@GALLERY MoMo
東京都港区六本木6-2-6 サンビル第3 2F
12/4(火)〜 12/22(土)日月祝休
12:00〜19:00
Kojiro Takakuwa "To Kanata and Believing is seeing!"
@GALLERY MoMo
6-2-6-2F,Roppongi,Minato-ku,Tokyo
12/4(Sat)-12/22(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday
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リアルなシーンの重なりが醸し出す、ヴァーチャルなポップ感。
高桑康二郎さんの個展です。
高桑さんの作品は、昨年と一昨年のシェル美術賞で拝見して、明るいんだけど怪しいというか、なんとんも不思議な感じがする世界が妙に印象に残っています。
ひとつの画面。
まず、身近さを感じるどこかの風景。
そのなかに、水中の人の姿と、ミリタリーのアイコンとが同時に登場する世界が、さまざまなサイズで展開されています。
描かれる風景は、日本と、現在高桑さんがお住まいのパナマの風景がモチーフとなっているそう。
そこにあるいろんな建物、道路、あるいは木々、そこを通る人々、全てがていねいに描き出され、加えて明るい色彩によってカラッと乾いた雰囲気から心地よさを感じます。
一見するとよい季節の身近な光景なのですが、そこに例によって水面に顔を出す泳ぐ人の姿や、爆弾、戦闘機などの軍事的なモチーフが妙に自然に組み込まれています。
自然なのに、そこからはすっと簡単には言葉に表現できないような違和感も。
画面の中央の大きな木をバックに、落下する爆弾の存在感が、遠目に拝見していてもけっこうなインパクトを放ち、そこかしこにいる水着の女性の姿は顔が描かれないために匿名性が強調されているように思えます。
こういった違和感が、実にポップに展開されている違和感が痛快にも感じられるから、また不思議です。
都市の風景を描いた作品。
こちらは建築物の幾何学的な、現代的な姿が、重なるふたつのモチーフとのコントラストをより強めているように感じられます。
道路を進む戦艦、低空で飛ぶ戦闘機。ていねいに描かれるこれらのモチーフのかっこよさにも惹かれたり。
大胆な縮尺の差異が、軍艦や戦闘機そのものよりもその模型を連想させるのも、ポップな風合いを醸し出す要素なのかも、と思ったりもします。
さらに、水着の人々が水面に顔を出したまま、道路を歩くような感じに描かれているのもなんだかシュールで。
透明のアクリル板により、画面からはみ出る雲も気になります。
カウンターの隣の壁には小品とユニークなアプローチの作品が凝縮して展示されていています。
こちらの一角はパナマの風景がモチーフとなっている作品が集められているようで、より乾いた、中米の爽やかな空気が鮮やかな空の青から伝わってきます。
面白いのが、壁に棚状に水平に設置され、そこにフィルムが貼られたアクリルの仕切り板が取り付けられた作品。
手前に水中の絵、奥に公園の絵が描かれ、アクリル板のなかで手前と奥のふたつの絵が重なってひとつの世界を作り上げています。
カウンターに展示されている、モチーフが異なる作品も印象に残ります。
メインスペースに展示された作品に登場する水面から顔を出した人の姿が大きな画面に描かれているもの。
なぜ、こういうユニークな世界を描くのだろう、と、シェル美術賞展で高桑さんの作品を拝見してから感じていたのですが、高桑さんといろいろとお話を伺えて、納得することが大いにありました。
今回は事情によって出展されなかったのですが、大きく描かれた水中の作品も制作されていて、その作品では、展示された空間に顔を水面に出し匿名性を強く放つ人物が大きく描かれた水中の風景が眼前にダイナミックに提示することで、展示空間にいながら水中にいるようなヴァーチャルなイメージも鑑賞者に提供したい、という意図があるそう。そのリアルとヴァーチャルとの関係を、近作では風景に水中の人々を描くことで表現しているとのことです。
また、飛ぶ戦闘機、進む軍艦、落下する爆弾は、戦争と平和とが同時に進行している時間性を表現していて、ひとつの画面に織り込むことで時間的な立体感を立ち上げています。
さまざまな要素が盛り込まれていながらも、高桑さんが描く作品の大きな魅力はやはり、鮮やかな色彩とていねいな描写とによる「ポップさ」のような気がします。
描かれる全ての要素とその違和感のユーモラスな風合いが、すべて「分かりやすく」伝わってくるんです。
今回は出品が見送られた大作も、ぜひ拝見したいです。



