見している、今もっとも好きな日本画家のひとり、大沢さんの、一昨年以来、またその時と同様にアートフェア東京での展開に続いて開催の個展です。
今回もこれまでに描かれてきた風景のシルエットの作品を中心に構成され、そのバリエーションに広がりがもたらされるだけに留まらず、漆を用いた作品も前回より多く出品され、さらに進化した大沢さんの世界に接することができて嬉しい限り。

岩絵の具を用いた作品は、人工建造物などの硬質で幾何学的なモチーフはもちろん、さざ波や樹木などの自然物も多く描かれ、さらに精度と繊細さを増した描写とその色彩の選択の絶妙さに感嘆させられます。


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おおよそ筆使いで雰囲気を生み出すような展開はこれまではなかったのですが、こちらの作品にもたらされている筆の流れが画面に残される作品、それがこれまでにない有機的な気配を導き出しているように感じられて興味深いです。


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細密表現の精度はさらに緻密さを増して展開されているように感じられます。立ちのぼる幻想的で静謐な気配、その凄まじい緊張感にも感じ入ります。


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漆の作品は、まずその素材にもとより備わる濃さと深みに惹かれ、岩彩の作品と同様の巧みな構図と高精度の再現性が感じられ、立ちのぼる独特な高貴さと妖艶さに、さらに強くその世界観に引き込まれます。


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大沢拓也_07.JPG 大沢拓也_06.JPG 大沢拓也_05.JPG

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磨き込まれて得られる漆の艶が、描かれる情景のシルエットに硬質な臨場感をもたらします。
独特のクールさがより際立って観るものに届けられます。
あらためてぜひ直にご覧頂きたい作品群です。


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《買った本》
「六つの星星 川上未映子対談集」川上未映子
「天地明察」冲方丁
posted by makuuchi at 06:31| Comment(0) | TrackBack(1) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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ex-chamber museum ミニレビュー。
Excerpt: おなじみex-chamber museumの幕内さんがhpgrpでのグループ展のミニレビューを載せて下さいました。 常にウォッチし続けていただけるのはありがたいですね。 ex-chamber ..
Weblog: thinking
Tracked: 2010-04-29 16:14