news

upcoming exhibiton

current exhibiton

past exhibiton

ex-chamber museum
http://ex-chamber.seesaa.net
〒101-0021 東京都千代田区外神田6-11-14 3331 Arts Chiyoda 205a
MORITAKAとシェア)(google map
tel: 070-5567-1513
mail: exchamber@yahoo.co.jp
インフォメーション

ex-chamber museum
3331 Arts Chiyoda 205a, 6-11-14, Soto-Kanda, Chiyoda-ku, Tokyo, Japan
(sharing the space with MORITAKA)(google map
mail: exchamber@yahoo.co.jp
information

artists
伊藤航 Wataru Ito
小野川直樹 Naoki Onogawa
佐藤明日香 Asuka Satow
勢藤明紗子 Asako Setoh
田島大介 Daisuke Tajima
鶴友那 Yuna Tsuru
照井譲 Yuzuru Terui
平山紗代  Sayo Hirayama
山口英紀 Hidenori Yamaguchi

new articles

2010年03月31日

review:坂本夏子 BATH,R《3/13》

review:坂本夏子 BATH,R《3/13》mirror

坂本夏子 BATH,R
白土舎
愛知県名古屋市中区錦1-20-12 伏見ビル地階
052-212-4680
3/13(土)〜4/17(土)日月祝休
11:00〜19:00
坂本夏子100313.jpg

Natsuko Sakamoto BATH,R
Hakutosha
1-20-12-B1F,Nishiki,Naka-ku,Nagoya-shi,Aichi-ken
3/13(Sat)-4/17(Sat) closed on Sunday,Monday and natinoal holiday
11:00-19:00
Google Translate(to English)



あらためて、このアーティストの心眼はどうなっているんだろう、と思わずにはいられない・・・!



白土舎での坂本夏子さんの個展です。

今回こちらの個展で展示されている作品は、今年のVOCA展に出品された「BATH,L」と対を成すもので、場所こそ違え、同時期にふたつの作品が展示され、それをなんとかわずかなタイムラグで観ることができたことをまずは嬉しく思っています。

VOCA展も花冷えの日曜日にふたたび足を運び、出品作をじっくりと拝見してきました。坂本さんのペインティングは下描きなしで端のほうから一筆一筆重ねていくという手法で進められるとのことなのですが、その前に下地として,画面全体がひとつの色彩で塗布されます。そしてその色が白、あるいは生のキャンバスに近い色であればなんとなく制作過程のイメージがまだ掴めるような気がするのですが、その作品をしっかりと拝見し、やや緑がかった青というか、青には違いないのですが青と言い切ってしまうにはやや抵抗がある独特の色調が、画面上に重なる絵の具の底の部分に潜んでいることに今更ながらに気付かされた次第。その独特の色彩を目にしながら、おそらくこのサイズの画面であればなおさらにその強烈さが迫るような状況でストロークを重ねていっているのかと思うと、イメージを捉えゆく強靭さに感嘆し、またその色から受ける影響も、坂本さんならではの「歪み」へと大きく作用しているのかも、と想像してしまいます。

また別の視点では、印象としての視点における俯瞰と至近との関係性の大きな隔絶と、それによって逆に強烈な、尋常でないスケールの「ズレ」がもたらされているような感じも印象的です。自身の作品をどのタイミングで坂本さんは「俯瞰」されるのだろう、と・・・あくまで想像なのですが、おそらくは相当に「至近」での描写をひたすら紡いでいかれるのだろうと思うのです。

しかも今回の作品は対であり、構図としては向かい合わせで鏡写しの構造になっていて、その点においては少なくとも(意図的にもたらされていると思われる要素は除くとして)位置的に破綻した部分がないように思えることにも驚かされます。ホントにこれが下描きなしで、ということへの驚嘆、そして下描きがないからこそ創出される凄まじい濃さのズレへの驚嘆。さまざまな驚きが交錯し、その分だけこの世界へも意識が入り込んでいきます。



今回の個展で展示されている作品はあわせて5点。
しかし、そのメインを張る「BATH,R」の圧倒的な存在感が、展示作品数の少なさを気にさせない空間を創出しているように思えます。
絵の世界観をどこまで追っていても追いつけない感じがしてきます。


坂本夏子_27.JPG



至近で眺めてこのマチエルに、さらに引き込まれます。
ひとつのストロークもより小さく短くなったような印象で、その分だけ作品の密度も濃密に。


坂本夏子_26.JPG



おそらく壁面、床、天井が鏡面となった空間を想定して描かれていると思われるのですが(と書いておかしいことに気付く)、絵の中にもたらされる不思議な空間性と、その全体に淀むように広がっている揺らぎに翻弄され、しかし画面自体の映り込みは比較的整然と展開されていて、無意識に画面のなかで位置を追っていってしまいます。そして、いったいどこが正しく床なのか混乱してくるんです。それがまた楽しい!


坂本夏子_25.JPG 坂本夏子_24.JPG 坂本夏子_23.JPG

坂本夏子_22.JPG 坂本夏子_21.JPG 坂本夏子_20.JPG

坂本夏子_19.JPG



タイルや女性の姿や表情、頭髪や身体に巻かれるタオルやなどを表現するストロークの密集にもいちいち惹かれます。
筆が画面に接する瞬間と離れる瞬間とが、画面上の無数のストロークひとつひとつから生々しく伝わってきます。


坂本夏子_18.JPG 坂本夏子_17.JPG 坂本夏子_16.JPG 坂本夏子_15.JPG

坂本夏子_14.JPG



今回の「BATH」両作品を拝見してさらに思うのが、絵の中から溢れる気配がすこぶる明るくポジティブであること。これまでの坂本さんの作品はどちらかというとダークな色調で描き上げられていて、歪みに重々しさが備わってさらに力強さを増して迫ってくる印象を受けるのですが、今回の作品は全面に青が広がり、その爽やかな色調が引き継がれるうねりや歪みにさえもどこか楽しげな感触を覚えるんです。


VOCA展と同様、エスキース的な作品も併せて展示されています。
構想を練るというより「筆慣らし」のような印象。ただ、下地が白であること、そして画面に乗る絵の具もやや軽めであることが、ざらりとした固まりきれていないイメージのスリリングさを醸し出しているように思えます。


坂本夏子_13.JPG 坂本夏子_12.JPG 坂本夏子_11.JPG 坂本夏子_10.JPG

坂本夏子_09.JPG



以上2点のキャンバスの油彩画に加え、3点の木炭画が。
これがまた異なる味わいを奏でていて興味深いです。


坂本夏子_08.JPG

坂本夏子_07.JPG



お馴染みの歪むタイルのパターンやすらりとした肢体の女性などのモチーフが登場し、ていて、油彩画との世界との繋がりも感じられる一方、木炭画特有のふわふわとしたマチエルで拝見する坂本さんの世界に新鮮な思いも心に広がります。


坂本夏子_06.JPG 坂本夏子_05.JPG 坂本夏子_04.JPG 坂本夏子_03.JPG

坂本夏子_02.JPG



「BATH,R」に話を戻すと...
作品に仕組まれたさまざまな仕掛けにもおおいに楽しまされます。
例えば画面の奥にひとりだけいる服を着た女の子の姿。これだけ画面内で反転して映っていないという(「BATH,L」ではどうなっているかにも注目です)。。。

この2点が向かい合わせで展示されたときにどんな空間のイメージが得られるのだろうと想像すると、居ても立ってもいられなくなります。左右にもたらされる広がりや、一方の画面を眺めているときに背後に感じる気配など、考えるだけで高揚させられます。
同時に展示される機会は今後必ずあると信じるのと同時に、これからどんな情景が坂本さんのイマジネーションから生み出されるかもさらに楽しみになってきた次第です。


坂本夏子_01.JPG
posted by makuuchi at 15:09| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月30日

〜3/28のアート巡り

〜3/28のアート巡り mirror

■3/19 Fri
森末由美子 −ある日静かに−展
INAXギャラリー
東京都中央区京橋3-6-18 INAX:GINZA 2F
03-5250-6530
3/1(月)〜3/29(月)日祝休
10:00〜18:00
森末由美子100301.jpg

大阪のギャラリーほそかわでのグループショーで拝見し印象に残っている森末由美子さん。今回の個展では、そのグループショーでも発表されていた本を削るシリーズと針金で文字を起こすシリーズの作品のほかに、卓上塩の瓶を用いたものやイボ付き軍手などの作品も展示され、森末さんのこれまでの仕事が一括して紹介されているような内容で、それがまた嬉しく感じられた次第で。
針金のひらがなの作品やのかわいらしい深みや本の作品における滑らかな仕上がりの美しさなど見所は豊富にあるのですが、特に塩の作品が面白い!
「よくつくってあるなぁ」と感心しきり、表面にあるロゴや成分などの印刷を内側から再現してあって、そのコミカルな風合いは一瞬引くほど。



澤井津波展
GALLERY b.TOKYO
東京都中央区京橋3-5-4 吉井ビルB1F
03-5524-1071
3/15(月)〜3/20(土)
11:00〜19:00(金:〜21:00、最終日:17:00)
澤井津波100315.jpg

昨年開催のULTRA002で僕が紹介したアーティストのひとり。前回、ほぼ1年前の個展の時と比較してやや抑えめの作品点数とサイズで構成され、ペンとラッカーとを駆使し、細密描写と現象とで緻密な世界観が表現されています。


澤井津波_14.JPG

澤井津波_13.JPG 澤井津波_12.JPG

澤井津波_11.JPG



有機的なモチーフを潜ませる展開の作品群、描写の緻密さが醸し出す無機的な質感と、描かれる情景の生々しさとの混在が引き起こされ、それが独特の濃密な雰囲気を醸し出しているように思えます。


澤井津波_10.JPG 澤井津波_09.JPG 澤井津波_08.JPG 澤井津波_07.JPG

澤井津波_06.JPG



特に興味深く感じられたのが、もっとも新しい作品。
インクとラッカーというこれまでと同様の素材を用いつつも、墨でどっしりと描いたかのような黒の大きな色面が力強い「和」の感触をもたらし、そしてそのダイナミックな黒と白のそれぞれの面による構図のそこかしこに細密な描写が挿入され、強烈なうねりを導き出しているように思えた次第です。


澤井津波_05.JPG 澤井津波_04.JPG 澤井津波_03.JPG 澤井津波_02.JPG

澤井津波_01.JPG



内山聡「レック 保存 リピート 再生」
ギャラリー現
東京都中央区銀座1-10-19 銀座一ビル3F
03-3561-6869
3/8(月)〜3/20(土)日休
11:30〜19:00(土:〜17:30)
内山聡100308.jpg

これまでもユニークなクリエイションを発表され、その都度ユーモア満載の驚きを提供してくれる内山聡さん。今回はタイトルを観る限り音楽、すなわち録音に何らかの関係があるのかと思って伺ってみると


内山聡_06.JPG



テープか!Σ( ̄口 ̄;)


そっちのテープかよ!Σ( ̄口 ̄;)


内山聡_05.JPG

内山聡_04.JPG



テープはテープでもさまざまなテープってテープ。
よくもまあ巻いたものよと全身全霊を込めて呆れつつも、実に単純な行為の提示であるにもかかわらずそこに見応えのある美しさ、面白さが提示されていることにも嬉しくなってきた次第。

しかも...


内山聡_03.JPG 内山聡_02.JPG

内山聡_01.JPG


さらにでかい!Σ( ̄口 ̄;)

なんとも不思議な空間が創り出されていて、得難い体感を経験できたなぁ、と。
感服でございます。



福田真規 "一瞬、時がとまった"
YOKOI FINE ART
東京都港区東麻布1-4-3 木内第二ビル6F
03-6276-0603
3/19(金)〜4/3(土)日月祝休
11:00〜19:00
福田真規100319.jpg

昨年も個展で拝見しているのですが、それからほぼ間隔を置かずに開催の今回の個展、その短い期間にしっかり成長を感じさせてくれるのがまず嬉しいです。
丁寧な描写で描き上げられる静かな室内の風景。全体に広がる淡々としたほぼ無彩色、そこに置かれる椅子や窓から射し込む光など、漂う気配にゆっくりと引き込まれていきます。絵画を観る充実感に満ちた、美しい空間が創り出されているように思えます。



■3/20 Sat
宮澤男爵 個展「宙吊り/ in mid air」
東京画廊+BTAP
東京都中央区銀座8-10-5-7F
03-3571-1808
3/20(土)〜4/17(土)日月祝休
11:00〜19:00(土:〜17:00)
宮澤男爵100320.jpg

ギャラリーに入ってすぐに感じる「あれ?」という想い。
遠目で見る分には描き込みの少ない紙が壁面に貼られただけのシンプルな空間。しかし、その作品に近づいて拝見すると、驚くほどの細密な筆致などさまざまなアプローチで繰り広げられる描写に興味が奪われます。
奥の一角に展示された一転して濃厚な色彩の作品も含め、画面に灯されるふたつの点が目を現す独特の作風で個性的な世界観が貫かれているのも興味深く思えます。



林智惠展
ギャラリーなつか
東京都中央区銀座5-8-17 GINZA PLAZA58 8F
03-3571-0130
3/15(月)〜3/20(土)
林智惠100315.jpg

Gallery Jinでの個展やヤマサコレクションでの展示に伺えず、拝見し損ねていた林智惠さんの作品をようやく観ることができました。
美しい銅版画。あらためて考えてみて驚くほどにしっとりと滑らかなグラデーションが導き出され、また余白の美しさも相まって、透明感さえ感じられる澄んだ静謐が画面より漂ってくるように感じられます。


林智惠_17.JPG

林智惠_16.JPG林智惠_15.JPG 林智惠_14.JPG

林智惠_13.JPG



シュールな場面が描き出されているのですが、丁寧な描写が、そのなかに紡がれる情景に説得力をもたらしているように思えます。淡々と流れゆく時間性にゆったりとした心満ちがもたらされ、その落ち着きも心地よく感じられます。


林智惠_12.JPG 林智惠_11.JPG 林智惠_10.JPG

林智惠_09.JPG



導き出される空間性もユニークです。
一にも二にも、一切のノイズを排除した余白が不思議さをもたらしているように思えます。さらに、大胆な省略もその面白味を深めます。


林智惠_08.JPG 林智惠_07.JPG 林智惠_06.JPG

林智惠_05.JPG



鉛筆画も数点。
銅版画とはまた異なる味わいが印象的です。


林智惠_04.JPG 林智惠_03.JPG

林智惠_02.JPG



「休息」を主題に置いた展開も心にやさしい想いを灯してくれます。
実は意外性に満ち溢れていながらも、じっくりと対峙し心に落ち着きや静けさをもたらしてくれるのがなんとも嬉しいです。


林智惠_01.JPG



加藤泉「SOUL UNION」[Painting]
ARATANIURANO
東京都中央区新富2-2-5 新富二丁目ビル3A
03-3555-0696
3/12(金)〜4/17(土)日月祝休
加藤泉100312.jpg

加藤泉さんのペインティングを観られる充実感は、もしかしたら他の何にも代え難いかもしれない、とさえ思います。
今僕が思ういちばん美しいペインティング。それをキャンバスに油絵の具が乗った「もの」として考えた時の隙の無さに感動せずにはいられない...。
画面の底辺を揃えたインスタレーションも独特のリズムを生み出しています。じっくりと対峙し、時間が許す限りその世界観に何度も浸りたい展覧会です。



黒田潔原画展「TO THE FOREST」
shop btf
東京都中央区勝どき2-8-19 近富ビル倉庫3A
03-5144-0330
3/4(木)〜3/28(日)月祝休
11:00〜19:00
黒田潔100304.jpg

今回の黒田さんの展示は画集の原画展で、オンペーパーのイラスト風の作品が額装しててbん辞されていました。個人的にはもっと強靭な支持体での作品のほうが良いように思えるのですが、そこで繰り広げられている展開には黒田さんらしさが息づいていて嬉しく感じた次第。
画集も拝見し、編集や印刷などの工程が入り込むことで、むしろこちらのほうがよりその面白さを感じられたようにも思えます。



秋吉風人「口説き文句は持ってない」
TARO NASU
東京都千代田区東神田1-2-11
03-5856-5713
3/13(土)〜4/3(土)日月祝休
11:00〜19:00

近年取り組まれている金色のペインティング、塗装された角材とテープとで空間構成を行ないそれをポラロイド写真で記録したものをずらりと並べたインスタレーション、そしてキャンバスの表裏両面をひとつの色彩で塗りたくった作品と、それぞれに行為の強さを感じさせるクリエイションが提示されているように思えます。
じっくりと拝見し、想像が広がり、深みへと嵌まっていくのが面白いです。



肥沼義幸 Fragile
GALLERY TERRA TOKYO
東京都千代田区岩本町2-6-12 曙ビル1F
03-5829-6206
3/5(金)〜4/10(土)日月祝休
11:00〜19:00
肥沼義幸100305.jpg

これまでの画面にたっぷりと絵の具が乗る青の作品から一転し、マチエルのインパクトから離れ、描くモチーフでその世界観を広げていくような感じが印象に残ります。
これまでとは異なる神々しさや激しさがそれぞれの作品から伝わってくるように感じられます。


肥沼義幸_09.JPG



犬をモチーフに描いた作品群が特に印象的。
今までよりも多彩になった色彩感にも惹かれます。


肥沼義幸_08.JPG

肥沼義幸_07.JPG



もっとも大きな作品は、なかでも強烈な混沌とアバンギャルドな空気感を強く放ちます。
ひたすらアグレッシブな筆致が重ねられ、さらにそこかしこに導き出される現象の蓄積がミニマムな面白さも創出しています。モチーフのダイナミズムとは裏腹に、画面上にさまざまな表情が現れていて、それを見つけ出していくのも楽しいです。


肥沼義幸_06.JPG 肥沼義幸_05.JPG 肥沼義幸_04.JPG 肥沼義幸_03.JPG

肥沼義幸_02.JPG



敢えてこれまでの展開から離れて新たな世界観へと突入していっているように思えます。
今後の展開も楽しみです。


肥沼義幸_01.JPG



足立喜一朗 "SOPE"
AISHO MIURA ARTS
東京都新宿区住吉町10-10
03-6807-9987
3/20(土)〜4/18(日)日月休
12:00〜19:00
足立喜一朗100320.jpg

YUKA CONTEMPORARYでの個展も記憶に新しい足立喜一朗さん。今回は暗室によるインスタレーションで、1階と2階に1点ずつ、ちいさな鏡面がびっしりと施され、回転するオブジェに光が当てられ、美しい空間がそれぞれで創出されています。

花が咲くようなかたちの1階の作品。
想定された動きではおそらくないのですが、構造上回転するのにあわせて本体がワシャワシャと揺れるのも愛嬌があっていい感じなのです。


足立喜一朗_08.JPG 足立喜一朗_07.JPG

足立喜一朗_06.JPG



2階ではさらにスケールの大きなインスタレーションが。
こちらの作品の動力は階下に据えられ、視覚的なノイズも極力抑えられていることもあり、そのシャープな雰囲気へ瞬間的に誘われます。


足立喜一朗_05.JPG



目を奪われるギア部分。


足立喜一朗_04.JPG



四方に聳える鋭い円錐状の回転体、そこに照明が当てられ、そこから発散される光の軌跡は実に美しいです。


足立喜一朗_03.JPG 足立喜一朗_02.JPG

足立喜一朗_01.JPG



TETTA展「My underground」
GALLERY MoMo Roppongi
東京都港区六本木6-2-6 サンビル第3 2F
03-3405-4339
3/13(土)〜4/2(金)日月祝休
12:00〜19:00
TETTA 100313.jpg

今年のワンダーシードとVOCA展に参加されているTETTAさん。それぞれ鉛筆画と板絵ですが、こちらの個展では写真作品がメイン。ひたすら手の画像が画面にびっしりと敷き詰められ、TETTAさんの制作のテーマでもある観音が異様なかたちで提示されていて、その強烈に妖しくもユーモラスな雰囲気に呑み込まれます。
他、映像やエスキース的な仕上がりのドローイングも。多彩なメディアを通じての展開が興味深く、もっといろいろと拝見してみたいです。



問谷明希 ”きのう雨、きょう晴れ”
Ai Kowada Gallery
東京都渋谷区恵比寿西2-8-11ー4F
3/20(土)〜4/24(土)日月火休
12:00〜19:00
問谷明希100320.jpg

これまでの個展などで拝見してきた問谷さんの作品は、抽象性の高さが印象に残っているのですが、今回発表された作品はこれまでのどこか儚げでファンタジックな気配を保ちつつもそこに「分かる」モチーフの稜線が描き重ねられるようにして登場し、これまでにない世界観の広がりが感じられたのが印象的で興味深いです。
この日はじっくりと拝見できず、あらためてしっかり観てみたいと思っています。



■3/21 Sun
GEIDAI ANIMATION 01+ 東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻第一期生修了制作展
@東京藝術大学 横浜校地 馬車道校舎
神奈川県横浜市中区本町4-44
3/19(金)〜3/22(月)
GEIDAI ANIMATION100319.jpg

面白かった!
東京芸大のアニメーション専攻の第1期生の修了制作、さまざまなショートムービーが次々に上映され、その奇想天外な展開にぐんぐん引き込まれるのがとにかく楽しかったです。パペットアニメーションと実写とを組み合わせて不思議な空間性を導き出していた大見明子さん、凄まじいスピード感で圧倒してきた野中晶史さん。子どものイマジネーションに和まされ、切なくなる物語を展開された三角芳子さんほか、とにかくそれぞれがユニークな世界観を提示されていたのが印象に強く残っているのですが、なかでもやはり...


