2008年05月09日

review:五木田智央《4/5、4/19、4/26》

五木田智央
Taka Ishii Gallery
東京都江東区清澄1-3-2-5F
4/1(火)〜4/26(土)日月祝休
12:00〜19:00
五木田智央080401.jpg

Tomoo Gokita
TAKA ISHII GALLERY
東京都江東区清澄1-3-2-5F,Kiyosumi,Koto-ku,Tokyo
4/1(Tue)-4/26(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday
12:00-19:00
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感性のすべてを呑み込んでしまう深み。



Taka Ishii Galleryでの五木田智央さんの個展、すでに終了してしまっていますが、今年もっとも強く印象に残るペインティングの展覧会のひとつとこの時点で断言していいほどに素晴らしく、作品を前にするたびに自ら感性を前傾させながらぐんぐんとのめり込んでいった次第で。


黒と白、たったふたつの色彩で、というよりも、黒い絵の具と白い絵の具、たった2種類の絵の具で繰り出される、モノクロームの硬質で生々しい世界。
それぞれの作品において、筆のストロークが、魔術のような妖しい揺らめきをもたらしています。

絶妙なグラデーションが醸し出すミニマムな奥行きが堪らない、画面全体で繰り広げられる抽象性の高い作品。
眼前をある種の感覚的な法則性が覆い、心地よい焦燥感が体全体が包み込みます。


五木田智央13



僕にとって、中毒性の高い抽象世界。
そこに描かれているものが具体的には説明できなくても、感覚的にすべてを受け入れている...。
ギリギリのグラデーションにより、深遠な奥行き感を放つ背景部分といい、すべてのタッチが動的なイメージを発するこの作品における「主」の部分といい、どこまでもクールで、同時に地を這うように蠢くような印象も伝わります。


五木田智央15 五木田智央16

五木田智央14



コーナーに展示された、今回の展覧会において比較的小さな作品の存在感も圧巻です。
2足歩行の異形の生命体を連想させるモチーフ、遠くに走る地平線。
色彩が失われた世界の殺伐とした情景。そういうイメージも浮かび上がってきます。


五木田智央02

五木田智央01



人の頭部が画面いっぱいに描かれ、顔の表面に例の抽象表現が挿入された作品のアバンギャルドさ、一方で実にシンプルなグラデーションでアメリカの田舎の家を思わせる風景が描かれた作品の静けさ。
ダークさが影を潜め、海が見える風景、海岸に佇む人の姿を描いた作品も、どこか褪せた記憶のようなメランコリックな風合いと同時に、やはり頭部の変形が、その変形自体は異様であるのに、自然に馴染んでいるように感じられるのも興味深いです。


五木田智央12 五木田智央11

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小さな絵が1面の壁に凝縮して展示された一角、その圧巻の度合いは凄まじかったです。
いったいいくつの絵が集まっているのだろう..と、呆然。


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これでひとつの作品のようなのですが、油彩のペインティングに通ずる風合い、そのエスキースを思わせるものから、幾何学的な展開がなされたグラフィカルなもの、似顔絵、イラスト、もっと具象的に静物が描かれたものなど、実に幅広いモチーフの絵があり、それでいて重厚な統一感も放っていました。
どれだけ観てもすべてを理解、把握できそうにない凄まじいボリュームにも圧倒されてしまった次第です。


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五木田智央03



もっとも印象に残っているのが、いちばん奥に展示された作品。
画面を覆う黒、そのどこまでも深い闇を思わせるなか、僅かな光を受けて凛とした佇まいを浮かび上がらせる、妖しく艶やかに咲く白の花。
たったこれだけで、一切の隙を感じさせない、孤高の境地のクリエイション。。。


五木田智央09



どれだけ観ても、イメージを提供し続けてくれる、どこまでも深遠な世界。
今度はいつ観られるのだろう...と思いを馳せてしまいます。
posted by makuuchi at 08:38| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする