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ex-chamber museum
http://ex-chamber.seesaa.net
〒101-0021 東京都千代田区外神田6-11-14 3331 Arts Chiyoda 205a
MORITAKAとシェア)(google map
tel: 070-5567-1513
mail: exchamber@yahoo.co.jp
インフォメーション

ex-chamber museum
3331 Arts Chiyoda 205a, 6-11-14, Soto-Kanda, Chiyoda-ku, Tokyo, Japan
(sharing the space with MORITAKA)(google map
mail: exchamber@yahoo.co.jp
information

artists
伊藤航 Wataru Ito
小野川直樹 Naoki Onogawa
佐藤明日香 Asuka Satow
勢藤明紗子 Asako Setoh
田島大介 Daisuke Tajima
鶴友那 Yuna Tsuru
照井譲 Yuzuru Terui
平山紗代  Sayo Hirayama
山口英紀 Hidenori Yamaguchi

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2010年03月15日

review:山口藍展「きゆ」《2/10、2/24》

review:山口藍展「きゆ」《2/10、2/24》mirror

山口藍展「きゆ」
ミヅマアートギャラリー
東京都新宿区市谷田町3-13 神楽ビル2F
03-3268-2500
2/10(水)〜3/13(土)日月祝休
11:00〜19:00
山口藍100210.jpg
(c) ai yamaguchi・ninyu works

YAMAGUCHI Ai "kiyu"
MIZUMA ART GALLERY
東京都新宿区市谷田町3-13-2F,Ichigaya-Tamachi,Sinjuku-ku,Tokyo
2/10(Sat)-3/13(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday
11:00-19:00
Google Translate(to English)



ミヅマアートギャラリーでの山口藍さんの個展です。


今回の山口さんの展示空間に足を踏み入れてまず期待し楽しみにしていた感触、思い描く山口さんの世界観のイメージに包まれている嬉しさを実感したのですが、そこからひとつひとつ作品を拝見していって、これまでとはまたやや違う雰囲気を感じた次第。

お馴染みの日本髪の女の子たちが天真爛漫さを撒き散らしている情景。そこかしこから危ういかわいらしさが立ち上っていて、しかし作品の中の彼女たちとじっと対峙して間もなく、そこに佇む女の子の表情からただならぬ緊張感が伝わってきて、それは少なくとも僕が想定していたイメージからはみ出してきたもの,予想外だったので余計にその張りつめた空気感に意識が引き寄せられてしまった、と。。。



山口藍 20(c) ai yamaguchi・ninyu works.JPG
(c) ai yamaguchi・ninyu works


今回のインスタレーションでもっともその存在感が際立つのは2009年のアートフェア東京で発表された巨大な桶型に組み上げられた大作でしたが、前回の個展に続いて発表された支持体にクッションを取り入れた作品など、しかもサイズ的なハンディキャップは相当ににあるにも関わらず、充分に感じ入らせてくれます。それらは独特の、ふわりとした造形とは裏腹に凛として洗練された雰囲気を奏でます。


山口藍 19(c) ai yamaguchi・ninyu works.JPG

山口藍 18(c) ai yamaguchi・ninyu works.JPG
(c) ai yamaguchi・ninyu works


そして、いつも以上に放たれる緊張感に何故だろう、とその理由も探っていって...今回登場している女の子たちは、その口許が一様にキリッと閉じられていることに気付かされます。それを表す線は長さも極僅か、しかしそれはひとりひとりの女の子が秘める感情を抑え込むような印象を与えるのには充分すぎるほど。そそいてさらに、もとより大きくて青い瞳はきゅっと閉じた口によっていっそう強く、その強靭な意志を訴えかけてくるように感じられます。


山口藍 17(c) ai yamaguchi・ninyu works.JPG

山口藍 16(c) ai yamaguchi・ninyu works.JPG
(c) ai yamaguchi・ninyu works



先にサイズ的なハンディキャップがある、と書きましたが、クッションの作品も、これまででもっとも大きなサイズの作品が。
テーブル状に設置された作品、天地を確定させず、従って様々な位置からの視点でそこにあるもののなかからもっとも強く届けられるモチーフが異なるのも楽しいです。



山口藍 15(c) ai yamaguchi・ninyu works.JPG

山口藍 14(c) ai yamaguchi・ninyu works.JPG
(c) ai yamaguchi・ninyu works



ゆったりと床と水平に横たわるように浮かぶ画面。悠然と構えるその造形のおおらかさと、画面のなかに充満する天真爛漫さと緊張感とのせめぎ合いの妙。
ひとつひとつの色彩の鮮やかさも目を楽しませてくれます。ポップな肢体の女の子とその情景を飾り立てるように和のモチーフが溢れるように配されて、独特な賑やかさにも感じ入ります。