和田淳100320.jpg


和田淳さんの映像が...。
ファーストシーンからいきなりツッコミを入れたくなるほどの唐突な始まり方で、そこからさまざまなものがプロットになっているんだかいないんだか、あの過剰に素朴な顔のキャラクターが相当にシュールな物語を紡いでいって、ああもう・・・!



■3/22 Mon
この日はレセプションに伺い損ねた(行ったけど受付が店仕舞いしていて間に合わなかった)「六本木クロッシング2010展:芸術は可能か?」へ。
観る前の想像では、ゼロ年代の総括的な構成なのかな、と思っていたのですが...

甘かった。。。

「総括」という意味でもダムタイプの'90年代のパフォーマンスの映像が上映されていることもあってそこに収まらないというのもあるのですが、それ以上に「この先」への展開をを提示しているかのような、相当にアグレッシブでアバンギャルドでストイックな印象を受けた次第です。ずっと観たかったログスギャラリーの作品を疑似体験できたのがとにかく嬉しかったです。



■3/24 Wed
O JUN展「O JUNの山」
ミヅマアートギャラリー
東京都新宿区市谷田町3-13 神楽ビル2F
03-3268-2500
3/24(水)〜4/24(土)日月祝休
11:00〜19:00
O JUN 100324.jpg

O JUNさんの絵の美しさも楽しいです。
今回はペインティングのみでの構成で、正面の壁面に展示された大作をはじめ、作品点数こそ多くはないものの、その分1点ずつの作品としっかり対峙できるのがありがたいです。
そして、ポジティブな「よく分からないっす!」っていく気持ちが膨らんでそれがなんとも痛快!



■3/26 Fri
森田晶子個展「けむる夜を着て」
waitingroom
東京都世田谷区三軒茶屋1-5-9 メゾン湘樺101
03-3424-7779
3/20(土)〜5/1(土)金土のみ
13:00〜19:00
森田晶子100320.jpg

画像だけ観るとファンタジーの挿絵的な世界観なのですが、実際に拝見して、まずハッチングではないのですが、筆先の繊維の1本1本によって生み出される繊細なマチエルに大いに惹かれます。絵としての臨場感が思った以上に、しかも予想外の方面へ深みを奏でているという印象を覚えます。


森田晶子_11.JPG

森田晶子_10.JPG 森田晶子_09.JPG 森田晶子_08.JPG

森田晶子_07.JPG



キャンバスに乗せた絵の具を引っ掻いて描かれた作品、こちらの質感も印象的です。
他の作品と比べて圧倒的に少ない色と,それとは裏腹に画面のマチエルのユニークさ、激しい痕跡に引き込まれます。


森田晶子_06.JPG 森田晶子_05.JPG 森田晶子_04.JPG

森田晶子_03.JPG



ドローイング作品も多数展示されています。


森田晶子_02.JPG

森田晶子_01.JPG



■3/27 Sat
浅香弘能 石の力
閑々居
東京都港区新橋1-8-4 丸忠ビル5F
03-5568-7737
3/25(木)〜4/10(土)日休
12:00〜19:00
浅香弘能100325.jpg

石で彫り上げられる刀。
まず目が向かうのが柄の部分。動物が彫られ、その緻密な姿に石という素材でここまで細やかな表現が出来るのか、ということに驚かされます。


浅香弘能_12.JPG

浅香弘能_11.JPG 浅香弘能_10.JPG 浅香弘能_09.JPG

浅香弘能_08.JPG



そして鐔での遊び心。
有機的であったり幾何学的であったりするさまざまなかたちが、柄の動物の世界と刀身の臨場感とをそこでくっきりと分けます。加えてそのかたち自体にも惹かれます。


浅香弘能_07.JPG

浅香弘能_06.JPG



刀身も見事です。
すらりと伸びるその姿の美しさにも圧倒されます。


浅香弘能_05.JPG 浅香弘能_04.JPG 浅香弘能_03.JPG

浅香弘能_02.JPG



何より、石彫の可能性に驚かされた次第。
刀の作品以外にも、浅香さんがこれまで作ってこられた石板や器なども展示されています。


浅香弘能_01.JPG


服部知佳展
ギャラリー椿
東京都中央区京橋3-3-10 第1下村ビル1F
03-3281-7808
3/27(土)〜4/10(土)日祝休
11:00〜18:30
服部知佳100327.jpg

さらに深まる透明感。
よりシンプルに描くモチーフが厳選され、また構図も大胆になることで、ふわりと広がるような光の表情にいっそうの深遠さがもたらされているように感じられます。
カモメを描く作品の壮大さ、植物の優雅な姿。緻密なグラデーションの美しさで,これまで以上に独特の空気感で包み込んでくるように思えます。



尾家杏奈展「CATACOMBE」
WADA FINE ARTS
東京都中央区築地3-2-5 第2平和田ビル
03-5848-7172
3/23(火)〜4/2(金)日月祝休
11:00〜19:00
尾家杏奈100323.jpg

大作1点と、ギャラリー全体を取り囲むようにしてずらりと並ぶ小品群。
昨年、京都市立芸術大学での3人展で拝見した作品がそのまま展示されているのかと思いきや、どうやら初見、全て新作らしいことに驚かされた次第。
濃いグリーンと、それを背景に焦燥感を煽るような危うげな筆の運び。そこに描かれる動物や女の子の肖像に囲まれ、独特の濃密で重厚な気配が空間を満たします。



竹川宣彰・小池真奈美
OTA FINE ARTS
東京都中央区勝どき2-8-19-4B
03-6273-8611
3/23(火)〜5/8(土)日月祝休
11:00〜19:00

それぞれの新作が、ちょうど空間を半分ずつシェアするようなかたちで展示され、それぞれがその個性を艶やかに奏でています。
竹川さんは前回の個展で発表された波のペインティングの新作をはじめ、地図を切り抜いて作ったたくさんの球体を吊るしたインスタレーションや貝殻の作品で爽やかな空間を展開。一転して小池さんは白無垢の女性とキセルを吸う女性とが向かい合うかたちで展示され、さらに小鉢を持って食事する女性の作品での愛くるしい表情に見蕩れ、引き込まれます。



遠藤織枝×YUCA 女書:アート×学術の連歌
Gallery ef
東京都台東区雷門2-19-18
03-3841-0442
3/26(金)〜5/9(日)火休
12:00〜20:00
女書100326.jpg

凄いです。
1階がYUCAさんのインスタレーション、そして2階に展示された「女書」の資料。
こんなに可憐で流麗な文字が...と、その繊細さを目にした瞬間から視線が釘付けに。。。
相当に貴重な機会が提供されているように思えます。その質感から、ぜひともアーティストの方々にご覧戴きたい展覧会で、おそらくここからインスパイアされる世界観があるように思えます。



この日は夜は「Roppongi Art Night」へ。
「アーティスト・ファイル2010 ―現代の作家たち」と「美ナビ展」を拝見、寄り魚則まで開いてるありがたさを実感。
夜遅くにもかかわらず大勢の方々が足を運ばれていて、賑やかさが嬉しかったり。



■3/28 Sun
「VOCA展2010」にあらためて足を運び、また東京都美術館での東北芸術工科大学の卒業・修了制作展も拝見。
あらためてじっくりと拝見するVOCA展は、実際に目にしないと伝わり得ないそれぞれの作品の力強さ、存在感にあらためて圧倒されました。
東北芸術工科大学の展示は、やはり日本画の作家のユニークな展開が目を惹きます。



《買ったCD》
「Private Party」AOKI takamasa
posted by makuuchi at 00:31| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月28日

review:田中麻記子 個展 「Le pollen」《3/12、3/27》

review:田中麻記子 個展 「Le pollen」《3/12、3/27》mirror

田中麻記子 個展 「Le pollen」
hpgrp GALLERY 東京
東京都渋谷区神宮前5-1-15 CHビルB1F
03-3797-1507
3/5(金)〜3/28(日)月休
11:00〜20:00

Makiko Tanaka "Le pollen"
hpgrp GALLERY Tokyo
5-1-15-B1F,Jingumae,Shibuya-ku,Tokyo
03-6805-0840
3/5(Fri)-3/28(Sun) closed on Monday
11:00-20:00
Google Translate(to English)



hpgrp GALLERY 東京での田中麻記子さんの個展です。
これまでに2度にわたって同ギャラリーで開催された個展では油彩の作品をメインに据えて発表されていて、それ以前の鉛筆画から大きく舵が切られ、濃密な色彩感に強烈なインパクトを受け、さらに2度目の昨年の個展ではその世界観の深度が深まり、異様なうねりを帯びて迫ってくる感じが強く印象に残っているのですが、今回はふたたび素材のチョイスを変え、紙にパステルの作品での構成。
今回と前回の個展との間にラムフロムでの小品展が挟まっていて、こちらで発表された作品は油彩画でありながら背景に白っぽい色彩が採用され、油絵の具の濃厚な質感を保ちつつも軽やかでキュートな世界が紡ぎ出されていたのですが、むしろ今回の展示を拝見するとそのラムフロムでの展示はイレギュラーで、しかしその制作を経過していることで今回の新たな試みに踏み切れたのかも、とも思えたりして、田中さんのクリエイションの変遷にも興味が湧いてきます。

僕がはじめて田中さんの作品を拝見したのが鉛筆画で、その頃からメディアが変わっても根底に貫かれるロマンティックな雰囲気は今回もしっかりとたもたれていて、しかも印象として、その気配がもっとも適度な度合いで伝わってくるようにも思えます。
なめらかでふわりとした素材の質感が、やさしい空気感を導き出しているように思えるんです。


田中麻記子_29.JPG 田中麻記子_28.JPG

田中麻記子_27.JPG



用いられる色彩の濃淡と、それによってもたらされる奥行き感は、油彩画での頃から連綿と展開されている印象を受けます。
そして、油絵の具の濃厚な臨場感と比較すると穏やかな風合いの画面に、何というか、ほっとするような気持ちに満たされていくような感じがするんです。
加えて、田中さんらしいユーモアもさり気なく挿入されている辺りにも惹かれます。


田中麻記子_26.JPG 田中麻記子_25.JPG 田中麻記子_24.JPG

田中麻記子_23.JPG



正面のもっとも広い壁面に展示されているのが、複数のパネルを横に連ねて構成されるパノラマ風の大作。
これが、じっくりといろんなイメージを呼び込んできてくれて楽しいです。


田中麻記子_22.JPG



ギャラリーの方に教えていただいたのですが、右端と左端も繋がるように描かれているとのこと。
現実と夢が交錯し、混ざり合うような世界観が壮大な描写で描き上げられていて、流れを追っていくにつれて、微睡むように想像が沈み込んででいくような感じがしてきます。

そこかしこに登場する人物なども実に楽しげです。
ロマンチックな雰囲気を滲ませるシーンがあるかと思えば、唐突に可笑しみが放たれて嬉しくなったり。多用される言葉にもいちいち反応してしまって、その「どうしようもなさ」が楽しいんです。

パステルの質感も実によく効いています。
すっと広がる色合いに、自然に意識がするりと入り込んでいくように思えます。


田中麻記子_21.JPG

田中麻記子_20.JPG 田中麻記子_19.JPG 田中麻記子_18.JPG 田中麻記子_17.JPG 田中麻記子_16.JPG

田中麻記子_15.JPG 田中麻記子_14.JPG 田中麻記子_13.JPG 田中麻記子_12.JPG 田中麻記子_11.JPG

田中麻記子_10.JPG



ロマンティックでファンタジックな世界は、だんだんと暗さを帯びてきます。
赤系統の色彩は実に田中さんらしく、印象としてその「女性的」な空気感を直接的に届けてくれるように思えますが、だんだんと黒や無彩色がその色面の多くを占めるようになってくると、夜や闇の印象が深まり、その気配は重々しさがに覆われていくように思えます。
しかしその重々しさによってあらたな場面も導き出されていきます。そこでの緊張感にもおおいに惹かれるんです。


田中麻記子_09.JPG



ほぼ全面が無彩色で覆い尽くされる作品では、逆に幻想性がぐんと高められます。
登場するモチーフも多彩さを極め、夜観る夢の、現実と幻想がひっくり返るときを描き現したかのような感触。闇があるからこそ鋭く引き出される光の表情に、神々しさすら感じます。


田中麻記子_08.JPG 田中麻記子_07.JPG 田中麻記子_06.JPG

田中麻記子_05.JPG 田中麻記子_04.JPG 田中麻記子_03.JPG

田中麻記子_02.JPG



パステルのなめらかな質感によって紡ぎ出される、めくるめく変わりゆく世界観に翻弄され、結果としてふわふわとした浮遊感がもたらされたような感じがします。
ひとつの線やかたちの艶かしさ、たちのぼる繊細な妖しさ。ロマンティックでメランコリックでファンタジックで,,,とさまざまな言葉を並べ立て、それでやっぱり田中さんらしいなぁ、と納得させられるのも嬉しく思える次第です。
今後の展開も楽しみです。


田中麻記子_01.JPG
posted by makuuchi at 11:35| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月27日

review:吉田晋之介展/平子雄一展「Yuichi Hirako : 庭先メモリーズ」《3/6、3/20》

review:吉田晋之介展/平子雄一展「Yuichi Hirako : 庭先メモリーズ」《3/6、3/20》mirror

フレッシュな二人のアーティストが個展形式で紹介されています。


吉田晋之介
GALLERY MoMo Ryogoku
東京都墨田区亀沢1-7-15
03-3621-6813
3/6(土)〜3/27(土)日月祝休
11:00〜19:00
吉田晋之介100306.jpg

Shinnosuke Yoshida exhibition
GALLERY MoMo Ryogoku
1-7-15,Kamezawa,Sumida-ku,Tokyo
03-3621-6813
3/6(Sat)-3/27(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday
11:00-19:00
Google Translate(to English)



昨年のシェル美術賞で印象に残っている吉田晋之介さん。手前の長いスペースに、大作を中心にユニークな空間性を備えるダイナミックなペインティングをずらりと並べ、フューチャリスティックな雰囲気を充満させています。

青や緑といった色調を多用し、そこに丁寧なグラデーションによって深く幻想的な陰影をもたらすことで、現実世界と乖離したケミカルな印象も伴う独特の気配が導き出されているように感じられます。
そしてそこに、さらにアクロバティックな空間性を現すようなモチーフやアプローチが描き重ねられ、構造としては比較的整然としていつつ、シャープな混沌にイメージが翻弄されるのが楽しく思えてきます。


吉田晋之介_14.JPG 吉田晋之介_13.JPG

吉田晋之介_12.JPG



シェル美術賞で発表されていた作品も出展されていて、あらためて拝見できたのも嬉しい限り。
したから上へと向かうにつれてだんだんと暗く深くなっていくグリーンと、そこかしこに現れる白い明かり醸し出す不思議な気配感。そこに画面を分断する城壁のような堅牢なモチーフが描き加えられ、強烈な違和感を画面にもたらしているように思えます。
さらに樹木を連想させる有機的なモチーフがそこかしこに聳え、画面の世界観はさらに混沌とした様相を呈していきます。わずかに映り込み、それが地面なのか水面なのかも曖昧な印象のまま、ただぐねぐねとした歪んだ筆致は妖しい気配をいっそう深めます。
そして、その樹木を思わせるモチーフは至近で眺めると絵の具の盛り上がりの臨場感が凄まじく、また異なるミニマムな面白味が届けられるのも楽しいです。


吉田晋之介_11.JPG 吉田晋之介_10.JPG 吉田晋之介_09.JPG 吉田晋之介_08.JPG

吉田晋之介_07.JPG



青い作品、先のグリーンの作品とほぼ同一のテーマが繰り広げられ、ただ色調の差異が、そこから感じられるイメージにもおおきな違いをもたらします。
「映る」イメージはより自然でその世界へも入り込みやすく、眼前に広がる情景はより具体的に実感されるのも興味深いです。


吉田晋之介_06.JPG 吉田晋之介_05.JPG 吉田晋之介_04.JPG 吉田晋之介_03.JPG

吉田晋之介_02.JPG



ゴルフの打ちっぱなしの練習場を描いた作品も。
こちらは主題のピップアップの面白さが際立ちます。そして失われない独特の空間性も頼もしく思えます。


吉田晋之介_01.JPG



独創的な色彩感と大胆な空間性で得難いイメージを提供してくれるように感じられた次第です。やはり大作でのほうがその個性はより力強く発揮されるように思え、もっと大きな画面の作品、キャンバスに限らず壁画などでも拝見してみたいと思う一方、絵の具の立体的な使い方の面白さもあるので、逆に小さな作品でそのあたりの密度を前面に押し出した作品なども観てみたい気がします。



平子雄一展「Yuichi Hirako : 庭先メモリーズ」
GALLERY MoMo Ryogoku
東京都墨田区亀沢1-7-15
03-3621-6813
3/6(土)〜3/27(土)日月祝休
11:00〜19:00
平子雄一100306.jpg

Yuichi Hirako : Niwasaki Memories
GALLERY MoMo Ryogoku
1-7-15,Kamezawa,Sumida-ku,Tokyo
03-3621-6813
3/6(Sat)-3/27(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday
11:00-19:00
Google Translate(to English)



奥のスペースでは平子雄一さんの個展。
一転して鬱蒼とした雰囲気が溢れ、ファンタジックな物語性がユーモラスに展開されています。ギャラリースペースに加え、奥の事務所にも作品が展示され、多くの作品によって濃密にその世界観が綴られていきます。


平子雄一_18.JPG 平子雄一_17.JPG 平子雄一_16.JPG

平子雄一_15.JPG



自然な緑が溢れ、樹木やきのこなどその場所の臨場感を醸し出すモチーフも画面にいっぱいに描き込まれて、その場所の雰囲気や画面のなかの世界の気配もしっかりと分かりやすく伝わってきます。
そこに登場する頭部が森になった人物たち、そのさまざまな仕草。どこかのんびりと牧歌的で、例えるとムーミン的な(って自分で書いてよく伝わらない気もしますが、もとい)物語が展開されているように思えてくるのが楽しいです。


平子雄一_14.JPG 平子雄一_13.JPG 平子雄一_12.JPG 平子雄一_11.JPG

平子雄一_10.JPG



画面からはさまざまな遊び心が感じられます。
比較的分かりやすいものがふんだんに描き込まれ、楽しく賑やかな雰囲気をもたらすと同時に、そこに謎めくモチーフがころころと挿入されていて、不思議な印象もそれによってさらに深まります。


平子雄一_09.JPG 平子雄一_08.JPG 平子雄一_07.JPG 平子雄一_06.JPG

平子雄一_05.JPG



絵の世界観をそのまま引き出したかのようなインスタレーションも。
粗い仕上がりがかわいい木彫作品もあり、その存在感が小気味よいアクセントをもたらします。
あわせて平子さんがいらっしゃる時は、これに準じる被り物を付けられていて、それもまた楽しかったり(けっこう大変そうですけど...)。


平子雄一_04.JPG 平子雄一_03.JPG

平子雄一_02.JPG



童話的な世界へと導かれ、そこでさまざまな場面に出くわすようなわくわくとした感じが面白いです。そして、そこに潜むユーモアとほんのり妖しい気配感。
現時点ではファンタジーが貫かれている印象で、常に分かりやすくその雰囲気が届けられるのが心地よいです。そしてこの物語が続くとして、どういう展開が繰り広げられるのだろうと思うと好奇心もさらにそそられます。


平子雄一_01.JPG
posted by makuuchi at 08:52| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月26日

review:中川トラヲ「しじまからことといへ」/Kodama Gallery Project 22 梶原航平「Flashback」《3/13》

review:中川トラヲ「しじまからことといへ」/Kodama Gallery Project 22 梶原航平「Flashback」《3/13》mirror

今回の京都の児玉画廊は、ふたりのペインターをフィーチャー。
「絵」の面白さが存分に伝わる空間がつくり出されています。


中川トラヲ「しじまからことといへ」
児玉画廊|京都
京都府京都市南区東九条柳下町67-2
075-693-4075
2/27(土)〜4/3(土)日月祝休
11:00〜19:00
中川トラヲ100227.jpg

Torawo Nakagawa "from Silence to Dialogue"
Kodama Gallery | Kyoto
67-2,Higashi-Kujo-Yanaginosita-cho,Minami-ku,Kyoto-shi,Kyoto-fu
075-693-4075
2/27(Sat)-4/3(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday
11:00-19:00
Google Translate(to English)


1階の中川トラヲさんの個展では、バラエティに富んだ色彩や情景が次から次へと繰り出され、ほぼ1点完結の世界観の連続に翻弄されます。
そしてその翻弄される感覚が痛快で気持ちいい!
今回はアクリル絵の具を採用されたとのことで、速乾性がもたらすリアクションの早さが、思い浮かぶイメージに対するレスポンスの良さへと転化されたような印象もあり、それがさらに、空間の全体に広がり、満たしている陽気でポジティブな雰囲気を生み出しているようにも思えます。

そして、画面のなかでさまざまなことが行なわれているのも興味をそそられます。
バラエティに富む物語性を備える作品が並んでいることもあってか、この空間で展開される世界観をひと掴みで捉えることが出来ないなか、おおらかなストロークはキャッチーなかたちや具象的なモチーフを描き出し、また作品によってはスクラッチが縦横に交錯、粗い仕上がりが動的なイメージをもたらしてくれたりと、繰り出される要素のひとつひとつがいろんな刺激となって軽快に迫ってくるように感じられるのも印象的です。


パーテーションによって創り出された手前のブースに配される小品群。
もっともちいさなサイズの作品では比較的シンプルな配色が、小気味よさが楽しい気分をもり立ててくれます。


中川トラヲ_35.JPG

中川トラヲ_34.JPG



画面のサイズに余裕が出てくると、一気にそのなかに込められる情報のボリュームが膨らんできます。
まず視界に届けられる配色の妙、2次元での展開の広がりや複雑なテクスチャーが放つミニマムな面白味に惹かれ、そこから筆致の痕跡やかたち、色があるイメージへと収束していくにつれ、ぐんと力強い奥行きを伴う臨場感が届けられ、さらに絵の世界へと意識が入り込んでいきます。


中川トラヲ_33.JPG 中川トラヲ_32.JPG 中川トラヲ_31.JPG 中川トラヲ_30.JPG

中川トラヲ_29.JPG



鮮やかな色彩が込められる作品が多いなかで、モノトーンの作品はひときわ異彩を放ちます。淡い無彩色、落ち着いた構造、それらによって紡がれるやや暗めな気配感が独特な静けさとなって、空間に絶妙のアクセントをもたらしているようにも思えます。
それでも細かく眺めていくと、ミニマムな面白さが充満しているから堪らない!


中川トラヲ_28.JPG 中川トラヲ_27.JPG 中川トラヲ_26.JPG

中川トラヲ_25.JPG



モノトーンの画像でも、そこにスクラッチが重なり、削り取られた灰色の絵の具の奥に軽やかな色彩が現れた作品もまた違う面白さが。
漂う線の曖昧で感覚的、そして粗い感触も、だんだんとそれが風景の稜線に見えてきたり。表面に塗りたくられるグレーの絵の具の質感色調が醸し出す沈むような暗く冷たい雰囲気も逆手に取られるように、飄々とした情景が導き出されていくような感じも痛快です。より自由な印象が伝わってくるんです。


中川トラヲ_24.JPG 中川トラヲ_23.JPG 中川トラヲ_22.JPG

中川トラヲ_21.JPG



一転して多彩なアプローチが繰り出された作品。「塗る」はもちろん「重ねる」「擦る」「削る」などの行為がひとつひとつ生々しい痕跡として画面に残り、比較的鮮やかで軽やかな色彩とは裏腹の粗いマチエルのアバンギャルドな感触、その激しいギャップに惹かれます。


中川トラヲ_10.JPG 中川トラヲ_09.JPG 中川トラヲ_08.JPG

中川トラヲ_07.JPG



多くの色が用いられ、風景を思い起こさせる作品群。どうしても詰め切れない具体的なイメージのもどかしさも、かえって楽しく感じられたりします。ぐんと広がる奥行きを捉えた刹那、「あれ?」みたいなズレがぽこんと脳裏に届けられたり...。おおらかで心地よいスケール感とのんびりした呑気で奔放なな雰囲気、いずれにしてもポジティブさに満ち溢れ、ふわりとした高揚感に浸れて心地よく思えます。


中川トラヲ_20.JPG 中川トラヲ_19.JPG

中川トラヲ_18.JPG 中川トラヲ_17.JPG 中川トラヲ_16.JPG 中川トラヲ_15.JPG

中川トラヲ_14.JPG



風景を連想させる作品でもっとも印象に残ったのがこちら。
用いられる色彩の数など他のものに比べてシンプルで、しかし最初に届けられるすこぶる地平線と満月の分かりやすいイメージがあり、さらにそこからさまざまな解釈を加えていくと連想がさらにぐんぐんと広がって、当初とはまったく違う情景に辿り着いていくのがとにかく面白いです。


中川トラヲ_13.JPG 中川トラヲ_12.JPG

中川トラヲ_11.JPG



そしてひときわポップなモチーフが登場する作品のどうしよもない痛快さといったら!


中川トラヲ_06.JPG 中川トラヲ_05.JPG 中川トラヲ_04.JPG 中川トラヲ_03.JPG

中川トラヲ_02.JPG



広い空間を満たしていくポジティブな雰囲気がとにかく痛快で、しかし整然と壁面に並ぶ作品とはじっくりと対峙でき、存分にイメージの膨張を堪能できるのもありがたいでしす。


中川トラヲ_01.JPG



Kodama Gallery Project 22 梶原航平「Flashback」
児玉画廊|京都
京都府京都市南区東九条柳下町67-2
075-693-4075
2/27(土)〜4/3(土)日月祝休
11:00〜19:00
梶原航平100227.jpg

Kodama Gallery Project 22 Kohei Kajihara "Flashback"
Kodama Gallery | Kyoto
67-2,Higashi-Kujo-Yanaginosita-cho,Minami-ku,Kyoto-shi,Kyoto-fu
075-693-4075
2/27(Sat)-4/3(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday
11:00-19:00
Google Translate(to English)



2階では、先に開催のグループショーと、京都市立芸術大学の学内での展示で拝見し強く印象に残っていた梶原航平さんの個展。
神殿での情景をテーマに、そこで繰り広げられるさまざまな場面がダイナミックに描き上げられ、壮大で荘厳なスケール感が空間全体に高らかに響き渡っているように感じられます。


梶原航平_21.JPG

梶原航平_20.JPG 梶原航平_19.JPG

梶原航平_18.JPG



圧倒的なスケール感で展開されるSF世界。登場するキャラクターも面白く、それらが何らかのかたちで登場していて、それぞれの作品の関係性にさまざまな連想を導き出してくれるのが楽しいです。


梶原航平_17.JPG 梶原航平_16.JPG 梶原航平_15.JPG

梶原航平_14.JPG



なかでも強烈なインパクトをもって登場するのが、鮮やかな色彩のタイトなワンピース、華やかな柄のストッキング、鋭いハイヒールを身につける女性。この暴力的な振る舞いにただ呆然!



でけぇよ!Σ( ̄口 ̄;)



でかすぎるよ!Σ( ̄口 ̄;)



どんな設定だよ!Σ( ̄口 ̄;)



ていうか



なぜ今ボディコン!?Σ( ̄口 ̄;)



この時代錯誤も甚だしい感じが実に痛快!
分からないけどいい!とにかくこのどうしようもないシチュエーションが堪らないです!


梶原航平_13.JPG



で、よくよく見ると頭と腕がなかったりして。
状況はいよいよ謎めいていきます。それでもぶわっと広がり膨らむような感じは貫かれるどころかむしろ加速させるようであって、閃光のようなストロークでケレン味なく描き上げられる神殿の、うねるような空間性と相まって、さらにこのSF世界へと意識が引き込まれていくんです。


梶原航平_12.JPG 梶原航平_11.JPG 梶原航平_10.JPG

梶原航平_09.JPG 梶原航平_08.JPG 梶原航平_07.JPG

梶原航平_06.JPG



今回の主題とはおそらく異なるシリーズと思われる、モノトーンの小品2点も面白いです。
絶妙の陰影で描き上げられる、レトロ風味が漂う場面。そこに唐突に現れる目玉がシュールな物語性を醸し出します。こちらのシリーズももっと拝見してみたいです。


梶原航平_05.JPG

梶原航平_04.JPG 梶原航平_03.JPG

梶原航平_02.JPG



もとい、メインの作品群で繰り広げられている伝奇的な物語性は、やはり堪らないです。
見上げるような壮大さに圧倒され、もっともインパクトのあるモチーフは繰り返しになりますが頭と腕のないボディコンの女性ですが、杖や剣なども随所に登場し、それぞれに何かの暗喩を想い重ねて眺めるとまた個々で展開される物語も深まっていきます。

以前拝見した作品も相当に奇妙なモチーフが描き重ねられて、そこでの物語性も独特な魅力を放っていました。もっといろんな世界を拝見してみたいです。


梶原航平_01.JPG
posted by makuuchi at 23:05| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月23日

review:鈴木基真 "World is yours"《2/27、3/2、3/5》

review:鈴木基真 "World is yours"《2/27、3/2、3/5》mirror

鈴木基真 "World is yours"
Takuro Someya Contemporary Art/Tokyo
東京都中央区築地1-5-11 築地KBビル1F
03-6278-0136
2/27(土)〜3/27(土)日月祝休
12:00〜19:00
鈴木基真100227.jpg

Motomasa Suzuki "World is yours"
Takuro Someya Contemporary Art/Tokyo
1-5-11-1F,Tsukeji,Chuo-ku,Tokyo
03-6278-0136
2/27(Sat)-3/27(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday
12:00-19:00
Google Translate(to English)



遊び心満載のジオラマ風木彫インスタレーション、これが面白い!


Takuro Someya Contemporary Art/Tokyoでの鈴木基真さんの個展です。

大小さまざまの木彫作品が並び、それぞれのスペースを楽しく盛り立てます。

入り口すぐの一角に展示された、ややドラム缶を思わせ、というとそこまでファットではないんですけど、そんなサイズの円柱の上に設置された作品。
森の木々の輪郭は、彫り痕もとい削り痕が生々しい粗い仕上がりに彩色が施されたもので、木彫の素材感が持つ迫力を遺憾なく発揮しています。その一方、その内部というか、樹木の幹の部分が彫り込まれてしっかり再現されていて、その律儀さに感嘆しきり。覗き込んで向こう側が見えるのがまた楽しかったり。


鈴木基真_34.JPG 鈴木基真_33.JPG

鈴木基真_32.JPG



重なる木箱の上には、どこか廃れた雰囲気が。
でもまるまるとデフォルメされたフォルムによってなんとも楽しげな空気感が醸し出されているように感じられます。


鈴木基真_31.JPG 鈴木基真_30.JPG

鈴木基真_29.JPG



廃車を浸食する枯れ木。
この異様な迫力に想いっきり惹かれます!


鈴木基真_28.JPG 鈴木基真_27.JPG 鈴木基真_26.JPG

鈴木基真_25.JPG



カウンター前、このギャラリーでもっとも拓けたスペースには床より通路分だけ小さい面積の台が組みあげられ、その上にジオラマが創り上げられているのですが、これがもうとにかく楽しすぎる!


鈴木基真_24.JPG



でかくて太い樹木がどーんと生えていたり、アメリカの田舎の住居を思わせる家々、あとは柵やら車やら、それなりのサイズのものがそこかしこに置かれて存在感を際立たせていて、その隙間にちょこちょこ置かれているアイテムが!


ああ!


いやもう何でまたこれほどまで律儀なの!Σ( ̄口 ̄;)



鈴木基真_23.JPG

鈴木基真_22.JPG 鈴木基真_21.JPG 鈴木基真_20.JPG 鈴木基真_19.JPG

鈴木基真_18.JPG 鈴木基真_17.JPG 鈴木基真_16.JPG 鈴木基真_15.JPG

鈴木基真_14.JPG 鈴木基真_13.JPG 鈴木基真_12.JPG 鈴木基真_11.JPG

鈴木基真_10.JPG



そのすぐそばの台上のスペースには、角材をくり抜かれたなかに乗用車のフロントが彫り上げられた作品。


鈴木基真_09.JPG

鈴木基真_08.JPG



そしてもっとも奥で目にする作品に度肝を抜かされます。


はい、どーん!


鈴木基真_07.JPG



よくもまあ彫ったなぁ、と!
窓のひとつひとつ、最上階の看板、果ては扉の取っ手に至るまで、ディテールが徹底して再現されています。
何よりもこのスケール感が痛快すぎるのです!


鈴木基真_06.JPG 鈴木基真_05.JPG 鈴木基真_04.JPG 鈴木基真_03.JPG

鈴木基真_02.JPG



粗めの仕上がり、雰囲気を伝える鮮やかな彩色。木の素材感をしっかりと感じさせてくれるのがなんとも嬉しく、そして再現性の高さと全体的なファットなデフォルメ感の絶妙な塩梅がほくほくとした気分をもたらしてくれるように思えます。
さまざまな空間で見付けていく情景がとにかく嬉しい、楽しい刺激をもたらしてくれるんです。


鈴木基真_01.JPG
posted by makuuchi at 06:20| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月22日

review:後藤輝 Love You More Than Painting《2/20、2/27》

review:後藤輝 Love You More Than Painting《2/20、2/27》mirror

後藤輝 Love You More Than Painting
TAKE NINAGAWA
東京都港区東麻布2-12-4 信栄ビル1F
03-5571-5844
2/20(土)〜3/27(土)日月祝休
11:00〜19:00
後藤輝100220.jpg

Aki goto Love You More Than Painting
TAKE NINAGAWA
2-12-4-1F,HigashiAzabu,Minato-ku,Tokyo
03-5571-5844
2/20(Sat)-3/27(Sat) closed on Suncay,Monday and national holiday
11:00-19:00
Google Translate(to English)


TAKE NINAGAWAでの後藤輝さんの個展です。

ギャラリーに入ってまず、その奇抜な空間演出に気分が高揚、ああこういった観せ方があったか、と唸らされます。
強い赤に塗られた木の板や木片で庭の外壁のような演出が施された空間。また床の一部には木片が寄せ置かれていて、それも「場所」の特異さをさらに深め、いつもと違うところにいるような感覚へと意識を誘っていきます。

そして作品は、その赤い板壁をくり貫くように開けられた小窓に設置。見方によっては埋め込まれるようなかたちでの展示も、やはりいつもと違う新鮮で斬新な面白さを提示してきます。

板壁の赤は、そこに嵌め込まれたベインティングの色を引き立てます。多彩なストロークで繰り出される豊かなマチエルの面白さ。作品によっては部分的に画面から盛り上がる絵の具の素材感は、その質感とは裏腹に意外と整然とした構図がもたらすすっきりとクリアでポップな空間性にアクセントをもたらし、キャッチーな響きが生み出されているようにも感じられます。

インスタレーションのインパクトは相当なものでそれはそれでこの上ない楽しさが届けられ、しかしそこに配されるペインティングひとつひとつの面白さにも大いに惹かれます。
ほぼ同じくらいのサイズの画面が、描かれる情景のバリエーションの豊かさをより強く感じさせてくれるのも嬉しいです。


後藤輝 23.JPG 後藤輝 22.JPG 後藤輝 21.JPG 後藤輝 20.JPG

後藤輝 19.JPG

後藤輝 03.JPG

後藤輝 02.JPG



床に設置された赤の壁。
そこにも整然とペインティングが嵌め込まれます。このバラエティの幅広さがまた楽しい!
描かれるモチーフのかたちは比較的くっきりとしていて、それがその情景へのイメージを遠からず近からずの絶妙な距離感に仕立てているようにも感じられます。


後藤輝 18.JPG

後藤輝 17.JPG 後藤輝 16.JPG

後藤輝 15.JPG

後藤輝 14.JPG 後藤輝 13.JPG 後藤輝 12.JPG

後藤輝 11.JPG

後藤輝 10.JPG 後藤輝 09.JPG 後藤輝 08.JPG

後藤輝 07.JPG



入り口すぐのところに設置された作品、この空間性はここで目にするペインティングに収まる情景のなかでもっとも印象に残ります。
謎めいて、しかし説得力も伝わる色彩のチョイス。濃い赤のドットがつらつらと並んで、画面の土手っ腹の部分に盛り上がる水色の絵の具。そして、ややくすんだ下地に青い影がふわりと伸び、仄かに不思議な郷愁感が漂っているように感じられるんです。なんともいえないやさしくて懐かしい雰囲気。うまい言葉が思い付かないんですけど、身の丈というか、なんだか実感できる深みに浸れるんです。


後藤輝 06.JPG 後藤輝 05.JPG

後藤輝 04.JPG



今回の作品は、モチーフになっているのは実は果物なのだそう。
それを踏まえるとまた違う楽しさや味わいが滲んできます。どれがどの果物だろうと想像しながら眺めていくと、それが何かに見えてきた時の「あ!」っていう嬉しさとともに、意外な縮尺のイメージも唐突に思い浮かんできたりして、その想像の広がりも楽しく感じられます。

展示方法の特異さはいうまでもなく強いインパクトを放ち、それはそれで充分に印象深いのですが、そのなかに配される作品ひとつひとつをイメージのなかで敢えて空間の雰囲気から抽出して観てみて、まず間違いなくシンプルにペインティングとしての面白さに満ちているようにも感じられるのがまた嬉しいです。
ある程度の高さの抽象性も備える作品群、そこに投入される遊び心。構図や配色などのキャッチーさ、クリアさが、たとえ画面の表面が粗めの仕上がりであっても、充分にファッショナブルなイメージを呼び込んできたりします。さまざまなモチーフを巧みに画面内に配するパターンの妙であったり、はたまたほんのりと渋めの「和」っぽいテイストを潜ませていたりと、いろんなかたちで届けられる面白さや味わいに心躍らされるのが痛快です。


後藤輝 01.JPG
posted by makuuchi at 22:01| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月21日

review:鈴木友昌展《1/22、1/30、2/20》

review:鈴木友昌展《1/22、1/30、2/20》mirror

鈴木友昌展
SCAI THE BATHHOUSE
東京都台東区谷中6-1-23 柏湯跡
03-3821-1144
1/22(金)〜2/20(土)日月祝休
12:00〜19:00

Tomomasa Suzuki
SCAI THE BATHHOUSE
Kashiwayu-Ato, 6-1-23,Yanaka, Taito-ku,Tokyo
1/22(Fri)-2/20(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday
12:00-19:00
Google Translate(to English)




むしろ肖像画のような深みを堪能。


SCAI THE BATHHOUSEでの鈴木友昌さんの個展に行ってきました。


たった4体の、しかも膝の高さほどの大きさの木彫の作品だけで構成されたインスタレーション。初日のレセプションでの大勢の人がひしめくなかでも決して埋もれることなく、むしろ小さいことがその存在を際立たせているかのようにも感じられ、日を改めて伺うと、今度は充分に余裕のある天井高を備えるこの空間の潜在的な力が表出し、作品の縮尺と再現性の高さも効いて、より壮大なスペースに圧倒的な静謐感が満たされ、ある種の荘厳な気配を伴って迫ってくるように感じられた次第。


鈴木友昌 06.JPG 鈴木友昌 05.JPG

鈴木友昌 04.JPG



僕が申し上げるのもおこがましいですが、昨今のアートに接していて木彫のユニークな個性に接する機会は多く、その流れの中で人物をモチーフとした木彫作品はひとつのスタイルとして捉えられると思います。その一方で、木彫によるスーパーリアルな表現も、シーンの一部をしっかりと担っているように感じられるのですが、鈴木さんの作品はそのどちらの面も備え、彫られる人物の顔立ちから指先の、着衣や手に抱えるさまざまなアイテムに至るまで、彩色も含めてモチーフとなった人物が精緻な縮尺で再現されます。
しかし、須田悦弘さんや前川冬樹さん他のスーパーリアルな作品を目にしていると、その再現性の高さ自体には正直なところそれほど驚かされないと感じます。それでもこれほどまでに引き込まれるのは、恐らくその制作の工程にあるように思えるのです。


鈴木友昌 03.JPG



プレスリリースを拝読すると、モチーフとなる人物と対面、対話しながら彫られるとのこと。それを踏まえて眺めていると、そこにいる木彫の人物のさまざまな自己表現の部分がより強い意味をもって迫ってくるように感じられてきます。
髪型や衣服からはもちろんのこと、「わざわざ」ドラムのスティックを握っていたり、レコードを脇に抱えている姿が、被写体の人物の強烈なアイデンティティの提示のように思えてくるのです。
さらにひとつひとつの仕草や徹底したディテールの再現にも想像が膨らみます。
例えば「ああ、この人は普段はこのメーカーのコーラを飲んでるのか」とか、さらにはもしかしたら、

「いつもそれ、飲んでますよね」

「そうなんだよこれマジでいけるんだよイェー」

みたいな会話も交わされたのかも...例えの陳腐さには目を瞑ってもらうとして、拘られたディテールのひとつひとつがいろんな空想のエピソードを脳裏に呼び込んでくるんです。


鈴木友昌 11.JPG 鈴木友昌 10.JPG 鈴木友昌 09.JPG 鈴木友昌 08.JPG

鈴木友昌 07.JPG


鈴木友昌 01.JPG



全方位で創り出される肖像画、そういう印象を覚えます。
この縮尺で指に挟むタバコや眼鏡などが緻密に木彫で再現されていることに対してはそれでも無論充分ぐっと引き寄せられる要素であり、しかしそれ以上に、その咲く品に置ける、その人物がそうのように再現されていることから始まっていく、そして深まっていく「対話」が心に残ります。
加えて、やはりこの縮尺というのも、作品との対話を深める大きな理由になっているようにも思えます。もしこれが実物大で制作れていたとしたら、もっと強いインパクトとしての臨場感に圧倒されるようにも思えるのですが(それはそれで体感してみたいです)、コンパクトに再現されているからこそ、想像の流れが自然にもたらされてさまざまなイメージが積み上げられていくのかも、とも。

何はともあれ、観られてよかった展示であり、このインスタレーションを体感できたことが嬉しく思えます。


鈴木友昌 02.JPG
posted by makuuchi at 11:37| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月19日

review:片野まん「2010」《2/20、3/6》

review:片野まん「2010」《2/20、3/6》mirror

片野まん「2010」
@MORI YU GALLERY TOKYO
東京都新宿区西五軒町3-7 ミナト第三ビル4F
03-6906-9556
2/20(土)〜3/20(土)日月祝休
12:00〜19:00
片野まん100220.jpg

Man Katano solo exhibition "2010"
MORI YU GALLERY TOKYO
3-7-4F,Nishi-Gokencho,Shinjuku-ku,Tokyo
03-6906-9556
2/20(Sat)-3/20(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday
12:00-19:00
Google Translate(to English)



よりアグレッシブに、そして今までの「いなたさ」も。


MORI YU GALLERY TOKYOでの片野まんさんの個展です。


まず入り口に並ぶ肖像画の小品。
ここから何やらひと味違う感じがして、期待感も高まります。


片野まん_23.JPG



片野さんの作品というと思い浮かぶイメージは結構僕のなかでは確立されていたのですが、その風合いを保ちつつもそれを予想外の方向へと大きく裏切る痛快な大作がずらりと並んでいて圧巻!
敢えてこれまでを「三枚目」的な世界観だとすれば、そこにぐっとダンディズムを注入し、ハードボイルドなテイストも充満していて、その意外な展開にぐっと引き込まれます。

メインスペースに入ってすぐの風景で構成された作品。
味わい深い線の表情、全体的な色彩感、その質感からは片野さんらしさが充分に滲み出ています。今回出品されている作品の中ではこれまでの片野さんの世界観、賑々しい風合いがもっとも濃く残っている印象で、しかし比較的シンプルな構図とモチーフの挿入に、はやりこれ窓ぇとは一線を画する雰囲気も感じられます。何というか、格好良さが増した感じがするんです。


片野まん_22.JPG 片野まん_21.JPG 片野まん_20.JPG 片野まん_19.JPG

片野まん_18.JPG



ここから大作がずらりと!
サイズのインパクトはあらためて言うまでもなく、それ以上にこれまでになかった色彩と筆致とが繰り出されていて、これまでの賑々しい混沌から一転、危うささえ感じられる配色とより大胆に混在するさまざまな縮尺、それがもたらす凄まじい「歪み」に意識が呑み込まれるような印象。うねるようなダイナミズムを伴うクールな物語性を醸し出しているように感じられます。


片野まん_17.JPG

片野まん_16.JPG 片野まん_15.JPG 片野まん_14.JPG 片野まん_13.JPG

片野まん_12.JPG



ひとつひとつのモチーフを抽出して拝見し、これまでの黒の輪郭線で描かれたものの登場自体が相当に抑え込まれているこちに気付かされるのも、今回の展示に大きな変化がもたらされているように思わせてくれる大きな要素のひとつのように思われます。
ある種の「一本調子」感、例えとして適切ではないかもしれないですが、いつまでたっても変わらぬ笑いの質を期待してしまう吉本新喜劇的な感触から離れ、もっと肉感的なストロークや衝かれるようにして画面にぶち込まれる生々しい筆致が、それでも残るいなたい雰囲気とぶつかり合ってエネルギーが生まれ、これまでとはかたちを変えた濃厚な雰囲気が放たれているように感じられるんです。


片野まん_11.JPG 片野まん_10.JPG 片野まん_09.JPG 片野まん_08.JPG

片野まん_07.JPG



ひとつの作品にひとつのメインカラーが備わっているのに片野さんらしさを感じますが、その色合いですら、これまでは混在する情景やモチーフをひとつの世界に包み込んで収めるような感じから、変わらぬ要素の多さがもたらす混沌と加速させ、歪んだ濁った気配を生み出しているように思えるのも強く印象に残ります。
パノラマ的にさまざまな情景が浮かんでは消えるような感触も伝わってきて、それが今までの片野さんの作品から捉えられなかったメランコリックな風合いも届けられているように思えるのも新鮮です。


片野まん_06.JPG 片野まん_05.JPG 片野まん_04.JPG 片野まん_03.JPG

片野まん_02.JPG



これまで以上にバラエティに富む風合いのさまざまな描写が織り交ぜて展開される世界観。その深まりにおおいに惹かれ、圧倒された次第です。
むしろ混沌とした感じもぐんと深まったように思われるのですが、その分ファッショナブルな印象も強くて、そしてそれはやはり独特の味わいを醸し出します。


片野まん_01.JPG
posted by makuuchi at 08:49| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月17日

〜3/14のアート巡り

〜3/14のアート巡り mirror

■3/5 Fri
根本佳奈 -止まらない街の秒針-
Showcase/ MEGUMI OGITA GALLERY
東京都中央区銀座5-4-14 銀成ビル4F
03-3571-9700
3/5(金)〜3/20(土)日月祝休
11:00〜19:00
根本佳奈100305.jpg

主にシルクスクリーンで描き出される、ぱっと軽やかな色彩風景。冬を思わせる白の下地にカラフルな服を纏う人々が描き重ねられ、ポップにその情景を彩っていきます。


根本佳奈_06.JPG 根本佳奈_05.JPG

根本佳奈_04.JPG



画面によって色を変え、版表現らしい面白さを押し出したシリーズ作品も。
ていねいに描写される布の撓みによる陰影も楽しく、また構図にも遊び心が感じられて楽しいです。


根本佳奈_03.JPG

根本佳奈_02.JPG



シルクスクリーンらしいきりっとした発色が効いています。
ちいさな作品だとかわいらしさもひときわ強く感じられます。


根本佳奈_01.JPG



肥沼義幸 Fragile
GALLERY TERRA TOKYO
東京都千代田区岩本町2-6-12 曙ビル1F
03-5829-6206
3/5(金)〜4/10(土)日月祝休
11:00〜19:00
肥沼義幸100305.jpg

麻布から岩本町へと場所を移したGALLERY TERRA TOKYOの移転第一弾は、久々に登場の肥沼義幸 さんの個展。
これまで拝見し、濃厚な油絵の具が画面に乗る青い画面の人物の作品の印象が強いですが、今回は筆致、構図共に新たな展開を感じさせてくれます。正面の壁面に展示された大作のざっくりと荒々しいストロークが打ち込まれたようなアグレッシブな雰囲気のものや、いつになくメロウな表情で描かれる女性の作品など、バラエティに富む展開も興味深いです。



■3/6 Sat
春草絵未「ただいまと地平の影へもぐりこむ線を結んで空のそのさき」
Ohshima Fine Art
東京都新宿区西五軒町3-7 ミナト第三ビル3F
03-3235-2271
3/5(金)〜4/4(日)日月火祝休(最終日は開廊)
13:00〜19:00
春草絵未100305.jpg

GEISAIなどで何度か拝見している春草絵未さんの個展。分厚いパネルにマウントされる紙やキャンバスの作品で、手法もユニークです。
トレーシングペーパーに塗布されたパステルを支持体に当て、その上から線を描くことで色を転写させるという方法で描かれていて、立体的な展示とともに不思議な印象をもたらしてくれます。


春草絵未_12.JPG 春草絵未_11.JPG

春草絵未_10.JPG



基本的に線描の作品ということもあり、その密度にも惹かれます。ペンや鉛筆の黒ではなく、独特の濃淡と滲みを伴う軽やかな色彩であることが、なんとなく儚げな,朧げな気配を導き出しているようにも思えてきます。そして、複数の画像をレイヤー状に重ねて転写させてひとつの画面を構成しているのも、そのユニークさをさらに高めているように思えます。


春草絵未_09.JPG 春草絵未_08.JPG 春草絵未_07.JPG

春草絵未_06.JPG



さまざまなサイズの作品が並びます。
相当な大きさの作品も。余白の大きさが儚げな気配を深めます。


春草絵未_05.JPG



厚みのない画面の作品もよい感じです。


春草絵未_04.JPG 春草絵未_03.JPG

春草絵未_02.JPG



もたらされるユニークな色彩感、色調、密度で、これからさらにどんな情景が描き出されるかも楽しみです。


春草絵未_01.JPG



吉田晋之介
GALLERY MoMo Ryogoku
東京都墨田区亀沢1-7-15
03-3621-6813
3/6(土)〜3/27(土)日月祝休
11:00〜19:00
吉田晋之介100306.jpg

昨年のシェル美術賞で印象に残る、吉田晋之介さんの個展。未来的なイメージをもたらす色彩感と、そこに描き加えられる柵のようなものによって提示される空間性の面白さに惹かれます。歪んだ重力感が満ちる不思議な広がりが印象的です。



平子雄一展「Yuichi Hirako : 庭先メモリーズ」
GALLERY MoMo Ryogoku
東京都墨田区亀沢1-7-15
03-3621-6813
3/6(土)〜3/27(土)日月祝休
11:00〜19:00
平子雄一100306.jpg

鬱蒼とした色彩感、頭部が森になったキャラクターが登場するさまざまな場面が描かれた作品がずらりと並んで不思議な賑々しさが広がります。
ひとつの画面に描き込まれる情報は相当なものであるにもかかわらず、独特の淡々とした雰囲気も滲んでいるように感じられるのも興味深いです。



■3/7 Sun
この日は雨のなか、トーキョーワンダーサイト渋谷で開催中のワンダーシード2010へ。
ちいさな作品がずらりと並ぶのを眺めるのは楽しいです。ちいさな画面のなかに詰め込まれるたくさんにさまざまなイメージに接して、その分のたくさんの発見が得られます。
ただ、多くの作品を拝見してどうしても思ってしまったのが、小さな作品だからこそ、仕上げに拘って欲しいなぁ、と。どうしても詰めの甘さが目についてしまう作品も少なくなかったように思えます。キャンバスの張りの緩さや側面の仕上げの粗さ、紙作品の余白のおそらく意図的ではないノイズなど、ちょっとしたことで作品が持つ面白味に入っていけないのはもったいなく感じられます。



■3/10 Wed
真島直子展「密林にて」
ミヅマ・アクション
東京都目黒区上目黒1-3-9 藤屋ビル2F
03-3793-7931
3/10(水)〜4/10(土)日月祝休
11:00〜19:00
真島直子100310.jpg

立体作品が良いです。
糸やボタンなどさまざまな素材を付着させ、そのかたまりからぬっと歯が、そして頭部が現れるような。強烈に濃厚な危うくて妖しい雰囲気を醸し出しつつ、独特のかわいらしさも感じられたのが興味深いです。
鉛筆画の鬱蒼とした気配も印象に残ります。さまざまなストロークが重ねられて、ある情景を俯瞰するような感触に惹かれていきます。



■3/12 Fri
三宅砂織 個展『image castings』
GALLERY at lammfromm
東京都渋谷区上原1-1-21 山口ビル1F
03-5454-0450
3/13(土)〜4/20(火)12:00〜20:00(土:11:00〜、日:11:00〜19:00)
三宅砂織100313.jpg

今年のVOCA展でVOCA賞を受賞されてひときわ注目を集める三宅砂織さんがラムフロムに登場。独自の手法で展開されるメランコリックなファンタジーが、明るい色彩を放つグッズに溢れる空間と向かい合わせの壁面に展示され、いつも以上にそのかわいらしい雰囲気がより強く惹き出されているように感じられるのが嬉しいです。
新たな展開の作品も展示され、今後どんな世界が紡がれていくかも楽しみになってきます。



田中麻記子 個展 「Le pollen」
hpgrp GALLERY 東京
東京都渋谷区神宮前5-1-15 CHビルB1F
03-3797-1507
3/5(金)〜3/28(日)月休
11:00〜20:00

このところ油彩画による展開を続けられていた田中さん、今回はパステル画。これがいいんです。
なめらかに広がる色彩、油彩の作品にもたらされていた濃厚な気配を残しつつ、ふわりとやわらかな雰囲気もそこに漂います。横長の作品から小品までさまざまなものが並び、空感の余白とのバランスも心地よく感じられます。やさしく豊かな色の響きをゆったりと味わいたい展覧会です。



大槻香奈展「すべてになるそのまえに」
neutron tokyo Main Gallery + 2F Salon
東京都港区南青山2-17-14
03-3402-3021
2/24(水)〜3/14(日)月休
11:00〜19:00(最終日:〜18:00)
大槻香奈100224.jpg

昨年のTCAFでのneutronのブースで印象に残っている大槻香奈さんの個展。セーラー服姿の女の子が浮かべる憂いを帯びた表情がメランコリックでメロウな気配と揺らめくような物語性を思い起こさせてくれます。そしてその一方で、背景として描き込まれるさまざまな情景やモチーフから幻想的な風合いも奏でられ、いっそう濃く深い世界館が導き出されているようにも思えます。


大槻香奈_19.JPG


大槻香奈_18.JPG 大槻香奈_17.JPG 大槻香奈_16.JPG

大槻香奈_15.JPG


大槻香奈_14.JPG 大槻香奈_13.JPG 大槻香奈_12.JPG

大槻香奈_11.JPG



一方で、風景だけの作品も。
個人的にはこちらのほうにより惹かれます。
抽象的な気配も一気に高まり、退廃したような儚げでミステリアスな雰囲気もいっそう強く画面から放たれます。


大槻香奈_10.JPG


大槻香奈_09.JPG 大槻香奈_08.JPG 大槻香奈_07.JPG

大槻香奈_06.JPG


大槻香奈_05.JPG 大槻香奈_04.JPG 大槻香奈_03.JPG

大槻香奈_02.JPG



統一感ある世界観の中にもたらされる幅広いイメージ。
これからどんな情景が導き出されるかも楽しみです。


大槻香奈_01.JPG



TOKYO WEDDING Satoshi Osada, Erika Yamashiro
T&G ARTS
東京都港区六本木5-9-20
03-5414-3227
3/12(金)〜3/17(水)土日月祝休
11:00〜19:00

この度ご結婚された長田哲さんと山城えりかさん。それを記念しての2人展で、前日に開催されたパーティーに伺うことができず無念至極、明けて展覧会としての初日に。
それぞれのお馴染みのクリエイションが、比較的ゆったりと展示されていてよい感じです。山城さんの淡いピンクが奏でる大人びた幻想的な気配、さまざまなストロークでバラエティに富んだコンストラクションを展開し、そこにするりと人の顔などを折り込む長田さん、それぞれがその個性を響かせているのも楽しく感じられます。



榮水亜樹 Aki Eimizu Solo Exhibition
MA2Gallery
東京都渋谷区恵比寿3-3-8
03-3444-1133
3/12(金)〜4/10(土)日月祝休
12:00〜19:00(Appointoment:19:00〜20:00)
塋水亜樹100312.jpg

この空間は、ホントにこういうふわっとした世界観が合います。
榮水亜樹さんを個展で拝見するのは相当に久しぶりに感じます。そして今回は平面作品での新たな展開が実に興味深く、何層にも重ねられる透明な素材とその奥に沈み込むドットの不思議な距離感におおいにイマジネーションが刺激され、その繊細な風合いに引き込まれます。随所に展示される立体作品もかわいらしいことこの上なく。



■3/13 Sat
坂本夏子 BATH,R
白土舎
愛知県名古屋市中区錦1-20-12 伏見ビル地階
052-212-4680
3/13(土)〜4/17(土)日月祝休
11:00〜19:00
坂本夏子100313.jpg

前回の白土舍での個展が一昨年の秋で、それからここまでの間にさまざまな賞を受賞され、今もっとも話題を集めるアーティスト/ペインターのひとり、坂本夏子さん。今回発表された大作は、VOCA展出品と本来対を成すそうで、場所は違えどそれぞれが同時期に展示されていることに嬉しさを覚えます。
出品作品数こそ5点と少ないものの、既にどのポイントが正しい位置なのか判別が難しいほどに歪みに歪んだ情景の混沌と、キャンバスから筆が離れる瞬間が思い起こされるほどに生々しい絵の具の臨場感、そしてポジティブな艶やかさを放つ瑞々しい青の色彩感など、観れば観るほどに引き込まれるペインティングに加え、習作的作品でのイメージをまとめていくようなスリルとテンション感、木炭画での静謐と、さまざまな見所に溢れます。



ヴィべケ・タンベルグ展 A Real Feeling
TOMIO KOYAMA GALLERY,Kyoto
京都府京都市下京区西側町483(西洞院通/新花屋町通 西南角)
075-353-9992
2/5(金)〜3/13(土)日月祝休
12:00〜19:00
Vibeke Tandberg 100205.jpg

ファットなストロークが異様なエネルギーを放つ画面がずらりと並んで、しかしモノトーンの無機的な色調がどこか達観したような気配も導き出していたような印象。エイミー・ワインハウスのパパラッチ写真の上からドローイングを重ねた作品とのことで、そう伺うとスキャンダラスな雰囲気がぐっと高まって迫るように感じられます。


Vibeke Tandberg_08.JPG Vibeke Tandberg_07.JPG Vibeke Tandberg_06.JPG Vibeke Tandberg_05.JPG

Vibeke Tandberg_04.JPG



壁に立て掛けられた、パターンがびっしりとプリントされた板状の作品にも引き込まれた次第。俯瞰すると執拗に繰り返される装飾の幾何学的な密度に惹かれるのですが、至近で眺めるとこちらもエイミー・ワインハウスの写真が加工されていることに気付かされ、これまでの無機的な印象から一転し、強烈な危うさがイメージを覆っていくような感触が強く印象に残っています。


Vibeke Tandberg_03.JPG Vibeke Tandberg_02.JPG

Vibeke Tandberg_01.JPG



Jean Claude Wouters "The Sweetest Embrace of All"
Taka Ishii Gallery Kyoto
京都府京都市下京区西側町483(西洞院通/新花屋町通 西南角)
075-353-9807
2/5(金)〜3/13(土)日月祝休
11:00〜19:00

手前のヴィべケ・タンベルグ展に続いてこちらもモノトーンの空間。
薄らと大きな画面に捉えられる画像は,初見ではおおらかな山並みを思い起こさせ、だんだんとそれが何であるか...横たわる裸婦であることに気付かされ、そこから立ちのぼる際どい妖艶な気配に意識が引き込まれつつ、しかしそれが風景に見えた事実が許される誤認というか、そのスケール感で捉える深遠さから浮かぶイメージも心地よく感じられた次第です。


Jean Claude Wouters_07.JPG

Jean Claude Wouters_06.JPG



1点だけ展示された、異なる風合いの画像の作品も興味深いです。
元の画像にスクラッチなど手が加えられ、さらにそれを撮影し、またそれに手を加え、ということを繰り返して制作された作品とのことで、画面に飛散する無数の粒子が導き出す荒れた感触が独特の臨場感を醸し出していて、その殺伐とした静謐さに感じ入ります。


Jean Claude Wouters_05.JPG Jean Claude Wouters_04.JPG Jean Claude Wouters_03.JPG Jean Claude Wouters_02.JPG

Jean Claude Wouters_01.JPG



中川トラヲ「しじまからことといへ」
児玉画廊|京都
京都府京都市南区東九条柳下町67-2
075-693-4075
2/27(土)〜4/3(土)日月祝休
11:00〜19:00
中川トラヲ100227.jpg

色彩が溢れ、作品ごとに繋がっていそうでいない感じ、およそおそらく統一感のない展開がむしろ痛快です。
さまざまなテクスチャーやストロークが投入され、バリエーションに富んだ場面が描き上げられていて、そこに抽象的なアプローチによる面白さであったり、さらに具現的なモチーフが唐突に現れていたりと、ユーモアとシュールさとが混在する世界にイメージが思いもよらぬ方向へと広がっていく感じが楽しいです。



Kodama Gallery Project 22 梶原航平
児玉画廊|京都
京都府京都市南区東九条柳下町67-2
075-693-4075
2/27(土)〜4/3(土)日月祝休
11:00〜19:00
梶原航平100227.jpg

今年の京都市立芸術大学の年度末の学内での展示でも拝見した梶原航平さんの咲く品群とふたたび対面。いやぁ、面白いっ!
西洋の神殿を巨大なボディコンスーツを纏う女性の肢体や杖、剣などが舞い、また焦燥に煽られるようにして描き殴られるようなアグレッシブなストロークで臨場感たっぷりに描き上げられる重厚な奥行き感を醸し出す場面の力強さ,迫力にもおおいに引き込まれます。
2点だけ展示されていたモノトーンの小品もよい感じです。



0000 SPOT 0002 宮田雪乃 金光男「つぎのとなり」
0000gallery
京都府京都市下京区麩屋町通五条上る下鯖形563
3/13(土)〜3/19(日)月休
12:00〜22:00(最終日:〜20:00)
つぎのとなり100313.jpg

京都の新スペース「0000gallery」で開催の、ふたりのアーティストがフィーチャーされた展覧会です。
まず1階、宮田雪乃さんの版画作品。
塩ビ板を用いた凹版の版作品とのことで、もりもりとユーモラスな雰囲気がよい味わいを醸し出し、描かれる遊び心やいたずら心も潜ませられた情景も楽しく感じられます。


宮田雪乃_06.JPG

宮田雪乃_05.JPG



逆さ松竹梅をモチーフに描いたシリーズ作品。
イラスト的な風味もほんのりと入るポップな色彩感や太い線の構成の楽しさ、そしてそこに描かれているのが縁起がよろしくないとされる逆さの松や竹であったり、さらに危ういモチーフも軽やかなスタンスで描き込まれているのにやっぱり面白く感じられるのがまた興味深いです。


宮田雪乃_04.JPG 宮田雪乃_03.JPG

宮田雪乃_02.JPG



実に独特の味わい深さを醸し出す版作品で、今後の展開も興味津々、素材の限界や描きたい世界観などでどんな風になっていくか楽しみです。


宮田雪乃_01.JPG



2階では金光男さんの作品が。
これが面白い!
写真製版のシルクスクリーン作品、しかし支持体に蝋の板が採用され、ただプリントされるだけでなくその画面の一部を加熱して蝋を溶かし、そのなかにプリントされたドットが支持体への定着から解放され、不思議な質感を表出しているのが面白いです。
そして溶けた蝋のなかにインクのドットが閉じ込められて、いったいどうなっているんだろうというテクスチャーの創出がなされてることに感心させられます。


金光男_10.JPG

金光男_09.JPG


金光男_08.JPG

金光男_07.JPG


金光男_06.JPG

金光男_05.JPG



実際に加熱中の作品も。眺めていると溶ける蝋に浮かぶドットがなんとも奇妙に感じられます。


金光男_04.JPG


金光男_03.JPG

金光男_02.JPG



面白いアプローチによく気付かれたなぁ、と。
現象がもたらすさまざまな表情でどんな質感の雰囲気を創り出していくか、こちらも楽しみです。
ちなみに僕が伺ったのはやや早めの時間で、夜にはパフォーマンスも行われた模様。
蝋に包まれた白熱電球。熱が加わって蝋が溶けたら,,,。


金光男_11.JPG



今村哲「いない」
MORI YU GALLERY KYOTO
京都府京都市左京区聖護院蓮華蔵町4-19
075-950-5230
2/13(土)〜3/13(土)日月祝休
12:00〜19:00
今村哲100213.jpg

再訪。
あらためて拝見し、今村さんの作品の中に備わっている重厚な世界観とユーモア溢れる引用に不思議な想像が広がります。


今村哲14.JPG



バラエティに富むさまざまな場面が描かれたペインティング。
外部からの引用であったり、はたまたいくつかの作品に登場するモチーフが、それぞれの作品同士に謎めく関係性をもたらしたり。


今村哲12.JPG

今村哲13.JPG 今村哲11.JPG 今村哲10.JPG 今村哲09.JPG

今村哲08.JPG



正面に展示されていた赤の作品が醸し出す気配にも圧倒された次第。
至近で眺めても合わない焦点が、強烈な妖しさを放ちます。加えて不思議な熱を帯びたような揺らめくマチエルにも引き込まれます。


今村哲07.JPG 今村哲06.JPG

今村哲05.JPG



吹き抜けの空間を活かした作品も。
何だかかわいい、というか不思議な味わい...。


今村哲04.JPG

今村哲03.JPG

今村哲02.JPG



今回はテキストが付随した作品も多く、その文章との関係性も不思議さをいっそう深めます。


今村哲01.JPG



■3/14 Sun
西山裕希子展 a suite -組曲-
neutron kyoto
京都府京都市中京区三条通烏丸西入ル 文椿ビルヂング2F
075-211-4588
3/2(火)〜3/14(日)
11:00〜23:00(最終日:〜21:00)
西山裕希子100302.jpg

ろうけつ染めで紡がれる線描、爽やかな色香を奏でる女性のシルエットやたおやかな手の表情。余白のバランスも独特で、さらにその繊細で儚げな気配も深まったように感じられます。
今回はneutornのガラス張りの空間での展示ということで1点完結の咲く品を中心に構成されていたような印象を受けましたが、インスタレーションも含め、もっといろいろと拝見したいクリエイションです。



バンビナート ギャラリー オープニング エキシビション「ひとひと」
Bambinart Gallery
東京都千代田区外神田6-11-14 アーツ千代田3331 地階 B107
3/14(日)〜4/24(土)日月祝休(初日を除く)
11:00〜19:00
ひとひと 100314.jpg

アーツ千代田3331の開館記念に合わせて開催の、Bambinart Galleryでのフレッシュな個性から物故作家まで幅広いセレクションでさまざまなサ商品を揃えたグループショー。松井えり菜さんの渋い作品、平川恒太さんのドットの作品が特に印象に残っています。



Transfomation/岩竹理恵,齊藤瑠里,PARK JA HYUN,西村加奈子
Gallery Jin
東京都台東区谷中2-5-22 山岡ビル1F
03-5814-8118
3/3(水)〜3/25(木)月火及び3/7休
12:00〜19:00(最終日:〜17:00)
Jin 100303.jpg

4名のアーティストによるグループショー。
カウンターのスペースには齊藤瑠里さんの岩彩の作品。
独特の絵肌と細い稜線、軽やかな色彩、個性的な顔立ちと表情の女性が登場する場面。齊藤さんらしいモチーフの作品が並び、また今回は大胆な縮尺のものが多く、ゆったりとした雰囲気を保ちながらも、いつもと異なる遊び心が味わい深く感じられます。


齊藤瑠里_07.JPG 齊藤瑠里_06.JPG 齊藤瑠里_05.JPG

齊藤瑠里_04.JPG



お馴染みのちいさな作品も。


齊藤瑠里_03.JPG

齊藤瑠里_02.JPG



カウンターのスペースを前提に制作されたサイズの作品が配され、不思議な雰囲気が溢れます。


齊藤瑠里_01.JPG



パク・ジャヒョンさんのペン画。
その密度、繊細な作業の集積に引き込まれます。
全てが点で描かれている、煙草をくゆらす女性の肖像。虚ろな視線や流れる頭髪など、描写のリアリティは凄まじく、しかし至近で眺めると当然点に分解され、僅かな濃淡すらしっかりと点の密度のコントロールで表出されていることに驚かされます。


PARK JA HYUN_07.JPG PARK JA HYUN_06.JPG PARK JA HYUN_05.JPG PARK JA HYUN_04.JPG

PARK JA HYUN_03.JPG



この据わった目に、ただ圧倒されます。
危うさ、スリリングな気配が伝わってきて、描写の精度以上にこの気配の濃さ、横たわる怠惰な雰囲気にこちらのイメージも深まっていくように感じられます。


PARK JA HYUN_02.JPG

PARK JA HYUN_01.JPG



西村加奈子さんのペインティングは一転して油絵の具の濃い質感に惹かれます。
トーキョーワンダーサイトでの仏壇の作品の印象が強いですが、今回は花などをモチーフに採用したさまざまなサイズの作品で展示を構成。独特の筆使いが醸し出す味わい深さはそのままに、おそらく基本的には具象でありつつ、印象としての抽象的な表現も織りまぜられながら、その妖し気な世界観がさらに押し拡げられているように思えます。


西村加奈子_10.JPG 西村加奈子_09.JPG 西村加奈子_08.JPG 西村加奈子_07.JPG

西村加奈子_06.JPG



額まで描かれた小品。
ひときわ、油絵の具の臨場感が強く伝わってきます。


西村加奈子_05.JPG

西村加奈子_04.JPG



やはり独特の雰囲気が印象的です。
油彩画を観ている充実感が提供され、その一方でどこか「和」の感触、もしく絵の具のフレッシュな発色とは裏腹の古びた風合いも仄かに感じられ、それが個性的な面白味を生み出しているような気がします。


西村加奈子_03.JPG 西村加奈子_02.JPG

西村加奈子_01.JPG



奥のちいさな部屋では、岩竹理恵さんの写真作品が。
どのような行程を経て制作されているかは分かりかねるのですが、部分的にシャープに焦点が合い、ぼやけた部分とが混在してなんとも不思議な気配が導き出されています。


岩竹理恵07.JPG 岩竹理恵06.JPG 岩竹理恵05.JPG

岩竹理恵04.JPG



独特のクールさに惹かれます。
省略される背景、その白さ、もしくは黒さによって樹木の陰影が鮮烈に引き出されているようにも思えてきます。


岩竹理恵03.JPG 岩竹理恵02.JPG

岩竹理恵01.JPG



この日はVOCA展2010のレセプションへも。
またあらためて時間を取ってゆっくりと拝見したいと思いますが、今回も既知のアーティストが多数参加されていて嬉しく、また初めて観る強烈な個性も少なくなく、その渾身の作品が一挙に観られるのはやはり嬉しいです。



《買ったCD》
「十九色」清浦夏実
3曲目「アノネデモネ」がすごくいい!


《買った本》
「船に乗れ!〈2〉独奏、〈3〉合奏協奏曲」藤谷治
「武士道シックスティーン」誉田哲也
「通天閣」西加奈子
posted by makuuchi at 18:24| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月15日

review:山口藍展「きゆ」《2/10、2/24》

review:山口藍展「きゆ」《2/10、2/24》mirror

山口藍展「きゆ」
ミヅマアートギャラリー
東京都新宿区市谷田町3-13 神楽ビル2F
03-3268-2500
2/10(水)〜3/13(土)日月祝休
11:00〜19:00
山口藍100210.jpg
(c) ai yamaguchi・ninyu works

YAMAGUCHI Ai "kiyu"
MIZUMA ART GALLERY
東京都新宿区市谷田町3-13-2F,Ichigaya-Tamachi,Sinjuku-ku,Tokyo
2/10(Sat)-3/13(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday
11:00-19:00
Google Translate(to English)



ミヅマアートギャラリーでの山口藍さんの個展です。


今回の山口さんの展示空間に足を踏み入れてまず期待し楽しみにしていた感触、思い描く山口さんの世界観のイメージに包まれている嬉しさを実感したのですが、そこからひとつひとつ作品を拝見していって、これまでとはまたやや違う雰囲気を感じた次第。

お馴染みの日本髪の女の子たちが天真爛漫さを撒き散らしている情景。そこかしこから危ういかわいらしさが立ち上っていて、しかし作品の中の彼女たちとじっと対峙して間もなく、そこに佇む女の子の表情からただならぬ緊張感が伝わってきて、それは少なくとも僕が想定していたイメージからはみ出してきたもの,予想外だったので余計にその張りつめた空気感に意識が引き寄せられてしまった、と。。。



山口藍 20(c) ai yamaguchi・ninyu works.JPG
(c) ai yamaguchi・ninyu works


今回のインスタレーションでもっともその存在感が際立つのは2009年のアートフェア東京で発表された巨大な桶型に組み上げられた大作でしたが、前回の個展に続いて発表された支持体にクッションを取り入れた作品など、しかもサイズ的なハンディキャップは相当ににあるにも関わらず、充分に感じ入らせてくれます。それらは独特の、ふわりとした造形とは裏腹に凛として洗練された雰囲気を奏でます。


山口藍 19(c) ai yamaguchi・ninyu works.JPG

山口藍 18(c) ai yamaguchi・ninyu works.JPG
(c) ai yamaguchi・ninyu works


そして、いつも以上に放たれる緊張感に何故だろう、とその理由も探っていって...今回登場している女の子たちは、その口許が一様にキリッと閉じられていることに気付かされます。それを表す線は長さも極僅か、しかしそれはひとりひとりの女の子が秘める感情を抑え込むような印象を与えるのには充分すぎるほど。そそいてさらに、もとより大きくて青い瞳はきゅっと閉じた口によっていっそう強く、その強靭な意志を訴えかけてくるように感じられます。


山口藍 17(c) ai yamaguchi・ninyu works.JPG

山口藍 16(c) ai yamaguchi・ninyu works.JPG
(c) ai yamaguchi・ninyu works



先にサイズ的なハンディキャップがある、と書きましたが、クッションの作品も、これまででもっとも大きなサイズの作品が。
テーブル状に設置された作品、天地を確定させず、従って様々な位置からの視点でそこにあるもののなかからもっとも強く届けられるモチーフが異なるのも楽しいです。



山口藍 15(c) ai yamaguchi・ninyu works.JPG

山口藍 14(c) ai yamaguchi・ninyu works.JPG
(c) ai yamaguchi・ninyu works



ゆったりと床と水平に横たわるように浮かぶ画面。悠然と構えるその造形のおおらかさと、画面のなかに充満する天真爛漫さと緊張感とのせめぎ合いの妙。
ひとつひとつの色彩の鮮やかさも目を楽しませてくれます。ポップな肢体の女の子とその情景を飾り立てるように和のモチーフが溢れるように配されて、独特な賑やかさにも感じ入ります。


山口藍 13(c) ai yamaguchi・ninyu works.JPG 山口藍 12(c) ai yamaguchi・ninyu works.JPG 山口藍 11(c) ai yamaguchi・ninyu works.JPG 山口藍 10(c) ai yamaguchi・ninyu works.JPG 山口藍 09(c) ai yamaguchi・ninyu works.JPG

山口藍 08(c) ai yamaguchi・ninyu works.JPG
(c) ai yamaguchi・ninyu works



既発表作である桶型な大作。あらためて拝見してその大きさを実感します。
そしてその外側に加筆がなされていました。清々しい木目に重なる爽やかな青のパターン。ちょうど外周を一周してしっかりと辻褄が合うようになっている辺りにも然り気無い凄みを感じたり、下からは見えない「屋根」に当たる部分にも加筆されていて、その遊び心も楽しいです。


山口藍 07(c) ai yamaguchi・ninyu works.JPG
(c) ai yamaguchi・ninyu works



桶の中に入って扉を閉じてもらうと、さらにその気配が強い臨場感を伴って迫ってきます。やや濃いめの青で描かれる繁みのシルエット、その隙間から姿を覗かせる女の子たちのポップさをはらんだ可憐な振る舞いや佇まいのスリリングな雰囲気。その間隙を縫うようにして、風のような流麗なラインがそこに動的な気配をもたらし、
並ぶ壁に沿って視線を這わせていたらホントに一瞬入ってきたところを見失って一瞬焦ったのですが、木目も美しい木の空間に包み込まれ、なんとも心地よい刺激ももたらされ、得難い体験ができたなぁ、と。ほんのりと残る香の匂いも心を落ち着かせてくれます。


山口藍 06(c) ai yamaguchi・ninyu works.JPG
(c) ai yamaguchi・ninyu works



こちらが上部の描き込み。地の木目がそのまま表出するほどの淡い白によって、浮き雲のような繊細な気配が醸し出されます。


山口藍 05(c) ai yamaguchi・ninyu works.JPG
(c) ai yamaguchi・ninyu works



作品として唸らされたのが、木版画作品。
同じような絵はクッションの作品でも登場していましたが、軽く10を超える版数で丁寧に摺られた木版画は、例によってじっと口を閉じる女の子の緊張感漂う仕草に、木版特有の優しさが重なって、タブローとはまたひと味違う気配が導き出されているように感じられます。加えて多色多版にしてこの精度にも感嘆させられます。


山口藍 04(c) ai yamaguchi・ninyu works.JPG

山口藍 03(c) ai yamaguchi・ninyu works.JPG
(c) ai yamaguchi・ninyu works



黒畳の茶室ふぇの展示も渋い...。
現代的な鉢に生けられシャープな佇まいの盆栽、その奥の壁に掛けられた作品の独特の妖婉さ。ダークさと和のテイストとが響き合う空間に、山口さんの世界が見事に落とし込まれます。


山口藍 02.(c) ai yamaguchi・ninyu works.JPG
(c) ai yamaguchi・ninyu works



独特の和のエッセンスに溢れ、それらから醸し出されるデジャヴ感、すっと自然に入っていける雰囲気を醸し出していながら、よくよく思い返すとほぼすべてが意外な素材が採用されていて、そのバラエティに富んださまざまなメディアの作品が絶妙に配置されていて、空間としての印象も深く心に残ります。

展示タイトルの「きゆ=消ゆ」という言葉の響きも、それぞれの女の子たちの秘める想いを覆い隠す繊細な緊張感をいっそう強めていたように思えます。


山口藍 01(c) ai yamaguchi・ninyu works.JPG
(c) ai yamaguchi・ninyu works
posted by makuuchi at 22:48| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

review:金氏徹平 Recent Works "Post-Something"《1/16、1/23、1/30、2/20》

review:金氏徹平 Recent Works "Post-Something"《1/16、1/23、1/30、2/20》mirror

金氏徹平 Recent Works "Post-Something"
ShugoArts
東京都江東区清澄1-3-2-5F
03-5621-6434
1/16(土)〜2/27(土)日月祝休
12:00〜19:00
金氏徹平100116.jpg

Teppei Kaneuji Recent Works "Post-Something"
ShugoArts
1-3-2-5F,Kiyosumi,Koto-ku,Tokyo
1/16(Sat)-2/27(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday
12:00-19:00
Google Translate(to English)



叶うなら、もう一度、これまでの展示を見直してみたい、という衝動が沸き起こる。。。

振り返ると都合4回に渡って拝見した、ShugoArtsでの金氏徹平さんの個展。そのおかげでこれまで気付けなかった面白さに気付くことができ、それに心の底から引き込まれるほどに楽しめました。
なんと言うか、金氏さんのクリエイティビティの片鱗に自分のイメージがようやく追い付けたような感じがしています。



思い返すとこれまでは、金氏さんの作品を拝見しているときは、その「色」を追いかけすぎていたように感じます。
東京都現代美術館でのMOT ANNUALでの展示や横浜美術館での大規模な個展でのコーヒーの染みを採用した一連の作品群、そのやさしい色彩感のバリエーションの豊かさに、コーヒーの染みを使うユーモア以上に惹かれていたと。
しかし今回の個展では基本的にこれまでの金氏さんの名刺代わりとも言えそうなお馴染みのシリーズ作品の出品は控えられ、基本的に新たな展開の作品によっての構成。ものを「作る」要素はさらに抑えられた印象で、おそらく伝わりづらさが深まったクリエイションが雑多に配されていて、初見の正直な印象は「さて、困った・・・」と。



金氏徹平 10.JPG 金氏徹平 09.JPG

金氏徹平 08.JPG


それでも伺う回数を重ね、作品との対峙を懲りずに繰り返し、3度目の訪問でいきなり「そういうことか!」とイマジネーションのスイッチが入りました。イメージが「拓けた」のは、木目板調の壁紙を用いた作品で、有機的なかたちのその壁紙の周りに沿って繋げて貼られるさまざまな色の絵の具らしきものの画像、そのひとつひとつのかたちのユーモラスさと艶かしさ、別の形や色と連結されることで導き出される意外性に富む展開の妙に、今までキャッチできなかった有機的な流れの面白さに一気に意識が引き込まれ、猛スピードでイメージも膨張!
ひゅうっと伸びていたりもってりと盛り上がっていたりする絵の具は時空のイメージに伸縮をもたらし、ぐねぐねと小気味よく歪んだリズム感に心も躍ります。


金氏徹平 03.JPG



同様の絵の具の画像が立体に落とし込まれている作品も。
平面ではひとつの連なりで提示されていたのが、この状況では強烈な混沌と伴って脳内を浸食していくような感じで。


金氏徹平 07.JPG

金氏徹平 06.JPG



金氏さんの作品は概ね既成の素材が用いられていて、その「分かりやすさ」が逆に表面的には「わかりづらさ」になってしまっているように思えるのですが、むしろ出来合いのものを使用することこそが、さまざまな作品のなかに挿入される、豊かなイメージの伸縮を伴う「連続性」をキャッチーに提示することに大きく作用しているとも思えます。スポーツのワンシーンやドラムセットを水彩絵の具で描いてその上に水滴を落とす作品でも伝わるように、当然何かを描かせればその描写力の確かさに疑う余地はなく、しかしもし、今回バリエーションに富んだかたちで提示された「連続性」が手描きのもので提示されていたら・・・それはそれで興味深いものが現れたとは思いますが・・・、その分「連続性」の提示は弱められたのでは、という考えも思い浮かぶのです。


金氏徹平 01.JPG




平面作品ではその「連続性」はラインとして捉えられ、立体になるとひとつ次元が上がる分、一気に発せられる情報の量は増大します。
表面にもたらされる凹凸を目で辿って、そこに現れる連続性はさらに混迷を極め、無限のイメージが提供されます。


金氏徹平 05.JPG

金氏徹平 04.JPG



本来の意味が無視されて繋げられることで、思いもしなかったダイナミックなイメージの発展がもたらされるのと同時に、日常的に目にするものの位置や輪郭に対してこの想像力を発揮できたら、恐らく人生もさらに楽しくなるかも、と半分冗談のようなことも考えます。


金氏徹平 02.JPG



僕にとってアートは「イマジネーションの起動装置」のようなものであると思っていて、その意味において、金氏さんが提示するものの素晴らしさにようやく気付けたように思えます。冒頭でもう一度見直してみたい旨のことを書きましたが、このミニマムな面白さを、例えば横浜美術館での個展の最後の展示室にあった巨大なインスタレーションから得られたら、と思うと相当に気が遠くなったりも...。
いずれにしても、金氏さんの今後の展開が楽しみです。
posted by makuuchi at 20:36| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月10日

review:稲垣元則展−phase《2/13》

review:稲垣元則展−phase《2/13》mirror

稲垣元則展−phase
Gallery Nomart
大阪府大阪市城東区永田3-5-22
06-6964-2323
2/13(土)〜3/13(土)日祝休
13:00〜19:00
稲垣元則100213.jpg

Motonori Inagaki -phase
Gallery Nomart
3-5-22,Nagata,Joto-ku,Osaka-shi,Osaka-fu
06-6964-2323
2/13(Sat)-3/13(Sat) closed on Sunday and national holiday
13:00-19:00
Google Translate(to English)



Gallery Nomartでの稲垣元則さんの個展です。

ギャラリーの扉を開いた瞬間に、壮観な光景が眼前に。
しかも鋭い怜悧さと重厚な静謐とをたたえ、圧倒的に硬質な空間。広い容積をたたえるこのスペースが持ち得るダイナミクスが充分に発揮されたインスタレーションに、息を呑むような緊張感と、そこに何が展示されているのかということに対する好奇心が一気に心を占めていきます。


稲垣元則 08.JPG



巧みに配置されたモノクロームの写真作品群。
写真のサイズは全てがいわゆる黄金律の方形で、それも全紙、半分のサイズ、四分割のサイズで整えられています。加えて一見ランダムに見受けられる作品の展示位置も、それぞれは高さや間隔が計算された配置がなされていることにも気付かされます。
さらに、黒の額装が気配をより深めているようにも感じられます。


まとめて展示されるそのかたまりがひとつの組み作品を構成し、それらが縦横を基本として時おり2列にするなどさまざまな並びがなされ、壁面に組み込まれています。
ひとつの作品のなかに、今回の展覧会タイトルにも据えられている「phase」、位相がさまざまなかたちで提示されていて、複数の画面の繊細で精緻な差異によってイマジネーションが刺激され、イメージもシャープに拡張していきます。


稲垣元則 07.JPG



多くの作品は風景を捉えた写真で構成されているのですが、2点から4点で構成されるひとつの作品のなかに提示される差異はバリエーションに富み、例えば同一の風景で焦点が合うものとぼやけたものであったり、また微妙に撮影角度が変えられ、たったふたつの画面で時間の流れが提示されているように感じられるものがあったり。
そのひとつひとつにおける、過剰なまでに冷静な視点の変化にぐんぐんと引き込まれます。

そして、深まるひとつの作品を構成する写真同士の関係性。鬱蒼とした山肌を捉えた画像では、焦点が合わせられたものの凄まじいパルスと、それがぼやけて引き出される曖昧で幻想的な気配。そのふたつが至近で、かつほぼ同じ条件で並べて展示、提示されることでコントラストの輪郭がより鮮明に立ち上がり、それぞれの持つ深みや強度がくっきりと前面に押し出されて、それが小さな作品であっても実に硬質で強固なイメージを届けてくるように思えます。


稲垣元則 06.JPG 稲垣元則 05.JPG 稲垣元則 04.JPG

稲垣元則 03.JPG



一転して、花を撮影した作品も。
こちらは枯れゆく儚さがじっくりと捉えられ、生命の感触を満ち溢れさせ、高らかにその存在を強烈に提示するものと、花が生気を失い茎から頽れゆく姿の淋しい気配。その過程を含めた両面をまったく変わらぬ冷静な姿勢で捉えた作品からもっとも強く伝わるのは、むしろその撮影者の無機的なスタンスのようにも思えるのが興味深いです。


稲垣元則 02.JPG



無論、このシャープな気配をもたらしている大きな要素として写真そのものに加え壁面の白や額の黒までもを含めたモノクロームの美しさ、そのこれ以上ないくらいに艶やかで儚く、鮮烈な風合いも見逃せないと思えるのです。

1点の写真、それらが組みで構成されて提示される位相の面白さ、そして空感全体に横たわる重厚な静謐。ここに収められた展開のバリエーションの豊かさはあらゆる視点から捉えられることに充分に耐え、そしてその分だけの発見と刺激をもたらしてくれます。


稲垣元則 01.JPG
posted by makuuchi at 17:53| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月09日

review:京都オープンスタジオ2010《2/14》

review:京都オープンスタジオ2010《2/14》mirror

京都オープンスタジオ2010
京都100212.jpg

昨年に続いて足を運んだ京都オープンスタジオ。昨年はまだ折り畳み自転車導入前で4つのうち2つしか回れなかったのですが、その反省を踏まえ、今年は前日入りに加え京都市立芸術大学の学内での卒制展から自転車で回り始め、当初7つのアトリエで開催だったのが急遽1つ加わって8つになったうちの5つを観ることができました。

まず、折に触れて伺っているASSから。こちらではAntennaのメンバー、田中英行さんの個展が。


田中英行 個展『空宙の∞ 〜忘却の果ての歴史α〜』
ASS
京都府京都市西京区川島粟田町18−23
075-381-1189
2/11(木)〜2/28(日)2/11〜14, 20, 21, 27, 28開廊
11:00〜20:00

1階のガレージ。



一体何が!?Σ( ̄口 ̄;)

と思わずにはいられない、相当に荒れたアバンギャルドな光景が。
会期当初はそのかたちが保たれていたようなのですが、それが粉々に破壊されていて呆然。。。
けっこう大掛かりな造形だったようで、そこかしこに飛行機やら戦車の砲塔やらの残骸が散見され、その名残りに感じ入った次第で。
しかし、これをやってしまう大胆さに触れ、あらためてAntennaってヤバいなぁ、凄いなぁと。


田中英行 11.JPG 田中英行 10.JPG 田中英行 09.JPG

田中英行 08.JPG



同じ空間に展示されたオブジェも、お菓子のおまけ的なおもちゃらしきものが固められたような作品で、その造形は相当にグロテスクなのですが、この荒れた空間に佇んでいると妙に神々しく感じられたりするから不思議です。


田中英行 07.JPG

田中英行 06.JPG 田中英行 05.JPG

田中英行 04.JPG



その隣のインスタレーションも圧巻、壮大なスケールでの展開に圧倒された次第。
床面を覆い尽くす落ち葉の海、そこに浮かぶ艦船。別の一角には動物のオブジェが。


田中英行 03.JPG

田中英行 02.JPG



2階のスペースには写真や映像が展示され、伺った時間が正午頃で明るい時間だったこともあって、おそらく遅い時間だともっと雰囲気が掴めたと思うのですが、幻想的な雰囲気を思い起こさせるさまざまな自然の情景を捉えた写真や揺らめく水面(だと思うのですが・・・)の映像が、あのジャッピーの世界に落とし込まれていくのかも、と思い期待が高まります。


田中英行 01.JPG



続いて桂スタジオへ。

桂スタジオ
京都府京都市西京区下津林楠町98-1
2/10(水)〜2/15(月)
11:00〜19:00
京都100212.jpg

こちらは8名のアーティスト一部屋ずつのアトリエを構え、その各々が自身のスペースに作品を展示。

田中奈津子さん。MEMでの個展で拝見した時も、その色彩の鮮やかさと、それによって醸し出されるほっこりとユーモラスな雰囲気が印象的だったのですが、今回も弾けるような痛快な発色でコミカルな場面が描かれた作品が空間を覆い、溢れるポジティブな雰囲気が心地よい!


田中奈津子 07.JPG 田中奈津子 06.JPG 田中奈津子 05.JPG

田中奈津子 04.JPG



イーゼルに置かれたキャンバスの大作、小品やドローイングと、独特のかわいらしさとシュールさとが不思議な塩梅で響き合う、伸びやかな世界観が楽しいです。


田中奈津子 03.JPG 田中奈津子 02.JPG

田中奈津子 01.JPG



柴田主馬さん。シャープなストロークが画面に隙なく重ねられ、その衝突がアグレッシブで動的なイメージを想起させてくれます。
画面を覆い尽くすヴィヴィッドな色彩、幾何学的な構造とそれによるアクロバティックなグルーブ感。律儀に展開されるパターンの整然とした気配と、それら自体のズレやそこに投げ込まれるさまざまな色彩が醸し出すノイジーな感触。画面上に視線を這わせていると、明るい色調と複雑なかたちの混在とで構築されるその奇妙な世界にぐんぐんと引き込まれます。


柴田主馬 07.JPG

柴田主馬 06.JPG


柴田主馬 05.JPG 柴田主馬 04.JPG 柴田主馬 03.JPG 柴田主馬 02.JPG

柴田主馬 01.JPG



塩崎優さんは大作をずらりと。
画面に乗る絵の具の素材としての濃厚な迫力が随所から放たれると同時に、ざっくりと前のめりで、まるで沸き起こるイメージの勢いに追いすがるように荒々しく重ねられるストロークが力強い気配をもたらし、また重い色調も大胆に重ねられ、重心の低い世界観が創出されていたのが印象に残っています。広いところでも是非観てみたい作品です。


塩崎優 08.JPG 塩崎優 07.JPG

塩崎優 06.JPG


塩崎優 05.JPG 塩崎優 04.JPG 塩崎優 03.JPG 塩崎優 02.JPG

塩崎優 01.JPG



黒川彰宣さんは紙にひたすら石のような描写を重ね、それらによる立体作品でのインスタレーションが。
紙という素材とは裏腹に、その色調によってもたらされるイメージの硬さと重さのギャップが痛快で。


黒川彰宣 08.JPG

黒川彰宣 07.JPG



それで折られる鶴なども、硬くて重いイメージが。
造形の不思議な軽やかさとのコントラストが興味深いです。


黒川彰宣 06.JPG

黒川彰宣 05.JPG



併せて展示されたドローイング作品も、その密度に惹かれます。


黒川彰宣 04.JPG


黒川彰宣 03.JPG 黒川彰宣 02.JPG

黒川彰宣 01.JPG



京都の小山登美夫ギャラリーでの個展も印象に残る風能奈々さん。
お馴染みの白い線がびっしりと画面を覆い尽くし、そこにさまざまなモチーフが登場する独特の深遠なファンタジックさを醸し出す作品が。眺めていてそこから不思議なストーリーが脳裏に浮かんできて、そこに漂う深みにも引き込まれます。


風能奈々 09.JPG



そして今回はユニークな試みが。
正面の壁面に展示された大作の中央に描かれた、並ぶポットのシルエットがそのまま画面から飛び出たかのような演出が。展示スペースの中央に設置された台上に置かれるポット、そこに施される濃い密度の線描。そこに描き出されるモチーフが、このポットのシルエットが描かれた作品の随所と響き合い、さらに不思議な空間性と時空とが生み出されていたのが楽しく感じられた次第です。


風能奈々 08.JPG 風能奈々 07.JPG 風能奈々 06.JPG 風能奈々 05.JPG

風能奈々 04.JPG



個展などでも感じたことですが、並ぶ大作や小品、さらにドローイングがびっしりと描き込まれたノートを目にして、その描くことへのバイタリティにあらためて圧倒されました。


風能奈々 03.JPG

風能奈々 02.JPG


風能奈々 01.JPG



村上滋郎さんは、ひときわヴィヴィッドな世界が創出されていて気分も高揚させてくれます。
随所にもたらされるやんちゃな遊び心、インスタレーションの複雑な展開は変わらぬ面白さに溢れます。また平面作品ではお馴染みの有機的な連なりが描き込まれてフューチャリスティックな妖しさが創出され、そして実験的なアプローチも行なわれていたりして、今後の展開もいっそう楽しみになってきます。


村上滋郎 03.JPG 村上滋郎 02.JPG

村上滋郎 01.JPG



現在東京都現代美術館で開催されているMOT ANNUALへも参加されている水田寛さん。
ビルや都市風景など、現代的なモチーフを採用し、ユニークな画面構造によるダイナミックな雰囲気を独特の色彩館とタッチで描き出しています。


水田寛 07.JPG

水田寛 01.JPG



不思議な色調が独創的な魅力を奏でます。
滲む輪郭線が蜃気楼のような曖昧でぼやけた気配を導き出す一方で、その情景のリアリティはしっかりと表現され、構造は実にクリア。そのふたつの風合いが豊かな響きを生み出しています。


水田寛 06.JPG 水田寛 05.JPG 水田寛 04.JPG 水田寛 03.JPG

水田寛 02.JPG



岡田真希人さんは、ひときわ鋭いストロークを画面に無数に放ち、焦燥的にも思えるイメージの膨張が画面から溢れるような気配をもたらしているように感じられます。
モノトーンの画面に透明感を備える青が重なる作品は、描かれる主題の雰囲気も相まって、深遠な物語のアグレッシブなシーンが表現されているかのような印象を覚えます。


岡田真希人 07.JPG

岡田真希人 06.JPG



カラフルな作品は幻想的な雰囲気が高められます。
星座を辿るような線の配置、無数の三角形で覆い尽くされる夜空のアグレッシブな気配。シャープな歪みがおおらかなうねりをもたらしているように思えます。


岡田真希人 05.JPG


岡田真希人 04.JPG 岡田真希人 03.JPG 岡田真希人 02.JPG

岡田真希人 01.JPG



続いてうんとこスタジオへ。

@うんとこスタジオ
京都府京都市西京区桂木ノ下町25-14
2/11(木)〜2/15(月)
11:00〜19:00

こちらでは谷澤紗和子さん、鈴木宏樹さん、今村遼佑さんの作品がちいさなスペースにびっしりと。
谷澤さんと鈴木さんのそれぞれの作品の濃厚な気配が充満するなか、その隙間にさり気なく配置され、仄かな気配を繊細に醸し出す今村さんの作品が心地よいアクセントとなっていっそう豊かな響きをもたらしていたのが印象に残っています。


次に足を運んだのが豆ハウス

豆ハウス
京都府京都市西京区桂上豆田町38
2/12(金)〜2/14(日)
12:00〜19:00

芳木麻里絵さんのお馴染みのシルクスクリーンによる立体作品。
その臨場感溢れる造形には、拝見する度に感心させられます。


芳木麻里絵 02.JPG



楽しかったのが、「食べられる」作品。
薄いレース状の作品が数枚重ねられて展示されていたのですが、これが食べられるものだと思うと、もとからの繊細な気配がより強く感じられます。実際に食べることは叶わなかったのですが、観られただけでも満足で,この展開も興味深く感じられた次第です。


芳木麻里絵 01.JPG



色山ユキ江さんの作品、モノトーンで紡ぎ出される静謐な情景の独特のスケール感に惹かれます。
表情豊かで凛として、エッジの効いた線。それが描き出す有機的なモチーフの妖しさ。そのコントラストが不思議な雰囲気をもたらします。


色山ユキ江 11.JPG 色山ユキ江 10.JPG 色山ユキ江 09.JPG

色山ユキ江 08.JPG


色山ユキ江 07.JPG 色山ユキ江 06.JPG

色山ユキ江 05.JPG



大作から小品までさまざまなサイズの作品によって構成され、確立されたシャープなスタイルのなかでバリエーション豊かにその個性が発揮されていて頼もしく感じます。


色山ユキ江 04.JPG


色山ユキ江 03.JPG 色山ユキ江 02.JPG

色山ユキ江 01.JPG


そこからいくつかのギャラリーを巡った後、最後に足を運べたのが凸倉庫

凸倉庫
京都府京都市東山区一の橋野本町165-1
2/12(金)〜2/14(日)
12:00〜19:00

こちらでは、eN artsの個展も印象的だった松田啓祐さんほかの作品が展示される中で、初めて拝見して印象的だったのが、まず安藤隆一郎さんの染織作品。
染織特有の軽やかな風合いで、メカニカルなモチーフや水の動的な描写を巧みに描き込まれた作品に感じ入った次第。これまでの染織への先入観が砕くこのクールな世界観に触れられた痛快さが嬉しいです。


安藤隆一郎 06.JPG


安藤隆一郎 05.JPG


安藤隆一郎 04.JPG 安藤隆一郎 03.JPG 安藤隆一郎 02.JPG

安藤隆一郎 01.JPG



稲垣萌子さんの版画作品も、その緻密なモチーフの重なりが奏でる繊細な気配におおいに惹き込まれました。


稲垣萌子 02.JPG

稲垣萌子 01.JPG



予定では無論全部回るつもりでいたのが、今年はこれでタイムアップ...。
来年も楽しみです。
posted by makuuchi at 07:52| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月07日

review:ラファエル・ローゼンダール "I'm good"《1/23、2/6》

review:ラファエル・ローゼンダール "I'm good"《1/23、2/6》mirror

ラファエル・ローゼンダール "I'm good"
Takuro Someya Contemporary Art/Tokyo
東京都中央区築地1-5-11 築地KBビル1F
03-6278-0136
1/23(土)〜2/20(土)日月祝休
12:00〜19:00

Rafael Rozendaal "I'm good"
Takuro Someya Contemporary Art/Tokyo
1-5-11-1F,Tsukeji,Chuo-ku,Tokyo
03-6278-0136
1/23(Sat)-2/20(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday
12:00-19:00
Google Translate(to English)



そのやり方があったか、と思わず唸らされたアプローチのユニークさ。


Takuro Someya Contemporary Art/Tokyoが柏から築地へとメインスペースを移し、これまでプレビュー展が重ねられ、満を持しての第一弾の展覧会、ラファエル・ローゼンダールさんの個展。とにかくこれが面白かった、もっと的確に表現すると、実に興味深かったです。

まず空間の構造のユニークさが面白いです。
入り口からジグザグに続く床面。得られる奥行きはそれぞれの壁面と正面で向かい合った場合はむしろ狭くも感じられますが、斜めに視線を送れば相当の引きが得られていたりと、かなり考え抜かれた構造になっていて、柏の広いスペースとはまったく異なるクセを持つ空間でこれからどんなクリエイションが紹介されるか楽しみです。もちろんこれまでのプレビューでもさまざまなかたちでこのスペースの面白さが引き出されていたのでなおさら、この空間のポテンシャルにも期待が高まります。

で、ラファエル・ローゼンダールさんの作品。
最終的にはウェブ上で展開されています。概ね動画、そのなかには画面上でマウスを動かすとさまざまな変化がもたらされるものもあったりして、その作品ひとつひとつにドメインがあてがわれ、独立性がそれによって保たれてています。
そして、これらの「作品」が人の手に渡る場合、所有者はドメインを所有するかたちになり、しかもそのサイト(=作品)には常時アクセス可能にしておく、という条件も盛り込まれるとのこと。
つまりは、作品はパソコンさえあればいつでも観ることができるわけで、そこに作品の公共性も収められていて、これまでの手法だとなかなか難しかった点もクリアされていることが興味深いです。

さらに、これらの作品がすべてアート的な行程を経ているとのこと。それぞれの作品にエスキースが存在していて、それらを手で描くことからアイデアが纏められ、形作られていくことがきちんと行なわれていることにも感じ入ります。

これまで思いつかなかったメディアでのクリエイション展開が実に新鮮に感じられた展覧会で。



入り口すぐには「from the dark past」という作品が。
画面上方から流れる無数の三角形。マウスを動かすとその周辺部分が白く変化します。


Rafael Rozendaal 17.JPG Rafael Rozendaal 16.JPG Rafael Rozendaal 15.JPG Rafael Rozendaal 14.JPG

Rafael Rozendaal 13.JPG



最奥の一角で上映されていた「aesthetic echo」、こちらは単純に右から左へとさまざまな色面で構築された風景を思い起こさせる画像が延々と流れていく、というもの。


Rafael Rozendaal 12.JPG Rafael Rozendaal 11.JPG Rafael Rozendaal 10.JPG

Rafael Rozendaal 09.JPG



それぞれの作品のエスキースも合わせて展示されていて、そのイメージの生まれた瞬間を捉えたものにも思えてわくわくしたり、またひとつの絵としてのポップさにも痛快な想いが膨らんだり。


Rafael Rozendaal 08.JPG

Rafael Rozendaal 07.JPG


Rafael Rozendaal 06.JPG


Rafael Rozendaal 05.JPG Rafael Rozendaal 04.JPG Rafael Rozendaal 03.JPG

Rafael Rozendaal 02.JPG



実際にラファエルさんのサイトには全世界から相当数のアクセスがあるとのこと。
サイトにアーカイブ的に掲載されているそれぞれの作品を眺めていると、むしろウェブ動画としては過剰なまでにシンプルな色数、情報量でで何の変哲もないはずなのに、和めてくるし思わずニヤリとしてしまったり。

このカーソルが極小化されるだけのものとか、さらに進化(?)してカーソルがなくなるものとか、




いったいどうしろと!Σ( ̄口 ̄;)

これとかこれとかこれとか、時間を忘れてカーソルを動かし続けてしまいそうだし、これなんていったいどういうふうになっているんだか...。

とにかくそれぞれの作品に込められたユーモア自体がどうしようもなく楽しいです!
そして、この手法自体がどのように認知され、広がっていくかにも興味が湧いてきます。


Rafael Rozendaal 01.JPG
posted by makuuchi at 18:20| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月06日

review:Peter McDonald project《2/12、2/27》

review:Peter McDonald project《2/12、2/27》mirror

Peter McDonald project
GALLERY SIDE2
東京都港区東麻布2-6-5
03-6229-3669
2/12(金)〜3/12(金)日月祝休
11:00〜19:00
Peter McDonald100212.jpg

Peter McDonald projec
GALLERY SIDE2
2-6-5,Higashi-Azabu,Minato-ku,Tokyo
03-6229-3669
2/12(Fri)-3/12(Fri) closed on Sunday,Monday and national holiday
11:00-19:00
Google Translate(to English)



GALLERY SIDE2でのイター・マクドナルドさんの個展です。
前回の個展ではペインティングの大作も出品されていましたが、今回は数点の小品のキャンバス作品に煙草のケースに描画が施されたもの、そして多数はドローイングの新作で構成され、それぞれに遊び心と知性とが溢れ、そして一貫して明るい雰囲気が展開されています。

それぞれの作品に用いられる色彩は、そのポジティブな力がふんだんに発揮されて、溌剌とした軽快な風合いを醸し出しているように思えます。
そして、ピーターさんの作品に登場するお馴染みのそら豆のようなかたちをした半透明の頭の人物。ちいさな身体と大きな頭のアンバランスさはコミカルな雰囲気を発し、そして半透明であることによって導き出される色面構成の面白さにも大いに惹かれます。

色の配置における実験的なアプローチ。ダイナミックさも仄かにたたえながら構築される空間性は描かれる情景のポップさとは裏腹に(裏腹、というのは適当な表現ではないような気もします・・・)意外にも精緻に組み上げられ、そのなかに配される色面は幾何学的な形状のものも多く、従って隣り合う色彩によって生み出されるバラエティに富む組み合わせに気付き、それらの豊かな響きに触れる度に、まず目にしたときに膨らむ楽しさとはまた異なり、組み合わせのバリエーションの多彩さがむしろ理系的な面白さを導き出しているように感じられます。

そこからさらに、色面のかたちが画面から立ち上がり、ぐっと意識の中に迫ってきます。半透明でその向こうに透ける色とかたちをの画面上に表出させるそら豆型の大きな頭部、それを敢えて平面的に捉え、無機的に解釈したとき、それを構成するかたちのひとつひとつの面白さと色彩の関係性がもたらすイメージの広がりに、さらにこのポップな情景に備わる深みに感じ入るんです。


今回は描かれる情景もバラエティに富んでいます。そしてそれぞれが実に楽しい!
絨毯がずらりと並ぶ、おそらくお店の中を描いたような作品。
硬軟取り混ぜたさまざまなかたちが溢れ、おおらかな奥行きが痛快さを加速させてくれます。


Peter McDonald 22.JPG


Peter McDonald 21.JPG Peter McDonald 20.JPG Peter McDonald 19.JPG

Peter McDonald 18.JPG



さまざまなシーンが繰り広げられ、そこに収まるポップな雰囲気、そして無数のバリエーションで提示される色とかたちの組み合わせの妙、そのひとつひとつが知性も刺激してくれます。


Peter McDonald 17.JPG Peter McDonald 16.JPG

Peter McDonald 15.JPG



ひときわ楽しく痛快な気分を誘うのが、和室での場面を描いた作品。
両脇の作品それぞれの画面の右上にある襖が開かれて庭と遠くの空とが律儀に描き込まれているかわいらしさ、透明な頭部から派生するかのように、にさらに複雑な色面構成をもたらすモチーフのシャボン玉、居住まいを正すキャラクターたちのコミカルでありながらも漂う凛とした静けさ、そこにいろんな色が舞うように配されて、不思議な賑やかさが醸し出されているように感じられます。
そしてふたつのドローイングに挟まるようにして、その中央に収まるちいさなキャンバスの作品のかわいらしさといったらもう!


Peter McDonald 14.JPG


Peter McDonald 13.JPG Peter McDonald 12.JPG Peter McDonald 11.JPG

Peter McDonald 10.JPG


Peter McDonald 09.JPG



夜のシーンを描いた作品では、これまでのとはひと味違うポップな静寂がもたらされます。画面を覆う黒の黒さにも独特の澄んだ美しさを感じます。


Peter McDonald 08.JPG


Peter McDonald 07.JPG

Peter McDonald 06.JPG

Peter McDonald 05.JPG



遊び心でいえば、煙草のケースを支持体に採用した作品が最高です。
これまで展開された世界観がこのちいさなスペースにぎゅっと収められたような感じが堪らない・・・。
このすべてを拝見したわけではないのですが、さまざまな情景が詰まっているかと思うと、わくわくする気持ちも膨らみます。


Peter McDonald 04.JPG Peter McDonald 03.JPG

Peter McDonald 02.JPG



いろんな気付きがとにかく楽しく、そして興味深いクリエイション。いっそう分かりやすく展開されているそれぞれの物語性がまた痛快で、キャラクターたちの仕草も概ね無邪気、時おりアンニュイな気配も醸し出しているように感じられるのもまた一興で。
その面白さにあらためて浸り、ポップさとシャープさにイマジネーションの刺激を受けられたと思います。


Peter McDonald 01.JPG
posted by makuuchi at 12:33| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月05日

review:かちどき 2《2/6、2/27》

review:かちどき 2《2/6、2/27》mirror

かちどき 2
OTA FINE ARTS
東京都中央区勝どき2-8-19-4B
03-6273-8611
1/29(金)〜3/6(土)日月祝休
11:00〜19:00

Season of Incubation 2 (LInk with G-Tokyo)
OTA FINE ARTS
2-8-19-4B,Kachidoki,Chuo-ku,Tokyo
03-6273-8611
1/29(Fri)-3/6(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday
11:00-19:00
Google Translate(to English)



1月末に六本木で開催されたアートフェア「 G-tokyo 」と会期、内容を合わせての展覧会がいくつか開催されましたが、今回のOTA FINE ARTSでのグループショーもそのひとつ。G-tokyoでのインスタレーションを「かちどき1」とし、そちらと対になるようなかたちで、さまざまな個性が限られたブースと会期にぎゅっと凝縮され重厚感で押した印象でその力強さに圧倒された「1」と比較し、スペースも期間も余裕がある「2」では、それぞれのクリエイションの深みとじっくり対峙できるのが嬉しく感じられます。

基本的には既発表作で構成されていますが、数点、こちらの展覧会で初めてお目見えの作品も。

入り口すぐの位置に展示された樫木知子さんの新作。
バスルームを天井から直下へ向けて俯瞰したようなユニークな視点がまず面白いです。画面全体を覆うタイルの描写。角が落とされたスクエアが方眼状にびっしりと並び、その無機的なパターンが樫木さんらしい淡い色調による朧げな気配に斬新な風合いをもたらしているように思えます。
そして、湯舟にその姿を浮かべる女性の独特の艶かしさ。据わる視線は小さく描かれていながらもその強さに引き込まれ、また肢体を描き出す線のラインの奇妙な歪みが妖しさを加速させます。その強烈な有機的な感触が、律儀に描かれる蛇口の栓や排水溝、風呂桶や座椅子、ぽこんと湯舟に浮かぶヒヨコのおもちゃなどのユーモラスな佇まいとユニークなギャップを醸し出して、そのコントラストにもなんとも言えない不思議な楽しい気分に満たされます。


樫木知子 05.JPG 樫木知子 04.JPG 樫木知子 03.JPG 樫木知子 02.JPG

樫木知子 01.JPG


樫木さんの作品はこの他に2点展示されています。


「1」で発表された、がっしりとした額に収められた2点の巨大なペインティングで構成された作品の重厚なインパクトに圧倒されたことも強く記憶に残る、猪瀬直哉さんのクリエイション。こちらでは広い壁面が活かされ、9点のペインティング/ドローイングとテキストで構成される作品が展示されていて、その光景にまたも圧倒されます。


猪瀬直哉 15.JPG



並ぶ作品の下方に書かれたテキスト、その短いセンテンスに込められた重厚なストーリーに沿い、さまざまなスタイルの作品が並びます。
そのひとつひとつは、ある「時代」を思い起こさせるスタイルのエッセンスがそれぞれに注入されていて、例えば左端のペインティングには敢えてクラックを思わせるストロークを施して古い絵のような風合いをわざと演出してあったり、一方で印象派のような仕上がりのものなどもあり、とにかくその雰囲気を出す為にさまざまなアプローチが行なわれていて、そのこだわりにも大いに感嘆させられます。そしてそれだけ臨場感たっぷりに雰囲気が作り込まれている画面の中に現代的なモチーフがしれっと挿入されているものだから...。
さまざまな画風をていねいに再現することで壮大に時代がフォローされ、それがテキストのないように更なる厚みをもたらしているように感じられます。その一方で、1点ごとの作品はそれぞれの時代の作風のパロディでもあって、これらがひとりのアーティストによって創り出されているという事実に凄まじく痛快な気分にも満たされます。


猪瀬直哉 14.JPG 猪瀬直哉 13.JPG 猪瀬直哉 12.JPG 猪瀬直哉 11.JPG

猪瀬直哉 10.JPG


猪瀬直哉 09.JPG 猪瀬直哉 08.JPG

猪瀬直哉 07.JPG


猪瀬直哉 06.JPG


猪瀬直哉 05.JPG 猪瀬直哉 04.JPG 猪瀬直哉 03.JPG 猪瀬直哉 02.JPG

猪瀬直哉 01.JPG


伺うと10点組の作品とのことで、今回展示されていないもう1点は、ロスコー風味らしく。
そちらも機会があればぜひ拝見してみたいです。


この他、新作は小沢剛さんのしょうゆ画が数点。不思議な風合いの色調が醸し出す独特の艶かしさに惹かれます。さらに既発表作ですが、竹川宣彰さんのペインティング、草間彌生さんのペインティングとオブジェなどが展示されています。



2/6にまず展示に伺ってじっくりと展示を拝見したあと、あるところで草間彌生の話が出ていろんなことを聞くことができ、その日に観たばかりにも関わらずあらためて草間彌生の作品を無性に観たくなり、そういうこともあってあらためて足を運び、その黄色に黒のドットが乗るカボチャのオブジェに大いに魅入られた次第。
観る位置や角度によってさまざまな表情を見せるその有機的なフォルム、どっしりと堂々としていながらほんわかとコミカルな雰囲気さえも漂わせ、一方で大小の黒のドットのシャープな輪郭、黒と黄色の鮮やかなコントラストなど、いろんな味わいが届いてくるのが楽しくてたまらない・・・!

さまざまな視点で臨んで、それぞれの満足感が得られる展覧会です。
そして、オオタファインアーツのユニークな方向性も感じ取れるのも興味深く思えます。
posted by makuuchi at 07:36| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月04日

review:TANKA「惑星地球へのパスポート」《2/5、2/6、2/20》

review:TANKA「惑星地球へのパスポート」《2/5、2/6、2/20》mirror

TANKA「惑星地球へのパスポート」
GALERIE SHO CONTEMPORARY ART
東京都中央区日本橋3-2-9 三晶ビル B1F
03-3275-1008
2/5(金)〜3/6(土)日祝休
11:00〜19:00(土:〜17:00)
TANKA100205.jpg

TANKA "Passport to the Planet Earth"
GALERIE SHO CONTEMPORARY ART
3-2-9-B1F,Nihonbashi,Chuo-ku,Tokyo
2/5(Fri)-3/6(Sat) closed on Sunday and national holiday
12:00-19:00(Sat:-17:00)
Google Translate(to English)



GALERIE SHO CONTEMPORARY ARTでのTANKAさんの個展です。

まず入り口の階段を下りた一角で出迎えてくれるパネルのタブロー。
横たわり、シャーシを剥き出しにしている乗用車。そのメカニカルな部分の精緻な再現性、中央下の水色にさまざまな色が傘なる抽象的なモチーフ、左上のオレンジ色の樹木など...全体的なシチュエーションは暴力性を放ち、不良願望を煽る格好良さを放っているようにも思え、そこにさまざまな要素が入り込んで、それらは関連しているようにもまったく無関係のようにも感じられます。
そのフォーカスされて然るべきポイントが多いことは、むしろTANKAさんの個性を捉え難くしているように感じられて興味深いです。


TANKA 32.JPG TANKA 31.JPG TANKA 30.JPG TANKA 29.JPG

TANKA 28.JPG



メインスペースはさらに大胆で複雑な展開が繰り広げられています。
ひとつのエリアに纏められるさまざまな作品。パネルの上にパネルを重ねて展示するなど、構成だけでなく壁面インスタレーションとしても相当に、むしろ乱暴に思えてくるほどの展示が行なわれていて刹那、いったいどこから入っていけばいいのか分からず,,,。
まさに翻弄されてしまいます。


TANKA 27.JPG TANKA 26.JPG TANKA 25.JPG TANKA 24.JPG

TANKA 23.JPG



ひとつの空間に挿入される要素のさまざまな意味での幅の広さに、想像もあらゆるベクトルから刺激を受け、またあらゆる方向へと無理矢理引き伸ばされていくような感触も。
画面をただ塗ったような抽象性の高いものがあるかと思えば、リアルに骸骨を描いた鉛筆画があったり。
これはやや想像ですが、TANKAさんが何かに強い興味を覚え、それを描くことに対して気が乗ったときに繰り出される具象表現の凄みのようなものを感じ、その観る側のイメージを蹂躙するかのような力強さが強烈に伝わってきます。


TANKA 22.JPG TANKA 21.JPG

TANKA 20.JPG



薄い紙に描かれたものもどんどんと重ねて展示されます。
先に紹介したパネルの上にパネルをマウントするのもそうですが、画面の状態など二の次とでもいわんばかりのケレン味のない展示に危うさと感じ、そして緊張感も醸し出されているように思えます。
また、裸体の男児であったり事故現場のような情景であったり、モチーフもどんどん際どくなっていくのもその危うさを加速させているように思えます。


TANKA 19.JPG TANKA 18.JPG TANKA 17.JPG

TANKA 16.JPG



今回展示されているもっとも大きな横長の作品。ひとつの画面で展開される世界観としては、TANKAさんの真骨頂とでもいうべきキャッチーな混沌が展開されています。
全体に横たわる山岳風景と、その上に重ねられるさまざまな情景。その関連の遠さがなんとも痛快です。
ひとりの人間が内包する本能、煩悩、知性。知的生命体なんだからいろんなこと思っていて当たり前。そう考えるとこの無秩序な展開にも唸らされます。そしてこれすら自然発生的に創り出されているような自由度の高いスタンスにもあらためて感じ入ります。


TANKA 15.JPG TANKA 14.JPG TANKA 13.JPG TANKA 12.JPG

TANKA 11.JPG



1点でシンプルに展示される作品、その画面に表出される世界の意表を突く広がり、展開性に引き込まれます。
パステル調の色彩がさまざまなかたちとなって画面に重ねられ、その中央に描かれる黒いマスクを被る人物の肖像、随所に画面に乗るラメなど、ポップさのなかに淡い緊張感が貫かれているように感じられる作品。


TANKA 10.JPG TANKA 09.JPG TANKA 08.JPG

TANKA 07.JPG



一転して濃密な色彩が画面に乗り、垂れる絵の具の痕跡も意に介さず。
しかし家を描いた部分の緻密な描写はイメージにぐっと輪郭を与え、全体のアグレッシブな展開に強烈なアクセントが組み込まれた濃厚な作品も。
それぞれの作品の雰囲気のギャップも痛快です。


TANKA 06.JPG TANKA 05.JPG TANKA 04.JPG

TANKA 03.JPG



さらに、インスタレーションも。
中から光が滲む樹木、その回りを包帯が舞う,,,。
ドローイングで展開される世界観と微妙に響き合い、不思議な雰囲気が静かに広がります。


TANKA 02.JPG



さまざまな要素が混在した空間、むしろその全体を俯瞰するように眺めていって、その雰囲気によりスムーズに引き込まれていくように感じられます。
無数の生々しいモチーフに対してある距離を保った状態で接することで、この空間に横たわる繊細な気配を感じられるような気がします。

そして、TANKAさんのスタンスも実に興味深いです。
良い意味での「気分屋」な感じが痛快で、かつそれ自体をむしろ個性にしているあたりに希少な印象も覚えます。
さまざまなテンションで繰り広げられる具象表現。細密な描写からスケッチ的なものまでの幅広さがケレン味なく展開され、それらをおそらく感覚的に壁面に落とし込むことで、空間に気配の凹凸感がもたらされているように思えます。
この先、ここにある一部分にぐっとフォーカスが当てられていくかもしれない、もしくはさらに広がっていくかも、あるいは個々にはない要素が唐突に出現する可能性も...とさまざまな想像が浮かんできます。


TANKA 01.JPG
posted by makuuchi at 00:36| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月02日

〜2/28のアート巡り

〜2/28のアート巡り mirror

■2/20 Sat
高木こずえ-GROUND-
東京日本橋高島屋6階 美術画廊X
東京都中央区日本橋2-4-1
03- 3211-4111(代表)
2/17(水)〜3/15(月)
10:00〜20:00
高木こずえ100217.jpg

第一生命ギャラリーとほぼ同時期開催の高木こずえさんの個展、こちらではTARO NASUでの個展などでも発表されているフォトコラージュのシリーズが発表されています。
燃えるようなきらびやかな赤のなかに収まるさまざまなモチーフ、その画像の中に導き出される圧倒的な混沌と写真としての整理された感触とが響き合い、独創的な美しさが提示されているように感じられます。
そういったなかで、1点、網の目状に白地が織り込まれたような構造の作品があり、全体的に赤と黒とで構成される作品群のなかでひときわ斬新な存在をとなっているのが強く印象に残ります。



正木康子個展「たまゆら(くりかえされるもの)」
art space kimura ASK?
東京都中央区京橋3-6-5 木邑ビル2F
03-5524-0771
2/15(月)〜2/27(土)日休
11:30〜19:00(最終日:〜17:00)
正木康子100215.jpg

圧巻の水墨画。
枯れた蓮が立ち並ぶ沼の情景を描いたような作品が薄暗い空間に配され、濃く、それでいて澄んだような圧倒的な気配を導き出していたのが強く印象に残っています。


正木康子 12.JPG



下地の和紙になにか施されているようで、そこに乗る墨の微妙にざらついたマッドな感触も含め、独特の質感が眼前に広がります。
蓮の描写は緻密、俯瞰した時のスケール感に意識が沈み込み、また下地の白と墨の黒とで奏でられる独特の濃淡が凛とした妖しさを立ちのぼらせています。


正木康子 11.JPG 正木康子 10.JPG 正木康子 09.JPG 正木康子 08.JPG

正木康子 07.JPG



いっしょに展示されていた鉛筆画の小品もマチエルのユニークさが興味深かったです。


正木康子 06.JPG 正木康子 05.JPG 正木康子 04.JPG

正木康子 03.JPG 正木康子 02.JPG

正木康子 01.JPG



桑原正彦展「とても甘い菓子」
TOMIO KOYAMA GALLERY
東京都江東区清澄1-3-2-7F
03-3642-4090
2/20(土)〜3/27(土)日月祝休
12:00〜19:00
桑原正彦100220.jpg

ふわふわと軽やかな色彩で描かれるキュートな場面群が、大きな空間に配されて長閑でほんのりとメランコリックな雰囲気が導き出されているように思えます。
なかでも棚の上にさまざまなモチーフが並ぶ大作が印象的で。そこにあるひとつが、そして隣り合うもの同士の関係性が奏でるちいさなストーリーに楽しい気分が盛り上がります。



Enlightenment|AD 2010
hiromiyoshii
東京都江東区清澄1-3-2-6F
03-5620-0555
2/20(土)〜3/27(土)日月祝休
12:00〜19:00

圧巻のグラフィカルなインスタレーションが展開されている中で、手前のスペースで上映されている映像作品におおいに引き込まれた次第。
左から右へと流れる幾何学的なかたち。フレームを軸に扉のように大きく揺れたり、あるいは回転し、ただ流れるだけでなくダイナミックな動きを伴いながら、しかし淡々と紡がれる時間。その流れに意識を委ねて過ごしても充分に引き込まれるのですが、その映像自体に組み込まれるグラデーションやシルエットの緻密さ、自然さに気付かされた瞬間に強烈な驚きに打ちひしがれます。いったいどれだけの時間とモチベーションがこの映像の制作に注ぎ込まれたのだろう、と。鳴り響くクラシックBGMも重厚な世界をより押し上げているように思えます。



篠塚聖哉 深山
ANDO GALLERY
東京都江東区平野3-3-6
03-5620-2165
2/9(火)〜4/24(土)日月祝休
11:00〜19:00
篠塚聖哉100209.jpg

前回の個展に引き続いて、キャンバスの大作を中心に構成。そして今回はオンペーパーの作品は発表されず、さまざまなサイズのキャンバスの作品が発表されています。
まず拝見して、抽象度が増したように感じられる作品群との距離感がなかなか掴みきれなかったのですが、入り口から続く壁面から順に反時計回りで観ていって、最後の壁面に展示される2点の比較的ちいさな作品のこれまでになかった壮大な奥行きを観た刹那、一気にその荘厳な気配に意識が引き込まれます。
やや遠目で俯瞰して、だんだんと眼前に提示される色彩の広がりがひとつのイメージへと帰着していく、そのゆったりと厳かな感触がなんとも心地よく感じられます。



安田京平展「まばゆい闇」
SAKuRA GALLERY
東京都江東区常盤2-10-10
03-3642-5590
2/9(火)〜2/28(日)月休
12:00〜19:00(最終日:〜17:00)
安田京平100209.jpg

これまでも折に触れて拝見している安田さん、個展で拝見するのは今回が初めて。
頭髪を基にしたような有機的なモチーフがさまざまな色彩を背景に妖し気に浮かび上がり、濃密な気配がもたらされているように感じられます。


安田京平 11.JPG



不思議な空間性、奥行き感が印象に残ります。
バラエティに富む背景の色彩、それぞれの色のインパクトも鮮やかで、そしてそこに乗るモチーフの可憐さ、儚げな佇まいは、相当に抽象的でありながらも具象的なイメージを想起させてくれ、そのことも興味深く思えます。


安田京平 04.JPG 安田京平 03.JPG 安田京平 02.JPG

安田京平 10.JPG 安田京平 09.JPG

安田京平 08.JPG

安田京平 07.JPG 安田京平 06.JPG

安田京平 05.JPG



そして、入り口近くに展示されていた小品がさらに興味深く感じられた次第。
女性の顔が妖し気に浮かび上がり、より具体的なイメージを想起させてくれます。


安田京平 01.JPG



片野まん「2010」
@MORI YU GALLERY TOKYO
東京都新宿区西五軒町3-7 ミナト第三ビル4F
03-6906-9556
2/20(土)〜3/20(土)日月祝休
12:00〜19:00
片野まん100220.jpg

コミカルな味わいで描き上げられるさまざまなモチーフ、その賑やかな感じがまず思い浮かぶ片野まんさんの作品のイメージ、しかし今回の個展で発表された作品は、その独特の賑やかさ、片野さんの真骨頂は濃密に維持しつつも、そこにサディスティックな感触のストロークで描かれるモチーフや背景と衝突する色彩など、これまで前面に押し出されることのなかった要素が大胆に織り交ぜられ、良い意味での意外な方向への広がりがとにかく痛快です。



青秀祐『PAX-4』
eitoeiko
東京都新宿区矢来町32−2 
03-6479-6923
2/20(土)〜3/27(土)月火休
12:00〜19:00
<青秀祐100220.jpg

面白い!
プレスなどを拝読し、それでもなかなかイメージが掴みきれなかったのですが、実際に拝見し、文字通りのインスタレーションが展開されていてまずそのことにやられます。
扉を開いて眼前に迫る巨大なシートにまず呆然。
1枚の和紙(!)に配される32機分の紙飛行機。そのひとつひとつにはデカールが精緻に貼られ、また完成された時の重量バランスなど紙飛行機として構造的に考え抜かれたような施しも随所に見られ、なんとも痛快な気分が膨らみます。


青秀祐 09.JPG 青秀祐 08.JPG

青秀祐 07.JPG



そのプロトタイプも。
いちいち細やかな要素が楽しすぎます!


青秀祐 06.JPG 青秀祐 05.JPG 青秀祐 04.JPG 青秀祐 03.JPG

青秀祐 02.JPG



見上げると、壮観な情景が・・・!


青秀祐 01.JPG


追求される機能、それがこのようなかたちで提示されていることの面白さがとにかく堪らないです。
そして、これを和紙に描かれた絵として捉えたときに脳裏に浮かぶ痛快さにもまた嬉しい気分にさせられます。



後藤輝 Love You More Than Painting
TAKE NINAGAWA
東京都港区東麻布2-12-4 信栄ビル1F
03-5571-5844
2/20(土)〜3/27(土)日月祝休
11:00〜19:00
後藤輝100220.jpg

こういう展示の仕方があったか、とまず唸らされるインスタレーション。
濃い赤で塗られた板を壁面などに配し、木造建築の外壁、あるいは庭の柵を思い起こさせるような空間が創り出され、そこに施された小窓にペインティングが嵌め込まれて、まず空間としての味わい深さに楽しい気分が膨らみます。
そして、ペインティングひとつひとつを眺めていって、そのバラエティの広さ、豊かさもまた興味深く感じられます。構造の面白味、画面に乗る絵の具の臨場感など、さまざまなインパクトが溢れています。



だれもいないまちで 小林耕平 西尾康之 杉浦慶太
山本現代
東京都港区白金3-1-15-3F
03-6383-0626
2/20(土)〜3/20(土)日月祝休
11:00〜19:00

3名のアーティストによる、それぞれ無人の情景を表出した作品がずらりと並び、その独特な気配が印象的です。
無機的な時間を淡々と紡ぐ小林耕平さんの映像作品、夜の情景を撮影し、広い画面の一カ所を引き出しあとは闇に落とし込み、現代的な荘厳さをシャープに奏でる杉浦慶太さんの写真作品。このふたりの静謐感とは一線を画す、西尾康之さんの都市の一場面をジオラマ風に作り上げたインスタレーションの独特の有機的な気配。それぞれに醸し出される雰囲気が興味深いです。



関口正浩「平面B」
児玉画廊|東京
東京都港区白金3-1-15-1F
03-5449-1559
2/20(土)〜3/27(土)日月祝休
11:00〜19:00
関口正浩100220.jpg

昨年の京都での個展も印象に残っている関口さんの今度は東京のスペースでの個展。
湯葉状になった油絵の具のシートをキャンバスに乗せる手法はそのまま、しかし京都で発表された作品は画面全体に1枚のシートが覆うような感じだったのが、今回は細かいパーツを画面に配置し、構造としては旋回よりも複雑で立体的になっているにもかかわらず、より絵画的な風合いが感じられるのが興味深いです。



■2/21 Sun
この日はまず五美大展へ。
東京造形大学の学内展を見逃していたこともあり、まず造形大のユニークな作品群におおいに惹かれました。坂田祐加里さんや湯浅加奈子さんの作品はもっとしっかりと拝見したかったとやや後悔している次第。。。
初めて拝見して興味をそそられる作品も少なくなく、しかし意外とこれまでの自分の好みから外れるようなクリエイションに惹かれたことも自分としては興味深かったです。



亀山恵展「浅い眠り -Light Sleepers-」
GALLERY MoMo Roppongi
東京都港区六本木6-2-6 サンビル第3 2F
03-3405-4339
2/13(土)〜3/5(金)日月祝休
12:00〜19:00
亀山恵100213.jpg

現代的なモチーフや情景を描きつつ、クラシカルな雰囲気が漂うペインティング。
幻想的で古めかしい気配が不思議な物語性を導き出しているように感じられます。
展示にはドローイングを壁面一面に配したインスタレーションなども繰り出され、バラエティに富んでいるところも興味深いです。


亀山恵 05.JPG

亀山恵 04.JPG 亀山恵 03.JPG 亀山恵 02.JPG

亀山恵 01.JPG



Terumi Sakane Exhibition 坂根輝美
松坂屋銀座店 別館4階 美術画廊
東京都中央区銀座6-10-1 松坂屋銀座店別館
03-3572-1111
2/17(水)〜2/23(火)
10:30〜19:30(最終日:〜17:30)
坂根輝美100217.jpg

再訪。
美しい絵肌で紡ぎ出されるグロテスクなモチーフ。グロテスクだからこそ美しくなければいけない、とあらためて強く思わせてくれます。
鋭い線描、可憐な陰影で描き出されるシュールな場面。現代の社会的な病魔を表現されたとのことで、重々しい気配を漂わせつつ、圧倒的な美しさに感じ入った次第です。


坂根輝美 10.JPG 坂根輝美 09.JPG 坂根輝美 08.JPG

坂根輝美 07.JPG



モノトーンで描かれる作品では、その線の可憐さ、鋭さが際立ちます。
細密な線描でもたらされる深い濃淡にも引き込まれます。
そして、無言を貫きつつ、ただ淡々と暗い雰囲気を放ちながら佇む初老の男性の表情の重々しさに、その頭部に乗る蝉の幼虫の過剰なシュールさが醸し出す怖さに、対峙していてこちらの意識もぐんと沈み込んでいきます。


坂根輝美 06.JPG 坂根輝美 05.JPG 坂根輝美 04.JPG

坂根輝美 03.JPG



並ぶ小品群の暗さと可憐さとが絶妙の塩梅で入り交じる深遠な世界観、そして何といってもそこに丁寧に引き出される美しさにおおおいに感じ入った次第です。


坂根輝美 02.JPG

坂根輝美 01.JPG



■2/23 Tue
Toy Show
MEGUMI OGITA GALLERY
東京都中央区銀座2-16-12 銀座大塚ビルB1
03-3248-3405
2/23(火)〜3/20(土)日月祝休
11:00〜19:00
TOY SHOW100223.jpg

さまざまなアーティストの作品が大きな空間にずらりと配置され、見応えのある展示が繰り広げられています。
展示タイトルに据えられている通り、おもちゃがモチーフとなった作品が並んでいるのですが、事前にそれを把握していても、実際に展示を拝見するとその1点1点の作品の本格的な感触に、童心に帰るような感じよりもむしろ、大人の感覚でその情景に感じ入る、そういう印象を覚えます。



■2/24 Wed
「月刊春菜はな〜GURU GURU GURU〜」写真/藤代冥砂 画/はまぐちさくらこ
artdish g
東京都新宿区矢来町107
03-3269-7289
2/25(木)〜3/14(日)月休
12:00〜22:00
藤代・はまぐち100225.jpg

グラマラスで野性的なプロポーションの女性を撮影した写真にはまぐちさくらこさんのドローイングが乗るという大胆な作品がちいさな空間にびっしりと。
エロティックな雰囲気はほぼ感じず、むしろはまぐちさんのワイルドな描写が激しい雰囲気をより強めているように感じられます。



大槻香奈展「すべてになるそのまえに」
neutron tokyo Main Gallery + 2F Salon
東京都港区南青山2-17-14
03-3402-3021
2/24(水)〜3/14(日)月休
11:00〜19:00(最終日:〜18:00)
大槻香奈100224.jpg

独特のタッチで描かれるさまざまな情景。
制服の女の子が登場する作品における、儚げでメランコリックな気配感にも惹かれつつ、人物が登場しない作品の豊かな気配、緩やかなイメージの広がりをもたらしてくれる繊細な雰囲気も印象的です。



■2/26 Fri
第13回岡本太郎現代芸術賞展、TARO賞のレセプションへ行ってきました。
いや、もう、面白い!
今回も既知のアーティストが多数選出されていて、そのユニークなクリエイションに一挙に接することができるのが何より嬉しいです。
まずは京都の児玉画廊での個展が素晴らしかった三家俊彦さんのアルミ箔の騎馬隊のインスタレーションとふたたび対峙できるのがありがたい!
他、サガキケイタさんのこれまででもっとも大きな作品、梅田哲也さんと矢津吉隆さんがそれぞれのブースでユニークかつ繊細な気配を導き出していたり、また東京芸大で観られなかった須賀悠介さんの木彫におおいに唸らされたり...などなど、とにかく見所が多くて!



■2/27 Sat
Kyoco Taniyama すべては日々かわりつづけ影響しあい、いつもどこかでなにかが起こっている 起こり始めている &「福箱の展覧会」
sakumotto
東京都目黒区上目黒2-30-6
03-6303-0071
2/27(土)〜3/7(日)
11:00〜19:00(土祝:11:00〜)

昨年のULTRAでご一緒した作本潤哉さんが青山|目黒でお馴染みのスペースに入居、その第一弾の展覧会。
通り沿いの大きなガラス張りの面を活かし、谷山恭子さんがからりと軽やかなインスタレーションを展開されていて、その谷山さんらしさが嬉しく感じられます。
奥のスペースでは、さまざまな方々(アーティストを中心に、層でない方も含む)がちいさな箱にクリエイションを詰め込み、それらをぶら下げたり並べたり、という展示が。こちらのシンプルで賑やかな楽しさも印象的です。



ARTJAM TOKYO 2010 GROUP2 奥まゆみ×谷友理子×小笹彰子×杉浦藍
ArtJam Contemporary
東京都渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T 2F
03-5449-8122
2/24(水)〜3/14(日)月休
12:00〜20:00
AJC 100205.jpg

前回からメンバーが入れ替わり、空間の印象にも変化が。
なかでも小笹彰子さんの作品が面白いです。コラージュと線描を組み合わせた作品で、そのおどろおどろしくもユーモラスな情景に引き込まれます。



二村有香「目で、触って」"Touch,through your eyes"
工房 親
東京都渋谷区恵比寿 2-21-3
03-3449-9271
2/20(土)〜3/20(土)日月休
12:00〜19:00(祝、最終日:〜18:00)
二村有香100220.jpg

ギャラリー内に並べられたテーブル、そこにたくさんのドローイングが置かれ、そこに広がるさまざまな線や色彩が不思議な雰囲気を醸し出しています。


二村有香 06.JPG



伺うと画面を観ずに描かれたものとのこと。
描かれる過程に面白さを感じます。さまざまな太さの線が混在し、絡まり合って無意識に導き出される空間性、それらとの出会いの瞬間のたびに引き込まれます。
1点ごとを「絵」として観た時の物足りなさはあるのですが、それを行為のユニークさが補完しているようにも思えてきます。


二村有香 05.JPG 二村有香 04.JPG 二村有香 03.JPG 二村有香 02.JPG

二村有香 01.JPG



吉岡俊直 ”Birth/Tears"
TOKIO OUT of PLACE
東京都港区南麻布4-14-2 麻布大野ビル3F
03-5422-9699
2/12(金)〜3/13(土)日月火祝休
12:00〜19:00
吉岡俊直100212.jpg

なんだかシュールな映像が!
天井から巨大な雫が落ちる過程、もしくは自動ドアが開いた瞬間に流れ込む水。無論作り込まれた映像ではあるのですが、その異様な状況に引き込まれてしまいます。
そして、落ちる雫がさまざまな色を伴い、またさまざまな床に落ちて散らばる瞬間を延々と連ねて上映する映像作品も。映像の流れの速さが心地よく、また色の鮮やかさがなんとも痛快です。



「夜が明けるまで」南舘麻美子展
シロタ画廊
東京都中央区銀座7-10-8-B1F
03-3572-7971
2/15(月)〜2/27(土)日祝休
11:00〜19:00(最終日:〜17:00)
南舘麻美子100215.jpg

独特の木版画、その朴訥とした風合いは保ちつつ、登場する女の子などのモチーフの具象性が高められ、ひとつひとつの作品から届けられる物語性の妖しさもこれまでと比較すると抑えられ、優しい輪郭がもたらされているように感じられたのが嬉しいです。



高津戸優子 うちゅうのオノマトペ
ギャラリー坂巻
東京都中央区京橋2-8-18 昭和ビルB2F
03-3563-1733
2/22(月)〜3/6(土)日祝休
12:00〜19:00
高津戸優子100222.jpg

拝見する度に軽やかにそのスタイルを変え続ける高津戸優子さん。
今回はさらに色彩の鮮やかさが押し出され、春めいた賑やかさ、温もりが心地よく感じられます。


高津戸優子 12.JPG 高津戸優子 11.JPG

高津戸優子 10.JPG



遊び心に溢れる情景。
さまざまな色が重ねられ、それによって導き出されるあたたかな気配。かわいらしい雰囲気も満ち溢れ、ポジティブなイメージも広がります。


高津戸優子 09.JPG 高津戸優子 08.JPG 高津戸優子 07.JPG

高津戸優子 06.JPG

高津戸優子 05.JPG 高津戸優子 04.JPG

高津戸優子 03.JPG



中にはユニークな構図の作品も。
今後の展開も楽しみです。


高津戸優子 02.JPG

高津戸優子 01.JPG



大川心平 個展
@銀座スルガ台画廊
東京都中央区銀座6-5-8 トップビル2F
03-3572-8691
2/22(月)〜2/27(土)
11:00〜19:00(最終日:〜17:30)
大川心平100222.jpg

圧倒的な具象性におおいに感嘆させられます。
そして、その確かな描写で繰り広げられる重厚な気配。荘厳なスケール感を伴わせつつ、そこかしこにもたらされるフィクショナルな要素が不思議な物語性を思い起こさせてくれます。


大川心平 11.JPG 大川心平 10.JPG 大川心平 09.JPG 大川心平 08.JPG

大川心平 07.JPG


大川心平 06.JPG 大川心平 05.JPG 大川心平 04.JPG

大川心平 03.JPG



隙のない描写で展開される壮大な物語性。
ひとつひとつのモチーフの高い具象性が、思い描かれる物語に強固な輪郭をもたらし、それがより複雑な時空性や展開を導き出しているように感じられるのも興味深いです。


大川心平 02.JPG

大川心平 01.JPG



鈴木基真 "World is yours"
Takuro Someya Contemporary Art/Tokyo
東京都中央区築地1-5-11 築地KBビル1F
03-6278-0136
2/27(土)〜3/27(土)日月祝休
12:00〜19:00
鈴木基真100227.jpg

なんとも楽しい木彫インスタレーション。
町にあふれるさまざまなモチーフひとつひとつが朴訥とした雰囲気を纏いつつも細やかに彫り込まれ、人が登場しないにも関わらず温もりに溢れる情景が導き出されているように感じられます。
そして、最奥の一角に展示された作品が凄い!凄すぎる!



■2/28 Sun
この日は佐賀大学の卒業・修了制作展へ。
わざわざ飛行機に乗ってまで足を運んだことで気持ち的にもたらされているであろう高揚感を差し引いても、実に見応えのある作品と出会えて満足で。
東京で何度か作品を拝見している鶴友那さんの大作の広い画面の隅々までに描き込まれる装飾的な緻密な描写におおいに引き込まれ、また本木ひかりさんの静かな具象画、鳥谷さやかさんのろうけつ染めで紡がれる植物の輪郭の儚げな気配感など、今後も拝見したいクリエイションも少なくなく。


そして、福岡アジア美術館で開催されていたASIA DIGITAL ART AWARD 2009へも。
静止画部門の大賞作品、Kim Sunghunさんのモノトーンで紡がれる幾何学的なライン、その重なりが導き出す可憐な静謐感に感じ入った次第で。
また、コレクション展や企画展に並んでいたさまざまな国々のアーティストのタブで選択などを観ることができたのも嬉しかったです、あの濃厚な世界観、ダイレクトで強烈なメッセージ性は実に新鮮に感じられました。



《買った本》
「船に乗れ!〈1〉合奏と協奏」藤谷治
posted by makuuchi at 08:05| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする