@Azabu Art Salon Tokyo
東京都港区麻布十番1-5-10
4/29(火)〜6/7(土)月、5/6、5/20休
12:00〜19:00(土日祝:〜18:00)
Toru Shiozaki Once in a blue moon
@Azabu Art Salon Tokyo
1-5-10,Azabujuban,Minato-ku,Tokyo
4/29(Tue)-6/7(Sat) closed on Sunday,Monday,5/6 and 5/20
12:00-19:00(Saturday,Sunday and national holiday:-18:00)
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匿名性の高い写真の奥に潜む、ナチュラルで穏やかなスタンス。
Azabu Art Salon Tokyoでの塩崎亨さんの個展です。
ギャラリーに足を踏み入れて、さまざまな風景がひとつの空間に展示されていることに戸惑いを覚えます。
パリで撮影されたものを中心に構成されているとのことですが、おじいちゃんの穏やかな、あるいはや子供が見上げる無垢な表情などの人物を捉えたもの、宮廷の屋内、空、ストリートなど、統一感の曖昧さに、どうやってこの塩崎さんのクリエイションを理解したたいいものか...と、しばし思いを巡らせた次第で。
しかし、しばらくして、やはりひとつひとつの作品の純粋な「美しさ」、この写真は赤、こちらは青、といった具合に画面ごとの色彩の統一感などにだんだんと惹かれていって、この展覧会への接し方が変化していきます。
1点1点、それぞれが放つ雰囲気はたとえそこに若干の演出が含まれていたとしても、実にピュアな感触を漂わせ、それが爽やかな印象をもたらしてくれます。
そしてさらに、こういうふうに表現すると誤解されてしまうかも知れないのですが、ここに展示された作品が、塩崎さんが撮ったこと、さらにはここがパリであることなど、そういった「肩書き」から鑑賞の視点から解き放ったとき、ひとつの写真、絵として、実に心地よい爽快感が心の中にぐんと広がってくるんです。
展覧会では、ランダムに、しかしていねいにそれぞれの作品が配置されています。
隣り合う風景や場面に時間的な繋がりは直接的には感じられないものの、その並びや配置をひとつのインスタレーションとして捉えたとき、並ぶ色彩の凛として清廉な風合いを感じ取ることができ、それがなんとも嬉しく思えます。
塩崎さんが見つけた、出会った風景、それらが実に自然に写真に収められています。
この個展で拝見して、作り手の存在を作品から切り離すことでその爽やかな素晴らしさがより臨場感を伴って伝わってくることに気付き、塩崎さんの、出会った風景や過ごした時間に対する真摯で謙虚な姿勢が、返って強く感じ取れます。
モチーフごとに、時にそのままナチュラルに、時に時間の動きを捉えたかのようなエフェクティブな効果も取り混ぜながら、さまざまな時間の速度をイメージさせてくれることも印象的です。
色彩、スピード感、情感など、バリエーションに富み、それがひとつひとつ独立して凛とした美しさを放ちながら、空間としてもそこに穏やかで静かな爽快感に満ちているように感じられます。
今回はインスタレーションされた構成ですが、もっと日常的なところ、いつも行くお店などの一角にさりげなく飾られていたりするような、そういった場所でも出会ってみたいです。