山口藍 13(c) ai yamaguchi・ninyu works.JPG 山口藍 12(c) ai yamaguchi・ninyu works.JPG 山口藍 11(c) ai yamaguchi・ninyu works.JPG 山口藍 10(c) ai yamaguchi・ninyu works.JPG 山口藍 09(c) ai yamaguchi・ninyu works.JPG

山口藍 08(c) ai yamaguchi・ninyu works.JPG
(c) ai yamaguchi・ninyu works



既発表作である桶型な大作。あらためて拝見してその大きさを実感します。
そしてその外側に加筆がなされていました。清々しい木目に重なる爽やかな青のパターン。ちょうど外周を一周してしっかりと辻褄が合うようになっている辺りにも然り気無い凄みを感じたり、下からは見えない「屋根」に当たる部分にも加筆されていて、その遊び心も楽しいです。


山口藍 07(c) ai yamaguchi・ninyu works.JPG
(c) ai yamaguchi・ninyu works



桶の中に入って扉を閉じてもらうと、さらにその気配が強い臨場感を伴って迫ってきます。やや濃いめの青で描かれる繁みのシルエット、その隙間から姿を覗かせる女の子たちのポップさをはらんだ可憐な振る舞いや佇まいのスリリングな雰囲気。その間隙を縫うようにして、風のような流麗なラインがそこに動的な気配をもたらし、
並ぶ壁に沿って視線を這わせていたらホントに一瞬入ってきたところを見失って一瞬焦ったのですが、木目も美しい木の空間に包み込まれ、なんとも心地よい刺激ももたらされ、得難い体験ができたなぁ、と。ほんのりと残る香の匂いも心を落ち着かせてくれます。


山口藍 06(c) ai yamaguchi・ninyu works.JPG
(c) ai yamaguchi・ninyu works



こちらが上部の描き込み。地の木目がそのまま表出するほどの淡い白によって、浮き雲のような繊細な気配が醸し出されます。


山口藍 05(c) ai yamaguchi・ninyu works.JPG
(c) ai yamaguchi・ninyu works



作品として唸らされたのが、木版画作品。
同じような絵はクッションの作品でも登場していましたが、軽く10を超える版数で丁寧に摺られた木版画は、例によってじっと口を閉じる女の子の緊張感漂う仕草に、木版特有の優しさが重なって、タブローとはまたひと味違う気配が導き出されているように感じられます。加えて多色多版にしてこの精度にも感嘆させられます。


山口藍 04(c) ai yamaguchi・ninyu works.JPG

山口藍 03(c) ai yamaguchi・ninyu works.JPG
(c) ai yamaguchi・ninyu works



黒畳の茶室ふぇの展示も渋い...。
現代的な鉢に生けられシャープな佇まいの盆栽、その奥の壁に掛けられた作品の独特の妖婉さ。ダークさと和のテイストとが響き合う空間に、山口さんの世界が見事に落とし込まれます。


山口藍 02.(c) ai yamaguchi・ninyu works.JPG
(c) ai yamaguchi・ninyu works



独特の和のエッセンスに溢れ、それらから醸し出されるデジャヴ感、すっと自然に入っていける雰囲気を醸し出していながら、よくよく思い返すとほぼすべてが意外な素材が採用されていて、そのバラエティに富んださまざまなメディアの作品が絶妙に配置されていて、空間としての印象も深く心に残ります。

展示タイトルの「きゆ=消ゆ」という言葉の響きも、それぞれの女の子たちの秘める想いを覆い隠す繊細な緊張感をいっそう強めていたように思えます。


山口藍 01(c) ai yamaguchi・ninyu works.JPG
(c) ai yamaguchi・ninyu works
posted by makuuchi at 22:48| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

review:金氏徹平 Recent Works "Post-Something"《1/16、1/23、1/30、2/20》

review:金氏徹平 Recent Works "Post-Something"《1/16、1/23、1/30、2/20》mirror

金氏徹平 Recent Works "Post-Something"
ShugoArts
東京都江東区清澄1-3-2-5F
03-5621-6434
1/16(土)〜2/27(土)日月祝休
12:00〜19:00
金氏徹平100116.jpg

Teppei Kaneuji Recent Works "Post-Something"
ShugoArts
1-3-2-5F,Kiyosumi,Koto-ku,Tokyo
1/16(Sat)-2/27(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday
12:00-19:00
Google Translate(to English)



叶うなら、もう一度、これまでの展示を見直してみたい、という衝動が沸き起こる。。。

振り返ると都合4回に渡って拝見した、ShugoArtsでの金氏徹平さんの個展。そのおかげでこれまで気付けなかった面白さに気付くことができ、それに心の底から引き込まれるほどに楽しめました。
なんと言うか、金氏さんのクリエイティビティの片鱗に自分のイメージがようやく追い付けたような感じがしています。



思い返すとこれまでは、金氏さんの作品を拝見しているときは、その「色」を追いかけすぎていたように感じます。
東京都現代美術館でのMOT ANNUALでの展示や横浜美術館での大規模な個展でのコーヒーの染みを採用した一連の作品群、そのやさしい色彩感のバリエーションの豊かさに、コーヒーの染みを使うユーモア以上に惹かれていたと。
しかし今回の個展では基本的にこれまでの金氏さんの名刺代わりとも言えそうなお馴染みのシリーズ作品の出品は控えられ、基本的に新たな展開の作品によっての構成。ものを「作る」要素はさらに抑えられた印象で、おそらく伝わりづらさが深まったクリエイションが雑多に配されていて、初見の正直な印象は「さて、困った・・・」と。



金氏徹平 10.JPG 金氏徹平 09.JPG

金氏徹平 08.JPG


それでも伺う回数を重ね、作品との対峙を懲りずに繰り返し、3度目の訪問でいきなり「そういうことか!」とイマジネーションのスイッチが入りました。イメージが「拓けた」のは、木目板調の壁紙を用いた作品で、有機的なかたちのその壁紙の周りに沿って繋げて貼られるさまざまな色の絵の具らしきものの画像、そのひとつひとつのかたちのユーモラスさと艶かしさ、別の形や色と連結されることで導き出される意外性に富む展開の妙に、今までキャッチできなかった有機的な流れの面白さに一気に意識が引き込まれ、猛スピードでイメージも膨張!
ひゅうっと伸びていたりもってりと盛り上がっていたりする絵の具は時空のイメージに伸縮をもたらし、ぐねぐねと小気味よく歪んだリズム感に心も躍ります。


金氏徹平 03.JPG



同様の絵の具の画像が立体に落とし込まれている作品も。
平面ではひとつの連なりで提示されていたのが、この状況では強烈な混沌と伴って脳内を浸食していくような感じで。


金氏徹平 07.JPG

金氏徹平 06.JPG



金氏さんの作品は概ね既成の素材が用いられていて、その「分かりやすさ」が逆に表面的には「わかりづらさ」になってしまっているように思えるのですが、むしろ出来合いのものを使用することこそが、さまざまな作品のなかに挿入される、豊かなイメージの伸縮を伴う「連続性」をキャッチーに提示することに大きく作用しているとも思えます。スポーツのワンシーンやドラムセットを水彩絵の具で描いてその上に水滴を落とす作品でも伝わるように、当然何かを描かせればその描写力の確かさに疑う余地はなく、しかしもし、今回バリエーションに富んだかたちで提示された「連続性」が手描きのもので提示されていたら・・・それはそれで興味深いものが現れたとは思いますが・・・、その分「連続性」の提示は弱められたのでは、という考えも思い浮かぶのです。


金氏徹平 01.JPG




平面作品ではその「連続性」はラインとして捉えられ、立体になるとひとつ次元が上がる分、一気に発せられる情報の量は増大します。
表面にもたらされる凹凸を目で辿って、そこに現れる連続性はさらに混迷を極め、無限のイメージが提供されます。


金氏徹平 05.JPG

金氏徹平 04.JPG



本来の意味が無視されて繋げられることで、思いもしなかったダイナミックなイメージの発展がもたらされるのと同時に、日常的に目にするものの位置や輪郭に対してこの想像力を発揮できたら、恐らく人生もさらに楽しくなるかも、と半分冗談のようなことも考えます。


金氏徹平 02.JPG



僕にとってアートは「イマジネーションの起動装置」のようなものであると思っていて、その意味において、金氏さんが提示するものの素晴らしさにようやく気付けたように思えます。冒頭でもう一度見直してみたい旨のことを書きましたが、このミニマムな面白さを、例えば横浜美術館での個展の最後の展示室にあった巨大なインスタレーションから得られたら、と思うと相当に気が遠くなったりも...。
いずれにしても、金氏さんの今後の展開が楽しみです。
posted by makuuchi at 20:36| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする