@BASE GALLERY
東京都中央区日本橋茅場町1-1-6 小浦第一ビル1F
03-5623-6655
9/28(月)〜10/31(土)日祝休
11:00〜19:00
Keisuke Shirota solo exhibition
@BASE GALLERY
1-1-6-1F,Kayaba-cho,Chuo-ku,Tokyo
03-5623-6655
9/28(Mon)-10/31(Sat) closed on Sunday and national holiday
11:00-19:00
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加速し続ける世界観。
さらに深みとキレを増すハードボイルドな気配。
BASE GALLERYでの城田圭介さんの個展です。
お馴染みの、焦点がぼやけた写真を配した画面からモノトーンで拡散し、闇へとフェードアウトしていくスタイルの作風は保持されながら、今回はさらに新たな試み取り組まれています。そしてそれが描かれる情景のイメージを、空間軸に留まらず、時間軸も含めたさまざまなベクトルへと押し拡げているように感じられます。
ひとつの画面に複数の写真を配した作品は前回の個展でも拝見していますが、今回は敢えて異なる画面、セパレートの画面を隣り合わせてひとつのシーンを構成しています。それらは本来まったく関係のない場所で、時間的にもズレのあるシーンが組み合わされているそうなのですが、画面に配される写真の位置、そこから広がるモノトーンの情景と、パースペクティブな面で緻密な計算がなされ、生み出される違和感さえもクールな調和へと向かっていくかのような鋭い臨場感が導き出されています。
おそらく分割される画面はそれぞれに完成された構図を備えているようにも思える複数の無関係なシーンは、如何なる大胆なコンビネーションが繰り出されていても、そこにはそのセットでなければならないと思わせてくれるほどの重厚な説得力が溢れます。
そこにあるさまざまな要素が気配を消し潜むように闇へとフィードアウトする右の場面と、一転して気配が消されていくような、拡散していく危うさが広がる左側。明度の圧倒的な差異でさえ、またふたつの画面が接する部分で気配の広がりを互いに遮断し合っていても、むしろその、それぞれの画面から放たれるベクトルの衝突、それによって否応なく提示される凄まじくシャープなコントラストがいっそうの深みを醸し出し、イマジネーションをより奥の世界へと導いてくれるような印象を覚えます。
ひとつの作品に用いられる写真の数がふたつから3つへと増え、それにより構成されるパネルの数も必然的に増加。そして巧みな配置と構造により、さらにユニークな空間が生み出されます。
3つのパネルごとに右、左、右と配置される写真、異なる写真が隣り合ってベクトルの衝突を導き出す左側の接触部分のシャープな混沌とは一転し、3つのパネルともほぼ同様の黒のトーン、そして同一加速度のグラデーションで纏められたこともあり、右側の接触部分では一度気配が完全にひとつに重なり合っているように感じられ、これが空間の奥行きに留まらず、時間的にも溶け込んているようなイメージも思い起こされます。
異なる場所と時間がひとつのグラデーションで繋げられていることの違和感。画面上は圧倒的にスムーズなだけに、その歪みは逆に強烈に伝わってきて、イマジネーションに刺激をもたらしてくれます。
さらにアクロバティックな構図へ。
こちらも3つのパネルによるコンビネーションなのですが、大きさこそ異なるものの、同じ写真が左右に配され、その間に違う写真をマウントした画面を挟み込んでいます。しかも写真の幅だけの縦長の、即ちその中央の写真は両方の写真と接しているユニークな構造が時空の歪みをより鮮明に想像させてくれると同時に、同じ写真の共存が、その混迷をさらに深めているように思えます。一体どちらが真でどちらが虚なのか・・・むしろそのどちらも虚構、フィクショナルな印象ではあるのですが、そこに不思議なコントラストが生まれているようにも思え、この手法に対してさらなる興味が芽生えてきます。
今回の個展では1点の映像作品も発表されています。
街の風景を淡々と撮影した映像が粛々と続いていく作品。しかしそれぞれのパートで捉えられているのが、窓ガラスや自動車の車体などに映り込む景色で、ひとつの画面に流れる異なるベクトルの共存が提示されていて、これが城田さんが創り出す世界観のフォルムによりシャープな輪郭をもたらしてくれるように思えます。
今回の個展では複数の画面によってひとつの作品を構成するという以外にもコンセプチャルな要素があり、今回発表された作品に用いられた写真はすべて過去の作品の中に登場しているものをふたたび使われているのだそうで、以前創り出した情景と今回との差異、そこに横たわるイメージの拡張や発展、変化も、この空間で既発表作品と並べて拝見することこそ叶わないのですが、そういった要素があるということも想像を押し拡げてくれます。そして、ほぼすべての作品を網羅した作品集もリリースされるとのことで、それによってしっかりその変化と変遷をチェックできるのも楽しみです。
以前より貫かれる画風、その画風だけでなくスタンスのストイックさにも惹かれ、そこに発展性が常にもたらされることにも感嘆させられます。
このハードボイルドな気配感、どういう方向へと向かい、どんな展開を見せるのかを想像すると、さらに好奇心が湧いてくるんです。





