@ラディウムーレントゲンヴェルケ
東京都中央区日本橋馬喰町2-5-17
6/5(金)〜6/27(土)日月祝休
11:00〜19:00
Ryozo TSUMAKI "KYOKEI"
@Radi-um von Roentgenwerke AG
2-5-17, Nihonbashi-Bakuro-cho,Chuo-ku,Tokyo
6/5(Fri)-6/27(Sat) closed on Sunday,Modnay,and national holiday
11:00-19:00
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繊細で緻密なスロロークが紡ぐ、とてつもなく、渋い幻想世界。
ラディウムーレントゲンヴェルケでの妻木良三さんの個展、ストイックな気配の感触に満ち、深遠な世界観が横たわっています。
妻木さんの作品をはじめて拝見したのは、目黒区美術館での鉛筆画を集めたグループショーで、そのときは額のなかに浮かせた状態でそれぞれのタブローが展示されていたと記憶しているのですが、今回は円形の画面を採用、有機的な世界に豊かさがもたらされ、さらに壮大で荘厳なイメージの広がりを思い起こさせてくれます。
妖し気な気配が画面の中にうごめき、息づいているように感じられます。
ぐんと聳える無数の盛り上がり、その連なり。絶妙な陰影が紡ぎ出す情景。まるで、その空間に大河の時間の経過が存在しているかのような、とてつもない重厚さが思い浮かんできます。このスケール感の尋常でない感じ、壮大なイメージの想起を促す力強さにもおおいに惹かれます。
鉛筆によって紡がれるストイックな濃淡は、余白の白さとで美しいコントラストを導き出します。まるで墨の滲みにも似た滋味溢れる質感に心打たれ、そして平滑な画面により、さらなる美しさが引き出されているように思えます。
長い時間の蓄積を思い起こさせる情景感。おそらく相当に抽象的なイメージが基となっていると思われるのですが、画面に横たわる景色は聳える岩のようにも、または虚空を煙る雲のようなもののようにも思えてきます。いずれにしても、このなかでしか感じられない、思い描くことのない独創的な世界観が力強く伝わってくるんです。
円形の画面がとにかく効いています。
圧倒的な描き込みと緻密かつ大胆な陰影、それらが生み出すダイナミックな奥行きとスケール感。ずっと奥へと、遠くへと広がっているような豊かな空間性は、画面が円形であることで自然に、画面の外側へのイメージのおおらかな広がりも促します。直接的に壁面に作用し、留まるところなく想像は膨らみ続けていきます。
透明アクリルのケース状の額に収められた小品も。
コンパクトに纏められた情景にもたしかな強度が備わって、力強くイメージの膨張を促してくるように思えます。
展覧会のタイトルにある「境景」という言葉がさらに深遠なスリルをもたらしているように感じられます。
分厚い空間性と時空のイメージの創出は、想像上の世界でありながらも力強い臨場感を伴って迫ります。備わるイメージの強度が、そして促されるイメージの厚みが現実世界との境の存在にも深い説得力をもたらすように感じられます。
そして、現実と妻木さんが生み出す世界との境は、いわゆる絵画的、視覚的なものだけに留まらず、言葉/物語、あるいは肌触り/空気感で感じ取るようにも思えます。もしくは無意識のなかに潜むのかも、と思ったり...。
今回は円形の画面の作品によって空間が構成され、そこにたゆたう壮大な気配がからだを包み、心の中にイメー時の膨らみをもたらしてくれたような気がします。
大きな作品などもぜひ拝見してみたいです。





