2008年05月05日

review:スルー ザ マウンテン 耀樹孝鷺鴬《5/1》

スルー ザ マウンテン 耀樹孝鷺鴬
SPICA art
東京都港区南青山4-6-5
5/1(木)〜5/20(火)
12:00〜20:30
耀樹孝鷺鴬080501.jpg

Through the Mountain Youna Kousagiuguisu
SPICA art
4-6-5,Minami-aoyama,Minato-ku,Tokyo
5/1(Thu)-5/20(Tue)
12:00-20:30
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無駄も不足もないデフォルメーション。


おそらくもっともインパクトのあるアーティストネーム、耀樹孝鷺鴬(ような こうなぎうぐいす)さんのSPICA artでの個展です。

耀樹さんの作品は、昨年のシェル美術賞ではじめて拝見し、4コマのマンガ風の作品があの空間において特に異色を放っていたのを記憶していて、それに続いて本年の岡本太郎賞展でも入選されているのもチェックしていて、お名前とともにその独特の画をすっかり覚えてしまったのですが、今回はじめて個展で拝見することができ、作風とともに素材のユニークさもじっくりと堪能することができました。


まず、胸にスコップのシルエットをたたえた兄弟たちの絵がお出迎え。
1コマだけ提示されたマンガのような感触で、しかし1コママンガとは違う意味でひとつの画面から発するユーモラスな雰囲気とストーリー性が妙にツボにハマります。


耀樹孝鷺鴬01



実にシンプルな構成です。
実際の風景をモチーフに、遠近感や立体感を基本的に直線でデフォルメし、黒い線で描く、という統一されたスタイルで、かつ同一の大きさのスクエアのパネルで展開し、絵の構図、展示ともに、不必要な奇を衒わない展開が繰り広げられています。

下地に広がる、未来的でかつ味わい深いムラが残されたグレー。
塗った筆の動きの跡も比較的しっかりと残っていながらも、むしろ未来的な感触が伝わります。

そして、そういう下地の上に乗る線。
すべての線がムダもムラもなく緻密に配置され、風景がシャープで図形的な絵となって表現されている一方、その線は丸みを帯び、同時にもこもこと画面から盛り上がっていて、素材的なインパクトも結構強かったり。

使用されている絵の具はTシャツのプリントなどにも用いられるシルクスクリーン用のものなのだそう。
服にプリントされることもあるために乾燥後も伸縮性のある素材で、そのゴムのような有機的な質感が線からもしっかりと感じられます。そしてその素材感が、耀樹さんのペインティングの独特なユーモラスな感触をより力強く、しかしあたたかく押し上げているように感じられます。


耀樹孝鷺鴬08 耀樹孝鷺鴬09 耀樹孝鷺鴬07

耀樹孝鷺鴬06



しかし、無駄がない!
すっきりさっぱりと表現された風景や場面は静かで穏やかで、なのに未来的な洗練も感じられます。
その風景に吹く風や、走る車の臨場感、さまざまな要素が伝わってくるような気がしてしまうから不思議です。


耀樹孝鷺鴬04

耀樹孝鷺鴬02



1点だけ展示された黄色い作品。
シンプルなことは他のグレーの作品と変わらないはずが、この黄色の発色がより鮮烈に感じられ、ホワイトキューブにモノクロームの線画が展示されたなかでひときわ強烈なアクセントとなっています。
そんな作品の中に登場する人の顔が渦みたいになっているものだから、余計に大きなインパクトが提示されているように感じられます。


耀樹孝鷺鴬05



耀樹さんはもともマンガも描かれていたことがあるそう。現在の作風も納得です。
で、こういったかたちで表現されることで、1こまの力強さや存在感をより立ち上がらせることを可能にし、さらにユニークな素材を用いたり大きな画面で描くことでその個性をより高めているように感じられます。

作品も空間もシンプルで、かつポップでキャッチー。
入って作品が目に飛び込んできた瞬間にすっとその空気をポジティブに楽しめる、そういうクリエイションに巡り合えるのはホントに嬉しいです。


耀樹孝鷺鴬03
posted by makuuchi at 10:53| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

review:宇宙陶芸EXHBITION2008 進め! 泥舟連合艦隊!! 吉田晴弥《4/29、5/2》

宇宙陶芸EXHBITION2008 進め! 泥舟連合艦隊!! 吉田晴弥
桃林堂 青山店
東京都港区北青山3-6-12
4/29(火)〜5/5(月)
10:00〜19:00(最終日:〜16:30)
吉田晴弥080429.jpg

Haruya Yoshida EXHBITION 2008
Torindo Aoyama
3-6-12,Kita-aoyama,Minato-ku,Tokyo
4/29(Tue)-5/5(Mon)
10:00-19:00(last day:-16:30)
Google Translate(to English)



イェーイ!!!(≧∇≦)ノ゛


吉田晴弥025



も、もとい。


つい先日、Gallery蓮での二人展から間髪をおかずに開催されている、吉田晴弥さんの今度は個展です。

一言で言って、度が過ぎる!Σ( ̄口 ̄;)


吉田晴弥019


吉田晴弥020


グァァァァて!Σ( ̄口 ̄;)
何ねそのグァァァァて!Σ( ̄口 ̄;)

度が過ぎるのである。
いちいち度が過ぎるのである。


再び、もとい。


手捻りの陶の人形たちが実に豊かでバリエーションに富んだ仕草で展開していて、ひとつひとつ観ていってぜんぜん飽きないんです。
メランコリックな雰囲気なんて一切感じさせない、楽しさいっぱいの陶芸。
乗る平皿の手描きの紋様もユニークです。


吉田晴弥021 吉田晴弥023 吉田晴弥022

吉田晴弥026



壁掛けの平面の作品も。


吉田晴弥015



「火」のエネルギーをそのまま凝縮したような力強さが迫ります。
陶の平面展開が面白く感じられるのも、吉田さんのクリエイションの興味深いところのひとつです。
この展開でもいろいろと拝見してみたいです。


吉田晴弥017 吉田晴弥018

吉田晴弥016



2階。
今回の泥舟連合艦隊、よくよく考えてみるとほとんど全部

「舟」

っつーか

「板」

とか

「皿」

・・・・


唯一かよ!Σ( ̄口 ̄;)
唯一の「艦」かよ!Σ( ̄口 ̄;)


吉田晴弥004 吉田晴弥003 吉田晴弥002

吉田晴弥001


いやもう壮観。
むしろこれもぎりぎり「舟」って感じがしないでもなかったり、そもそも

何積んでんだよ!Σ( ̄口 ̄;)

とツッコミどころは満載なのですが

・・・

「ツッコミ」か!Σ( ̄口 ̄;)
積んでるのは「ツッコミ」か!Σ( ̄口 ̄;)

・・・

誰がうまいこと言えとΣ( ̄口 ̄;)

ユーモラスなゴージャス感が堪らなくて、今回の展示を締めているような感じもいいんです。


この泥舟艦隊の主力を占めるひとり乗りの作品も、さらにバリエーション豊かな展開が面白い!
ていうか、すでに舟でもないという(汗)


吉田晴弥007 吉田晴弥005

吉田晴弥006



以前制作された器も艦隊に合流、もう何でもかんでも来い!といった勢いが痛快です!


吉田晴弥013 吉田晴弥012 吉田晴弥011

吉田晴弥009



手捻りの焼物のおおらかさ、朴訥とした風合い、温かみが、それぞれの作品、そして全体の雰囲気から伝わってきます。
そこにさらにどーしよーもない「やんちゃさ」が加わって、まさに「宇宙陶芸」にふさわしい、ダイナミックな痛快さが展示全体を貫いています。


もう、どんどんやってくれ!って感じです!


吉田晴弥008
posted by makuuchi at 06:58| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする