2007年08月31日

〜8/30のアート巡り

《8/27》
豊泉綾乃展
ギャラリーなつか
東京都中央区銀座5-8-17 GINZA PLAZA58 8F
8/27(月)〜9/8(土)日休
11:30〜18:30(最終日:〜17:30)
豊泉綾乃8/27DM.jpg

ドライポイントで風景の広がりをモノクロームで描き出す豊泉綾乃さん。
これまでは海や水平線を思わせる遠い風景が多かったのですが、そういった作品はもちろん、今回はちょっと違う構図の作品もあって、その意外なアプローチがさらにユニークな深みをもたらしています。
大きな作品は包まれるような静謐感が漂っています。


Landscape 山岡夏子
ギャラリーなつかb.p
東京都中央区銀座5-8-17 GINZA PLAZA58 8F
8/27(月)〜9/8(土)日休
11:30〜18:30(最終日:〜17:30)
山岡夏子8/27DM.jpg

ムサビの修了展示で拝見し、ミニマムで幾何学的な銅版画が印象的だった山岡夏子さんの個展。
近代建築を思わせる幾何学的なモチーフはもちろん、思いのほか有機的な作品も。
無機的な感触の作品も、細やかな部分で緻密なグラデーションが施され、身を乗り出して見入ってしまいます。



笛田亜希展 Animaless Zoo Project #oo4 -INOKASHIRA-
ガレリアグラフイカbis
東京都中央区銀座6-13-4 銀座S2ビル1階
8/27(月)〜9/8(土)日休)
11:00〜19:00
笛田亜希8/27DM.jpg

平面と立体の作品を織りまぜ、動物園をモチーフに展開される笛田さんの世界。
あるパターンを織り込んだユニークなタブローと、立体作品そのものへの素材からのアプローチのユニークさが楽しいです。



持塚三樹「イト」
MISAKO & ROSEN
東京都豊島区北大塚3-27-6 1F
8/27(月)〜9/23(日)月祝休
12:00〜19:00(日:〜17:00)
持塚三樹8/27DM.jpg

一日の様々な表情、「朝昼夜」をモチーフに描いた作品が並びます。
きらきらときらめくようなファンタジックな雰囲気が広がって、独特の世界をが作り上げられています。



《8/28》
Atsuko Imaizumi "woman"
WADA FINE ARTS
東京都中央区築地3-2-5 第2平和田ビル
8/28(火)〜9/14(金)日月祝休(初日を除く)
11:00〜19:00

有元利夫を思わせる人物のかお、かたち。
中世的な雰囲気と、コンテンポラリーな風合いを放つ鮮やかな色彩が印象的な、さまざまなイメージを喚起させてくれるタブローが並びます。



《8/29》
小柳裕 新作展
KENJI TAKI GALLERY/東京
東京都新宿区西新宿3-18-2-102
8/29(水)〜9/29(土)日月祝休
12:00〜19:00
小柳裕8/29DM.jpg

こんなにスリリングな作品とは思わなかったです...。
夜を描き、全面がほぼ闇に染められた作品。そこに灯る明かりの部分に見られる「生々しさ」にぐっときます。
奥の事務所のスペースに展示された木炭画も素晴らしいです。



《8/30》
眼差しと好奇心 vol.2
ギャラリーエス
東京都渋谷区神宮前5-46-13 ツインエスビル1階
8/30(木)〜9/15(日)月休
11:00〜19:00
ギャラリーエス パンフ.jpg

昨年ミヅマ・アクションで開催された第1弾に続いて、場所を変えて今年も始まった「眼差しと好奇心」。
今回は先日のART AWARD TOKYOでも相当なインパクトだったアーティストが多数ピックアップ。
岩本愛子さんのまるで本当に人が入っているんじゃ、と一瞬ぎょっとするほどの精度のオブジェ、パスタのインスタレーションがユニークだった荒神明香さんの鮮やかな色彩と空間の提示のユニークさ、塋水亜樹さんのミニマムな世界など、見応え充分なクリエイションがパッケージされています。
posted by makuuchi at 08:07| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月30日

review:小橋陽介展《8/25、8/28》

小橋陽介
GALLERY MoMo
東京都港区六本木6-2-6 サンビル第3 2F
8/25(土)〜9/22(土)日月祝休
12:00〜19:00
小橋陽介8/25DM.jpg

Yosuke Kobashi Exhibition
GALLERY MoMo
6-2-6-2F,Roppongi,Minato-ku,Tokyo
8/25(Sat)-9/22(Sat) closed on Sundays,Mndays and national holidays
12:00-19:00
Google Translate(to English)



さて。
今年も始まりました、小橋陽介さんのめくるめく自画像。


では、さっそく。

ギャラリーに足を踏み入れた瞬間から、もう...(汗)



粋に腰に手を当ててるのも、

小橋陽介0708 08-08


後方にぶっ倒れるのも、

小橋陽介0708 08-05


何故かバナナに座ってるのも、

小橋陽介0708 08-02


ロウソクを前に誰かを呼んでるのも、

小橋陽介0708 08-06


ブランコに乗ってるのも...て、2人かよ!Σ( ̄口 ̄;)

小橋陽介0708 08-03


チェーンに立ったり寝転んだり..て、こっちも2人Σ( ̄口 ̄;)

小橋陽介0708 08-04


今度は 6人かよ!Σ( ̄口 ̄;)
てか、いちばん右っ側の手足だけでの入れると7人かよ!Σ( ̄口 ̄;)
いちばん左の顔も一体Σ( ̄口 ̄;)

小橋陽介0708 08-01


・・・・。
お前らいい加減に(略)

小橋陽介0708 08-07




・・・全部自画像。自画像大杉(汗)。

・・・とかいう感じにツッコミを入れながら見続けて最後まで巨大な自画像に素で気付かない僕(汗)。


小橋陽介0708 08


もう、相変わらずやりたい放題、弾け放題。
絵の中で、有り得ないシチュエーションでいろんなポーズを取りまくってます。


小橋陽介0708 03

小橋陽介0708 05



で、今回はいつになく自虐的なものだったり、スケールがでかいものも。
鳥にくわえられていたりプールに頭から突っ込んでいたり、後光の中に紛れ込んでいたり。
シチュエーションのバラエティは以前から幅広かったのですが、それに輪にかけてさまざまな状況での自画像が描き出されています。


小橋陽介0708 09 小橋陽介0708 10

小橋陽介0708 07



で、小橋さんといったらやっぱり大きな作品。
冒頭の作品の向かいに展示されている一番大きな作品は、対面するミニチュア自画像溢れまくりのと逆に、巨大な自画像が一人、ダイナミックに描かれていて凄い迫力!


小橋陽介0708 06



小橋さんの作品に描かれる人はすべて自画像なのですが、今年の個展ではひとりゲストが。
変な色に立ち上がる炎のなかからにゅっと出てる拳銃を持った手のなかに紛れてひとり、ヒットマンのシルエット。
小橋さんに聞いてみたら「言われてみればそうですね〜」的なお返事が。この辺りの緩さもいい感じです。

それにしても、この作品のシチュエーションも(以下略)(汗)


小橋陽介0708 01

小橋陽介0708 02



キャンバスの作品だけではなく、紙に描かれたドローイング...というより落書きふうの作品も。
自画像の印象は・・・



あんましかわんない( ´∀`)


もとい、その脱力感がまた魅力なわけで。

小橋陽介0708 11 小橋陽介0708 12



現実の世界ってやりたいことをやるためには案外やらなければいけないことがいっぱいあってけっこう窮屈に感じることもあるわけですが、そんな気持ちを軽やかに吹っ飛ばす小橋さんの世界。
いったん「あ、面白いかも」と思ったらもう珠玉。
この痛快さは堪りません!
気分も伸び伸びとしてきて、いちいち突っ込みながら観るのも楽しいですし、もう何も考えずにぼーっと眺めるのも気持ちいいんです。


小橋陽介0708 04
posted by makuuchi at 09:08| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月29日

review:加藤千尋 花信《8/25》

加藤千尋 花信
Yuka Sasahara Gallery
東京都新宿区西五軒町3-7 高橋工芸社ビル3F
8/25(土)〜9/29(土)日月祝休
11:00〜19:00
加藤千尋8/25DM.jpg

CHihiro Kato "Tidings of Flowers"
@Yuka Sasahara Gallery
3-7-3F,Nishi-gokencho,Shinjuku-ku,Tokyo
8/25(Sat)-9/29(Sat) closed on Sundays,Mondays and national holidays
11:00-19:00
Google Translate(to English)



鮮やかな色彩が発するポップなグロテスク。



これまで主に立体の作品を発表されてきた加藤千尋さん。
今回のYuka Sasahara Galleryでの個展では、平面作品が展示されています。
その鮮やかさがフィクショナルな雰囲気を発散させているハイブリッドな植物の立体作品と同様に、ぱっと空間に生える明るい色彩が散らばった、動物と植物とのハイブリッドが描き出されています。


加藤千尋06



背景となる白によって押し出されるすべての色彩の鮮やかさ、美しさ。
さらに、細かい毛のようなものも1本1本精緻に画面上に再現されています。
本来存在し得ない不思議なかたちをした有機物が、奇妙な説得力を持って迫り、ちょっとだけ「コワイもの見たさ」にも似た好奇心も湧いてきて、画面の中の様々な要素に見入ってしまいます。


加藤千尋03 加藤千尋02

加藤千尋01



展示されている作品は、キャンバスとパネルのものがあって、それぞれが放つテクスチャーの差も興味深いです。
布地の目も画面上に残るキャンバスの作品は、その素材感に親しみが感じられます。
一方、パネルの作品は、画面がさらにフラットに加工されていることで描かれている線の細さや描かれるモチーフの「薄さ」を表した絵の具の濃度の繊細さなどがよりリアルに再現されている感じがするのと同時に、描いた痕跡も生々しく伝わってきます。
無論、キャンバスの作品でもすっと引かれた1本の線が放つ緊張感は格別なものです。


加藤千尋08 加藤千尋09 加藤千尋10

加藤千尋07



これまでにも加藤さんの立体の作品は何度か拝見していて、その奇妙なフォルムと鮮やかだからこそのグロテスクさが強く印象に残り、壁や床などから生えるように展示されて、空間に占める割合は相当に小さいはずなのに、その雰囲気を違う時空へと導いているような感じが面白かったのですが、今回、平面でその世界が再現されているのを拝見して、例えば「薄さ」や「細さ」など、立体で再現するのがたいへんな難儀を極めると思われる表現を描き出し、これまでの立体の作品と併せてさらに加藤さんが創出する世界に、ミニマムな方向へと世界が広がったような印象を覚えます。

加えて、背景の白がたいへん効果的で、これもまた立体では不可能な「虚空に浮いたイメージ」が提供されているのも興味深く感じられます。
1点だけ、カウンターのところに背景が黒の作品が展示されているのですが、背景が変わるとその雰囲気も劇的に変化します。

現存するさまざまな種の動植物がそうであるように、極度に鮮やかな色彩を纏ったものはその中に「毒」を持っていて、加藤さんの手にによってつくり出されたハイブリッドな生物もきっと強力な「毒」を持っているのだろうな、という印象も。
この「危なさ」も大きな魅力です。

ホワイトキューブにシンプルに展示された数点の作品と若干暗めの照明で、たいへんイマジネイティブな空間が作り上げられています。


加藤千尋04
posted by makuuchi at 08:14| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月28日

review:motoshi chikamori++kyoko kunoh《8/24、8/25》

motoshi chikamori++kyoko kunoh
Galerie Teo
東京都品川区東五反田2-5-15 3F
8/25(土)〜9/21(金)日月祝休
11:00〜19:00
++Galerie Teo8/25DM.jpg

motoshi chikamori++kyoko kunoh
Galerie Teo
2-5-15-3F Higashi-Gotanda,Shinagawa-ku,Tokyo
8/25(Sat)-9/21(Fri) closed on Sunday,Monday and national holiday
11:00-19:00
Google Translate(to English)


インタラクティブな要素に溢れて、まさにアートの遊園地。



今年、五反田に新しくオープンしたGalerie Teoでのmotoshi chikamori++kyoko kunoh展に行ってきました。

まず、Galerie Teo。初めて行くときは付近で建築工事などが行われていることもあってちょっと分かりづらいのですが、劇団四季の劇場からすぐそばというこれ以上ない分かりやすい目印があるので、一度行けばもう大丈夫。
そして、もう少しコンパクトなスペースを予想していたのですが、広々としたスペースで、今回のようなインタラクティブなメディアアートの展覧会でもそのポテンシャルを充分に発揮していますし、今後の展開も楽しみになってきます。


motoshi chikamori++kyoko kunohの作品は、国立新美術館で開催された「日本の表現力」展で拝見していて、展示されている作品でたくさんの人、おもに子供達が楽しそうに遊んでいたのが印象に残っています。
他、ICCでの展示や東京都写真美術館での文化庁メディア芸術祭などにも出展されているので、目にした方も多そうです。


今回の展示は、自然光が入る明るい部屋と、外光を遮った暗いコーナーとに分けて、それぞれで作品が展示されています。

まず、明るいほうの部屋から。
入口の扉を通過して中に入ると、左手に林が。
そしてその林の木々には、木の実のように、光のボールがいくつか映し出されています。
その「木の実」から、ふわふわと湧き出てくる生き物のような影。それらは流れて足元にある光に吸収されるように消え去っていきます。

僕が伺った時点では、この作品にはインタラクティブな設定はなされていなかったのですが、最終的には、木の実を取ろうと光に手をかざしたらそこから生き物が出てくる、という感じになりそう。
床のフェルトの林のシルエットやパネルの林も、楽しい雰囲気を演出していて、のんびりと眺めていて和める空間です。


mo++kk 16

mo++kk 15


壁に描かれた爬虫類のマークに導かれて暗い部屋へ。

mo++kk 13


こちらには3つのインタラクティブな作品が展示されています。
最初に目に飛び込んでくるのが、巨大な光の円。


mo++kk 02


一見、床を照らすスポットに思えるのですが、その円の中に入ると...


mo++kk 04


・・・いろんなものが唐突に現れます。
これがけっこう楽しい!
最初はただただその光の中を歩き回って、時おりサウンドエフェクトを伴ってさまざまなものが現れるのを楽しむのですが、しばらくすると何もないその床面の「どこに行けば何が現れるか」を確認しようと目を凝らして探るように動き回っている自分。


mo++kk 03



こちらの作品は、目にしたことがある方も多いようです。
テーブルの上に置かれたさまざまなシルバーの食器を中心としたアイテム。
この時点で充分にアーティスティックな雰囲気が醸し出ています。


mo++kk 05


それぞれのアイテムに触れると、さまざまなハプニングが。
こちらはどれを触ればどうなるかは一目瞭然なので、それぞれを触って確かめながら何が出てくるかワクワクしながら過ごす時間もまた楽しいんです。


mo++kk 08 mo++kk 09 mo++kk 07

mo++kk 06



奥の壁には格子状の扉のシルエット。
扉を空けようと取っ手に触れると、そこをいろんな動物が行き交います。
こちらも思い掛けないものが出てきたりして、面白い!


mo++kk 11 mo++kk 12

mo++kk 10


やさしい闇の中にも1匹。
これがこの展示にぴりっとしたアクセントをもたらしているように思えます。

mo++kk 14


24日金曜日のレセプションでは、この日にしか観られないインスタレーションも。
外の壁に映し出される動物たちのシルエットが闇の中に華麗に蠢いていました。
劇団四季帰りの方々にも見えたはず。


mo++kk 01



それぞれの作品には相当にテクノロジカルな要素が入っているはずなのですが、それを感じさせず、その作品を楽しむ手触りとしてはたいへんアナログな感じがしていて、そこがまたがいいなぁ、と。
しかし、その感覚を演出するためには、テクノロジカルな要素だけでなく、例えばテーブルの作品などは、テーブル上のアイテムとプロジェクターとの位置もかなりの精度が要求されているわけで、そういったことに思いを馳せると、近森さんと久納さんのお二人へのリスペクトがより大きくなります。

作り手がエンターテイメントに徹したからこそ生み出せる面白さ、楽しさ。
きっと、「あの頃の未来」がいっぱい詰まったおもちゃ箱が頭の中にあるんだろうな、と。
posted by makuuchi at 09:18| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月27日

〜8/26のアート巡り

《8/24》
津上みゆき展 View-24 seasons "Spring" No.01-06
第一生命南ギャラリー
東京都千代田区有楽町1-13-1 DNタワー21 第一生命本館1F
8/24(金)〜9/20(木)土日祝休
12:00〜18:00
津上みゆき8/24DM.jpg

土日がお休みのためになかなか伺えない第一生命ギャラリー。この日はオープニングレセプションで少し遅くまで開館しているということで、見に行くことができました。

津上みゆきさんの作品をまとめて拝見する機会は今回が初めて。
これまでの印象ではけっこう濃い色調の抽象画だなぁ、と思っていたのですが、今回の展示ではふわりと浮かぶような、やさしくて軽やかな色彩が心地よい大作が6点並んでいます。
抽象画というと、僕の場合、さまざまなイマジネーションを得るためにこちらから意識的に「挑む」気持ちで作品と対峙することが多いのですが、今回の津上さんの作品は、押し付けがましくもなく、かといって引力を持つように鑑賞者の意識を呑み込んでいくのでもなく...このギャラリーの高い天井、明るめの照明、広々とした空間とが醸し出すゆとりもあってか、絵画をそれぞれ「目の前にある光景」として自然に受け入れているような感触が清々しく思えました。

ドローイングの作品も多数展示されているのも嬉しいです。
思いがけず、ある風景を思い起こさせてkれるほどに具体的なモチーフが描かれているものあって、それが大作を観る上でのヒントを与えてくれるような感じです。



motoshi chikamori++kyoko kunoh
Galerie Teo
東京都品川区東五反田2-5-15 3F
8/25(土)〜9/21(金)日月祝休
11:00〜19:00
++Galerie Teo8/25DM.jpg

面白い!楽しい!
インタラクティブなメディアアート。
きっと相当高度なテクノロジーが組み込まれているはずなのですが、その作品に触れる印象はたいへんアナログ。
遊び心に富んだ素敵なインスタレーションが繰り広げられています。



《8/25》
CROSS POINT 小竹美雪X池田潤
シロタ画廊
東京都中央区銀座7-10-8
8/20(月)〜8/25(土)
11:00〜19:00(最終日:〜17:30)
CROSS POINT8/20DM.jpg

多摩美在学中のアーティスト4名を、2人ずつ2週にわたって紹介する企画。
その1週目は銅版画の小竹美雪さんとシルクスクリーンの池田潤さん。

小竹さんの作品は、まず紙の渋い色調が印象的です。
そこに繰り広げられている世界は、同じ、あるいは微妙に違うパターンが画面の中のそこかしこに存在し、静止画なのに時間の経過や動きを感じさせてくれるユニークな雰囲気に溢れています。

小竹美雪01

刷った版画を同じ紙の上にコラージュしていくという手法で、踊るようにさまざまなパターンが重なってリズミカルな雰囲気を演出しています。
今回の展示では比較的色調が統一されていましたが、もっと弾けた色彩が登場したらさらにダイナミックになるかも、と想像したり。

小竹美雪04 小竹美雪03

小竹美雪02


池田さんの作品は今年のワンダーシードで拝見していたのですが、そのときのある風景を描いた作品とは違うテイスト。
抽象的な作品が並んでたのでちょっと印象が違ってびっくり。
しかし、何度も重ねてプリントされることで、画面に乗る絵の具の分厚い塊に細かい気泡や色彩の重なりが偶然に生み出すミニマムな面白さが発せられています。

池田潤01 池田潤02

各コーナーで繰り広げられている統一感のある世界。
無機的な構成もクールな風合いを演出しています。

池田潤04 池田潤05

池田潤03



絵描きポニィの始まり
フタバ画廊
東京都中央区銀座1-5-6 福神ビルB1
8/20(月)〜8/26(日)
11:00〜19:00(最終日:〜16:00)
Pony8/20DM.jpg

ペンによる細かい絵が印象的な展示。

まず、奥のコーナーに1点展示されていた立体作品。
マネキンの頭部に乗る、珊瑚のような複雑なうねり。これだけアグレッシブな作り込みなのに、実に静的なイメージなのも興味深いです。

Pony02

Pony01

そして、ギャラリーをぐるりと囲むペン画。
赤系統の暖色の線は、錆びた針金や焼き付けられて焦げたような風合いで、レトロな渋い風合いを醸し出しています。
そういう独特の味わいの線で描き上げられるモチーフは、たいへん有機的。
全体も何らかの生き物のようで、そのなかに人物の顔などが潜んでいたりもして。
精緻な構成の中にさまざまな要素を見つけていくのを楽しんだり、作品によっては重厚な額に収められるなどしてちょっと古めかしい雰囲気を味わえた次第です。

Pony06 Pony05 Pony04

Pony03



小橋陽介
GALLERY MoMo
東京都港区六本木6-2-6 サンビル第3 2F
8/25(土)〜9/22(土)日月祝休
12:00〜19:00
小橋陽介8/25DM.jpg

なんかもう。
一度その面白さが分かると、もう何が出てきても面白く感じられてたまらない!
今回の小橋さんの溢れる自画像も、さまざまなサイズの画面のシチュエーションでやりたい放題、弾けまくってます。


前田圭介|in the sun
HIROMI YOSHII
東京都江東区清澄1-3-2-6F
8/4(土)〜9/8(土)日月祝・8/12〜8/20休
12:00〜19:00

この展示の構成に静かな驚きがじわじわと沸き起こってきます。

女の子が鳥かごの中の小鳥に話し掛ける、なんとも素朴な絵。
その絵が燃やされている様子、この絵の紙のまわりが焦げちゃってるもの、くしゃくしゃに丸められて広げられ、さらに落書きされているもの...。
いろんなシチュエーションで提示されているなぁ、と順に流して観ていて、ある刹那、そこに展示されている作品がおそらくすべて手描きなのに気付き、心底驚いた次第で。

正面の壁に1点だけぽつねんと展示された小品に描かれている風景画の精緻さを観ると、その再現力にも納得。
モチーフとなる絵が素朴なだけに、余計に驚きの度合いが大きかったです。


今井俊介 Shunsuke IMAI : empty eyes
zenshi
東京都江東区清澄1-3-2-6F
8/4(土)〜9/22(土)日月祝・8/12〜8/20休
12:00〜19:00
今井俊介8/4DM.jpg

さまざまなシルエットが、爽やかなパステル調の色彩で重なる作品です。
そのシルエットも、色面と、花や葉の曲面の立体感を表すかのように細い線で描き出されたもとのが重なって、ひとつの画面にいろんな時間も折り重ねられているような印象を覚えます。
ギャラリーの壁の相当に広い面もダイナミックに絵が描かれていて、この壁画とパネルの作品との重なりがユニークな空間をつくり出しているのも面白いです。また、壁画がパネルの作品を拡大したものになっているようで、その一致を探し出していくのも面白いんです。


麻生知子「夏にいる人」
Gallery Jin
東京都台東区谷中2-5-22
8/17(金)〜8/26(日)月火休
12:00〜19:00(最終日:〜17:00)
麻生知子8/17DM.jpg

昨年、トーキョーワンダーサイト本郷での展示を拝見していた麻生知子さん。
ちょっと汚れた感じの背景に食べ物や目洗い場で目を洗う男の子など、さまざまなモチーフが描かれています。
で、今回は本郷での展示と違って明るめの照明。
やっぱり食べ物は明るいところで観たほうが美味しそうです(笑)。麻生さんが描く食べ物はとにかくジャンキーな風合い、安っぽさが充満してるのですが、そういうものに限ってたまに凄く食べたくなるもので、観に行った時間」が夜7時頃ということもあってか、おなかが空いて空いて(笑)。

麻生知子03 麻生知子02

奥の小さなスペースには版画作品がいっぱい。
ざっくりとした色面の構成が痛快です。

麻生知子04

ホント「これで良いの?」と思っちゃうようなイージーな絵なんですが、逆に魅力的というか...
やられた、参りました、という感じです。

麻生知子01


加藤千尋 花信
Yuka Sasahara Gallery
東京都新宿区西五軒町3-7 高橋工芸社ビル3F
8/25(土)〜9/29(土)日月祝休
11:00〜19:00
加藤千尋8/25DM.jpg

鮮やかな色彩のアバンギャルドさが魅力の加藤千尋さん。
これまでは立体の作品を拝見していたのですが、今回の展示では平面の作品が発表されています。
平面で加藤さんのイメージが再現されることで、逆に立体では再現できないようなイメージも浮かんできます。



《8/26》
大谷有花×川田祐子2人展 〜おしゃべりな色 思い出す色〜
相模原市民ギャラリー
神奈川県相模原市相模原1-1-3 駅ビルNOW4F
7/21(土)〜8/26(日)水休
10:00〜19:00
大谷x川田7/21パンフ.jpg

最終日に滑り込みで。
ふたりの女性のアーティストの一連の作品がパッケージされた展覧会。

手前が川田祐子さん。
至近で観たときと、引きで観たときの注目点が劇的に異なるユニークなクリエイションです。
大きな画面に施された無数の細かい線。そのほとんどがアクリル絵の具で描かれたものということもあって、その気が遠くなるほどの作業の痕跡に脱帽なのですが、そういった感心の前に、絵の中に繰り広げられているさまざまなうねりや流れに心がゆだねられ、不思議な心地よさが広がります。
全体を眺めると、うろこ雲のようでもあったり、あるいは透明の水辺のようだったり...至近で観たときの緻密さとはまったく違う、ナチュラルな風合いがなんとも清々しいんです。

奥が大谷有花さんのコーナー。
もうおなじみの世界が繰り広げられていて、過去の作品も多く出展されているのですが、なにより嬉しかったのが、昨年はじめの府中市美術館での展示で発表された幅10mにも及ぶ大作が再びお目見えしてたことで。
前回は大谷さんの空間全体がキミドリに染まっていたのですが、今回は白の壁にそのまま展示されていて、より作品のなかの世界をそのままに感じ、味わえた気がします。
また、先のGALLERY MoMoで発表されたシリーズも展示され、大谷さんのこれまでの作品の変遷が堪能できる機会としても嬉しい展覧会でした。
posted by makuuchi at 08:28| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月25日

review:八木良太 個展 直線か円環か積層か《8/22》

八木良太 個展 直線か円環か積層か
無人島プロダクション
東京都杉並区高円寺南3-58-15 平間ビル3F
8/22(水)〜9/22(土)木金土のみ(月〜水は要予約)
11:00〜19:00
八木良太8/22DM.jpg

Ryota Yagi Exhibition Line or Circle or Layer or
@MUJINTO Production
東京都杉並区高円寺南3-58-15-3F Koenji-minami,Suginami-ku,Tokyo
8/22(Wed)-9/22(Sat) only Thursday to Saturday (appointment only on Monday to Wednesday)
11:00-19:00
Google Translate(to English)



さまざまな「時間」の提示。



昨年に続いて無人島プロダクションで始まった八木良太さんの個展です。
八木さんのクリエイションは、このコンパクトなスペースでの展開がホントに良く合います。


今回の個展では、3つの展開が提示されています。

入口すぐに展示されたシルクスクリーンのモノクロームの砂時計の絵。
ナチュラルな木の色が爽やかな横長の額に収められ、ちょっと斜めに掛けられた作品。
斜めに掛けられることで中の砂時計が水平に置かれたようになっている... ように見えるのですが、正確にそうなっているかは何ともいえないのがまた、面白く感じられます。
もしかしたら、逆さまに掛け直したら反転して白い砂が落ちる砂時計に見えるのかな...と今になって想像してみたり。。。


1点だけの平面作品をイントロに、もうふたつの展開では八木さんならではの時間の提示とイメージの誘いが詰めこまれています。

入り口の左側、カウンターの右横に設置されたターンテーブル。
その横の壁の棚にはレコードが2枚。
八木さんの(作曲という意味ではないけれども)コンポジションによる音源がカットされたレコードで、それぞれこの高円寺の奥まった空間から異なる世界へと誘ってくれます。
レコードの特性、裏と表、あるいは巡行と逆行で再生が可能なこと、そういったメディアとしてのユニークさが存分に活かされて、なんとも不思議なイメージを沸き起こさせてくれる作品に仕上がっています。
言葉にして説明しようとすると難儀を極めそうなのですが、実際に提示されると分かりやすくて、そのおかげでよりイメージの広がりも活性化させられます。
黒地にタイトルがプリントされただけのシンプルなレコードケースもかっこいいです。


いちばん奥は、ブックファイルの作品です。
・・・といっても、そのファイル自体はほぼ全面は真っ白なのですが。

しかし、これが面白い!
こういったアプローチがあったのか、と大いに感心した次第。
このインパクトを一言で表すならば、ドラえもんの道具がひとつ、実現化したような感じ、

台の上においてページをめくると、そのファイルの各ページで絵が動きます。
ページをめくるとその絵も変わります。
細かな仕組みは伏せておきますが(「その手があったか!」と思わず唸りました)、台の上に設置されたカメラからファイルの各ページに映像が映し出されるというもの。
取り上げられている映像も、過去の八木さんのキッチュな作品もあったりして、立体的に八木さんのクリエイションが体感できます。
特に、各ページごとにその変化の状況を収めた例の氷のレコードの作品は、時間の提示としてもたいへんユニークに感じられます。


いかに異なる時間を提示するか、そして、しかも分かりやすく。
ある一定の速度で進み続けている時間のイメージに挑戦するのは結構たいへんなことのように思えるのですが、八木さんの場合、それを飄々とこなし、それでもってちゃんとエンターテイメントとして提示しちゃってるところがすごいなぁ、と。

現在、水戸芸術館併設のギャラリーでも個展が開催されていて(〜10/14)、こちらはもっとダイナミックに空間を活かした映像作品が展示されているそう。伺えるかどうか難しいところなのですが、すごく気になってしまいます。
posted by makuuchi at 10:08| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月23日

review:Bunkamura ART SHOW 07 -extremes meet-《8/17、8/18》

Bunkamura ART SHOW 07 -extremes meet-
Bunkamura Gallery
東京都渋谷区道玄坂2-24-1
8/17(金)〜8/26(日)
10:00〜19:30
BAS07 DM.jpg

Bunkamura ART SHOW 07 -extremes meet-
@Bunkamura Gallery
2-24-1 Dougenzaka.Shibuya-ku,Tokyo-to
8/17(Fri)-8/26(Sun)
10:00-19:30
Google Translate(to English)


今年で4回目を迎えたBunkamura Art Show。
今回は7名のアーティストがフィーチャ−され、平面作品を中心に、映像やインスタレーションも含む幅広いクリエイションが紹介されています。
会場を3つのブースに区切り、さらにそれぞれのブースが2名ずつが対角で分けられて展示されています。


会場の手前で、谷川夏樹さんのコンテナが出迎えてくれます。


BAS07谷川夏樹03



今年のはじめに開催されたTakuro Someya Contemporary Artでの個展が」印象に強く残る松山智一さんの独特の色彩感を放つ作品が力強く出迎えてくれます。

作品は、先の個展で発表されたもので、あのときの空間をたっぷりと使ったインスタレーションが、コンパクトに収まっている感じです。
こうやって他のアーティストの作品とパッケージされると、その個性的な色彩やかたちの「解釈」の面白さがより際立って感じられ、たいへん興味深いです。


BAS07松山智一03 BAS07松山智一02

BAS07松山智一01



松山さんのカラフルでポジティブな色彩の向かいには、谷澤紗和子さんのほぼ無彩色のダークな世界が繰り広げられています。このコントラストはかなりのインパクトをもたらしています。

頭髪の流線、あるいは有機的なものがモチーフとなった鉛筆画。
小さな作品ながら、放たれルダークな雰囲気にはある種の引力を感じます。


BAS07谷澤紗和子03 BAS07谷澤紗和子04


立体作品にユニークなものが多いのも印象的です。
ART AWARD TOKYOでも紹介されていた、ネイルチップで作り上げられた花。その際に発表された作品を比べると小さいですが、内部から発光し、静謐な華やかさと抜群の存在感を醸し出しています。


BAS07谷澤紗和子01


小さな丸イスの上に乗るスプーン、その上に掬われた砂糖が天井まで続くインスタレーション。
ユーモアに潜む鋭さ。


BAS07谷澤紗和子02


他、大画面の鉛筆画や髪の毛、動物などのインスタレーションも。
白い空間でこれほどまでにダークな感触が伝わってくるので、もし空間全体のインスタレーションとなったらどうなるんだろう、と興味も湧きます。


BAS07谷澤紗和子05



YOKOI FINE ARTでペーパーワークスの作品を集めた個展も開催されている石居麻耶さん。こちらでは、板に主にアクリル絵の具での彩色の作品が展示されています。

これまでの作品とはまた若干のテイストの違いを感じます。
例えば、用いられる色。石居さんの作品を初めて拝見した頃はカラフルで明るい色彩の印象があったのですが、今回の作品は独特の青が印象的です。初めて目にするかも知れない青。
ある風景だが切り取られたのではなく、そこに流れる時間がもっとゆるやかに画面に収められたような印象で、そこを通り過ぎていった人々の思いや感情が残り香のように潜んでいるようにも思えます。
そういった風合いがさらに全面に押し出されたような印象です。
無論、細やかなスクラッチは相変わらず。ただ、下地のそのままの質感が残された部分も多く見受けられ、そのコントラストが景色の深みをさらに醸し出しています。


BAS07石居麻耶03 BAS07石居麻耶02

BAS07石居麻耶01


このほか、縦長の大きな作品も。僕が拝見した石居さんの作品の中ではもっとも大きなサイズで、すっと作品の中の時間に心が入っていきます。



山田純嗣さんの作品は、写真と銅版とを組み合わせたユニークなプロセスを経て制作されています。
モノクロームの画面に繰り広げられる、自作のジオラマの写真に銅版による線が重なって生み出された世界は、ファンタジックでフィクショナルなムードが軽やかに漂います。


BAS07山田純嗣03


今回の展示で嬉しいのが、写真に撮影されているモチーフも展示されていること。
平面としての最終形の作品と、その写真のモデルとなった作品とのツーショットも。


BAS07山田純嗣02


床面には大きなジオラマが展示されていて、これがまた素晴らしいです。
ただ眺めているだけでいろんな想像が湧いてきます。人は存在していないのですが、そこで遊ぶイメージが浮かんでとにかく楽しいんです。


BAS07山田純嗣01



現在、ウィーンが活動の拠点の小沢さかえさんのタブロー。
まずその色合いに惹かれます。


BAS07小沢さかえ03


なにか別の要素が混じったようなそれぞれの色彩。
原色感から離れ、それぞれ表すのにひとつひとつ「○○のような緑」みたいに言葉を用意したくなるような独特な色によって、現実ともフィクションともとれるような曖昧さをたたえたシーンが繰り広げられています。


BAS07小沢さかえ02


さまざまなサイズの作品がおさめられて、不思議な魅力を放つ色彩に囲まれてその世界に引き込まれます。
素朴さも、奥深さも感じられる風合い。その「続き」やそれまでの「道のり」も思い浮かべていきたくなってきます。


BAS07小沢さかえ01


谷川夏樹さんの作品は、そののびやかな風合いが気持ちいい!
コンテナに描かれた丸い笑顔のユーモラスな感触。そして、それらがめいっぱいに広がる青空の下で伸びやかに、陽射しを受けてからりと佇む様子や、明るい時間のポジティブな雰囲気が画面から放たれて痛快です。


BAS07谷川夏樹02

BAS07谷川夏樹01

残念ながらコンテナが渋谷や表参道を走るところには出くわせなかったのですが、その様子は会場内のモニターで上映されているそうなので、そちらも改めてチェックしに行きたいです。


会場の外のウォールギャラリー、GALLERY+で展示されているのが小西俊也さんの映像作品。
壁に貼られたピンクの紙。その上にはこの紙を小西さん自らが貼っている様子の一部始終が撮影された映像がオーバーラップして上映されています。


BAS07小西俊也01

BAS07小西俊也02


そしてもうひとつ。
ちいさな回路が整然と配されたパネルが床置きに展示された作品。


BAS07小西俊也04


こちらの作品は、この作品を設置するところまで、この場所を行き交う人の様子がパネルの上に上映されています。


BAS07小西俊也03


この作品が面白いのは、パネルに影がかかると影になった回路のセンサーが反応し、緑の光が点灯すると同時に細かいノイズが響くところ。
ここに被さる映像でも、またここを人がリアルタイムで通過しても、その度に「カチャカチャカチャカチャカチャカチャ」と発音するんです。
これはかなり面白いし、気持ちいい!
このインタラクティブな要素は、ぜひ体感してほしいです。


BAS07小西俊也05



まるで7つの個展を観たかのような充実感。
もちろん、それぞれのアーティストの今後の展開も楽しみになってきます!
posted by makuuchi at 09:26| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月22日

review:"BY A FOREST" 原良介《8/19》

"BY A FOREST" 原良介
Gallery Stump Kamakura
神奈川県鎌倉市十二所848
8/11(土)〜9/2(日)木〜日オープン
13:00〜20:00
原良介8/11DM.jpg

"BY A FOREST" RYOSUKE HARA
Gallery Stump Kamakura
848 Juniso,Kamakura-shi,Kanagawa-ken
8/11(Sat)-9/2(Sun)Thursday-Sunday
13:00-20:00
Google Translate(to English)



以前から一度伺いたいと思っていたGallery Stump Kamakuraに、この夏ようやく行くことができました。

アーティストが企画運営するユニークな形体のスペースが今回フィーチャ−しているのが、原良介さん。
YUKA SASAHARA GALLERYでの個展を拝見していて、目の荒い麻布に描かれた花や人物のモチーフが、麻布の物質感とそこに灯るように描かれた明るめの色彩とのコントラストが印象に残っていたのですが、今回拝見した作品は、そのときとはちょっと違う風合いです。


鎌倉駅からバスに乗って十二所のバス停で降り、しばらく歩いて辿り着いたGallery Stump。
一軒家を改装したようなスペースは縁側から中の様子が見て取れるのですが、まず壁一面を追おう大画面の作品が目に飛び込んできます。


原良介01
(C)YUKA SASAHARA GALLERY


とにかく眺めていて気持ちがいいです。
ひとつの風景の中に3つの人影、おそらくひとりの女の子が動き回っている様子が描かれているような感じです。

絵の中の要素はひとつひとつがていねいに再現されるというより、描き手が過ごした時間と観た印象をそのまま画面に映し出されていったかのような感じです。
そして、この画面の大きさに対する気負いのようなものは一切感じられず、むしろこの広さに描くことを楽しんでいるかのような印象さえ受けます。

もともと絵を展示する建物ではない空間なので、天井もそれほど高くなく、大きな作品を見るための空間的な奥行きも充分ではないのですが、それでいて、床に座って見上げていたり、あるいは隣の部屋から、さらに縁側から外に出て庭先から、といった具合にさまざまな場所や角度から眺めても、これほどまでに大きな作品なのにまったく圧迫感を感じないもの、この作品に接しながら湧いてくる気持ちよさに繋がります。


原良介06 原良介05



他にも、シンプルな夜の風景を描いた作品や、モチーフがフィクショナルにかたちを変えていったかのような作品も。
いずれにしても、大作と同様に気負いのない、思い浮かんだ景色を画面に描いていくような自由さや、その過程で偶然に現れる筆の流れによる動線や色のコントラストなども面白い要素としてどんどん取り込まれていく痛快さも楽しく感じられます。


原良介02

原良介03
(C)YUKA SASAHARA GALLERY



この伸び伸びとした風合いは、原さんの作品からも、鎌倉の奥まった場所という地理的なことからも伝わってきます。
開け放たれた窓や扉から入ってきたバッタが床に佇んでいたりする様子も楽しく感じられた次第で。

事務所のスペースにはGallery Stumpのメンバーの作品が展示されていて、こちらも楽しめます。
さまざまな個性が集っているのが良く分かり、代表の栗原一成さんともたくさんお話しさせていただいて、今後もいろいろと楽しみになってきます。
都心からだとちょっと距離がありますが、ぜひとも足を運んでほしい場所です。

鎌倉にはほかにも数軒、常々気に留めているスペースがあって、僕自身、機会を見つけてマメに伺わなければ、と感じた次第です。


原良介04
(C)YUKA SASAHARA GALLERY
posted by makuuchi at 08:42| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月21日

review:木藤純子/山口智子《8/7、8/11》

木藤純子/山口智子
ギャラリー小柳
東京都中央区銀座1-7-5-8F
8/7(火)〜9/8(土)日月祝・8/12〜8/20休
11:00〜19:00
木藤純子・山口智子8/7DM.jpg

Junko KIDO/Tomoko YAMAGUCHI
@GALLERY KOYANAGI
1-7-5-8F Ginza,Chuo-ku,Tokyo
8/7(Tue)-9/8(Sat) closed on Sunday,Monday,national holiday and 8/12-8/20
11:00-19:00
Google Translate(to English)



平面とインスタレーション。それぞれにユニークな個性を感じる、 二人の女性アーティストがフィーチャーされた展覧会です。



山口智子さんの平面の作品。
さらりと描かれた女の子たち。


Tomoko YAMAGUCHI 01


僕が最初に山口さんのクリエイションに触れたときの感触では、作品そのものの世界に入り込むより、不思議と作品から「味覚」のイメージが導かれました。
山口さんのクリエイションがもしお店に並としたら、きっとお菓子のコーナーだろうなぁ、と。。。
しかし、一見して甘いイメージが感じられる風合いも、じっくりと作品に囲まれながら時間を過ごしていると、例えばミントチョコレートのミントだけ、ストロベリーの甘い部分を差し引いたらどんな味だろう、など、むしろ甘さの中に潜む刺激や苦味といったイメージが湧いてきて、それは自分でもすごく意外に感じた次第で。

山口さんの作品は、張られたキャンバスの側面も彩色されていて、まるでリボンのように明るい色で塗られ、絵の中の世界がかわいらしくデコレートされています。そこからは、仕上げのワクワクした感じというか、大切なものを包む楽しさも伝わってきます。
浮かぶイメージは、カラフルな包み紙でくるまれているけど、その中身は実は濃厚なブランデーが入った一口チョコレート。絵のどこか物憂げに感じられる雰囲気とのギャップがアクセントとなって、この場面にイメージの奥行きを与えているように感じられます。


Tomoko YAMAGUCHI 03

Tomoko YAMAGUCHI 02



初日と土曜日と、2度足を運んでいますが、2回目に拝見したときは、より絵の中の女の子の表情に惹かれました。

その雰囲気、佇まいで、言葉にならない想いを語る女の子。

ひとつひとつの仕草に魅入られ、何よりその「目」に引き込まれて、作品の中の時間が心をよぎります。
アンニュイな空気を満たしながら、純粋で無垢にも、逆にこちらを探っているようにも感じられる表情。視線はうつろだったり、かと思えばこちらをじっと見据えているようでもあったり。
作品によってさまざまで、それも正面から、あるいは斜から眺めるとまた異なる表情を見せてくれて、いろんな想像が浮かんできます。


Tomoko YAMAGUCHI 04



展示空間の中にするりと織り込まれるインスタレーションも、全体のアクセントとなっています。
女の子らしい風合いがより演出されているような。


Tomoko YAMAGUCHI 09 Tomoko YAMAGUCHI 10

Tomoko YAMAGUCHI 08



足を運び、作品の世界に触れる度に、いろんな想像を思い浮かべさせてくれるような。
観る側の気分や感情にあわせることも、すかすこともありそうな。



Tomoko YAMAGUCHI 06

Tomoko YAMAGUCHI 05




木藤純子さんのインスタレーションは、奥に設置された暗室で繰り広げられています。

その中に入る手前、入口付近に既に散らばる桜の花弁。
黒い布が重なる入口をくぐって中へ入ると、真っ暗な中にいくつかの白い光が放たれ、吹く風に桜の花弁が足元をうごめきます。

いくつかの台の下に隠されるように設置されたファンは、時間をおいて稼動したり、止まったりを繰り返します。あちらが止まったかと思えば、こちらが回り始めたり...概ねそんな塩梅で。
白い光が射す場所は、偶然か意図的か分かりかねるのですが、吹き溜まりとなっていて桜の花弁の群れが園白い光を浴びて仄かなピンク色を静かに輝かせます。

暗がりに現れる色彩は、実に神々しく感じられます。
さらに、無機的であるはずのこの空間は、アルコールが綿に染み渡るようなスピードで、好奇心をすっと溶かしてくれます。
浮かぶ色彩だけでなく、光によってわずかに照らし出される台のシルエットにも静謐感が漂い、ごくわずかな影のコントラストが美しく感じられます。

しばらく過ごして印象的だったのが、すべてのファンが可動を停止したときに訪れる静寂。
ゆっくりと旋回する中央の光だけが時間の経過を感じさせ、緊張と安堵とが同時に沸き起こって危うく感涙しそうになったほど...。


Junko KIDO 01



まるで裏表の関係にあるような、山口さんと木藤さんのそれぞれの空間。
異なる時間が交差しているようにも感じられて、深く印象に残ります。
体で様々なことを見つけていける、できれば何度も体感したい展覧会です。


Tomoko YAMAGUCHI 07



**********

エレベーターの正面から続くスペースにも作品が展示されています。
こちらが佐藤允さんの作品。
画面に凝縮された線で塊のように描き上げられた魑魅魍魎の世界は、溢れる、というよりむしろ画面から絞り出されたかのような力強さで、「何が起こっているのだろう」とおもわず身を乗り出して凝視してしまうほどの見応え。
こちらも見逃せないクリエイションです。
posted by makuuchi at 09:02| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月20日

〜8/19のアート巡り

《8/14》
石居麻耶展
YOKOI FINE ART
東京都港区元麻布3-1-35 c-MA3レジデンス101
8/14(火)〜9/2(日)月祝休
12:00〜20:00(アポイントメントオンリー)
石居麻耶8/14DM.jpg

石居麻耶さんのペーパーワークスが展示されています。
変わらぬ精緻な表現と、むしろ機能を追求されたような建造物がある景色が取り上げられている作品が多いのが印象的で、それらが色鉛筆のやさしい色で空の青や地面の影といっしょに描かれて、たいへんさわやかな表情で画面におさめられていて、清々しい雰囲気に溢れています。
石居さんは開催中のBunkamura Art Showでパネルの作品を出展されていて、同時期に違う場所で異なるテイストの作品が観られるのも嬉しいです。


《8/15》
キュレーターズチョイス07 対話する美術館
東京都写真美術館
東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
8/11(土)〜10/8(月)月休(祝日の場合は開館、翌日休)
10:00〜18:00(木金:〜20:00)
キュレーターズチョイス07.jpg

東京都写真美術館のスタッフが、その膨大なコレクションの中から「これ!」というものを紹介しているユニークな展覧会です。
ホントにさまざまなアプローチで溢れていて、じっくりと楽しめます。
記録としての写真、芸術としての写真、その狭間を行き交うもの、資料としての価値が高いものなど、ていねいに区切られたコーナーごとに選者のコメントが添えられて展示されています。
まるでいくつものちいさな展覧会を一ケ所で楽しむような感覚。ぜひお薦めしたい展覧会です。


《8/17》
Bunkamura ART SHOW 07 -extremes meet-
Bunkamura Gallery
東京都渋谷区道玄坂2-24-1
8/17(金)〜8/26(日)
10:00〜19:30
BAS07 DM.jpg

毎年恒例となっているBAS。
今年は7名のアーティストがピックアップされ、それぞれがのびのびとその個性を発揮しています。
今、面白いものを実感できる展覧会です。


《8/18》
線の迷宮<ラビリンス>―細密版画の魅力
目黒区美術館
東京都目黒区目黒2-4-36
7/7(土)〜9/9(日)月休(祝日の場合は開館、翌日休)
10:00〜18:00
線の迷宮7/7 パンフ.jpg 線の迷宮7/7 パンフ02.jpg

佐伯洋江さんの作品に惹かれます。
Taka Ishii Galleryでの個展を拝見して以来、鉛筆の精緻な描き込み、ところどころにあらわれる金色、銀色の色鉛筆が添えるアクセント、または赤や白も登場しながら、先鋭的でありながら、独特の日本的な感覚も感じられて、そのユニークさは忘れられず。
そして、その精緻さともうひとつ、贅沢な余白にも意識が吸い込まれていきます。
支持体として扱われているケント紙、これは「張って」あるのか「貼って」あるのか・・・その判別が僕には分からないのですが、いずれにしても、凪を打つようにフラットになった紙の美しさも格別です。
何も描かれていないまっさらな紙の表面にわずかに混入する異物も絶妙のアクセントに感じられます。
そして、良く見ると...画面の右下か左下、紙の裏に書かれたサインが見つかります。ということは、やっぱり「張って」あるのかな、と想像するのですが、いずれにしてもほぼモノクロームで描かれた緻密で独特な世界と広々とした画面に広がる余白のコントラストが奏でる美しさは格別です。

小川信治さんのあの再現力には毎度脱帽。
あるものを無くする、あるいはあるものをもうひとつ描き加える、というアイデアが、そのアイデアの面白さだけで終わっていないことの凄みといったら。
描き加える作品の中で、女の子がリピートされている作品はもう、背筋が凍るくらいのスリルが伝わってきた感じです。

鉛筆といういちばん馴染みのある素材で繰り出される世界のダイナミズムが堪能できる、時間を忘れて観ることに没頭してしまう展覧会です。
地味そうな企画なのですが、適度な込み具合で鑑賞者に溢れていて、その誰もが画面に近付いてそこに描かれている光景に釘付けになっていたのもたいへん印象深いです。


《8/19》
"BY A FOREST" 原良介
Gallery Stump Kamakura
神奈川県鎌倉市十二所848
8/11(土)〜9/2(日)木〜日オープン
13:00〜20:00
原良介8/11DM.jpg

はじめてのGallery Stump Kamakura。ずいぶん前から伺いたいと思っていて、ようやく念願が叶いました。
原良介さんの作品は、YUKA SASAHARA GALLERYでの個展でも拝見していたのですが、そのときとはちょっと違うアプローチ。しかし、ここでしか味わえない雰囲気もあり、それがなにより嬉しく感じられた次第です。
posted by makuuchi at 08:47| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月19日

review:紺泉 ある庭師−多分のひととき《8/15》

紺泉 ある庭師−多分のひととき
原美術館1F、中庭、およびカフェ・ダール
東京都品川区北品川4-7-25
8/10(金)〜8/31(金)月休
11:00〜17:00(水:〜20:00)
紺泉8/10DM.jpg

IZUMI KON : A CERTAIN GARDENER-A MOMNET OF PLENTITUDE
@Hara Museum of Contemporary of Art 1F,the inner garden,and Cafe d"art
4-7-25,KIta-Shinagawa,Shinagawa-ku,Tokyo
8/10(Fri)-8/31(Fri) closed on Monday
11:00-17:00(Wed:-20:00)
Google Translate(to English)


夜に、観てみたかったんです。


原美術館での紺泉さんの展示。
少し前に始まって、少し後まで続いてる同美術館のコレクション展に併せて開催されているのですが、紺さんの展示は以前に代々木上原のGALLERY at lammfrommでの個展で拝見していて、ギフトのようにひとつひとつデコレートされた作品が醸し出すオシャレな雰囲気が印象に残っていて、その紺さんのインスタレーションが原美術館の中庭で繰り広げられるということで、楽しみで。


夏休みの水曜日。
午後の遅めの時間に原美術館に着いて、コレクションの展示をまずは堪能。

知っているアーティスト、未知のアーティスト、時代もスタイルもアプローチもさまざまなクリエイションが、そこかしこが古びていて、それらがこの空間の味わい深さを演出するそれぞれの部屋にていねいに配置され、展示されています。
さらっと出品リストを確認する限り、1950年代の作品がいちばん古くて、新しいものは加藤美佳さんや名和晃平さんの昨年制作の作品まで、たいへんバラエティに富んでいるのですが、こうやって異なる時代の現代美術の作品をひとつの建物の中で見ると、いかにこの50年が起伏に富んでいたかを強く実感します。

例えば、19世紀から20世紀へと移行する前後の欧米の50年のクリエイションが一堂に会したとして、そのなかにはざっと思い浮かべるだけでも印象派やらフォーヴィズムやら、いろんなムーブメントは起こってるのですが、これほどまでに50年の幅をダイナミックに感じることはあるのかな、と思うんです。

そして、ここで提示された50年間のクリエイションに接して、50年前、もうすこし最近でもかまわないのですが、そのときに「前衛」の最前線を、おそらく意識的に張っていたものほど、古めかしく感じられるのもなんだか不思議な感じです。
当時はむしろ「暴力的」だったかもしれない作品が、「新しさ・斬新さ」を過ぎた時間によって失い、むしろ穏やかに接してくれているように感じられます。


加藤美佳さんの色使い、李禹煥の時代を超えたキャッチ−さ、名和晃平さんのファンタジー、森村泰昌の自虐、笹口数の箔押しの魅力、常設ながら、須田悦弘さんの究極。
ゆったりと現代美術の魅力を堪能した次第です。



紺泉さんの作品は、受付の手前隣のショーケースと、弧を描く廊下の壁にまず展示されています。

ちょっと厚めのパネルにマウントされた絹を支持体に、軽やかな色彩をベースに描き出されたクラフィカルな構図とかわいらしいアクセント。
廊下の動線が、隣り合う作品同士の関係性を導いてくれるような配置も楽しくて、敢えて同じシリーズの作品をひとつの視界に収め、アニメーションのように絵が動くイメージを思い浮かべてみるのも面白いです。

廊下を進むと、描きかけの作品も。
ライブペインティングこそ行われるよ予定はないそうなのですが、会期中に紺さんが手を加えていかれるようで、会期の終わり頃にはどんな色彩に染まっているのかなぁ、と。

lammfrommでの展示でも発表されたお皿の絵柄の原画も展示されているのも嬉しいです。
画用紙に描かれていることが、お皿にプリントされた絵柄の印象からは考えもつかず意外な感じで。


中庭のインスタレーション。
緑の芝生とのコラボレーション。

ある「庭師」も、ずいぶん粋な演出をするものだなぁ、と。
庭に入って、実際にその中を歩いたり、しゃがんだりしながら。
つよく主張するのではなくて、肩肘張らない穏やかさが嬉しくて、このインスタレーションとそのなかに自分がいる事実とがすんなりと馴染みます。


Cafe d'artでお茶も。
紺さんの展示に併せて用意された2種類のスウィーツから、ブロッコリーのマフィンを選択。
マフィンがふたつ、紺さんのブロッコリーの絵がプリントされたお皿の上に乗って出てきます。
コクのあるチーズ味と、やさしい甘さが広がるははちみつ味。
空いたお皿をテーブルの上においたまま、窓からだんだんと暮れ行く中庭のインスタレーションを眺めていると、手前のお皿が外のインスタレーションに組み入れられているお皿と呼応して、ひとつの展示として繋がったような印象もあって、なんだかそういうイメージにも感じ入った次第で。


夜。
控えめにライトアップされた中庭は、深いグリーンが闇の中でぐんとその存在感を増し、陽が高い時間には見せなかった密度の濃い表情を見せてくれます。
どこか演劇的な雰囲気を感じるのもまた興味深いです。



なんだかんだでずいぶんと長い時間、コレクション展と紺さんの展示とを行き来しながら過ごしてしまいました。
いただいたスウィーツとコーヒーも含めて、後味の心地よさもあたたかい展覧会です。
posted by makuuchi at 11:47| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月18日

review:メルティング・ポイント《8/14》

メルティング・ポイント
東京オペラシティアートギャラリー
東京都新宿区西新宿3-20-2
7/21(土)〜10/14(木)月休(祝日の場合は開館、翌火休)
11:00〜19:00(金土:〜20:00)

Melting Point
Tokyo Opera City Art Gallery
3-20-2 Nishi-Shinjuku, Shinjuku-ku, Tokyo
7/21(Sat)-10/14(Thu) closed on Monday (Tuesday if the Monday is a public holiday)
11:00-19:00(Friday and Saturday:-20:00)
Google Translate(to English)



さて夏休み。
せっかくだし美術館へ行こうと思い立ってまず選んだのがオペラシティのこの展覧会。


カウンターで料金を払い、一般1000円と思い込んでたらお釣で100円返ってきてちょっと得した気分で受付へ。



最初の展示室の入口手前にある受け付けのスタッフの方に、チケットに日付けを入れてもらうわけですが、そこへと向かう直前に、最初の展示室の光景を一瞬視界が捉えます。








い?Σ( ̄口 ̄;)


素で驚く自分。
律儀に区切られた入口から向こうがまったくの別世界になってるわけで。

チケットにスタンプで印字してもらった後、あらためて満を持して入場。
最初の展示室がジム・ランビー。

MELTING POINT03.jpg

床一面に貼り巡らされたテープによってつくり出された強烈な動線。
伸びる直線は果てしなく、広い展示室の端から端までずーっと続いて、眺めているだけで酔いそうになるほど。

そこに置かれたいろんなオブジェ。構成がシュールで、妙に謎めいて響きます。

なかでも強烈なインパクトなのが、オウムらしき鳥が小山に乗ったかたちをしていて、それが原色で塗りたくられているオブジェ。その色彩が放つ強烈な感触はもちろん、それ以上に、ノズルが外側に向けられたスプレー缶の上に置かれていて、そのノズルの先から缶の中の塗料がすべて吹き出て、オブジェの下部で様々な色の飛沫が床を染め上げているのがさらにいろんなイメージを掻き立てます。

・・・というか、どうしても思い浮かべてしまうのが、この作品の展示時の難儀な様子。

「はいバランスとってー、降ろすよー、いち、にぃ、さん」
スプレー「プシュー」
「足が足が足がァァ!」
「逃げろぉォォォ!!!」


なんてことになってたりしなかったのかなぁ、と。。。

雨にも負けず風にも負けず、足元に容赦なく吹き付けるスプレーの塗料にも、同時に放たれる激烈を極めるシンナー臭にも負けず、過緊張状態で作品を実に不安定な台座に置く作業を想像するだけで、頭が下がります。
どれくらい下がるかというととりあえず具体的な数値として90°オーバーということにしておきます。根拠は特にないです。すみません。
根拠はなくとも、作業にあたったスタッフへのリスペクトに変化はないのです。

そしてそもそも、雨と風はハナから勝負してきていないわけですがまぁまぁまぁまぁ( ´∀`)



続いて