@シブヤ西武 B館8階 美術画廊
東京都渋谷区宇田川町21-1
5/29(火)〜6/11(月)
日〜水:10:00〜20:00、木金土:10:00〜21:00(最終日:〜16:00)
ノーコントラストのポップな画面。
そこに見え隠れする動き。
シブヤ西武B館8階美術画廊で開催中の木原千春さんの個展です。
昨年のBUNKAMURA Art Showで拝見した小品が印象的だったのですが、今回の個展ではおおきな画面の作品もずらりと展示されていています。
とにかく、余白と色面との関係がダイナミックで大胆です!
ひとつの画面に収まるモチーフが究極的にデフォルメされて、いくつかのシンプルなかたちが重なることでコミカルでキャッチーな仕上がりになっているのが面白いんです。
そして、そのコントラストを排除してしまったかのようなモチーフの中に潜む筆の流れなどが、大きなモチーフのどっしりとした存在感のなかにミニマムな動きを感じ、そのギャップもたいへん興味深いです。
パネルの大画面の作品がずらりと並ぶ一角はかなりの臨場感。
ぱっと明るい色彩の色面が組み合わさってできた自画像の、そして、真っ黒を背景に幅広の刷毛による太い曲線がつくり出す巨大なカエルの「どーん!」とした姿のインパクトも印象に残ります。
額に収められた小品は、大作との対比も面白くて、なんともかわいい感じが伝わってきます。
かたちのコミカルさ、色の鮮やかさ。
そのシンプルさと小ささから、観ていて子供の心に戻ってしまうような感じもするのですが、逆にそのイメージが大人らしいような感じもして、なんだか不思議です。
はっきりとした色面の構成による作品が多くを占める中で、木原さんのアグレッシブな一面が全面に押し出されたような作品も。
尋常でない激しいうねり、何かに突き動かされるような切迫した感じが伝わる筆の運びの力強さ、画面にたっぷりと乗る絵の具の質感。
スケッチブックの1ページに描かれた小品とともに、この展示の強烈なアクセントとなっています。
そして、違う一面がこうやって提示されることで、木原さんのクリエイションの奥深さが伝わってくるような感じです。このアグレッシブなイメージを木原さんが持っていることを分かった上で、シンプルな自画像やカエルや石像の作品を観ると、その関係性がホントに興味深く感じられます。
かたちや色のポップさが醸し出すポジティブなイメージと、そのシンプルな画面に封じ込められた力強いイメージ。
第一印象でぱっと伝わる分かりやすさと、そこから少しずつ顔を覗かせてくるさまざまなミニマムな表情。
実はいろんな要素が詰まった世界。
もっと大きな画面が木原さんに与えられたらどんな世界が現れるんだろう、とか、逆にもっと小さかったら、とか...いろんな想像も膨らんでいきます。



