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2008年03月21日

〜3/20のアート巡り

《3/18》
梵岩直感 峯地孝明 吉田晴弥
GALLERY蓮
東京都渋谷区神宮前2-5-6
3/12(水)〜3/25(火)
11:00〜19:00
梵岩直感080312.jpg

昨年同じギャラリーで個展を拝見して印象的だった「宇宙陶芸」の吉田晴弥さんと、DMには「あきらめない人」とクレジットされている峯地孝明さんとの2人展。
吉田さんの陶器の味わい深さとおおらかさ、大判の板の作品などが放つ深遠さなどは、人柄もにじみ出るような感じが心地よいです。
峯地さんの作品でインパクトがあるのが、なんといってもギャラリーの中央の台の上に置かれたオブジェ。さまざまな物を取り入れ、迫力を持った生物が再現されているかのような、力強さが印象に残ります。
所用でじっくりとチェックできなかったので、今週末にあらためて行ければ...。



《3/20》
堀藍
ギャラリーなつかb.p
東京都中央区銀座5-8-17 GINZA PLAZA58 8F
3/17(月)〜3/22(土)
11:30〜18:30(最終日:〜17:30)
堀藍080317.jpg

昨年度の武蔵野美術大学の学内修了制作展示で、工事現場で働く人々の姿をコミカルに描いた銅版画が印象に残っている堀藍さんの個展です。

今回は工事現場を描いた作品はないのですが、何やら山登りをしている団体客など、余白を大胆に活かし、ちっちゃく描かれた人々が何ともユーモラスでかわいい雰囲気を醸し出しています。


堀藍07 堀藍06

堀藍05



小品も同じように、余白と人の姿の縮尺感がたまらなくコミカルな味わいを醸し出しています。
銅版画らしい繊細な線と、それがすらりと画面を漂って独特の雰囲気を作り上げていて、余白がまた不思議な奥行き感とどこか霞の中のような曖昧な風合いを奏でています。


堀藍03 堀藍01 堀藍02

堀藍04



- 心音 - 小川奈々誉
Gallery Q
東京都中央区銀座1-14-12 楠本第17ビル3F
3/17(月)〜3/22(土)
11:00〜19:00(最終日:〜17:00)
小川奈々誉080317.jpg

もはや年中行事、毎年春に開催されている小川奈々誉さんのGallery Qでの個展です。
毎回、インスタレーション的な展開を展示に取り入れている小川さんですが、いつもの淡い色調に彩られた紙が、今回は筒状に丸められ、壁沿いに展示され、ふわふわとした浮遊感を生み出しています。


小川奈々誉202 小川奈々誉204 小川奈々誉203

小川奈々誉201


今回は、それぞれの作品に、植物やたまごを思わせるモチーフが切り紙で再現され、それらが画面に貼られて、いつもよりもシャープなフォルムが取り入れられることでキャッチーさが生み出されています。
イメージの基点が定次されているような感じが嬉しいです。


小川奈々誉210 小川奈々誉209 小川奈々誉208

小川奈々誉211


小品では余白を「抜く」切り紙が多いのですが、1点だけ展示されている大きな作品では、かたちを重ねて展開しています。
咲く花のおおらかさを思わせる風合いが独特の淡い色調で紡ぎ出され、それぞれの要素がそのよさを引き出しあって、繊細な美しさが提示されています。


小川奈々誉206 小川奈々誉207

小川奈々誉205



伊藤香奈展
ギャラリー・ゴトウ
東京都中央区銀座1-7-5 中央通りビル7F
3/17(月)〜3/22(土)
11:30〜18:30(最終日:〜16:30)
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明るい色彩が楽しい作品です!
パステル風に彩られたさまざまな色彩が、そのかわいらしさをいっぱいに放って、おおらかで伸びやかで、どこか和やかな風景を思わせる世界が繰り広げられています。


伊藤香奈01 伊藤香奈02

伊藤香奈03


小品では、それぞれの色やモチーフひとつひとつのかわいらしさにスポットが当てられたかのような感じで、やわらかな風合いがそれぞれの画面から奏でられていて、楽しくてほっこりとした気分が広がります。
それぞれの絵の中で綴られていくあたたかな時間の感触が伝わってくるような感じです。


伊藤香奈07 伊藤香奈08 伊藤香奈05

伊藤香奈04



坪田純哉展 ‐奏色‐
アートスペース羅針盤
東京都中央区京橋3-5-3 京栄ビル2F
3/17(月)〜3/22(土)
11:00〜19:00(最終日:〜17:00)
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折りに触れて拝見している坪田純哉さん。
鮮やかでシャープな色使いは今回も健在です。
岩絵の具特有の粒子の美しさ、彩りの妙、めくるめく色彩の煌めきの奥にひっそりと潜む木々のシルエット。
さまざまな要素が高貴な世界を作り上げています。


坪田純哉202 坪田純哉203

坪田純哉201


今回は、赤い作品が印象に残ります。
程よくヴィヴィッドな赤とつや消しの白、さらに銀箔。このコントラストは、究極的な繊細を放っています。


坪田純哉207 坪田純哉206 坪田純哉208

坪田純哉205


マス目の緻密さと泳ぐ鯉のダイナミックなフォルムとがひときわ美しい世界をつくり出している作品。
モチーフの「和」の感覚と、色調や方眼が放つ未来的なイメージとが重なり、宇宙を思わせるおおらかさが見事です。


坪田純哉211 坪田純哉212 坪田純哉210

坪田純哉209


小品も独特の静謐感を奏でています。
おなじみのブルーといい、和の風合いがより強く感じられる浅い緑の作品といい、それぞれがしっかりと世界を持っているような印象です。


坪田純哉214 坪田純哉213 坪田純哉216

坪田純哉215


抽象と具象とがひとつの画面で美しく交差し、未来的でかつおおらかな深みを持つ日本画。
今後も楽しみです!


坪田純哉204



ART ADVANCE ADACHI 2008
THEATRE1010ギャラリー
東京都足立区千住3-92 千住ミルディスI番館11F
3/20(木)〜3/30(日)
10:00〜20:00
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面白い!
何より参加アーティストのチョイスが素晴らしいです。アトリエオモヤのメンバーが大挙参加しているのも嬉しい!

そのなかでも、昨年の神戸ビエンナーレでグランプリを受賞した臼井英之さんのインスタレーションが凄い!
posted by makuuchi at 17:29| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

review:染谷亜里可展 Silhouette《3/6、3/15》

染谷亜里可展 Silhouette
Kenji Taki Gallery/東京
東京都新宿区西新宿3-18-2-102
3/6(木)〜4/4(金)日月祝休
12:00〜19:00
染谷亜里可080306.jpg

Arika Someya exhibition "Silhouette"
KENJI TAKI GALLERY/Tokyo
3-18-2-102,Nishi-shinjuku,Shinjuku-ku,Tokyo
3/6(Thu)-4/4(Fri) closed on Sunday,Monday and national holiday
12:00-19:00
Google Translate(to English)




高貴な素材の質感が奏でる、繊細な静謐感。



Kenji Taki Gallery/東京での染谷亜里可さんの個展です。
染谷さんの作品をはじめて拝見したとき、ベルベット生地を用いた世界に一瞬で引き込まれました。
前回の個展での映画のワンシーンを字幕も含めてていねいに再現した作品群で、ベルベット生地を脱色させることで色のない部分を描いていくという特殊な手法で紡ぎ出される陰影で、まさにこの作風でしか表現し得ない独特の世界に微睡むような心地よさと深みとを感じた次第で。

今回、東京で久々に開催されている個展も、ベルベット生地を用いた作品を中心に展示されています。
実に深みのある鮮やかな赤によって展示空間が包まれ、布地のぬくもりとそこに描き出されている景色の奥行きとにより、味わい深い雰囲気が静かに、上品に満ちています。


染谷亜里可04 染谷亜里可02 染谷亜里可03

染谷亜里可01



染谷さんから伺ったところでは、それぞれのベルベット生地はまっさらの状態ではもっと明るい色彩を放っているのだそう。
それが、風景の明るい部分を脱色することによって、残された色の部分により深みが増して感じられるとのこと。
直にこのベルベット生地の作品を眺めると、もともとの生地の色がそのまま残る部分の色の濃さにひときわ深みを感じます。
そのうえで、絶妙の奥行き感が醸し出されるように施されるグラデーションが引き立てられ、淡い光の広がりの様子がていねいに表現されて、その感触がより穏やかに伝わってくるような気がします。


染谷亜里可08 染谷亜里可06 染谷亜里可07

染谷亜里可05



また、ベルベット生地の素材の特性もユニークな効果を生み出しています。
生地の表面から脱色される、言い変えると画面より立ち上がっている繊維が手前から奥へと脱色されることで、作品を眺める角度によってその濃淡が劇的に変化するんです。
正面から側面へと動きながら作品を眺めていくと、まさにその窓に陽射しがだんだんと射し込み、そして穏やかに沈んでいくように、その風景の明るさが変化します。
サイドから眺めると、繊維の脱色部分が余計に視界に入ってくるために、より明るく感じられるんです。


染谷亜里可11 染谷亜里可10 染谷亜里可12

染谷亜里可09



奥のスペースにはベルベット作品の小品が額装されて展示されています。
これがまた、その高貴な風合いをよりいっそう重厚に醸し出しているように感じられて、小さな作品ながらその味わいは強く、穏やかに印象に残ります。
額のチョイスも渋く、それが作品の風合いと合っていて、静謐な感触を引き立てているように感じられます。


染谷亜里可14



数点出品されているペインティング。
白地の作品で、ひときわ明るい色調がこの空間のアクセントとなっています。
ガラス皿に盛られた果物をその下方から描いたもので、ガラスの柄によって果物のかたちが崩れ、色が滲んだ様子が再現されています。
画面には同心円上で色が弧を描いていて、おそらく実際に何かを回転させて擦ったような跡が生々しいインパクトを醸し出しています。


染谷亜里可17 染谷亜里可16

染谷亜里可15



ベルベット生地を用いて脱色させることで風景を描き出すという特殊な手法により、さまざまな効果が現れていて、実際に目にするといろんな発見とここでしか得られないイメージがあるように感じられます。
ただ、これらの「効果」的な要素は、染谷さんのお話ではあくまで二次的に得られたものだそうで、そこに狙いはないということも伺えたことも、たいへん興味深いです。

素材本来の親しみが紡ぎ出す、穏やかで、そして詩的でもあるクリエイション、ぜひ直にご覧頂きたいです。


染谷亜里可13
posted by makuuchi at 16:37| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする