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***美術犬(I.N.U.)第二回シンポジウム開催のお知らせ***
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「美術犬(I.N.U.)」第二回企画シンポジウム「絵画」
日時:4/4(土)15:00〜18:00
会場:トーキョーワンダーサイト本郷
主催:美術犬(I.N.U.)
※入場料無料、予約不要
パネリスト:内海聖史(画家)、千葉正也(画家)、藪前知子(東京都現代美術館学芸員)、佐藤純也(美術家、美術犬)
司会:土屋誠一(美術批評家)
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2008年08月17日

review:土屋多加史展「the reality of Hear-say」《8/1、8/8、8/9》

土屋多加史展「the reality of Hear-say」
WADA FINE ARTS
東京都中央区築地3-2-5 第2平和田ビル
8/1(金)〜8/29(金)日月祝・8/11〜8/18休
11:00〜19:00
土屋多加史080801.jpg

Takafumi Tsuchiya "the reality of Hear-say"
WADA FINE ARTS
3-2-5,Tsukiji,Chuo-ku,Tokyo
8/2(Fri)-8/29(Fri) closed on Sunday,Monday,national holiday and 7/11-8/18
11:00-19:00
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重厚な進化を推し進む、知性。




WADA FINE ARTSでの土屋多加史さんの個展です。
はじめて土屋さんの作品を拝見した時、マルセル・デュシャンの作品群に触れた時に感じた、謎めきながら未来を見据えるような、深い知性を滲ませる雰囲気に通ずる印象を持ったことを今でも強く記憶しています。
金属的な色彩にサイバーなグラデーションが施された背景、それぞれのモチーフははっきり具象的に描かれていながらも組み合わせが言葉には言い表せない不思議な関係性と奥行きを構築していて、「なんだろう...」と首を傾げつつも、その謎めきに緩やかに意識が滑り込んでいくような感覚。

その不思議な謎めきのテイストはそのままに、今回は昨年の個展で発表された作品以上にバリエーションに富んだ素材が画面に投入されていて、そのダイレクトな素材感が現実との距離を近しいもの、その画面に描かれている世界に対して親しみを感じられるへと押し上げているような感触に、まず嬉しい驚きが湧いてきます。

無論、さまざまな素材を用いるセンスに加え、失われない絵画性というか、コラージュとしてのスキルにも目を見張らされます。
今回の作品で初めて使用されたという、大きな画面全面に貼られる箔の見事な絢爛具合、画面から沸き上がるような毛皮の異様なまでのリアリティ、こぼれる廃油を連想させる風合いの部分、そして絵の具に混ぜ込まれたと思われる粗めの粒子が醸し出す立体感。それぞれの素材のテイスト=や色彩感などが複雑に関係しあい、独創的なクールさを充満させているように感じられます。


土屋多加史004 土屋多加史002

土屋多加史005 土屋多加史003 土屋多加史006

土屋多加史001



小さなスペースの隣り合う壁面に向かい合うように展示された、フューチャリスティックなシルエットの大きな兎。背景を彩る箔の金銀が、金属的な光沢を力強く、同時に鈍く放ちます。
土屋さんの作品に多く登場する印象がある兎は、現実世界のそれとは異なり、そのまま月へとイメージが繋がったり、そのフォルムから宇宙人にも思えたり...シャープな角度で切り出され、構築される知性溢れる壮大な世界に圧倒させられます。


土屋多加史008 土屋多加史009

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もう1点の大作でも、素材やモチーフの取り上げ方や関係性からさまざまなイメージをもたらしてくれます。
大判のフェルトに描かれる薔薇のような花の群れ。
フェルトのもりもりとした質感と、薔薇の花のかたちとしての立体感が、天井から床まで垂れ下がる大画面で迫ってきます。
そして、その薔薇の群れによって現されるかたちは、キノコ雲。
過去に人工的に生み出された最強の光の痕跡が描かれていて、他の2点の大作が現す箔の素材の光沢や描かれるテーマ性によって伝わる太陽や月といった自然の光のイメージと関係しあい、さまざまな想いが心を過ります。


土屋多加史012 土屋多加史011

土屋多加史010



今回も、ドローイング的な作品も多く展示されています。


土屋多加史013 土屋多加史014

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モチーフが単独で描かれたものから、さまざまな要素が織り込まれて複雑なストーリーを展開するものまで、バリエーションに富んだ構成の作品が並びます。
作品によっては、紙のコラージュなども織り込まれ、イメージの創出の過程が臨場感を伴って伝わるような感触が興味深いです。


土屋多加史019 土屋多加史017 土屋多加史016

土屋多加史018



よりいっそう全面に押し出される素材感や、ペインティング作品における分厚いパネルなど、絵画の「もの」としての迫力もかなりのインパクトを発しているように感じられます。
当初、抽象的な言葉でストーリーを綴っていた小説家が、より分かりやすい言葉を用いてディテールを精緻に表現しながらも、伝える物語はより複雑に進化している、そういう感想と通じる、土屋さんのアーティストとしての展開が思い浮かんできます。
posted by makuuchi at 10:32| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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