2008年05月06日

review:長沢明展《4/14、4/26》

長沢明展
Galeria Grafica
東京都中央区銀座6-13-4 銀座S2ビル
4/14(月)〜4/26(土)日祝休
11:00〜19:00(最終日:〜17:00)
長沢明 080414.jpg

Akira Nagasawa exhibition
Galeria Grafica
6-13-4,Ginza,Chuo-ku,Tokyo
4/14(Mon)-4/26(Sat) closed on Sunday
11:00-19:00(last day:-17:00)
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古代的で、未来的。



Galeria Graficaでの長沢明さんの個展にいってきました。
長沢さんといえば、もう一昨年になるMOTアニュアルでのダイナミックな展示のインパクトが忘れられないのですが、今回は前回の同ギャラリーでの個展と同じく1階と2階のスペースを使い、1階では大作の展示、2階で長沢さんとしては比較的小さめの作品と小品とが展示され、それぞれで独特のテクスチャーが放つ力強い個性を味わえた次第です。


まず2階から。

普通なら大作の部類に入るはずのサイズの作品も、長沢さんの場合、小さく感じます。
しかし、そのサイズだからこそ感じ取れる臨場感がまた堪らなかったり。


長沢明07



砂などの強い素材も多く用いられ、膠で盛り上げるオーソドックスな日本画とは一線を画する重厚な風合いがとにかくかっこいいんです。
削り込まれる線、荒れた表面。さまざまな要素が太古の壁画のような風合いを発します。
描かれる動物、タイトルでは「トラ」となっていますがこれは便宜上とのことで、犬のようにも、ネコ科のの動物にも見えてきます。その動物は基本的にざっくり直線で組み上げられた図形で構成されているのも、古代的・未来的という両極端のイメージを同時に喚起させてくれているような気がして面白く感じられます。


長沢明02 長沢明03 長沢明04

長沢明01



ブルーの独特の深みが印象的な小品群。
アースカラーがそのほとんどを占める色調にあって、この独特の色調がひときわ鮮やかに感じられました。


長沢明05

長沢明06



時に現れる、深く濃く広がる色調の力強さに意識が呑み込まれてしまいそうな錯覚を覚えたり、それ以上に時間の、時空のイメージがもたらすダイナミズムに圧倒されそうになったり。
色彩感といい、素材感といい、長沢さんの作品のテクスチャーでないと味わえない風合いにはいつまでも浸っていられそうなおおらかさがあるような気がします。

また、この作品の「もの」としてのサイズ感も大事な要素のように思えます。
長沢さんが描く「トラ」は、ある程度の大きさの作品だと縮尺をコントロールしている感じがせず、描かれているサイズがその実物の大きさのようなイメージが浮かびます。
・・・いや、むしろ、充分に大きく描かれていながらも、それ以上のサイズを想像することはあるかもしれないです。
とにかく、実感できる大きさの生々しさが、独特の壮大なイメージをもたらす要因なのかも、と思った次第です。


長沢明08



で、1階。
こちらは空間いっぱいのサイズの大作が展示され、凄まじいエネルギーが凝縮したような空間が作り上げられていました。


長沢明10



体全体を覆う青の鮮烈さがたまらなくかっこいい大作。
正面の壁の全面を覆うサイズのパネルの上方に佇む怒涛。


長沢明12

長沢明11



横長のもっとも大きなサイズの作品。
これだけダイナミックにスピード感を放つ作品にそうそう巡り合えないような気がします。


長沢明09


この秋には、湘南台のGALLERY HIRAWATAでの個展も控えられていて、この大きな空間でどんな展開をされるか、たいへん楽しみです!
posted by makuuchi at 20:55| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

review:足立知美展 ―想―《4/14、4/26》

足立知美展 ―想―
ギャラリー新居 東京店
東京都中央区銀座6-4-7 いらか銀座ビル5F
4/14(月)〜4/26(土)日休
11:00〜19:00(土:〜18:00)
足立知美080414.jpg

Tomomi Adachi exhibition
Gallery Nii Tokyo
6-4-7-5F,Ginza,Chuo-ku,Tokyo
4/14(Mon)-4/26(Sat) closed on Sunday
11:00-19:00(Sat:-18:00)
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大胆なアプローチが持ち込まれて生み出される、繊細な情景。



ギャラリー新居 東京店で開催された足立知美さんの個展です。
仕上げのユニークさがひときわ鮮やかな印象をもたらしてくれる、ひと味違う日本画。
一度描き上げた絵を切って貼る、という手法で、切られた絵のパーツのひとつひとつを少しずらして貼ることで、その下地の色が隙き間から顔を覗かせています。

基に描かれた絵の抽象性が高い作品では、そのユニークさがより立ち上がって伝わってきます。


足立知美04

足立知美09



あるシーン(上海で見かけた光景、ということを仰ってたような気がします...)をピックアップしたものや、日本画らしい花の絵にカットが施された作品も。
淡く、セピア調の色合いが、脳裏に静かに横たわっていて、ところどころが欠けてしまっている記憶が表れたかのような風合いが感じられます。


足立知美08 足立知美07

足立知美06



描いた紙を切ってコラージュ風に再構成する、というスタイルの、しかも日本画を拝見するのは無論今回が初めてで、色合いや描かれる風景などの落ち着いた雰囲気にもたらされる斬新なアイデアにたいへん大きな興味を抱いて、もっと空間を大胆に活かした作品があればどうなんだろう...と思い描いていたら、今回の個展でもっとも新しい作品が、まさに思い描いていたイメージと近くてびっくり。

下地を大胆に露出させることで、おおらかで浮遊感のある空間性が生み出されていて、静かな感触と同時に高次元的な奥行きが伝わってくるように思えます。


足立知美03 足立知美02

足立知美01



和紙の質感や岩絵の具の風合いなど、日本画の素材感が醸し出す独特の温かみに加え、取り上げられる色調の落ち着きや描かれる情景、光景のやわらかさなどもあって、まず「絵」としてのやさしさや滋味が伝わってきます。
そこに取り込まれる、「切る」という斬新なアプローチの現代性が、ギャップを生み出すというよりも、二重の空間性が作り上げられているような印象です。
そして、描く、切る、貼るといったそれぞれの過程から滲む繊細さも作品の味わいを深めていると思います。無論、それぞれの行為のバランスにも。

もっとおおらかな空間性を感じさせてくれるような展開を期待してしまいます!


足立知美05
posted by makuuchi at 19:29| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする