2007年09月30日

review:新進作家4人展《9/28》

新進作家4人展
ギャラリーゴトウ
東京都中央区銀座1-7-5 中央通りビル7F
9.28(金)〜10.3(水)
11:30〜18:30(日:12:00〜17:00、最終日:〜16:30)
新進作家4人展9/28DM.jpg

4 New Artists Exhibtion
@Gallery Goto
1-7-5-7F,Ginza,Chuo-ku,Tokyo
9.28(Fri)-10.3(Wed)
11:30-18:30(Sunday:12:00-17:00,1last day;-16:30)
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この秋に移転したギャラリーゴトウでのグループ展です。

参加されているのは、上條花梨さん、全民玉さん、渡辺明鈴香さん、寺内誠さんの4名。
続けて拝見しているアーティストが多いこともあり、楽しみにしていたのですが、以前の空間よりも明るい印象の新しいギャラリーゴトウで、クリアな個性を輝かせています。


MEGUMI OGITA GALLERYでの個展を終えたばかりの上條花梨さん。会期が一部重なっていたこともあり、出展作品数は若干少なめで、今年初めの頃のGALLERY b。TOKYOでの個展に出展された作品もあるのですが、こちらで初めてお目見えする作品は今まで通りの若干暗めな色調のなかにスパッタリングによる色彩の粒子が画面に広がり、どこかレイドバックした風合いを醸し出しつつ、人物が登場することで描かれる光景により臨場感が加味されているように思えます。
MEGUMI OGITA GALLERYで拝見した作品の妖しい、危うい雰囲気が抑えられ、実に優しい感触が伝わり、和めます。


上條花梨@goto02

上條花梨@goto01



渡辺明鈴香さんは、大きなキャンバスの作品を1点据え、キュートなドローイングの作品がそれらを囲むといったセレクションとなっています。


渡辺明鈴香@goto03 渡辺明鈴香@goto02


くっきりとした色合いで描かれるドローイング作品。
絵の中の色のひとつひとつがぱっと弾けるように発色しているようで、ちいさくてライトな感触もたたえつつ、そこから発せられるポジティブさにも惹かれます。

そして、大作は今回も、どこか曖昧な感触が印象的です。
淡い色彩が織り成す穏やかさ。子供の頃に思い描いたやさしさのイメージが蘇ってくるような。
大きな画面からさらに広がっていくやわらかな世界がなんとも気持ちいいんです。


渡辺明鈴香@goto01



今回初めて拝見する全民玉さん。
くっきりとした色と、曖昧なフォルム。その相反するような要素が自然に噛み合い、不思議な光景を構成しています。


全民玉@goto02

全民玉@goto03



水面の揺れが生み出す曲線の妖しさ、花弁の妖艶な感触。これらがくっきりとした色と自然なグラデーションとで表現され、実際の景色のイメージとフィクショナルな感じとが混然となって、また異なる想像を沸き起こさせてくれます。


全民玉@goto04 全民玉@goto01

全民玉@goto05



最後に、寺内誠さん。
4月のアートフェア東京でも好反響を得た画風にさらに磨きがかかったような印象をまず受けます。
以前はもっと濃く深い色調によって繰り広げられる透明感溢れる世界の深遠さが全面に押し出されていた印象があるのですが、アートフェア東京を経て今回出展された作品は、用いられる色彩がより明るく、輝きを伴って鮮やかさが画面から放たれているような感じで、瞬間的に視界が開けるような感触が堪らなく痛快だったりします。

小品が多く出品されていますが、小さい画面のなかに色調的に統一感がもたらされ、ひとつひとつが実にキャッチーに世界を展開しているような印象です。


寺内誠@goto01 寺内誠@goto04

寺内誠@goto02


何より嬉しいのは、「封筒の中のギャラリー」でも取り上げさせていただいた大作の実物が出展されていること!
この透明感を演出するために「封筒」ではフィルムを用いたのですが、やはりこの画面の広さで衒う治山らしい透明感と色のグラデーションのなめらかな広がりを感じると、その深みに引き込まれていきます。
咲く花や舞う蝶が、奥行きと光と平面でていねいに再現した作品に時間のイメージを加えているような印象も受けます。


寺内誠@goto03



高いアベレージでゆったりと、それぞれのアーティストが個性を発揮していて楽しめ、観終わった後の後味も清々しい展覧会です。
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2007年09月29日

review: review:田代裕基 個展「HARMONY」《9/20、9/22》

田代裕基 個展「HARMONY」
ギャラリーエス
東京都渋谷区神宮前5-46-13 ツインエスビル
9/20(木)〜10/7(日)月休
11:00〜19:00
ギャラリーエス パンフ.jpg

Yuki Tashiro Exhibition "HARMONY"
Gallery ES
5-46-13,jingumae,Shibuya-ku,Tokyo
9/20(Thu)-10/7(Sun) closed on Monday
11:00-19:00
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圧倒的な存在感。
空間的にだけではなく、時間的にも、歴史的にも。



ギャラリーエスでの田代裕基さんの個展です。
ふたつのスペースに分けていた壁が完全に取り払われ、広々としたひとつの空間となったギャラリー。木彫大作が1点その中央にどんと鎮座し、その周りの壁をドローイングが覆っています。


田代さんのドローイングの作品を拝見するのは今回が初めて。
両脇の壁には1枚1枚に動物の絵が描かれた作品が2段に並んで展示されています。


田代裕基005

田代裕基001



木彫のアーティストである田代さんの多数のドローイングをご覧になられる方の感想や意見はたいへん幅が広いそうなのですが、僕の場合は「なるほど!」と、自然に平面の作品のなかで表現、展開されている世界を受け入れられました。

さまざまな色がせめぎあうように動物たちのシルエットの中に凝縮され、しかしそこには顔や体を構成するあらゆるパーツがきちんと描き込まれて、それが何の動物であるかは一目瞭然です。まずそのていねいさ、律儀さに感嘆した次第です。

そして、この細い色面の重なりは、田代さんの木彫作品における表面の荒い仕上がりの質感と通じているような気がするんです。
木彫作品のゴツゴツと荒れた表面が放つダイナミズム。木彫では木の質感や立体的な陰影から独特の味わいを感じていたのですが、このドローイングを拝見して、その荒れた表面が放つ細かいリズムに色彩のイメージが重なり、より奥深く、また、リアルよりもさらに立体的な感触が立ち上がるような気もしてきます。


田代裕基004 田代裕基003 田代裕基009

田代裕基002



正面の壁に並ぶ作品は、動物の絵ではなくどこかのシチュエーションらしきものが描かれています。
動物だけではない田代さんのクリエイティビティがここから放たれているようで、今後平面の世界での展開にも大きな期待が湧いてきます。


田代裕基007

田代裕基006



さて、木彫の作品。
こちらは東京造形大学での修了展示、そして続いて開催された五美大展でも発表されたものにさらに手が加えられたもの。

有無を言わさぬ圧倒的な作品です。
その大きさ、仕上がりによってあらゆる想像力も無に帰してしまうような。。。

巨大な雄鶏の勇姿。
顔はとさかの部分や目、嘴等がていねいに彫り上げられています。
観る角度によって受ける印象がまったく違うのもたいへん興味深いです。

上からだと、どこか憂いを帯びたような、深みが滲み出ているように感じられます。


田代裕基013


正面より若干下から見上げると、その勇ましさに感動。


田代裕基014



他、表面の彩色や尾の羽のダイナミックさなど、見どころも豊富で、そのひとつひとつに言葉を失うほど。


田代裕基011 田代裕基012



昨年開催された二人展やART@AGNESでベッドの上で澄ましていた作品たちの、どこかコミカルな風合いも田代さんの木彫の魅力なのですが、今回はそのコミカルさが敢えて排除され、とにかく大きさで観るものを圧倒しようという強い意思や意気込みが伝わってきます。

その意気込みをここまで現実に成し遂げてしてしまっている田代さんにあらためて敬服する次第です。
この作品、「炎天華」は2007年のエポックだと確信しています。
ぜひたくさんの方にその存在感を肌で感じてほしいです。


田代裕基010more information...
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2007年09月28日

review:渡辺豪 境面 'face' 《9/15、9/22》

渡辺豪 境面 'face'
ARATANIURANO
東京都中央区新富2-2-5 新富二丁目ビル3A
9/15(土)〜10/20(土)日月祝休
11:00〜19:00
渡辺豪9/15DM.jpg

WATANABE Go 'face'
ARATANIURANO
2-2-5-3A,Shintomi,Chuo-ku,Tokyo
9/15(Sat)-10/20(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday
11:00-19:00
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鮮烈に放たれるフューチャリスティックな雰囲気。



ARATANIURANOでの渡辺豪さんの個展です。
渡辺さんの展示はあart space kimura ASK?で拝見していて、そのときは大きなスクリーンに投影される映像作品の異様なまでに未来的な雰囲気に圧倒されたのが記憶に残っています。

で、今回の展覧会。
ARATANIURANOのギャラリースペースが、壁だけでなく床も天井も白くなり、そこに2点、大きな静止画の作品が展示されています。

硬質で、精緻。
計算され尽くしたかのような均整は過剰とも言えるほどで、それが力強い未来的なイメージを放つと共に、妖しさ、ミスティックな風合いも醸し出しています。


渡辺豪05 渡辺豪04 渡辺豪03

渡辺豪02



ミーティングルームで上映されている映像作品。
こちらの斬新さにも圧倒されます。

グラフィカルに描かれた女性の立ち姿。
それが、いくつかのパターンで美しく崩れます。その過程のシャープさ、(少々言葉が強い気もするのですが)鮮やかな残酷さが展開し、静かに過ぎ行く時間に引き込まれます。


渡辺豪10 渡辺豪09

渡辺豪08



事務所のモニターに流れている約12分のループの映像作品も見応えがあります。
例によって生命感が排除されたような白い女性の頭部を、ゆっくりと至近で撮っていくような構成の映像。
解像度が尋常でないらしく、普通のDVDプレイヤーだと再生できないのだそう。そういう情報を知らなくとも、恐ろしいほどになめらかな女性の肌や口許、目許等の各パーツの生々しさは圧巻で、時間を忘れて見入ってしまった次第です。
今回の展示では小さなモニターでの上映なのですが、機会があれば大スクリーンで見てみたいです。



それぞれの作品から放たれる未来的なイメージの凄みがとにかく尋常でない、観終わった後にも強く印象に、そして記憶に残る展覧会です。


渡辺豪01
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2007年09月27日

review:安田悠展《9/24》

安田悠
GALLERY b.TOKYO
東京都中央区京橋3-5-4 第1吉井ビルB1
9/24(月)〜9/29(土)
11:00〜19:00(金:〜21:00、最終日:〜17:00)
安田悠9/24DM.jpg

Yu Yasuda Exhibition
@GALLERY b.TOKYO
3-5-4-B1,Kyobashi,Chuo-ku,Tokyo
9/24(Mon)-9/29(Sat)
11:00-19:00(Fri:-21:00,last day:-17:00)
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揺れる...
揺らぐ...






安田悠さんの個展です。
場所は、GALLERY b.TOKYO。こういったクリエイションがホントによく合う空間です。


安田悠001



昨年度の武蔵野美術大学の学内修了展示で拝見して、油彩にしか表現できないタッチで描かれた蜃気楼のようにゆらゆらと揺れる深みのある光景が印象に残り、それ以降もART AWARD TOKYOやMOGURAでのグループ展で拝見しいる安田さんの世界。

安田さんが描く場面は、色調といい、モチーフのフォルムといい、いろんな要素が「曖昧」です。
手を伸ばすと霞を掴むようにすっと素通りしてしまいそうな気さえする、緩やかな曖昧さ。絵の中に登場する細身の人々さえそのシルエットは朧げで、もしかしたら幻想を見ているのかも知れない、というイメージさえ浮かんできます。

あらゆるものが「灯る」ような質感で表現され、幽玄な雰囲気が広がっています...といってもおどろおどろしいわけではなく、「天使?」と思うとそうかもしれない、という印象はあるのですが...いずれにしても、この曖昧さは穏やかで、独特の温かみを感じるんです。。


安田悠003 安田悠004 安田悠005

安田悠002



明るめの色調が登場しても、陽が高い時間の印象が浮かんでこないものなんだか不思議です。
かといって、いちばん遠い背景に黒が広がっていると、「夜」のイメージというより、夜の闇とは別の感触があるのもまた不思議です。
曖昧さは、現実の世界とぎりぎりの境界線を挟んで隣り合っている「虚」の世界を演出しているのかも知れない...そういうことが思い浮んできたり...。


安田悠009



大作が中心の展示ですが、コンパクトな画面に描かれた作品もたいへん魅力的です。
用いられる色のすべてがすぱっと「何の色」と言い表せない、独特な色調で描かれたさまざまな風景から、いろんなイメージが沸き起こります。


安田悠008

安田悠007



今回の展覧会でまた印象的なのが、空間全体がひとつのトーンで統一されているように感じられること。
深い緑やセピア調の明るめのベージュなどの色合いに囲まれて、その個性的な世界に包まれるような印象です。

来年のVOCA展にも出展の予定とのことで、さらに大きな画面で繰り広げられる安田さんの世界を観られるのが今から楽しみです。


安田悠006
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2007年09月26日

review:集治千晶展 ―宙―《9/22》

集治千晶展 ―宙―
シロタ画廊
東京都中央区銀座7-10-8
9/18(火)〜9/29(土)日休
11:00〜19:00(最終日:〜17:30)
集治千晶9/18DM.jpg

Chiharu Shuji Exhibition
@Gallery Shirota
7-10-8,Ginza.Chuo-ku,Tokyo
9/18(Tue)-9/29(Sat) closed on Sunday
11:00-19:00(last day:-17:30)
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銅版画と手描き。
ふたつの手法によってそれぞれ描き出される魅惑の広がり。


昨年に続いて開催されている、集治千晶さんの個展です。
シロタ画廊のふたつのスペースそれぞれで、銅版画と手描きの作品とが展示されています。


メインスペースでは、銅版画。
揺れるカラフルな色彩と、そのなかを舞い、閃く線とが作り上げるダイナミズム。
壮大な宇宙の広がり、たおやかな時間の流れのイメージが広がります。

横長の作品が2点並ぶ様はまさに圧巻です。
集治さんのお話ではそれぞれ独立した作品であるものの、並ぶふたつの作品の若干の間隔に連続性をもたらすように展示しているそう。
単独でも充分な広がりがあるのを、さらに壮大なパノラマのように提示することで、その広く深い世界により深遠さや広大さが演出されているように感じられます。


集治千晶02 集治千晶03 集治千晶04

集治千晶01



ひとつひとつの作品も魅力的です。
昨年と比較すると、前回の個展では「色」が幽玄に咲き誇る花の連想させ、その風合いが力強く全面に押し出されるような艶やかな印象を持ったのですが、今回はより「線」の印象が強くなったように感じられます。
それがまた違う質感の動的なイメージを沸き起こさせてくれます。


集治千晶06 集治千晶07 集治千晶05

集治千晶08



入口すぐの通路部分などに展示された小品も独特のかわいらしさを放っています。


集治千晶11

集治千晶12



もうひとつのスペースでは、手描きの作品が展示されています。
銅版画の色の「強さ」とは対照的な、水彩絵の具の滲みや斑が奏でる「仄かさ」や「緩やかさ」が印象的です。


集治千晶13



沸き立つような色の広がりのなかにあらわれる、線で描かれる女性の手の艶かしさ。
あるいは、花弁のシルエットを思わせる曲線のなめらかさ。
さまざまな要素が緩やかに色香を放ち、儚げな雰囲気を演出します。

さらに、「黒」の使用も印象的です。
すべてを封じ込める強い黒ではなく、ひとつの色として存在し、ふわりとやわらかく画面のなかで穏やかに広がっていて、こんな優しい印象を持つ「黒」に出会えることはそうそうないような気がしています。


集治千晶16 集治千晶15

集治千晶17



やわらかいイメージの広がりに、ずっと浸っていたい気分です。


集治千晶14



このふたつの手法の作品をひとつの空間で堪能できるのが嬉しい展覧会です。
集治さんの銅版画に対して、女性的で、凛としてかつ堂々としたイメージがあったので、手描きの作品を今回たっぷりと堪能して「こういうイメージもお持ちだったんだ」と、集治さんのクリエイティビティの懐の深さを体感した次第です。

11月には佐藤美術館での個展も予定されていて、こちらも俄然楽しみになってきます。


集治千晶09
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2007年09月25日

〜9/24のアート巡り

《9/18》
増田佳江 wrap and woof
ギャラリー小柳
東京都中央区銀座1-7-5-8F
9/18(火)〜10/19(金)日月祝休
11:00〜19:00
増田佳江9/18DM.jpg

作品ごとにみせるさまざまな表情、かわいらしい淡い色彩が醸し出す奥行き。
個性の「捕らえ所のなさ」にすごく魅力を感じます。



"HANT"
Vision's
東京都中央区日本橋堀留町2-2-9 ASビル1F
9/18(火)〜9/29(土)日休
12:00〜19:00(最終日:〜17:00)
HANT 9/18DM.jpg

ユニークなクリエイションが揃ったグループショーです!

まず、入口すぐにあるのが松村忠寿さんの「言葉」を使うパフォーマンスを撮ったインスタレーション。
銀色の風船に何やらシュールな台詞がプリントされていて、マンガの「吹き出し」のようになっています。いろんな人に持ってもらっていて皆さんノリが良さそうで楽しい雰囲気が伝わってきます。


HANT松村忠寿02

HANT松村忠寿01


トキ・アートスペースでの個展も印象的だった元木孝美さん、もちろんトタン板を使った作品なのですが、今回はいつもより大掛かり。壁に嵌め込まれるように、細いハシゴのように縦につらつらと連なって、その奥に明かりが灯されている、というもの。いつもと違うミニチュア感が一興です。


HANT元木孝美02

HANT元木孝美01


壁に施された点線、波線。これが出口大介さんの作品。ダイナミックな幾何学模様も壮観ですが、この線に合わせて折り目をつけると大きな紙飛行機が折れるらしいんです。発送の転換を引き起こすアプローチの面白さにも脱帽した次第。


HANT出口大介01


昨年のYUKA SASAHARA GALLERYでの個展や横浜美術館での「アイドル」展への参加が記憶に新しい西野正将さんのインスタレーション。のび太くん風のキャラクターがプリントされたタオルがギャラリーの奥にいっぱい干されています。


HANT西野正将01


その光景だけでも充分に西野さんらしくて思わず「ニヤリッ」としてしまうのですが、床にどんと置かれたトタンのたらいに張ってるお湯にこのタオルを浸すと...


HANT西野正将02


そう来たか!Σ( ̄口 ̄;)
と思わず唸らざるを得ない仕掛けが施されていて、またまた脱帽してしまった次第で。



《9/20》
田代裕基 個展「HARMONY」
ギャラリーエス
東京都渋谷区神宮前5-46-13 ツインエスビル
9/20(木)〜10/7(日)月休
11:00〜19:00
ギャラリーエス パンフ.jpg

2007年のアートの年表が作られるとしたら、載せなきゃいけない。
東京造形大学の修了展示、五美大展に続いて3度目の登場となる、木彫の巨大なニワトリ。見応え充分。
たくさんのドローイングも面白いです。



《9/22》
竹内正憲 イラストレーション展「幻想綺譚」
東京都渋谷区神宮前5-13-1 アルス表参道
9/18(火)〜9/30(日)月休
11:00〜19:00(最終日:〜17:00)
竹内正憲9/18DM1.jpg 竹内正憲9/18DM2.jpg

細かい描き込み、程よい「毒」のエッセンス。
手描きのものとプリントのものとを織りまぜ、独特の妖しさがにじみ出るイラストがずらりと並びます。


竹内正憲04

竹内正憲05


なかでも正面奥に展示された、モノクロームとセピア色とで描かれた3点が素晴らしいです!
軽やかな妖しさ、ダークさに見とれてしまいます。


竹内正憲02 竹内正憲03

竹内正憲01



鈴木美貴子展「metal illustration」
GALLERY HOUSE MAYA
東京都港区北青山2-10-26
9/17(月)〜9/22(土)
11:30〜19:00(最終日:〜16:00)
鈴木美貴子9/17DM.jpg

金属を使ったイラスト...そんな表現がぴったりの、楽しい作品が溢れた展覧会です。
これまでも鈴木美貴子さんの作品は拝見しているのですが、額のなかの作品はおなじみのアプローチ。
アクセサリー的な風合いがなんともかわいらしくて和めます。


鈴木美貴子11 鈴木美貴子08 鈴木美貴子10

鈴木美貴子09


額を飛び出して、棚の上にジオラマ風に繰り広げられている作品も。
奥行きも増し、影がより立体的に映って、なんともほっとするような場面が広がります。


鈴木美貴子02 鈴木美貴子01

鈴木美貴子03


そして、白い壁紙が貼られた大きなパネルの作品がまた楽しい!
手描きの線と金属のキャラクターやアイテムによっていろんな場面がひとつの画面に収められて、実に楽しいストーリーが繰り広げられいます。


鈴木美貴子06 鈴木美貴子07 鈴木美貴子05

鈴木美貴子04



葵の会
@銀座スルガ台画廊
東京都中央区銀座6-5-8 トップビル2F
9/17(月)〜9/22(土)
11:00〜19:00(最終日:〜17:30)
葵の会9/17DM.jpg

油彩のアーティスト6名のグループ展、なかでも印象的だったのが鴻崎正武さん。
今回はいつもの艶やかさが若干影を潜め、渋味を感じる落ち付いた色調での「TOUGEN」。
ジャパネスクな風合いはより強まり、深みを増した世界が広がっていました。この方向の作品をもっとたくさん拝見してみたいです。



集治千晶展 ―宙―
シロタ画廊
東京都中央区銀座7-10-8
9/18(火)〜9/29(土)日休
11:00〜19:00(最終日:〜17:30)
集治千晶9/18DM.jpg

昨年に続いての集治千晶さんの個展です。
銅版画作品は、独特のカラフルさに加え、今回はより「線」が作り上げる世界に魅力を感じます。
そして、サブスペースの水彩画が素晴らしい!



入野真美子展 眠る風景
@Gallery銀座フォレスト
東京都中央区銀座1-9-8 奥野ビル507
9/17(月)〜9/22(土)
12:30〜19:00(最終日:〜17:30)
入野真美子9/17DM.jpg

昨年の個展も印象的だった入野真美子さん。
前回は「夜」のイメージの作品でしたが、今回は少し時間が経って「明け方」をイメージさせる場面が並んでいました。
独特の深みと軽やかさを感じさせる空の青、そこにていねいに描かれる電線や木々のシルエット。あるいは道路や道路標識などなど、ひとつ先の季節が持つ空気の張り詰めた雰囲気を感じさせながら、やさしく、凛とした風景が描かれていたのが今回も印象的でした。


入野真美子12 入野真美子11

入野真美子13



Game Girl Toru Otsuki + Naoko Fukui
@FARM the salon for art,Tokyo
東京都江東区清澄1-3-2-2F
9/22(土)〜10/20(土)日月祝休
12:00〜19:00
Game Girl 9/22DM.jpg

多くのコマーシャルギャラリーが集まる清澄の倉庫の2階、エレベーターの前を素通りして階段を上がったところにあるスペース。ここで、大槻透さんと福井直子さんとによるインスタレーションが展開されています。

ゲームをテーマに、壁も全面が塗装、フューチャリスティックなデザインが施され、まずその過剰な作り込みに脱帽!


Game Girl 01


ここから始まって、大槻さんと福井さんとの絵を交えながら、ストーリーが展開されていきます。
イージーな装飾あり、実際に焼いたという陶器のインスタレーションあり、ラストのボスらしい面ありと、感心とツッコミとを同時にしちゃいたくなるようなユーモアが満載。


Game Girl 04 Game Girl 03 Game Girl 02


で、肝心のお二人の作品、あらためて言うまでもなくこの作り込まれた空間の大きな見どころです。

福井さんの作品はおそらくちゃんと拝見するのは今回が初めてなのですが、太い稜線で描かれたユーモラスなシルエットのキャラクターや、プラスチックのビーズを画面に取り込んでドリーミーに城や星座などを表現したりと、ユーモラスな雰囲気を醸し出す緩さと背景やビーズなどによって表現されるシャープさ、その大きなギャップによるコントラストが面白いです。
しかしそのギャップには違和感を感じず、むしろ調和してひとつの世界を作り上げていて、福井さんのユニークな感性が伝わります。


Game Girl福井直子03 Game Girl福井直子02

Game Girl福井直子01


大槻さんは、今もっともしっかりチェックしたいアーティストのひとり。
金箔を大胆に画面に取り入れて、絢爛なエキゾチシズムを画面から鮮烈に放ちながら、そこに描かれる女性の気品溢れる表情とスレンダーな肢体のシャープさとに魅入られてしまうのですが、今回はテーマに沿って、これまでの鮮やかさを醸し出しながら、フューチャリスティックなモチーフも取り込み、さらに大胆な世界が構築されています。堂々とした存在感に加え、手の込んだ精緻な描き込みや画面の加工など、相変わらずの見応えです。


Game Girl大槻透02 Game Girl大槻透03

Game Girl大槻透01


チープさ、ゴージャスさ、大胆さ、細やかさ...実に起伏のある表現が織りまぜられていて、流れに沿いながら、あるいは行き来しながらじっくりと楽しめる空間が作られています。


Game Girl 05



玉野大介
maru gallery
東京都港区海岸3-7-18-902
9/22(土)〜10/20(土)日月祝休
12:00〜18:00
玉野大介9/22DM.jpg

サイトで事前に玉野大介さんの作品もチェックして足を運んだのですが、予想とは違い、実に「静か」な作品でした。
描かれた場面に流れる時間に不思議な印象を覚えます。



《9/23》
藤野未来 solo exhibition THE DARLEST METAPHOR
Gallery惺SATORU
東京都武蔵野市御殿山1-2-6-B1F
9/8(土)〜9/23(土)火水休
11:00〜18:00(最終日:〜17:00)
藤野未来9/8DM.jpg

いくつかの手法の作品がひとつの空間にパッケージされていました。
なかでも興味深かったのが、モノクロームで夜の空が描かれたようなパネルの上に装飾のパターンが描かれたトレーシングペーパーをラミネートしたスクリーンが被せられた作品。透明感が演出され、独特の深みを醸し出していました。
大胆な構成のインスタレーションで改めて拝見したいクリエイションです。



《9/24》
東京藝術大学日本画第一研究室発表展 ICHIKENTEN
東京藝術大学大学美術館 陳列館・正木記念館
東京都台東区上野公園12-8
9/20(木)〜9/27(木)
10:00〜17:00(最終日:〜16:30)
ICHIKENTEパンフ.jpg

まず、広い展示室の空間を活かした大作が眼前に広がって驚いた次第。大沢拓也さんの作品で、古い和紙の風合いをこの大きさで全面に押し出して、重厚な渋味を力強く放っています。
同じ展示室の中村恭子さんの一連の作品も印象的です。波打つ線と、それが作り上げるフォルムの繊細さ。日本画らしい渋い色調と合わせて、深みのある世界が綴られていました。



安田悠
GALLERY b.TOKYO
東京都中央区京橋3-5-4 第1吉井ビルB1
9/24(月)〜9/29(土)
11:00〜19:00(金:〜21:00、最終日:〜17:00)
安田悠9/24DM.jpg

ムサビの修了展示以来、続けて拝見している安田悠さんの個展です。
画面のなかに描かれる風景の揺らぎ、蜃気楼のようにも思える儚げな風合いに包まれ、独特の静けさに浸れます。



東園基昭展
純画廊
東京都中央区銀座1-9-8 奥野ビル2F
9/24(月)〜9/29(土)
11:00〜18:00
東園基昭9/24DM.jpg

今回は12星座のシルエットを取り込み、例によって手の込んだ描き込みを施して、独特の「和」のセンスが表現されていて、楽しい構成になっています。
シルエットのなかに描かれる紋様の精緻さは、これまで以上に細やか。さまざまな紋、モチーフの組み合わせが放つ気品に強く惹かれます。


東園基昭@純02 東園基昭@純01

東園基昭@純03


1点だけ異なる大きさで描かれている、天体望遠鏡の作品の存在感はひときわ強いものとなっています。メカニカルなシルエットに同様にさまざまな紋が織り込まれ、思わず心のなかで「お見事」と唸ってしまう...これ以上ない、もっとも高貴なユーモアが展開しています。


東園基昭@純04




『のりもの展』
西荻窪ギャラリー「Mu-Rung」
東京都杉並区西荻北3-21-2 徳田ビル1F
9/24(月)〜9/30(日)
11:00〜23:00
のりもの展9/24DM.jpg


maru galleryで個展を開催中の玉野大介さんが参加されているグループ展。
タイトル通り、「のりもの」をテーマに3名のユニークなアーティストの作品が小さな空間に賑やかに詰め込まれています。

玉野さんは「機関車ターマス」シリーズが、なんとも深い。4点での構成で、一度お別れをして、帰ってきたターマスの姿に驚愕(笑)!
そして、どストレートなトラックの絵も逆に面白すぎて。最高です。


のりもの展 玉野大介01

のりもの展 玉野大介02


原田慎也さんの作品は、何よりクリアな色彩と女性の妙に生々しい表情とが印象的です。随所に施された細かなアクセントもユニークな雰囲気を盛り上げてくれています。


のりもの展 原田慎也01

のりもの展 原田慎也02


移動マッサージこと伊藤雅史さん。
画面のマチエルのごつごつとした感触とこってりとした濃厚な色彩感やモチーフのくどさが妙に堪らなく感じられ、小さな作品ながら圧巻です。
すこし前に新宿タカシマヤの美術画廊で大作を拝見していているのですが、あらためて大きな作品もぜひチェックしたいです。


のりもの展 移動マッサージ01

のりもの展 移動マッサージ02
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2007年09月24日

review:政田武史 −New Paintings《9/15、9/22》

政田武史 −New Paintings
WAKO WORKS OF ART
東京都新宿区西新宿3-18-2-101
9/15(土)〜10/13(土)日月祝休
11:00〜19:00
政田武史9/15DM.jpg

Takeshi Masada "New Paintings"
@WAKO WORKS OF ART
3-18-2-101,Nishi-shinjuku,Shinjuku-ku,Tokyo
9/15(Sat)-10/13(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday
11:00-19:00
Google Translate(to English)



至高のファーストインパクト。


WAKO WORKS OF ARTで開催されている、政田武史さんの個展です。

ガラス張りの正面入口の前に辿り着き、中の様子が目に入ってきた刹那、一気に感情が沸き上がり、興奮を覚えた次第。


大きな画面を覆い尽くす細かい色面。それらが奏でるパルスのアグレッシブさにまず引き込まれます。
そして、それらの細かい色面が隣り合い、重なることで、実にダイナミックで躍動的なシーンを構築しています。
さらに、ひとつの画面に取り入れられている色のシンプルさも印象的。
ギャラリーのメインルームの正面の壁に展示されている大作では、主に紫と緑。さりげなく他の色彩も織りまぜつつ、そのそれぞれの色調でいくつかの階調が取り込まれてています。
その絶妙な階調のコントロールが画面のなかの世界に光と奥行きとをもたらし、リズミカルな色面の構成と合わせ、おおらかなダイナミズムが生み出されているんです。

問答無用の気持ちよさ、痛快さが溢れまくっています。


政田武史03 政田武史02

政田武史01



展示されている作品でどれがいちばんいいか、と問われると答えに窮します。
いちばんいいのはその瞬間に対峙している作品。しかし、この空間にいると感じざるを得ない気配に負けて視線を移すとその瞬間にまた新たな興奮が沸き上がる...この繰り返し。
まるで細かい色面の衝突がリズムを繰り出しているかのようなイメージが堪りません。

また、ギャラリーの床板の木目が醸し出すナチュラルな明るさが、政田さんの描く世界のプリミティブな感触をぐんと引き出しているように感じられます。


政田武史05 政田武史06

政田武史04



サブルームももちろん見逃せません。
鮮やかで濃厚な色の引力に意識が引き寄せられます。


政田武史08



奥まった一角に、紙皿に水彩絵の具で描かれた作品が展示されていて、こちらも味わい深い。。。
油彩の強さから一転して、儚げに紙の上に滲む淡い色が、仄かにキノコや小鳥のシルエットを浮かび上がらせています。


政田武史10

政田武史09


水彩のドローイングの作品は、メインルームのカウンター前のファイルでたくさんチェックできます。
1枚1枚ページをめくっていって、霞のような像に緩やかに魅入られます。



もうひとつ、政田さんの作品はタイトルも面白いです。
まず作品を目にして得られるイメージがあって、あらためてタイトルを見ると、そこから異なるイメージが紡ぎ出されます。

たくさんのポジティブなイマジネーションだけでなく、エネルギーももらえるようなクリエイションです。


政田武史07
posted by makuuchi at 07:55| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月23日

review:NEXT DOOR vol.3《9/15、9/22》

NEXT DOOR vol.3
T&G ARTS
東京都港区六本木5-9-20
9/15(土)〜9/29(土)日月祝休
11:00〜19:00
NEXT DOOR vol.3.jpg

NEXT DOOR vol.3
@T&G ARTS
5-9-20,Roppongi,Minato-ku,Tokyo
9/15(Sat)-9/29(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday
11:00-19:00
Google Translate(to English)



若手アーティストをピックアップする企画の第3弾(vol.2vol.1)。
今回は5名、写真、タブロー、立体という具合にさまざまなクリエイションがパッケージされています。



1F、入口を通って左手の壁に展示された、モノクロームの写真。
今回唯一の女性アーティスト、飯田昌子さんの作品です。
雪に覆われた山脈を思わせる光景が、並んで展示された写真に映し出されています。


ND3飯田昌子03 ND3飯田昌子04


これらは紙で作った架空の光景だそう。
モノクロームの静謐感と、淡い陰影が印象的です。


ND3飯田昌子02


一角には、また別のモチーフの作品も。
こちらも紙らしいのですが、素材感はほぼ感じられず、むしろエロティックな風合いさえ伝わってくるから不思議です。


ND3飯田昌子01



1階に展示されているもうひとりは、ギャラリーHANAでの個展も印象的だった石森忍さん。
プリントされた紙やさまざまな素材を用いて、壁面に飾られる平面の作品から無機的な面の構成で作られる立体のオブジェまで、クールさを醸し出しているのが印象的です。


ND3石森忍04

ND3石森忍03


同じプリントが、平面と立体とに用いられ、ひとつのモチーフでさまざまなアプローチや手法が作品のなかに込められているのが伝わってきます。
立体作品の、無機的な面が重なって構成されるかたちも面白いです。


ND3石森忍02

ND3石森忍01



1階は以上。続いて2階へ。










・・・と思いきや...














ND3山崎龍一01



どこにいるんだよ!!!Σ( ̄口 ̄;)




見逃すところでしたよホント。
というか、オープニングの時に山崎さんに教えていただかなかったら気付かなかったかも(汗)。
まったく油断も隙もないったらありゃしないわけですが(というわけでこれからご覧になる方もどう油断なさらぬよう)(いやホントに)。


というわけで1階の作品を全部(全部、ね)チェックしてから、2階へ。


階段を上がり切ったところに、先日のトーキョーワンサーサイト本郷での展示も面白かった中島健さんの小品が並びます。


ND3中島健01


トーキョーワンサーサイト本郷での展示に出展された作品を中心に、新しい作品も。
画面に乗る油絵の具の立体感のインパクトが強烈です。


ND3中島健04 ND3中島健03

ND3中島健02


この独特のマチエルの作品群をさらに面白くしているのが、それぞれの作品の過程を記録した映像。
本郷では、もっとたくさんの作品が展示されていた上にそのすべての映像が上映されていて、それぞれの画面がどんな行程を経てできあがったかを確かめていくのがホントに面白かかったのですが、それを再び楽しめるのが嬉しい!
下地のもともとの絵に点がどんどん連なっていって線となって伸びていくものや、結果として見えなくなってしまうのもあって、そのとき流れている映像がどの作品なのかをチェックするのも一興。


ND3中島健06 ND3中島健07 ND3中島健08

ND3中島健09 ND3中島健10 ND3中島健11

ND3中島健12 ND3中島健13 ND3中島健14

ND3中島健05


とにかくいつの間にか引き込まれてしまう、圧巻の記録です。


同じ部屋に、山崎龍一さんの作品が。
例によって白い服と帽子を身に纏った子供のオブジェが、また生意気そうな表情浮かべて佇んでいたり。
galleria grafika bisやプロモアルテでの展示でも発表された作品を織りまぜつつ、おそらく今回はじめて登場する作品も。


ND3山崎龍一04 ND3山崎龍一05

ND3山崎龍一03


なんかもう、このちょっぴり毒を持った独特のかわいらしさに完敗です。
そして2階も油断がならないような気が...。


ND3山崎龍一02



いちばん奥の展示室は、長谷川迅太さんの作品が。
長谷川さんの作品の面白いところは、なんといっても木の板に写真をプリントしているところ。
木の色が、さまざまな風景をセピア色に仕立てていて、どこかレイドバックした、懐かしいような感触がなんとも味わい深いです。
仮に同じプリントだったとしても、板の木目で若干異なる味わいが醸し出されるというユニークさも。


ND3長谷川迅太08 ND3長谷川迅太07

ND3長谷川迅太05 ND3長谷川迅太04

ND3長谷川迅太06


そして、さまざまなプリントが施された小さなバーが詰め込まれた袋が床を埋め尽くすインスタレーションも。
素材感がゆったりと放たれているのが印象的です。


ND3長谷川迅太02 ND3長谷川迅太01

ND3長谷川迅太03



余裕がある空間でのグループショーなので、それぞれの個性がしっかりと発揮された状況でバラエティに富んだクリエイションを楽しめます。
posted by makuuchi at 21:32| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月22日

review:竹村京展「はなれても」《9/1、9/15》

竹村京展「はなれても」
Taka Ishii Gallery
東京都江東区清澄1-3-2 5F
9/1(土)〜9/29(土)日月祝休
12:00〜19:00
竹村京9/1DM.jpg

Kei Takemura "even if we're not together"
Taka Ishii Gallery
1-3-2-5F,Kiyosumi,Koto-ku,Tokyo
9/1(Sat)-9/29(Sat) closed on Sundays,Mondays and national holidays
12:00-19:00
Google Translate(to English)



「層」が織り成すやわらかい時間。



現在、ベルリン拠点に活動されるアーティスト、竹村京さんの個展です。
さまざまな風景をコラージュし、出力した画面に刺繍が施された繊細な布が覆った大作が、Taka Ishii Galleryの広々とした空間にゆったりと充分な余裕を持って展示されていて、壮観です。

まず、ギャラリー中心部に設置された壁に展示された作品が眼前を覆います。
何所までも遠くへと続いているような風景。モノクローム、そこに広がる空と海の青。
そして、その風景をトレースするように施された、白い糸による刺繍。
やわらかな布は、わずかな気流によって揺れ、重なる景色がそれに伴ってふわふわと揺らぎます。刺繍という若干手間のかかる手法を取り入れていることもあってか、浮かんだ像を早く再現したいという想いをそのまま現すかのように、おおらかに縫い上げられているのも印象に残ります。


竹村京02 竹村京04

竹村京05 竹村京03


布の向こうに広がるコラージュされた風景が、異なるアミ点が組み合わさっています。
大きな作品だけに、距離をおいて眺めたときの爽快な感じと、至近で凝視したときに見受けられる無機的な点、あるいは矩形の並びのギャップにも、もしかしたら竹村さんの意図にない要素かも知れませんが、面白味を感じます。


竹村京07 竹村京06


コラージュされた風景のひとつひとつに、またはその関係性に、そしてそこに重なる刺繍によるスケッチに...といった具合に、ひとつの作品からいろんなイマジネーションが得られて楽しいんです。


竹村京01



この作品の左手には、階段を昇る人々の作品が。
こちらでは重なる刺繍がより立体的に、まるで紙の上に鉛筆でくるくると描かれているかのように、渦を巻いていたり。
照明の光を反射して輝く薄い布の上、その広々とした空間を舞うように、刺繍の糸が行き交っている様も気持ちよく感じられます。


竹村京09 竹村京11


また、右上のきらびやかな赤い糸の鮮やかさ、輝きも印象的です。
咲き乱れる花、あるいは見事に染まる紅葉...自然のなかの美しい色を思わせるその明るさが、ぱっと弾けるようなポジティブな空気と共に、心の染み入るような奥深さをも作り上げています。


竹村京10


異なる場面の階段の光景が重ねられた作品。
覆う布の鮮やかさや動的な感触とは裏腹の、上へと向かって階段を歩む人々のひたむきさ。
独特の味わい深さを放っています。


竹村京08



いちばん奥の壁の作品は、布の奥の画面にモノクロとカラーの画像が入り組んでいたり、のなかに手描きのスケッチも組み込まれていたりと、よりいっそうの幅広い表現が織り込まれています。
パノラマのようにめくるめく横の展開のダイナミックさに好奇心を強く惹き付けられます。
無論、その上に覆い被さる刺繍もまた異なる質感のダイナミズムをもたらしています。


竹村京13 竹村京14 竹村京15 竹村京16

竹村京12



さまざまなものを布でくるんだオブジェも。
欠けた皿、割れた蛍光灯、プラスチック製のバドミントンの羽根...そうなってしまうまでの時間への敬意を現し、さまざまなハプニングを経て今あるそれぞれのものを優しく包む...。
「行為」の美しさ、「心」の美しさ。そういった要素に惹かれると同時に、意外にも視覚的な美しさも生み出されているように思えます。


竹村京19 竹村京18

竹村京17


コーナーにひっそりと展示されているのも空間に程よいアクセントをもたらしています。
自らの「見つける」感覚が、妙にいとおしく思えたり。。。


竹村京23

竹村京22



中央の壁の裏側に展示された、手をモチーフに描かれたタブローがまた、独特な風味を醸し出しています。
紙の素材の温かみ、赤や黄色の暖色系が放つおだやかさ、そしてなによりふたりの手が繋がれ、重なることで、心のつながりを現しているような感じ。
なんともほっとする、和める風合いです。


竹村京20

竹村京21



ひとつの空間に、作品ごとに、またひとつの作品のなかにさまざまなアプローチが詰め込まれていて、それぞれちと対峙し、大きな作品は体全体で浴び、オブジェに優しい視線を落とし、そうやってここでしか感じ得ない「時間」の感覚、まさに縫われる刺繍糸のように現実と非現実とを繋いで新たな次元のポジションを作り上げたかのような印象を得る・・・。

見終えて、後味の清々しさも気持ちのいい展覧会です。
posted by makuuchi at 11:04| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月21日

review:Karin Kamijo "parallel world"《9/11、9/15》

Karin Kamijo "parallel world"
MEGUMI OGITA GALLERY
東京都中央区銀座5-4-14 銀成ビル4F
9/11(火)〜9/29(土)日月祝休
12:00〜19:00
上條花梨9/11DM.jpg

Karin Kamijo "parallel world"
MEGUMI OGITA GALLERY
5-4-14-4F,Ginza,Chuo-ku,Tokyo
9/11(Tue)-9/29(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday
12:00-19:00
Google Translate(to English)



一昨年の暮れの自由ヶ丘でのグループ展以来続けて拝見している上條花梨さんの個展。


b.TOKYOでの個展OPEN DOORでの個展では比較的暗めの照明設定で、上條さんの絵の雰囲気に合っていてよかったのですが、今回はオープンして間もないMEGUMI OGITA GALLERYということもあり、気持ちがいい真っ白な空間での展覧会です。

この「白さ」と「明るさ」が、これまで気付かなかった上條さんの描く世界の面白さを引き出してくれているように感じられます。


上條花梨@MOG04



暗めの照明による、絵の雰囲気を盛り上げる演出を敢えて外し、むしろ作品に取り込まれている細かい表現が、より臨場感を伴って伝わってきます。
上條さんの作品の特徴的なところのひとつは、画面に広がる細かい色彩の飛沫。ブラウン管に映る映像のノイズのような感触で、記憶の残像のような印象を与えます。この表現の細かさが、明るい照明のなかでよりはっきりと見えてきます。やみくもに散らばるのではなくて、実に効果的に、色合い的にも奥行き感的にもバランスよく飛沫が広がっているんです。

もちろん、絵のモチーフのユニークさも面白いです。
おそらく実際には存在しない(と思うのですが...)公園の遊具。レイドバックした雰囲気のなかに、子供の頃に遊んだ楽しかった記憶と遊び終わったときの一抹の淋しさも蘇りつつ、また違うイメージ・・・なんとなくSFチックなストーリーの序章のような、未来的な風合いも醸し出しているように感じられます。


上條花梨@MOG02 上條花梨@MOG03

上條花梨@MOG05



コンパクトな空間にていねいに展示され、1点1点じっくりと観られるのも嬉しいです。
緩やかな時間の流れを感じさせくれるやさしい風合い、脳裏に灯るような朧げな感覚、ふっと消えてしまいそうな儚さ、そしてその先に起こりそうなスリル...さまざまな想像の世界へと誘ってくれる、独特のクリエイションです。


上條花梨@MOG01
posted by makuuchi at 07:46| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月20日

review:貌[ヴィサージュ]佐藤秀貴×澤柳英行×丸橋伴晃《9/8、9/14、9/15》

貌[ヴィサージュ]佐藤秀貴×澤柳英行×丸橋伴晃
ヴァイスフェルト
東京都港区六本木6-8-14 コンプレックスビル北館3F
9/7(金)〜9/29(土)日月祝休
11:00〜19:00
貌9/7DM.jpg

Group Show 'Visage' Hidetaka Sato,Hideyuki Sawayanagi,Tomoaki Marubashi
@weissfeld
6-8-14-3F,Roppongi,Minato-ku,Tokyo
9/7(Fri)-9/29(Sat) closed on Sunday,Monday and national holiday
11:00-19:00
Google Translate(to English)


「貌」…人物をモチーフにした作品を展開する3つの個性がパッケージされたグループショーです。
ここで繰り広げられるグループショーはいつも、三者三様のまったく異なる個性の競演でありながら、その違い、差がよりお互いの作品の面白さを引き立てあっているんです。


今年初めのART@AGNESでのレントゲンヴェルゲのゲストルームでいち早くレコメンデーションされていた澤柳英行さんの作品。

・・・ホントにスリリング。

歪んだフォルムの金属板に施された大小の穴。
それが、新聞などに掲載される写真の大小のアミ点が階調を表現するのとまったく同じ理屈で、女性の顔を浮かび上がらせます。


貌 澤柳英行05

貌 澤柳英行04


その場の光景をすべて映し出すほどに磨き上げられた表面の仕上げが金属の素材感を全面に押し出しつつ、さらにその素材の質感、あるいは整然としたドットの並びによる無機的な感触。
ある角度からはまったく分からないのですが、刹那的に現れる女性の艶やかな表情とのギャップが堪らなくスリリングなんです。
壁にネジで留まっているもの、手グスで吊るされているもの、それぞれの展示状況も作品の素材的な面白さとアーティスティックさとをうまく演出しています。