2007年10月31日

review:村上弘人 個展 ザ・リズム《10/18、10/27》

村上弘人 個展 ザ・リズム
Galerie Sho Contemporary Art
東京都中央区日本橋3-2-9 三晶ビル B1F
10/18(木)〜11/17(土)日祝休
11:00〜19:00(土:〜17:00)
村上弘人10/18DM.jpg

Hiroto Murakami The Rhythm
Galerie Sho Contemporary Art
3-2-9-B1F,Nihonbashi,Chuo-ku,Tokyo
10/18(Thu)-11/17(Sat) closed on Sunday and national holiday
11:00-19:00(Sat:-17:00)
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Galerie Sho Contemporary Artで開催されている村上弘人さんの個展です。
今、季節は秋が深まっていますが、春の彩りに溢れる明るくて暖かい色が広がって、キュートな世界が繰り広げられています。


そして、その色彩感に展示タイトルの「リズム」という言葉がさらにイメージに彩りを添えてくれます。
厚めの枠に張られたキャンバスに描かれた作品。側面にも描かれ、単に平面作品としてだけではなく、立体的なものとしての存在感も感じられるのも印象的です。
また、作品はそれぞれの表面に透明なニスのようなものが施され、艶やかに仕上げられています。それが明るい色彩に瑞々しさをもたらしているのもいい感じです。


メインスペース、入口を通って左手の一角には、ひとつの画面にひとつの種類の花がびっしりと並んで描かれています。


村上弘人03 村上弘人02

村上弘人01


初日に拝見したときには、軽やかな色彩により、ナイフで描かれた花のシルエットの重なりで、ハッピーな子どもっぽさを感じたのですが、こちらの一角に描かれた花はそれぞれ彼岸花、サルビア、紫陽花とその花の種類もしっかりと分かるほどにていねいに再現され、画面の中に緻密なリズムが構築されているような印象で、明るい色彩のキャッチーさと複雑でミニマムなパターンとのコントラストにより、かっこよく感じられます。


村上弘人05

村上弘人04



その向かいには、ナイフによる花がカラフルに描かれた作品が。
画面いっぱいに広がる花畑のイメージ。イージーなフォルムによる子どもっぽさ。
空から降るような風合いや、なかにはまるで回転しているかのような花の姿など、思いのほか動的なイメージがあって、ユニークでポジティブな雰囲気を感じさせてくれます。


村上弘人07

村上弘人08



奥の小さなスペースへと続くところには、さらにシンプルな構図の作品が展示されています。
空の明るい青と菜の花畑を思わせる鮮やかな黄色とで大胆に大きく分けられた画面。作品により、絵の具の盛り上がりで花弁のひとつひとつの存在を匂わせるものや、フラットな色面でさらに遠い大きな風景を思わせるものも。


村上弘人12



その一角を通過するとさらにシンプルな風景を描いた大きな作品が目に飛び込んできます。
作品のなかに登場する色も3つ、さらにおおらかな風合いを醸し出しています。
手前の細やかなパルスが奏でる複雑なリズムから、マレットでタムを叩いてその残響で組み上げる緩やかなリズムへ。。。


村上弘人10 村上弘人11

村上弘人09



ひとつの統一感の中で、いろんな構図の作品がていねいにインスタレーションされ、それぞれのコーナーから思い浮かぶイメージを、さらにそこから沸き上がるさまざまなリズムを楽しめる展示です。


村上弘人06
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2007年10月30日

〜10/28のアート巡り

《10/23》
曽谷朝絵 プリズム
西村画廊
東京都中央区日本橋2-10-8 日本橋日光ビル3F
10/23(火)〜11/17(土)日月祝休(10/29開廊)
10:30〜18:30
曽谷朝絵10/23DM.jpg

明るく暖かみのある鮮やかな色彩によって、光を受ける水面のゆらぎや風景などが描かれています。
漆喰を思わせるざらついた下地が細やかな陰影をもたらしているようで、ていねいな描き込みとあわせて豊かなイメージを与えてくれるような印象です。

・・・ただ、樋口佳絵さんや町田久美さんのようなサディスティックなテンション感を持つクリエイションを紹介する西村画廊での展示というのがなんとなく馴染めず...。

ギャラリーを後にして、激しいタッチの作品を無性に観たくなったのが印象的でした。



《10/25》
大畑伸太郎 個展 ひかり
YUKARI ART CONTEMPORARY
東京都目黒区鷹番2-5-2 市川ヴィラ1階
10/25(木)〜12/15(土)日月休(火水:事前予約制)
12:00〜20:00
大畑伸太郎10/25DM.jpg

大好きです!
満を持してスペースを立ち上げたYUKARI ART CONTEMPORARYのオープニングにふさわしい、自然にその世界に入り込んでいける素敵な世界が広がっています。



《10/27》
WORM HOLE episode 9 赤羽史亮/星野武彦
magical,ARTROOM
東京都港区六本木6-8-14
10/20(土)〜11/17(土)日月祝休
11:00〜19:00
WORM HOLE10/20DM1.jpg WORM HOLE10/20DM2.jpg

個性的なクリエイションを二人ずつ紹介しているシリーズの第9弾。今回は男性のペインターがフィーチャ−されています。

1階の道路に面したいつもの空間では、赤羽史亮さんのすべてを呑み込むような暗く重い世界が。
画面に大胆に、盛られるように乗る黒い絵の具。その素材の力強さによって、作品と対峙し挑もうとするまでもなく、あっさりとその深みに嵌まっていくような印象です。
描く痕跡が全面に残るマチエルから白髪一雄らの時代の面影も感じるのですが、そういったある種分かりやすい手法を取り入れつつ、それによってしっかりと「何か」が描かれ、手法と世界とが合致してなんとも見応えのある展示となっています。この重々しさに呑まれるような感覚は痛快です。

星野武彦さんの作品は4階に展示されています。
赤羽さんの世界から一転して、イージーなタッチで描かれるキュートでメロウな世界がやわらかく空間に滲んでいます。
有機的なフォルムで描かれる人のシルエット。明るめの色彩と相まって、ふわふわとした感覚が伝わり、いとおしく感じられます。



岩尾恵都子展
GALLERY MoMo
東京都港区六本木6-2-6 サンビル第3 2F
9/29(土)〜10/27(土)日月祝休
12:00〜19:00
岩尾恵都子9/29DM.jpg

ギャルリー東京ユマニテなどでこれまでは意見したことがある岩尾恵都子さん。
これまでは、繊細でなめらかなグラデーションで独特の広がりがもたらされているドリーミーな世界の印象が強かったのですが、今回は流れるような線の重なりでの展開が印象的です。
おおらかな曲線の重なりによって、画面にもたらされる空間的なイメージ。そこに「ぽん」とかわいらしく乗る車や女の子を描いたワンポイントのモチーフが、軽やかな雰囲気を引き立て、楽しいイメージが浮かんできます。


岩尾恵都子06 岩尾恵都子05

岩尾恵都子04


赤や黄色などを織りまぜつつ、画面を覆う濃いグリーンと淡いグリーンのコントラストも心地よいです。
断崖や樹木が独特の奥行きで描かれていて、そのダイナミックさも痛快です。


岩尾恵都子02

岩尾恵都子03


1点のみ展示されていた水色の作品もいい感じです。
水色の光にのなかに佇む赤い服の女の子、シンプルでなんとも可愛げで。こちらのシリーズもいろいろと拝見したいです。


岩尾恵都子01



古田ゆかり展
ギャラリー戸村
東京都中央区京橋2-8-10 丸茶ビルB1
10/15(月)〜10/27(土)日祝休
11:00〜19:00(土:〜17:00)
古田ゆかり10/15DM.jpg

宇宙、あるいは夜の空を思わせる、深みのある世界。
日本画特有のマッドなマチエルで、壮大な光景が描き上げられています。
見上げた空ではなく、むしろ天空から見下ろした空を思わせるのも興味深いです。


古田ゆかり03 古田ゆかり04

古田ゆかり02


正面に展示された大作の迫力も強く印象に残ります。
岩絵の具の渋味溢れる質感が、深遠さをさらに演出しているような感じです。


古田ゆかり01



長沢郁美展 Shelter
藍画廊
東京都中央区京橋3-3-8 新京橋ビル1F
10/22(月)〜10/27(土)
11:30〜19:00(最終日:〜18:00)
長沢郁美10/22DM.jpg


コミカルな顔立ちのキャラクターが繰り広げるファニーな世界。
ぱっと明るい色調も印象的なクリエイション。


長沢郁美01


柄がプリントされた和紙が支持体の作品もあり、その模様が背景となってどこかユーモラスな人々の姿を引き立てているのも楽しいです。


長沢郁美03 長沢郁美04

長沢郁美02


小品から大作まで、それぞれのサイズで繰り広げられている世界が面白いです。
少し前に開催された青山のカフェでの展示を見逃していたので、今回チェックできて嬉しかったのと同時に、カフェスペースで観られたらまた違う面白さも感じられたかも、とあらためて後悔も湧いてきた次第...。


長沢郁美05



野口里佳「マラブ・太陽」
ギャラリー小柳
東京都中央区銀座1-7-5 小柳ビル8階
10/27(土)〜11/30(金)日月祝休
11:00〜19:00
野口里佳10/27パンフ.jpg

時間の感覚がなくなります。
それどころか、身体を置いて魂だけで対峙しているかのような錯覚すら覚えます。
じっくりと浸っていたい、至高の空間です。



小西真奈展「どこでもない場所」
ARATANIURANO
東京都中央区新富2-2-5 新富二丁目ビル3A
10/27(土)〜12/01 (土)日月祝休
11:00〜19:00
小西真奈2007DM.jpg

小西さんの作品はこれまでも折りに触れて拝見し、特に昨年のVOCA展以降の作品に感じるおおらかさが気持ちよくて、今回の展示も楽しみだったのですが、これまで以上にさらに描く世界のバリエーションも広がり、表情も豊かに感じられて、ただ作品の前に立つだけで心地よいのが強く印象に残ります。
同時開催の第一生命ギャラリーでの展示ももうすぐ始まり、そちらでの展示とあわせてじっくりと楽しみたいです。



LUST 海老原靖
WADA FINE ARTS
東京都中央区築地3-2-5 第2平和田ビル
10/23(火)〜11/16(金)日月祝休
11:00〜19:00
海老原靖10/23DM.jpg

多くのシリーズを展開し、それぞれで個性的な世界、風合いを繰り広げる海老原靖さん。
今回の個展では、やさしげに広がる白を背景に、繊細な線と淡い色調とで表現されるプリミティブでフェティッシュな世界が印象的な「LUST」のシリーズの作品が出展されています。


海老原靖104


緻密な線で描き上げられる髪の毛がつくり出すうねりと奥行き、時に鋭く、時に甘い視線、頬や耳にぽっと灯り、人の温もりをイメージさせるほんのりとした赤。
それらが一体となり、さまざまな要素が絡んでこちらのイメージが囚わるような錯覚を覚えます。


海老原靖103 海老原靖102

海老原靖101


どこか爽やかささえも感じさせる、独特な幽玄さも印象的です。
これまでひとつの展示でひとつのシリーズという展示を拝見しているのですが、機会があれば、同時に海老原さんの世界を堪能してみたいような気がします。


海老原靖106

海老原靖105



山下美幸 個展「リリパット・フォー・ミー」
BOICE PLANNING
神奈川県相模原市相原5-12-47
10/27(土)〜11/25(日)土日祝のみ
13:00〜20:00(初日:13:00〜)
山下美幸10/27パンフ.jpg

一度、こういった展示法で観てみたかった...!
描かれる世界とともに、そのインスタレーションも実にユニーク、この空間ならでは。
BOICE PLANNINGのアーティストの紅一点、先に開催された「机上位」での女性らしい繊細さが印象に残っている山下美幸さんの個展です。



《10/28》
OPEN STUDIO[O*S 3.0]
OPEN STUDIO[O*S 3.0]
東京都小平市小川町1-2410
10/26(金)、27(土)、28(日)、11/2(金)、3(土)、4(日)
12:00〜20:00
O*S3.0 10/26DM.jpg

武蔵野美術大学に近いアトリエが公開されるということで、行ってきました。
制作現場に伺うのは好きで、制作途中の作品を眺められたり、新たなクリエイションが見つけられたり、いろんな発見もあって楽しいのですが、今回もいろいろとその続きが楽しみな作品と出会えて満足!

藤田達樹さんのソーセージの写真。けっこうグロテスクにその姿を晒していて、かなりのインパクト。
ソーセージが藤田さんの作品とのことで、ほかにどんなけったいな作品を作るのか興味深いです。

来年早々に個展を控える渡辺泰子さんは、映像作品のマケットなどの展示。そのマケット自体がかわいらしいのと、そこから生み出されるものにもすごく楽しみになってきます。スペイシーな小品のインスタレーションもかっこいいです。

11月にASK?での個展が開催される和泉賢太郎さん。緻密な線描に施される色彩。その個展で出展される作品の制作途中のものを拝見したのですが、もうすでに充分な見応えのものとなっていて、それぞれの完成が楽しみで。

同じ部屋のうらうららさんの作品群の奇妙な魅力も印象的。

平岡正さんの木彫。電動ドリルで彫り上げられ、アバンギャルドな質感に仕上げられようとしているクラゲの作品も、完成が楽しみ。



ebcオープンアトリエ -Room-
ebcアトリエ
神奈川県川崎市麻生区高石1-11-1-1F
10/26(金)〜10/28(日)
12:00〜20:00(10/28:14:30〜20:00)
ebc10/26DM.jpg

今回は、ライブアトリエが開催され、たくさんの方が集まり、女性ボーカルとキーボードとによるライブやケルト音楽の演奏、井上禎幸さんのアニメーション上映などで盛り上がり、実に楽しい心地よい夜が繰り広げられました。
深海武範さんの相変わらずのユーモラスな世界に感じる可能性、鑑賞者とのつながりを意識した金丸遥さんや山内唯志さんの展開など、個々のクリエイションも興味深いものも多く、いろんなかたちの楽しみを堪能した次第です。
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2007年10月29日

review:川田英二 個展《10/20》

川田英二 個展
AIN SOPH DISPATCH
愛知県名古屋市西区那古野2-16-10
10/13(土)〜11/12(月)土日月のみ
13:00〜21:00
川田英二10/13DM.jpg

Eiji Kawada solo exhibition
AIN SOPH DISPATCH
2-16-10,Nagono,Nishi-ku,Nagoya-shi,Aichi-ken
10/13(Sat)-11/12(Mon) only Saturday,Sunday and Monday
13:00-21:00
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ふわりと広がるグリーンの心地よい濃さ。



AIN SOPH DISPATCHでの川田英二さんの個展です。

名古屋に行く前にいろいろとチェックしていてサイトを見つけたAIN SOPH DISPATCH。
洋服屋さんの奥のお家がギャラリーとなっていて、1階と2階とに展示スペースがあります。
1階は普段使いの部屋をそのままで、いつもの空間と近い雰囲気で作品を展示しているそう。


靴を脱いで、1階の展示を観た痕、2階へ。
こちらは展示を意識したスペースとなっていて、ホワイトキューブに川田さんの作品がインスタレーション去れています。

いろんな大きさ、かたちのパネルに張り込まれた紙の作品。
そのひとつひとつが、紙の白を背景に鮮やかでしっとりとした深い緑が乗って独特の奥行きを醸し出しています。
緑の色面のエッジが、ふわりとぼやけているところもあればくっきりとしているところもあったり。。。

パネル作品は、石をモチーフに描かれた銅版画を張ったもの。
確かに、手描きでは出し得ない、いかにも銅版画らしいしっとりとした風合いが感じられます。


川田英二02

川田英二01



作品によってはかわいらしい大きさのものや妙に長いのがユーモラスに感じられるものなどざまざま。
それら1点1点にゆったりとした壁面が与えられ、小さな画面であってもまるで遠い山のシルエットを思わせるような壮大なイメージも喚起させてくれます。


川田英二03 川田英二04

川田英二06



1点だけ展示されていた立体の作品。
全体が銅版画と同じ緑で彩色れていて、それぞれの作品に収められたシルエットのイメージをさらに具体的なものに押し上げてくれます。
また、表面の凹凸によって、深い緑にさらに醸し出される陰影や、適度な大きさなど、妙に味わい深いのも印象的です。


川田英二07



銅版の大きさとパネルのサイズとをあわせることで、画面の表面のエッジが揃い、パネルの立体的な感触が強く伝わって、そこに描かれる雰囲気と共に、その「もの」としての大きさも独特の味わいを放っています。

1階には版画をそのままシンプルに額装したものもあり、こちらはまた違ったテイストが滲み出ているような印象です。

ひとつの主題の作品で揃えた空間に広がるシンプルさも深く心に残ります。


川田英二05
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2007年10月28日

review:森北伸 Nowhere man《10/20》

森北伸 Nowhere man
白土舎
愛知県名古屋市中区錦1-20-12 伏見ビル地階
10/20(土)〜11/17(土)日月祝休
11:00〜19:00
森北伸10/20DM.jpg

Shin Morikita Nowhere man
Hakutosha
1-20-12-B1F,Nishiki,Naka-ku,Nagoya-shi,Aichi-ken
10/20(Sat)-11/17(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday
11:00-19:00
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有機的な線、滋味溢れる色彩感で繰り広げられる知的なクリエイション。



ART@AGNESなどで知っていて、いつか伺いたいと思っていた白土舎での森北伸さんの個展です。

ほぼ事前の知識がないまま、ただこの日から始まるという情報だけで伺ったのですが、知的で渋味に溢れ、深い世界に一気に、しずかに引き込まれました。

作品ごとに繰り広げられるさまざまな世界。
一人の小説家の短編集を読むような感じ、それぞれの物語は違っていて、収録されるいろんな話を読んで一冊の本を読破した印象と近いような。。。
その風合いからひとりの人間が制作した統一感がしっかりと感じられて、なおかつそのユニークな統一感の中でさまざまな世界が繰り広げられているのがとにかく面白いんです。


森北伸08



この展覧会でいちばん大きな作品。
画面が広いだけあって、さまざまなモチーフが描き込まれています。
古い手描きの図を読み解くのに似たスリリングな感じや、大きな物語のさまざまな場面をひとつの画面に紡いでいったような壮大なイメージが、画面から緩やかに、しかしゆったりとした奥行きを感じさせながら伝わってきます。
描かれるさまざまなものをじっくりと眺めてそこから思い浮かぶ物語に思いを馳せたり、至る所に鉛筆でくしゃくしゃと記されたものからなにか言葉を読み取ろうとしてみたり...時間をかければかけるほど、懐の深い世界で応えてくれます。


森北伸04 森北伸03 森北伸02

森北伸01


そして、この作品の中に、登場人物が一人。
ギャラリーの方に教えていただいたのですが、それを見つけてさらに面白さが増して、広い画面で繰り広げられる物語がひとつに収束していく感覚を覚えた次第。


森北伸06

森北伸05



知的でユーモラスな風合いが、それぞれの画面から溢れています。
独特の渋い色彩と鉛筆による複雑で有機的な線が、仕上げに画面に施されているニスのようなものに封じ込められ、それが絵の中の世界をさらにフィクショナルなものへと仕立てているような感じがして興味深いです。


森北伸09 森北伸11 森北伸14

森北伸10



立体の作品もユニークです。
ギャラリーの一角、重ねられた箱の中にさまざまな素材で作られたもので繰り広げられているキュートでファニーなインスタレーション。それぞれのキューブの中には異なる色合い、異なる物語が。遊び心もふんだんに感じられて楽しいです。


森北伸12 森北伸13



1点だけ出品されている磁器のオブジェも面白い!
なめらかなフォルムでやさしさを感じる立像。
表面の焼物独特の質感も、味わい深さをさらに押し出してくれています。


森北伸15


で、まるで抜け殻がフードを被っているようになっている頭部、「顔は?」と思うわけですが・・・





森北伸16


素朴さが堪らなくて、思わず笑みがこぼれます。


黒いシルエットだけで描かれる人物が織り成すさまざまな世界に浸りながら、じっくりと心に沸き上がってくるストーリーを味わう、有機的で知的な刺激をいっぱい受けた展覧会です。

残念ながら森北さんとはお目にかかれなかったのですが、いろんなお話を伺えるともしかしたらもっとそれぞれの作品から醸し出されるストーリーに深みや奥行きがさらに増すような気がしています。
白土舎は来年のART@AGNESにも参加されるようなので、今から楽しみです!


森北伸07
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2007年10月27日

review:南条嘉毅展 土世界 -The world of the soil-《10/18、10/26》

南条嘉毅展 土世界 -The world of the soil-
COEXIST
東京都港区赤坂3-8-8-2F
10/18(木)〜11/1(木)日休
11:00〜19:00
南条嘉毅10/18DM.jpg

Yoshitake Nanjo exhitbiion -The world of the soil-
COEXIST
3-8-8-2F,Akasaka,Minato-ku,Tokyo
10/18(Thu)-11/1(Thu) closed on Sunday
11:00-19:00
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その土地の空気をユニークなアプローチで提示する、南条嘉毅さんの個展です。
今回は、すこし前に制作された作品と、新作のドローイング、そしてインスタレーションが展示されています。



キャンバスの作品。
今回出展されているのは、モノトーンで描かれたものが中心。
昨年末に拝見したギャラリーエスでの個展での作品のベースにあるコンセプトが、今回の展覧会に出展されている作品に凝縮されています。

それぞれの作品の画面に乗る色は、そこに描かれた風景の場所から採取した土を定着させているもの。
独特の質感を持ち、背景の支持体の色に引き立てられて実に深みのある味わい深い色を発しています。

こういったユニークなプロセスとアプローチで描かれた風景は、さまざまな縮尺により、実にていねいに、精緻にそのシルエットが再現されています。
このシンプルさが、純粋にかっこいいです。その場所の住所が淡々と綴られた作品のタイトルもまた、情報としてただ存在するものを提示していて、そういった淡々とした姿勢にも強さを感じます。


複数のパネルによる組作品。
ひとつひとつに描かれるさまざまな光景、見上げたような遠い街並を思わせるものもあれば、足元の何気ないモチーフがピックアップされていたり。この構成のユニークさにも惹かれます。


南条嘉毅011 南条嘉毅009 南条嘉毅010

南条嘉毅008



他、同様にシンプルな構成の作品が並びます。
その場所がその場所であることが分かる最低限の要素のみをピックアップして描かれるシャープなシルエットが放つグラフィカルな感覚と、それが土であることの生々しさとのギャップも面白いです。


南条嘉毅014 南条嘉毅013 南条嘉毅012

南条嘉毅015



ドローイングの作品は、ギャラリースペースのガラスの壁面にインスタレーションされています。
この構成がまた、かっこいいんです。

1点1点の精密さ。線によって再現されるさまざまな風景や場面のシルエット。


南条嘉毅006


これらが大胆に重ねられ、パネルの作品以上にバリエーションに富んだ縮尺や場所などがひとつの塊となって迫ってきます。
ひとつひとつの紙に描かれているモチーフを堪能しても楽しめ、同時に全体による立体的な構成が構築する未来的な感触も興味深いです。


南条嘉毅004 南条嘉毅005

南条嘉毅007




モニターで上映されている映像。これがまた面白い!

一見、街を淡々と撮っただけの映像かと。
何でまたここにわざわざモニターで映してんのかな、と。


南条嘉毅002


これ、ある日の赤坂の映像なのですが...




・・・・。




ん〜?





画面の左端のほう。よく見ると...




南条嘉毅003





南条さんが!Σ( ̄口 ̄;)


気付くと箒を掃いてる南条さんがいつの間にやら画面に登場。
箒を掃いてることは掃いてるのですが、赤坂の街を清掃しているわけではなく(いやもちろん掃いたぶんだけ綺麗になっているわけですから南条さんエライ)、赤坂の土を採取している最中。

歩道橋を箒と共にだんだんと下ってくるバージョンなど、いくつかのシチュエーションが収録されていて、笑えます。


で、採取した土はというと...



南条嘉毅001


しっかり再び赤坂の地に帰還。
ギャラリースペースの一角に敷かれ、南条さんらしいインスタレーションが展開されています。
初日はもっときれいな方形を保っていたのですが、数日を経てそこを通過した人々によりいい感じに荒れていて。
それにしても、よくもまあアスファルトだらけの赤坂でこれだけの土を採取できたなぁ、と。



身近にあるものを使うアーティストはけっこういて、例えば淀川テクニックの大胆さなど、それぞれにユニークなイマジネーションを発揮していて面白いのですが、南条さんのアプローチはそういった中でも異質で、作品に活かす精度の高さでは群を抜いているように感じられます。

初夏に開催された個展に伺えなかったのが今でも残念に思っているのですが、今後の展開がすごく楽しみです。


南条嘉毅016
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review:鬼頭健吾 新作展 Luminary《10/20》

鬼頭健吾 新作展 Luminary
KENJI TAKI GALLERY
愛知県名古屋市中区栄3-20-25
9/29(土)〜11/10(土)日月祝休
11:00〜13:00、14:00〜18:00
鬼頭健吾9/29DM.jpg

Kengo Kito Luminary
KENJI TAKI GALLERY
3-20-25,Sakae,Naka-ku,Nagoya-shi,Aichi-ken
9/29(Sat)-11/10(Sat) closed on Sunday,Monday and National holiday
11:00-13:00,14:00-18:00
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和み系前衛アート。


鬼頭健吾さんの個展に行ってきました。
KENJI TAKI GALLERYは、いつも初台のスペースでの展覧会を楽しみまていただいているのですが、いつか伺いたいと思っていた名古屋のギャラリーへ念願叶って伺えた次第。

1階で開催されている村岡三郎展の無彩色で展開される重厚で深遠、静謐な空間を抜け、階段で2階のスペースへと上がっていくと、薄暗いなかになにやら「サワサワサワ...」という音が。


うわぁ...>(・。・)...


回転する5つの床置きの風車。
4つの羽にはラメラメのテープによる装飾が施され、風車の中央部には瘤のように盛り上がる4つの電球。そのまわりに球体のビーズがぎゅっと詰まって配されています。


鬼頭健吾02


それぞれ異なる色、光を放ちながら、ふわふわと羽を回転させ、なんともファンタジックな空間を演出しています。

これまでトーキョーワンダーサイト渋谷やギャラリー小柳で拝見した、フラフープなどを使って空間全体をカラフルに染めあげるインスタレーションとは随分と異なる趣ながら、やはり鬼頭さんらしさ、至近で(といっても風車が回っているので近付ける距離は限界があるわけですが...)それぞれの風車を眺めたときのグロテスクな容貌によってユニークなテイストはしっかりと提示、発散しているように感じられるのもたいへん興味深いです。

つかみどころのない不思議な感覚に軽く襲われながら、でも椅子に腰かけてぼーっと眺めているといつまでも過ごしていられるこの心地よさは一体何、と。
名古屋市街をぐるぐると歩いてその疲れもあってか、ずいぶんと長いことこの空間いっぱいに広がる緩い雰囲気に浸っていました。


鬼頭健吾01



・・・この空間の奥、白幕をくぐると、平面の作品が展示されています。
細かい金色のラメが画面いっぱいにまぶされ、そこにくねくねと毛糸のような線が走ります。


鬼頭健吾08 鬼頭健吾09

鬼頭健吾07



今回の個展に出品された平面作品も、これまで拝見してきたものとは異なるテイスト。
しかし、うねる線や素材感などは鬼頭さんならでは。

さまざまなサイズのスクエアの画面で展開されるユニークな色彩感。至近で観ると金の粒子の凝縮した感じが醸し出すアグレッシブなパルス、複雑に重なり、絡み合う線による混沌とした動的な感覚により、イマジネーションを激しく、同時に緩く刺激します。

一転、距離をおいてみると、今度は画面全体から放たれるダイナミズムがぐんと迫ります。
極めて平面的であり、同時にたくさんの曲線によって独特の奥行きも演出されていたり。さらに、至近で観たときの線ひとつひとつの色のエッジが曖昧になって背景の金に溶け込み、新しい色が提示されているような印象も受けます。


鬼頭健吾05 鬼頭健吾04

鬼頭健吾03



ふたつの空間で繰り広げられる鬼頭さんのユニークなアプローチが堪能できます。
さまざまなスケールの感覚で、イマジネーションを揺さぶられて、「やられた〜」っていう後味の心地よさ、痛快さも印象に残る展覧会です。


鬼頭健吾06
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2007年10月26日

review:J.P.ホル『FORGOTTEN』《10/18、10/21》

J.P.ホル『FORGOTTEN』
GALLERY ef
東京都台東区雷門2-19-18
10/19(金)〜11/4(日)火休
12:00〜21:00
J.P.HOL 10/19DM.jpg

J.P.Hol "FORGOTTEN"
GALLERY ef
2-19-18,Kaminarimon,Taito-ku,Tokyo
10/19(Fri)-11/4(Sun) closed on Tuesday
12:00〜21:00
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イタリア在住のオランダ人アーティスト、J.P.ホルさんの個展です。
GALLERY efの心地よい落ち着きに満ちた静謐な空間で、1階はインスタレーション、2階では映像作品が展示されています。


事前のインフォメーションなどを拝見していて、今回の展覧会はずいぶんかわいいものになるのかなぁ、と予想していたのですが、実際に拝見するとむしろ大人の雰囲気が充満しているように感じられます。
もっというと、アバンギャルド。
この感覚は、ふと耳に届くトイミュージックは軽やかに心地よく感じられて和めるけど、そのミュージシャンの音楽をアルバム1枚分まるまる対峙したらかなり難解なイメージが膨らんで嵌まった、というのに似ています。


1階のスペース。
足を踏み入れた瞬間に、シュールな緊張感が迫ります。


J.P.ホル04


頭部のみがかわいらしいキャラクタリスティックな動物の顔に変えられた剥製によるインスタレーション。
華やかな羽を纏う鳥たちの美しい姿と頭部とのギャップは相当にシュールです。そのギャップを、射すようなスポットがぐんと引き立てています。

空間の中央に凛とした姿の雉。
ほか、巣を作るように壁のそこかしこに集まっています。
イージーな風合いと、剥製による究極のリアリティ。
さらには、これらがもともと生きていたことを実感させることも、この空間に広がるアバンギャルドな雰囲気に拍車を掛けているよう思えます。

いつも使う「かわいい」では表現できない感覚です。


J.P.ホル05 J.P.ホル03 J.P.ホル02

J.P.ホル01



2階の映像インスタレーション。
こちらでは、モニター3台で、それぞれ異なる映像が同時に上映されています。
最初は同じ映像が時間をずらして流れているのかなと思いきや、それぞれに異なるタイトルも付けられていて、曖昧ですが主役も違ったり、いなかったり...。


J.P.ホル09 J.P.ホル07 J.P.ホル08


さまざまな素材=で作られたキャラクターが登場するアニメーション。
ヨーロッパの街並を思わせる風景や暖炉のある部屋の内装など、和の空間とのギャップも映像作品のキャッチーな感触を引き立てます。


J.P.ホル11 J.P.ホル10


それぞれの作品の時間ほぼ同じ長さだと思われますが(数分です)、それぞれの画面に目をやりながら眺めていると、ひとつの作品にタイトルが現れているときに別の画面では物語が展開中というのが続くこともあり、エンドレスな物語が延々と綴られていくような錯覚を覚えます。
さらに、それぞれの作品の物語の時間の経過もよく思い返すとけっこう差があったりするのも、ここで体感する時間の歪みに影響しているかもしれないです。


J.P.ホル06


他、カフェスペースの壁面やショーケース、2階の壁の棚などにも作品が展示されています。
確かにアバンギャルドな印象を受けたのですが、同時にやっぱりほっこりと和める、後味も心地よい展覧会です。
ギャラリーに置かれている資料の中のホルさんへのインタビューも面白くて、読むとこちらのインスタレーションに込められたメッセージやイメージをより実感できるような気がします。
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2007年10月25日

review:PASSION FLOWER 福井江太郎展 SERIES FLOWER Vol.3《10/13》

PASSION FLOWER 福井江太郎展 SERIES FLOWER Vol.3
東邦アート
東京都中央区銀座8-9-13 銀座オリエントビル2階
10/15(月)〜10/27(土)日休
11:00〜19:00(最終日:〜17:00)
福井江太郎10/15DM.jpg

PASSION FLOWER Kotaro Fukui exhibition SERIES FLOWER Vol.3
Toho Art
8-9-13-2F,Ginza,Chuo-ku,Tokyo
10/15(Mon)-10/27(Sat) closed on Sunday
11:00-19:00(last day:-17:00)
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花のかたちを借りて表現される、壮大な世界。。。



東邦アートでの福井江太郎さんの個展です。
一昨年から3年連続で企画された「花」のシリーズの最終章。画面いっぱいに花弁を広げ、圧倒的な存在感を力強く放つ花の姿がダイナミックに描かれた作品が、薄暗い照明の中に浮かび上がる空間。


福井江太郎101



作品の中に登場する色の数は、絵の具の単位で勘定すると極めてシンプルです。
おそらくひとつの作品について、ふたつ、おおくて3つの色の数。
背景となる支持体の色も含めても3つ、あるいは4つ。。。

しかし、そのシンプルな色彩で繰り広げられる世界は実に壮大です。
たおやかに、おおらかに描き出される花弁の曲線のなめらかさ、花の中央部の細やかな描写。
すべてをコントロールできない、衝動的、情動的な何かを激しく画面に叩き付けるように繰り出される色彩の飛沫。
この相反する風合いによって生み出されるコントラストが、花の絵を花のイメージだけに留めさせず、そこに込められた宇宙の壮大さを、そして凝縮されるエネルギーの力強さを感じさせてくれます。


福井江太郎106 福井江太郎105

福井江太郎104


また、今回の作品に用いられた「黒」の美しさも印象的です。
照明を受けて輝く細かな粒子が混ぜ込まれた墨。その濃淡によって絶妙に描き上げられるグラデーションの深み。
濃く重なる部分では、粒子の輝きがその黒の色面にどこまでも遠くへと続いていくような深遠さを発し、薄く染まる箇所は儚げに果てなく広がるようなイメージが思い浮かんできます。


福井江太郎102



「花」のシリーズの最初の破壊的な風合い。画面に盛り上がる黒の塊が重々しく放つアグレッシブな力強さ、激しい熱さ。
昨年の、豪勢に張り巡らされた金箔を背景に可憐に咲き乱れる花菖蒲。遠い時代へとおおらかに馳せる思い。連綿と続く時間の壮大さ。

そして今回のダイナミックに描かれる花。画面から溢れる迫力と、どこまでも広がる、広がり続ける宇宙。

もちろん、それぞれが福井さんにとっての「名刺代わり」とも言えるオリジナリティ溢れるモチーフとなっていますが、そこに表現される大きな世界観に、あらためて圧倒された次第です。

これまでと同様に、「現在」を実感し、同時にさまざまな時間、空間へとイメージを広げながら味わいたい世界です。


福井江太郎103
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review:志水児王:graph《10/15》

志水児王:graph
SOL
東京都中央区銀座6-10-10 第二蒲田ビルB1F
10/15(月)〜10/27(土)日休
11:00〜19:00(最終日:〜17:00)
志水児王10/15DM.jpg

Jio Shimizu : graph
SOL
6-10-10-B1F,Ginza,Chuo-ku,Tokyo
10/15(Mon)-10/27(Sat) closed on Sunday
11:00-19:00(last day: -17:00)
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心地よい難解さ。



考え抜かれたアイデアによってさまざまな美しい残像を導くアーティスト、志水児王さんの個展です。
今回は、これまでと異なり、静止画中心の作品が展示されています。


志水児王004


詳細はギャラリーの事務所入口脇のキャプションにあるのですが、今回出展された作品はそのひとつひとつに緻密なコンセプトがあります。
緻密なのですが、大胆。
「こうすればどうなるか」ということを提示するために実際に行う作業の痕跡が、それぞれの作品から強く滲み出ているように思われ、そこに凄みを感じます。


ギャラリー入口左手の一角に展示された作品。
そのなかでメインの作品は、一見すると、表面に妙に見覚えのある艶を伴った深いブラウンの画面にランダムに大小の穴が散らばっています。
ランダムなはずなのですが、整然とした点の配列。


志水児王002


この画面、カセットテープのテープ部分のシート状態のものだそう。
「こういう形でも存在するのか...」という、よく考えればあり得るのですがこれまで思いもしなかった素材にまず驚いた次第。
そして、そこに並ぶ点の配列は、1冊の洋書のペーパーバックがもたらすルールに則っています。


志水児王001


このペーパーバックのすべてのページに存在するピリオドをページに並ぶ位置に忠実に1枚1枚のシートに転写し、それを重ねたのが先のブラウンの画面の作品。
同じ位置に重なるドットが多いところほど、その穴が深くなっているというもの。
さらに、録音テープのシートを用いることで、音声を連想させ、ドットがある部分では音声が途切れることを暗示した作品とのことです。

乱暴でない知的な行為の痕跡に、深く感じ入ります。


志水児王003



夜の闇の中に浮かび上がるさまざまなグラフィカルな残像を捉えた写真作品。
こちらはいかにも志水さんらしい、フュ=チャリスティックな雰囲気に満ちあふれています。
薄らと見受けられる光の像の背景の木陰のシルエットなどが醸し出すリアルな感覚にして静謐な闇の広がりと、光の残像が発する動的なイメージとのギャップに、一体どんなプロセスを経たのだろう、と。


志水児王006


キャプションによると、発光する振り子を真下から撮影した作品だそう。
驚きなのが、ここに並ぶ作品すべてが1回のスイングを捉えたもの、ということ。
ファインダーを開きっぱなしで撮影されることで、これほど鮮やかな像が浮かび上がるとは、と。


志水児王005



中央の台上に立てて置かれたレコード盤。
ここにはある周波数の音が刻まれているようで、そのサウンドをグラフィックに提示したのが奥のグリーンの光が波打つ先鋭な雰囲気が鮮烈に漂う作品の基になっています。


志水児王007



振り子の残像にしろ、音声にしろ、志水さんの写真では極めてシンプルな形での提示となっていますが、普段の生活の中にさまざまな「動き」や「音」に囲まれていることを考えると、その分だけのもっと複雑な美しい軌跡に囲まれているのか、ということに思いを馳せるとなんだか頭が冴えてくるような錯覚に陥ります。

さらに、志水さんの作品は実に未来的な雰囲気に溢れているのですが、その手法が思いのほかシンプルであるのも興味深いです。肝の部分が相当にアナログだったり。
志水さんのクリエイションが一堂に会する機会があればなぁ...。
posted by makuuchi at 06:52| Comment(2) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月24日

〜10/21のアート巡り

《10/17》
塩田千春
KENJI TAKI GALLERY/TOKYO
東京都新宿区西新宿3-18-2-102
10/17(水)〜11/24(土)日月祝休
12:00〜19:00
塩田千春10/17DM.jpg

神奈川県民ホールギャラリーとの大規模な個展と会期をあわせて始まった塩田千春さんの個展です。
小品、ドローイング、写真作品と、コンパクトに塩田さんの世界を凝縮して味わえます。
スケールの大きなインスタレーションの基になっていると考えると、ところどころ作品によっては刺繍が施されているドローイングの世界はたいへん興味深いです。




YJP 1 今、絵画を描くということ 草川誠/佐貫巧/高倉吉規
gallery ART ANLIMITED
東京都港区南青山1-26-4 六本木ダイヤビル3F
10/17(水)〜11/3(土)日火祝休
13:00〜19:00
YJP1草川誠DM.jpg YJP1佐貫巧DM.jpg YJP1高倉吉幾DM.jpg

若手の3名のアーティストをピックアップしたグループショーです。
心臓をモチーフにした作品の草川誠さん、TWS本郷での個展も印象的だった佐貫巧さん、有機的な色の重なりで独特の世界を生み出す高倉吉規さん、奇妙さとライトか感覚とが同居するユニークな空間が作り上げられています。




青山悟「Crowing in the Studio」
ミヅマアートギャラリー
東京都目黒区上目黒1-3-9 藤屋ビル2F
10/17(水)〜11/17(土)日月祝休
11:00〜19:00
青山悟10/17DM.jpg

この秋、東京のアートシーンが届ける素敵なギフト。
最高です!




Kurage展
happa
東京都目黒区上目黒2-30-6
10/13(土)〜10/27(土)日祝休
17:00〜22:00

青山|目黒が共同で入るスペースで開催されている展示。
遅い時間の開場なのですが、通りに面するガラス張りの壁面からフューチャリスティックな神秘性を感じさせるインスタレーションが観られます。


Kurage01 Kurage04

Kurage02


スキーマ建築計画の畠中啓祐さんによる光ファイバーを用いた妖艶な曲線を描く照明と、BOICE PLANNINGの佐藤純也さんのペインティングなどが、薄暗い空間に展示。
光ファイバーの中に灯る光の粒子の仄かなきらめきが、佐藤さんのシンプルな構図の中に織り込まれる遊び心を照らし、緩やかな緊張感に包まれます。


Kurage03




《10/18》
南条嘉毅展 土世界 -The world of the soil-
COEXIST
東京都港区赤坂3-8-8-2F
10/18(木)〜11/1(木)日休
11:00〜19:00
南条嘉毅10/18DM.jpg

画面上に土の粉末を乗せ、その土地の臨場感を物質的にも提示する南条嘉毅さんの、ギャラリーエスで開催されて以来の個展です。
今回はさらにシンプルな色彩感で、白い画面に建築物のシルエットが幾何学的に描かれているものなどに加え、ドローイングも多数出品されています。
そして、モニター上映されている映像が面白い!




波濤の會
銀座松坂屋別館4階 美術画廊
東京都中央区銀座6-10-1
10/17(水)〜10/23(火)
10:30〜19:30(木金土:〜20:00、最終日:〜16:00)
波濤の會10/17DM.jpg

芸大デザイン科を修了、あるいは現在籍を置く若手のアーティストのグループ展です。
もうすでにおなじみのアーティストの今を実感できるありがたさ、嬉しさに加え、新しい個性が加わっていくのも楽しみな企画。

昨年度の芸大の卒業制作も印象的だった川勝綾さんの作品。フラットな黒の背景に、さまざまなサイズの白とグレーのドットによって描き出される動物のシルエット。無彩色の深みとキャッチーな表現方法、そして何より実にリアルな動物の姿が面白い作品です。

荒木知子さんは、下地に描かれた色彩の上から背景となる色を重ねることで、緩やかなグラデーションを持つ花のシルエットを描き出した作品。アプローチのユニークさに今後の可能性を強く感じます。

昨年は意見してもっとも印象的だった岡田直樹さん。細やかに彩色され、細密な色彩の重なりで描き出される女性の表情や女の子の顔。しばらく浸っていたい色合いに今回も惹き付けられます。




村上弘人 個展
Galerie Sho Contemporary Art
東京都中央区日本橋3-2-9 三晶ビル B1F
10/18(木)〜11/17(土)日祝休
11:00〜19:00(土:〜17:00)
村上弘人10/18DM.jpg

キュートにデフォルメされ、明るい色彩が鮮やかな作品が空間を囲みます。
そして、例えば花畑の花のひとつひとつが矩形に描き出されることで、画面から溢れるリズムも印象的です。




季大純展
BASE GALLERY
東京都中央区日本橋茅場町1-1-6 小浦第一ビル1F
10/18(木)〜11/16(金)日祝休
11:00〜19:00
季大純10/18DM.jpg

奇妙なかわいさの毛虫から肖像画など、さまざまな手法の作品が揃います。
なかでも印象的なのが、入口を入って左手に展示されている黒の大作。
無彩色のダークな世界の中に現れるさまざまなものが、クールな世界を鮮烈に演出しています。




J.P.ホル『FORGOTTEN』
GALLERY ef
東京都台東区雷門2-19-18
10/19(金)〜11/4(日)火休
12:00〜21:00
J.P.HOL 10/19DM.jpg

もっと子どもっぽい、キュートなインスタレーションをイメージしていたのですが、足元を掬われてしまいました(汗)。
1階の剥製によるインスタレーション、2階の3つのモニターによる映像作品。さまざまなメッセージが伝わる世界が繰り広げられています。




《10/19》
市川裕司展
コバヤシ画廊
東京都中央区銀座3-8-12 ヤマトビル B1
10/15(月)〜10/20(土)
11:30〜19:00(最終日:〜17:00)
市川裕司10/15DM.jpg

敢えて言うと日本画のカテゴリーに所属していながら、過剰に立体的な作品を制作し、独特のスタンスで存在をアピールする市川裕司さん。
今回もメインスペースに1点の巨大な作品のみが展示された、スケールの大きなインスタレーションを繰り広げていました。
それで、今回印象的だったのが、これまでは自身で加工していた骨組みやアクリル板のカットをこの作品では外注で行ったそうで、やはりその部分の精度が格段に上がり、市川さんが持つ世界の鋭さやダークさがより先鋭的に表現され、前衛度が増したように感じられたこと。
表面を這う白や、内側に広がる布の黒がその有機的な感触をさらに全面に押し出して力強く存在していました。


市川裕司0702 市川裕司0703 市川裕司0704

市川裕司0701




城戸悠巳子展 〜夢闇彩色〜
麻布アートサロン
東京都港区麻布十番1-5-10
10/19(金)〜12/20(木)日月祝休
11:00〜19:00
城戸悠巳子10/19DM.jpg

歪んだような景色や人間の表情など、ドリーミーな風合いに仕上げられた世界を描き出す城戸悠巳子さんの個展。
それぞれに独立した世界を画面から発散させ、バリエーションに富むと同時に城戸さんの個性もしっかりと発揮されているのも印象的です。




木村了子 2days solo exhibition Prince come true
@ギャラリーエス
東京都渋谷区神宮前5-46-13 ツインエスビル1F
10/19(金)13:00〜20:00、10/20(土)11:00〜16:00
木村了子10/19DM.jpg

油画出身ながら、日本画の画材を用いてエキゾチックな世界を描く木村了子さんの屏風作品が、先日クローズしたギャラリーエスで2日間だけ登場。
屏風いっぱいに張り巡らされた金箔のインパクトがまずすごい!
そこに登場する王子様たちの仕草や表情からも、西洋的な衣服を纏っていながら、ジャパネスクを強烈に発散させているように感じられるのが不思議です。
そこかしこに描かれる木々や花、動物たちのリアルさも白眉。

油絵をなさっていたアーティストが表現する日本的な世界はおおらかな大胆さが痛快で、すごく面白いです。


木村了子004 木村了子006 木村了子007

木村了子002 木村了子003 木村了子005

木村了子001




《10/20》
川田英二 個展
AIN SOPH DISPATCH
愛知県名古屋市西区那古野2-16-10
10/13(土)〜11/12(月)土日月のみ
13:00〜21:00
川田英二10/13DM.jpg

白地に深い発色で現れるグリーン。
銅版画による作品で、パネルに張り込むユニークな提示方法と、石をモチーフにした、顔料と紙のふたつの色による素朴な画面構成が印象的です。




森北伸 Nowhere man
白土舎
愛知県名古屋市中区錦1-20-12 伏見ビル地階
10/20(土)〜11/17(土)日月祝休
11:00〜19:00
森北伸10/20DM.jpg

鉛筆でくしゃくしゃと描かれ、文字列を連想させる線の凝縮。
細身の人のシルエットが織り成す仕草。
つやつやに磨き上げられた画面の奥に繰り広げられるさまざまな場面が面白く、加えて渋い色調も印象に残ります。
平面作品以外も面白い!




サイクルとリサイクル Cycle and Recycle めぐりめぐる形のイメージ
愛知県美術館
愛知県名古屋市東区東桜1-13-2
9/7(金)〜11/4(日)
10:00〜18:00(金:〜20:00)
サイクルとリサイクル.jpg

国内外のアーティストの展示がそれぞれの展示室で個展形式で展開する企画展。
展示タイトルにあるように、それぞれの世界に輪廻転生を現す「サイクル」と再利用を示す「リサイクル」の要素が織り込まれています。

ギャヤリエ・アンドウでの個展で拝見している篠原武史さんの作品。なめらかなフォルムと美しい仕上げによって繰り広げられる世界。壮大な広がりと、篠原さんの人柄とがそれぞれの作品と食う官途から沸き上がってくるように感じられ、深いやさしさに包まれたような印象が心地よいです。

竹村京さんの展示室には、主に手描きの上に刺繍が施された布が被さった大きな作品が、壊れたカップなどを白い布で包んだ作品とあわせて展示されています。
若干暗めの照明で、タカイシイギャラリーでの個展のときよりもぐっと深遠な世界が広がっています。

大巻伸嗣さんは、資生堂ギャラリーなどで展示された、床に岩絵の具の顔料で型を使って描いた花が広がるインスタレーション。これがすごく気持ちいい...。
天井に薄い白幕が張られ、軽い圧迫感を伴った空間となっていて、それがすでにたくさんの人によって踏まれ、そのフォルムをほぼ失い、鮮やかな色彩が滲む床面の浮遊感がより実感できて、しばらく佇んでいたくなるような心地よさに包まれます。

他、鷲見麿さんの圧巻の筆致、スパイラルホールで拝見した手塚愛子さんの大作との再会、床面に置かれた赤い表紙の本が「あかんべぇ」をしている舌のようで面白いピーター・ヴュートリヒのインスタレーションなど、ユニークな構成の空間を楽しんだ次第です。




AI OHKAWARA SOLO EXHIBITION
NODA CONTEMPORARY
愛知県名古屋市中区栄3-32-9
10/5(金)〜10/25(木)月祝休
11:00〜19:00
大河原愛10/5DM.jpg

これまでも都内での展示でたびたびチェックしている大河原愛さんの、中京地区でのはじめての個展。
これまで繰り広げられてきた大河原さんのさまざまな世界が一堂に会し、独特のムードで充満しています。


大河原愛@NODA01 大河原愛@NODA05

大河原愛@NODA06


大作を中心にずらりと並び、空間を囲みます。
ピンクのタイツ生地を取り込んだ小品のお洒落なアバンギャルドさも印象的。


大河原愛@NODA03

大河原愛@NODA02


自分の色彩感、自分のモチーフ、そういったものをしっかりと手にしたアーティストというイメージがある大河原さん。
カラフルな色彩と鈍い色彩とがひとつの画面で強烈なギャップを生み出し、シャープなセクシーさとアバンギャルドさとが力強く共存する世界がこれからどう展開していくかも楽しみです。


大河原愛@NODA04



鬼頭健吾 新作展 Luminary
KENJI TAKI GALLERY
愛知県名古屋市中区栄3-20-25
9/29(土)〜11/10(土)日月祝休
11:00〜13:00、14:00〜18:00
鬼頭健吾9/29DM.jpg

和み系前衛アート。
ふたつの空間に区切られ、手前では煌めくインスタレーションが、奥のスペースでは平面の作品がそれぞれ展示され、インスタレーションでは一瞬「え?」と思わせながらも実に鬼頭さんらしい世界が繰り広げられています。



第81回企画 日本画滅亡論
中京大学アートギャラリー C・スクエア
愛知県名古屋市昭和区八事本町101-2 中京大学センタービル1階
9/18(火)〜10/20(土)日祝休
9:00〜17:00
日本画滅亡論DM.jpg

参加アーティストのクレジットを拝見してどうしても観ておきたかった展覧会。
幅広い世代のユニークなクリエイションが、日本画を「滅亡」させるのとは反対にぐんとその表現の世界を押し広げているような印象を強く覚えた次第。

ちいさなスペースにぎゅっと詰め込まれた力作群。
まず、三瀬夏之介さんの、いつになく具体的なモチーフをあからさまに登場させてポップに描き上げられた混沌が眼前に登場し、その痛快さに心が弾みます。
山本太郎さんの金屏風に咲く朝顔。ブロック塀の上の黄緑色のフェンスに這う蔦。シチュエーションのリアリズムが山本さんならではで、思わず笑みがこぼれる世界。
山口晃さんの作品は問答無用のかっこよさ。俯瞰したときの日本画的なクールネス、そこかしこに忍び込むメカニカルなモチーフが発する未来的な感覚とのギャップが堪らない!

ギャラリー山口とギャラリー58でそれぞれ個展を拝見してダイナミックな構成が強く印象に残っていた二人のアーティスト、木島孝文さんと佐藤裕一郎さんの作品は、外の会場に展示。
木島さんからも、個展の際に「名古屋ではこの作品が立てて展示されます」と伺っていたので楽しみだったのですが、やはり圧巻!
縦長で明るい中で拝見すると、そこに描かれている竜の姿がぐんと迫って感じられ、観に来てよかったなぁ、と。
佐藤裕一郎さんの作品も、うねるような画面が俯瞰できてよかったです。

しかし...


日本画滅亡論01


orz

ちょうどイベントの開催準備中で至近で見上げることは叶わず...。



藤城ゆう子展
GALLERYゆう
岐阜県大垣市丸の内1-34
10/20(土)〜10/27(土)
12:00〜18:00(最終日:〜17:00)
藤城ゆう子10/20DM.jpg

画面を覆い尽くす細密なパターン。
もともと銅版画をなさっていた藤城さんの、銅版画とペン画が展示されています。
ちいさな画面のなかにびっしりと凝縮された緻密な線が織り成すミニマムなリズムはどこか軽やか。そして、手描きだからこそのぎりぎりの歪みが、若干離れて眺めたときにおおらかな波をつくり出しているのも印象的です。

以前から存じ上げていて、伺ってみたいと思っていたGALLERYゆう、遅い時間になってしまい、わざわざお待ちいただいて恐縮、そして感謝です。
(写真がうまく取れておらずたいへん申し訳ないのですが、少しでも藤城さんの細やかなクリエイションを実感していただければ幸いです)


藤城ゆう子02

藤城ゆう子01



河田政樹 観光
GALLERY CAPTION
岐阜県岐阜市玉姓町3-12 伊藤倉庫
9/15(土)〜10/20(土)日月休
12:00〜18:30
河田政樹9/15DM.jpg

月刊ギャラリーの展覧会案内でも紹介して、足を運んでおきたかったGALLERY CAPTION。河田政樹さんの個展の最終日ということもあり、閉廊時間を過ぎていたのですが、ご厚意でお待ちいただいて、行ってきました。

ずいぶん遅い時間に伺ってしま