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ex-chamber museum
http://ex-chamber.seesaa.net
〒101-0021 東京都千代田区外神田6-11-14 3331 Arts Chiyoda 205a
MORITAKAとシェア)(google map
tel: 070-5567-1513
mail: exchamber@yahoo.co.jp
インフォメーション

ex-chamber museum
3331 Arts Chiyoda 205a, 6-11-14, Soto-Kanda, Chiyoda-ku, Tokyo, Japan
(sharing the space with MORITAKA)(google map
mail: exchamber@yahoo.co.jp
information

artists
伊藤航 Wataru Ito
小野川直樹 Naoki Onogawa
佐藤明日香 Asuka Satow
勢藤明紗子 Asako Setoh
田島大介 Daisuke Tajima
鶴友那 Yuna Tsuru
照井譲 Yuzuru Terui
平山紗代  Sayo Hirayama
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2010年03月31日

review:坂本夏子 BATH,R《3/13》

review:坂本夏子 BATH,R《3/13》mirror

坂本夏子 BATH,R
白土舎
愛知県名古屋市中区錦1-20-12 伏見ビル地階
052-212-4680
3/13(土)〜4/17(土)日月祝休
11:00〜19:00
坂本夏子100313.jpg

Natsuko Sakamoto BATH,R
Hakutosha
1-20-12-B1F,Nishiki,Naka-ku,Nagoya-shi,Aichi-ken
3/13(Sat)-4/17(Sat) closed on Sunday,Monday and natinoal holiday
11:00-19:00
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あらためて、このアーティストの心眼はどうなっているんだろう、と思わずにはいられない・・・!



白土舎での坂本夏子さんの個展です。

今回こちらの個展で展示されている作品は、今年のVOCA展に出品された「BATH,L」と対を成すもので、場所こそ違え、同時期にふたつの作品が展示され、それをなんとかわずかなタイムラグで観ることができたことをまずは嬉しく思っています。

VOCA展も花冷えの日曜日にふたたび足を運び、出品作をじっくりと拝見してきました。坂本さんのペインティングは下描きなしで端のほうから一筆一筆重ねていくという手法で進められるとのことなのですが、その前に下地として,画面全体がひとつの色彩で塗布されます。そしてその色が白、あるいは生のキャンバスに近い色であればなんとなく制作過程のイメージがまだ掴めるような気がするのですが、その作品をしっかりと拝見し、やや緑がかった青というか、青には違いないのですが青と言い切ってしまうにはやや抵抗がある独特の色調が、画面上に重なる絵の具の底の部分に潜んでいることに今更ながらに気付かされた次第。その独特の色彩を目にしながら、おそらくこのサイズの画面であればなおさらにその強烈さが迫るような状況でストロークを重ねていっているのかと思うと、イメージを捉えゆく強靭さに感嘆し、またその色から受ける影響も、坂本さんならではの「歪み」へと大きく作用しているのかも、と想像してしまいます。

また別の視点では、印象としての視点における俯瞰と至近との関係性の大きな隔絶と、それによって逆に強烈な、尋常でないスケールの「ズレ」がもたらされているような感じも印象的です。自身の作品をどのタイミングで坂本さんは「俯瞰」されるのだろう、と・・・あくまで想像なのですが、おそらくは相当に「至近」での描写をひたすら紡いでいかれるのだろうと思うのです。

しかも今回の作品は対であり、構図としては向かい合わせで鏡写しの構造になっていて、その点においては少なくとも(意図的にもたらされていると思われる要素は除くとして)位置的に破綻した部分がないように思えることにも驚かされます。ホントにこれが下描きなしで、ということへの驚嘆、そして下描きがないからこそ創出される凄まじい濃さのズレへの驚嘆。さまざまな驚きが交錯し、その分だけこの世界へも意識が入り込んでいきます。



今回の個展で展示されている作品はあわせて5点。
しかし、そのメインを張る「BATH,R」の圧倒的な存在感が、展示作品数の少なさを気にさせない空間を創出しているように思えます。
絵の世界観をどこまで追っていても追いつけない感じがしてきます。


坂本夏子_27.JPG



至近で眺めてこのマチエルに、さらに引き込まれます。
ひとつのストロークもより小さく短くなったような印象で、その分だけ作品の密度も濃密に。


坂本夏子_26.JPG



おそらく壁面、床、天井が鏡面となった空間を想定して描かれていると思われるのですが(と書いておかしいことに気付く)、絵の中にもたらされる不思議な空間性と、その全体に淀むように広がっている揺らぎに翻弄され、しかし画面自体の映り込みは比較的整然と展開されていて、無意識に画面のなかで位置を追っていってしまいます。そして、いったいどこが正しく床なのか混乱してくるんです。それがまた楽しい!


坂本夏子_25.JPG 坂本夏子_24.JPG 坂本夏子_23.JPG

坂本夏子_22.JPG 坂本夏子_21.JPG 坂本夏子_20.JPG

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タイルや女性の姿や表情、頭髪や身体に巻かれるタオルやなどを表現するストロークの密集にもいちいち惹かれます。
筆が画面に接する瞬間と離れる瞬間とが、画面上の無数のストロークひとつひとつから生々しく伝わってきます。


坂本夏子_18.JPG 坂本夏子_17.JPG 坂本夏子_16.JPG 坂本夏子_15.JPG

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今回の「BATH」両作品を拝見してさらに思うのが、絵の中から溢れる気配がすこぶる明るくポジティブであること。これまでの坂本さんの作品はどちらかというとダークな色調で描き上げられていて、歪みに重々しさが備わってさらに力強さを増して迫ってくる印象を受けるのですが、今回の作品は全面に青が広がり、その爽やかな色調が引き継がれるうねりや歪みにさえもどこか楽しげな感触を覚えるんです。


VOCA展と同様、エスキース的な作品も併せて展示されています。
構想を練るというより「筆慣らし」のような印象。ただ、下地が白であること、そして画面に乗る絵の具もやや軽めであることが、ざらりとした固まりきれていないイメージのスリリングさを醸し出しているように思えます。


坂本夏子_13.JPG 坂本夏子_12.JPG 坂本夏子_11.JPG 坂本夏子_10.JPG

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以上2点のキャンバスの油彩画に加え、3点の木炭画が。
これがまた異なる味わいを奏でていて興味深いです。


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お馴染みの歪むタイルのパターンやすらりとした肢体の女性などのモチーフが登場し、ていて、油彩画との世界との繋がりも感じられる一方、木炭画特有のふわふわとしたマチエルで拝見する坂本さんの世界に新鮮な思いも心に広がります。


坂本夏子_06.JPG 坂本夏子_05.JPG 坂本夏子_04.JPG 坂本夏子_03.JPG

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「BATH,R」に話を戻すと...
作品に仕組まれたさまざまな仕掛けにもおおいに楽しまされます。
例えば画面の奥にひとりだけいる服を着た女の子の姿。これだけ画面内で反転して映っていないという(「BATH,L」ではどうなっているかにも注目です)。。。

この2点が向かい合わせで展示されたときにどんな空間のイメージが得られるのだろうと想像すると、居ても立ってもいられなくなります。左右にもたらされる広がりや、一方の画面を眺めているときに背後に感じる気配など、考えるだけで高揚させられます。
同時に展示される機会は今後必ずあると信じるのと同時に、これからどんな情景が坂本さんのイマジネーションから生み出されるかもさらに楽しみになってきた次第です。


坂本夏子_01.JPG
posted by makuuchi at 15:09| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする