2007年06月29日

review:立体の魅力 vol.9 祝迫義郎《6/24》

立体の魅力 vol.9 祝迫義郎
イセザキモール・コイチ
神奈川県横浜市中区伊勢佐木町2-62
6/2(土)〜6/24(日)水休
11:00〜19:00
祝迫義郎6/2DM.jpg

一昨年、昨年に続いて開催された祝迫義郎さんのイセザキモール・コイチでの個展。
かわいくてシュールな彫金のオブジェ、今回も精緻な作り込みに感嘆。。。


そこに込められたメッセージとそのスキルに感服。



彫金アーティスト、祝迫義郎さんのイセザキモール・コイチでの個展です。
横浜、伊勢佐木町の賑やかな通りにひっそりとあるギャラリー、奥のちいさなスペースに、今回も祝迫さんのウィットが効いたかわいくてシュールな作品が。

壁から顔を出す貝。
鋳型を作って制作されたこのシリーズ、甲殻類のフォルムが持つ幾何学的なかっこよさと、小さくて丸い格子や鋼板の扉とのマッチングがまた面白いです。
このシリーズは今後も増えるかもしれないそうで、それもすごく楽しみ!


祝迫義郎003 祝迫義郎002 祝迫義郎004

祝迫義郎001



ひよことたまご。
やけに強気で生意気そうな表情のひよこ、それが余計にかわいらしく思え、同時にシュールな雰囲気も充満させています。


祝迫義郎007

祝迫義郎006



フライドチキンの取っ手が雄鶏の頭部になったこの作品は、祝迫さんの真骨頂。
鶏のとさかやフライドチキンの表面の質感、巻かれるリボンにいたるまで、織り込まれる要素のひとつひとつが精緻に再現されているからこそ、作品に封じこめられたシュールなメッセージがまずダイレクトに伝わってきます。


祝迫義郎005



先日奥野ビルのギャラリー銀座一丁目で開催された展示にも出展されていた作品も、再び登場。
じっくりと観ざるを得ないこのモチーフ、その状況に「嵌められてる...(笑)」と感じつつも、戦闘機の操縦席の精緻な作り込みにはあらためて感嘆。


祝迫義郎011

祝迫義郎010



踵がナイフになってるハイヒール。
こちらもホントにかっこいい!
直に見ると、ナイフの部分にはちゃんと祝迫さんの名前が刻印されているのも、独特の味わいを加味しています。


祝迫義郎009



そして今回は、アクセサリーサイズの作品も出展されていました。
アタッシュケースに入った口紅のミニチュア版。加えてハイヒールのミニチュア版も。
ハイヒールのは試作品のようなのですが、ちゃんと刃の部分が動いて、実際に使えるようにもなりそうで興味深いです。
こちらのほうの展開も面白く、楽しみです。


祝迫義郎008



今回もひとつひとつの面白さを堪能した次第で。
で、今年の秋頃にもひとつ、展示が決まっているとのこと。今からどんな展示になるかと期待が膨らんでいます!
posted by makuuchi at 08:34| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月28日

review:[躯体とその末尾]四宮義俊《6/24》

[躯体とその末尾]四宮義俊
旧村川別荘[母屋]
千葉県我孫子市寿2-27-9
6/21(木)〜6/26(火)
9:00〜18:00
四宮義俊6/21パンフ.jpg



旧家屋で観る、現代の日本画。



我孫子の旧村川別荘で開催された四宮義俊さんの展覧会に行ってきました。
こういう機会に行ったことがない場所へ行くのはホントに楽しいです。
降りたことがない駅で降りるだけでもワクワクします。


木々が生えるちいさな丘、人が通れるようにと何とか造られたような石段を登って辿り着く古い家屋。
引き戸の玄関をくぐってさっそく、四宮さんの絵が描かれた襖がお出迎え。


四宮義俊06 四宮義俊05

四宮義俊04



決して派手な色彩は登場しない、渋く、しっとりとした味わい深い世界。
四宮さんの作品は、新しい岩絵の具は使用せず、古来から用いられる素材、そしてその土地で捕れる植物などから色を取り出して制作されるとのこと。
そういった自然な素材で描かれていることで、このような寂れた風情が漂う空間に収められると、時代を忘れさせてくれて実にしっくりとくるんです。


四宮義俊10



続いて入る部屋には、棚の襖に絵が描かれていました。
ていねいに施されたパターン。そこに、飛ぶ燕の姿。
紙の独特の風合いも活きて、独特の渋味が広がります。
取っ手の部分もていねいに作らてているにも目が行き、感心させられます。


四宮義俊02 四宮義俊03

四宮義俊01



今回、ここで展示された作品はすべて、襖の枠から制作されたそう。
古い建物ということもあって、梁が太くない部分は大きな歪みが現れていて難儀されたようなのですが、そういうところもまた「味」となって、この空間にほっこりとしたアクセントをもたらしています。

それにしても、ホントにほっとする色合いです。
ぱっと目に飛び込んでくる強い色彩はないのですが、しんしんと伝わってくるような、おだやかな色の表情が印象的です。


四宮義俊09 四宮義俊08

四宮義俊07



悠然とした白い鳥の姿、そのなかに織り込まれる細かい紋様。
同じかたちでありながらひとつひとつのかたちが微妙に異なっていて、手描きなのがよく分かります。このアナログな手法が放つ余韻がまた、心地よく伝わってきます。


四宮義俊12 四宮義俊13

四宮義俊11



古い畳や褐色の柱、今にも雨が降りそうな梅雨空。
そういったもののなかに収められる四宮さんの襖絵。
「今に残る旧いもの」と「旧さを取り入れた今」とが見事に調和し、独特の雰囲気が作り上げられていた展覧会でした。
posted by makuuchi at 09:07| Comment(3) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月27日

review:吉崎恵理 自由絵画展 −やわらかい声《6/25、6/26》

吉崎恵理 自由絵画展 −やわらかい声
(g)
東京都渋谷区恵比寿西1-31-12-2F
6/26(火)〜7/5(木)月休
12:00〜19:00
吉崎恵理6/26DM.jpg



これでいいのか???( ̄口 ̄;)
これでいいのか!!!(゜∀゜)



代官山の裏通りにあるアーバンなビルの2階、good design companyのギャラリースペース、(g)で始まった吉崎恵理さんの個展に行ってきました。

いや、もう、最高。
ホントに「これだけ?」って感じの作品が並びますが、そこからはかわいらしさとユーモアが溢れていて、その作品といっしょにいるだけで安堵感も入り交じった嬉しさが込み上げてきます。


吉崎恵理02



アクリル絵の具で描かれる作品に登場するモチーフは、いたってシンプル。
そしてそれらは、またこれが、

そこをズームアップするか!!!Σ( ̄口 ̄;)

・・・といった具合にキテレツな視点で取り上げられ、さらにからりと色彩を変えながら、ポップにデフォルメされています。
まず絵を眺めてそれが何であるか想像し、タイトルを確認したときの脱力。

むしろその瞬間に沸き上がる「ちょw」って感覚が堪りません(笑)。
ついでに作品価格も確認すると


・・・


・・・


・・・


・・・え?Σ( ̄口 ̄;)

って感じで(爆)。
なんて素敵な価格設定。そんなディテールにも強烈にこだわりが感じられて最高。
そんな所にもユーモアが潜んでいます。いや、案外本気かも。


吉崎恵理03


ギャラリーのセンターには明るい木目も気持ちいいちいさな台が並べられ、その上には1冊ずつgood design companyの装幀で吉崎さんの絵が表紙に採用されたハードカバーのノートが置かれています。
とにかくオシャレ。
ちょっぴりヨタヨタッとした題字もかわいくて、気分も和んできます。


吉崎恵理01



じめじめとした梅雨の季節、はたまた蒸し暑い夏の季節、上がる不快指数もスパッとカットしてくれるような、さわやかで楽しい作品が揃った展覧会です。
お日さまが高い時間におおきなガラス張りの壁から入る自然光で楽しむも良し、暮れてスポットでやわらかく照らされるときに味わうも良し。

ちょうど僕が伺った時間にギャラリーでかかっていた音楽がコーネリアスで。
この辺りの音楽を聴く人、演る人にもきっと響きそうなクリエイションのような気がします。


吉崎恵理04
posted by makuuchi at 07:29| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月26日

review:湯浅克俊 世界は光で満ちている《6/22、6/23》

湯浅克俊 世界は光で満ちている
CIBONE●●GALLERY
東京都港区北青山2-14-6 青山ベルコモンズB1d
6/23(土)〜8/28(火)
11:00〜21:00
湯浅克俊6/23DM.jpg



始めて体感する木版画の世界。
そこに広がるエキゾチックな感性。


CIBONE●●GALLERYで始まった湯浅克俊さんの個展。
階段を下ってベルコモンズの最下階へ入ると、天井も高く、知的なクールさが印象的なこの空間に、湯浅さんの作品が天井から吊るされ折り重なるようなかたちで展示されています。

一見して「テキスタイル・・・?」と思ってしまったくらいに、走査線のように水平な、あるいは垂直な線が連なって描き出される、モノトーンの風景。
瞬間的に総出あることが信じられないほどに、独特な雰囲気に溢れた木版画です。
これまで拝見してきた経験から、木版画というとオリエンタルな、もっというとジャパニズムな味わいに満ちた手法というイメージを持っていたのですが、今回、湯浅さんの作品を拝見して、現在イギリスに拠点を置かれているとはいえ、日本人のアーティストによる木版画でありながら、これほどまでにエキゾチシズムを感じさせてくれることに驚き、感動した次第です。


湯浅克俊03 湯浅克俊02

湯浅克俊01



湯浅さんの木版画には、油性インクが用いられています。
支持体となる紙は、そのまま用いられているものもあれば、墨などで下地の色が施されたものも。
紙のままの作品だと、吸収が良いためにインクの黒の油分が吸い取られて幾分か乾いたような質感の黒となり、それが作品の中の光景に「くすみ」をもたらして、モノクロームの蜃気楼のような風合いを醸し出しているように感じられます。

一方、下地に色が塗布された作品では、油性インクの油分が画面に残り、木版が紙から離れる瞬間の音も生々しく蘇ってくるように感じるほどにムラが現れて、それが作品のクールさに危うさ、妖しさといった類いのアクセントをもたらしているように思えるんです。

特に、墨の黒にインクの黒が乗る作品、ふたつの黒が作り上げるシルエットには、さらに濃く展開する奥の深さに呑まれるような感覚さえ覚えます。


湯浅克俊05

湯浅克俊04



他、白の下地に白のインク、黒の下地に白、といった具合にさまざまな組み合わせで独特の世界が繰り広げられています。
そして、版に彫られた細い線の重なりに油性インクを塗ることで、一部の凸版のくぼみがインクで埋まり、思い掛けないところに黒い色面ができあがって、それがまたこの木版画の「くせ」となり、さらにオリジナリティを孤高なものへと押し上げているように感じられます。この、おそらく意図せずにできあがる色面の危うさは、蘇りきらない記憶の曖昧さを現しているようにも思えてきます。


湯浅克俊09

湯浅克俊11



今回の展示には2点のユニークピースも出展されています。
版木に彫られた彼の地の光景。墨で塗られ、しっとりとした闇に浮かび上がる建造物のフォルム。
木目と彫り跡とが醸し出す、その「もの」としてのリアリティと、そのなかに意識が入り込んだときに心の中に広がる、沈むような深遠さ。ここでしか味わえない独特の渋さが印象的な世界です。


湯浅克俊07 湯浅克俊08

湯浅克俊06


独特の味わいに溢れたクリエイション。
その「残像」のような風合いをさらに演出する、至高のインスタレーション。
現実から離れ、知らない記憶の中に入り込んでそれを体感するような、時間的な奥行きのあるダイナミックさと深遠さに溢れた展覧会です。


湯浅克俊10
posted by makuuchi at 08:48| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月25日

〜6/24のアート巡り

《6/22》
湯浅克俊 世界は光で満ちている
CIBONE●●GALLERY
東京都港区北青山2-14-6 青山ベルコモンズB1d
6/23(土)〜8/28(火)
11:00〜21:00
湯浅克俊6/23DM.jpg

こんな木版画、観たことなかった...。
エキゾチックな雰囲気に溢れたモノトーンの風景。そして至高のインスタレーション。



・"DREAM CATCHERS"
MOGRA GALLERY+CAFE BAR
東京都渋谷区神宮前6-9-6
6/10(日)〜6/23(土)
12:00〜24:00(最終日:〜20:00)
DREAM CATCHERS DM.jpg

僕が知らなかった東京。原宿の裏のさらに裏、入り組んだ小道の先にあるMOGRA GALLERY+CAFE BAR。ほんの数席のカウンターとテーブルがあるカフェバーは、隠れ家のような2階と、入ってびっくりする3階のギャラリースペースがあって。
素敵な場所に巡り合えたような気がして、嬉しくなってしまいます。

そこで開催された、さまざまなクリエイションがパッケージされたグループショー。
まず、1階と2階のカフェに展示されていた岩本英恵さんのシルクスクリーン作品。金魚、女の子、オートバイなどがすらりと走る線で描き出され、画面をくっきりとわけるシルエットのなかにも僅かな色調の違いで広がっています。どことなくエキゾチックな雰囲気が堪らない作品です。

MOGRA 岩本英恵01

MOGRA 岩本英恵02


ムサビの修了展示で拝見して以来、気になっている安田悠さん。ぼんやりと揺らめくフォルムと独特の渋味を帯びた色彩で描かれる、あるシーン。

MOGRA 安田悠03 MOGRA 安田悠02

MOGRA 安田悠01


ナカノ彩さんの作品は、奇妙なかたちと鮮やかな色彩とがぱっと目に飛び込んでくる抽象の世界が現されています。

MOGRA ナカノ彩02

MOGRA ナカノ彩01


柏木直人さんの作品、一見すると「キャベツ?」と思ってしまったのですが、よく見ると歪んだ頭蓋骨が鮮やかなグリーンで作られたオブジェ。妖しさと明るさとのギャップのインパクトに戸惑います。

MOGRA 柏木直人01

上映されていた映像作品も面白かったです。光の筋が未来的でかっこよかったり、蛇口から流れる水とサウンドとが重なっていたり。



《6/23》
・トーキョーワンダーウォール公募2007入選作品展
東京都現代美術館 企画展示室地下2階
東京都江東区三好4-1-1
6/16(土)〜7/8(日)月休
10:00〜18:00
TWW2007パンフ.jpg

今回から立体作品もOKになったトーキョーワンダーウォール。
昨年までの印象だと、立体的なマチエルを持った作品がピックアップされる印象を持っていたのですが、それも幾分か抑えられたような感じがしましたが、気のせいかも...。

上條絵奈さんの揺らぐ輝きに満ちた作品。ずっと向こうで広がっている地平線、どこまでも遠くへと続く暮れる空と一本道。モノトーンで描き出されたシンプルで壮大な光景。

平林貴宏さんの絹本。こういった展覧会で絹本の繊細さに巡り会うとそれだけでアクセントになって気分を変えられるので嬉しいのですが、描かれるモチーフも深遠で、水面に浮かぶ花弁1枚、そこから渦巻くように、沸き上がるように連なる蝶、百合の花のシルエットが繊細に描かれていてぐっときます。

アプローチのユニークさとていねいな描き込みに惹かれた大久保如彌さんの作品。青い花と黒白の花の柄が織り込まれた布、その花のひとつひとつにも手が加えられ、そこに登場する林檎を手に取る女の子の姿や動物が、その布の模様を背景にして奇妙な物語を繰り広げているような感じです。

白石綾子さんが描くある日常のワンシーンもぐっときます。床置きのランプのみが照らす暗い部屋、ソファに腰掛ける女性。仄かな光のなかで、床のカーペットの表情なども繊細に描かれて、雰囲気がぐんと演出されています。

既知のアーティストでは、ひとつぼ展でも拝見した増子博子さんのペン画、2日続けてチェックの安田悠さんの独特の油彩、加藤怜子さんの手が舞う作品、東京画廊でのグループ展での衝撃が未だ脳裏に残る柴田鑑三さんのスチレンフォームの作品、長田堅二郎さんの神経のようなスティックが連なる作品、中谷篤志さんの透明感溢れる鮮やかな色彩で描かれるファンタジーなどがよかったです。



・Drawing ‐素材・筆触‐
SAN-AI GALLERY
東京都中央区日本橋蛎殻町1-26-8 三愛水天宮ビル1F

6/19(火)〜6/30(土)6/24、6/25休
11:30〜19:00(最終日:〜17:00)
Drawing 6/19DM.jpg

7名の女性のアーティストの作品が多数出展されている展覧会、なかでも折りに触れて拝見している長雪恵さんの小品がよかったです。
ひとつの画面に蟹や亀などの動物が板に彫られるかたちで描かれ、明るめの色で彩られて、長さんのユニークな手法がまた違った風合いで活かされています。

長雪恵002 長雪恵003

長雪恵001



村中佐智子 個展 -ここに在ること-
フタバ画廊
東京都中央区銀座1-5-6 福神ビルB1
6/19(火)〜6/24(日)
11:00〜19:00(最終日:〜16:00)
村中佐智子6/19DM.jpg

準備の様子を覗いて楽しみだった村中佐智子さんの個展。
白い布が天井から吊られ、ひとりずつそのなかに入って観るインスタレーション。
空間のなかで重なる白い布が、浮かぶ雲のようなかたちのやわらかい照明に照らされていて、そこかしこにかわいく作り込まれたミニチュアっぽい風景が広がります。

村中佐智子02 村中佐智子05 村中佐智子03 村中佐智子04

で、動きがあるものはないのかな、と探ったのですが見つけられず...。
観終わって村中さんに尋ねたら、床にある小さな山、そこから噴煙というよりも煙突からの煙のように伸びる白い布のチューブのなかを、蟻が登っていくこともあるそうで。それが観られなかったのは残念。。。

村中佐智子01



・森山光輝展
ぎゃらりぃ朋
東京都中央区銀座1-5-1 第3太陽ビル2F
6/22(金)〜6/30(土)日休
12:00〜19:00
森山光輝6/22DM.jpg

昨年に続いて開催されている森山光輝さんのぎゃらりぃ朋での個展です。
胡粉を用いて盛り上げられる立体感の迫力は相変わらず。
そして、正面の壁に展示された雨の風景の作品の独特の味わいも印象的です。

森山光輝003 森山光輝002

森山光輝001



・アキラソメカメラ
CALM & PUNK GALLERY
東京都港区西麻布1-15-15 浅井ビル1F
6/22(金)〜7/2(月)
11:00〜19:00
染川明6/22DM.jpg

おもちゃなどがモチーフとなった、染川明さんの写真作品がずらりと並びます。
けっこうグロテスクなモチーフだったりするのですが、それ以上に色彩の鮮やかさ、特に赤の美しさに惹かれます。
パネルに直にマウントされ、その色彩の透明感もさらに全面に押し出されて、浮遊感と艶かしい雰囲気とが混然となった不思議な印象が広がります。

染川明01 染川明02

染川明03

今回の展示には出展されていないのですが、裏返されたぬいぐるみがモチーフとなった作品もファイルで拝見できます。こちらも結構なインパクトです。


染川明04


・カンノサカン「trans.」
ヴァイスフェルト
東京都港区六本木6-8-14 コンプレックス北館3F
6/1(金)〜6/30(土)日月祝休
11:00〜19:00
カンノサカン6/1DM.jpg

1点増えてる!!!Σ( ̄口 ̄;)

画面に収まらない線の広がり。続きはどうなっていくんだろう、と想像もぐんと広がります。


《6/24》
☆[躯体とその末尾]四宮義俊
旧村川別荘[母屋]
千葉県我孫子市寿2-27-9
6/21(木)〜6/26(火)
9:00〜18:00
四宮義俊6/21パンフ.jpg

旧家屋のなかで繰り広げられている四宮義俊さんの渋い絵画。
本来の日本の絵の色彩で再現される、現代の襖絵。家屋の雰囲気によってその渋味がより引き出されています。


☆立体の魅力 vol.9 祝迫義郎
イセザキモール・コイチ
神奈川県横浜市中区伊勢佐木町2-62
6/2(土)〜6/24(日)水休
11:00〜19:00
祝迫義郎6/2DM.jpg

一昨年、昨年に続いて開催された祝迫義郎さんのイセザキモール・コイチでの個展。
かわいくてシュールな彫金のオブジェ、今回も精緻な作り込みに感嘆。。。



・Gallery Box Exhibition vol.04 内海聖史・岩野仁美「苗色の絵画」
横浜ベイクォーター「ギャラリーBOX」
神奈川県横浜市神奈川区金港町1-10 (3,4,5F)
5/31(月)〜8/29(水)
11:00〜20:00
苗色の絵画DM.jpg

横浜ベイクォーターの小窓で展開されているアートの展覧会。
岩野仁美さんの作品は、発泡スチロールボードを用いて画面にくぼみを持たせたユニークな作品で、絵の瑞々しさがその手法によってさらに演出されています。

そして、内海聖史さん。
この実に小さい空間に、「三千世界」のちいさなパネルの作品が整然と収まっていたり、細かいドットに覆われた球体や立方体、円柱が佇んでいたり。
「そうきたか!」という歓喜と、先日は資生堂ギャラリーのあの広い壁を覆った「三千世界」が今度はあのときの何百分の一かの空間で展開されていることへの面白さとが感じられて。

内海聖史@BQ04 内海聖史@BQ03 内海聖史@BQ02

内海聖史@BQ01
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2007年06月24日

review:服部睦美展《6/16》

服部睦美展
巷房
東京都中央区銀座1-9-8 奥野ビル3F
6/11(月)〜6/16(土)
12:00〜19:00(最終日:〜17:00)
服部睦美6/11DM.jpg



銅と真鍮が奏でるファンタジー。



巷房で開催された服部睦美さんの個展。
前回も同じ会場で開催され、そのときも眺めているだけでワクワクするようなかわいくてかっこいい世界が堪能できたのが印象に残っていて、今回も楽しみでした。


どこかレトロな雰囲気を醸し出している巷房、ここに設置された台の上に置かれたさまざまなオブジェ。
車輪と羽根が付いているものは、それが動いている、それに乗っているところを想像して楽しい気持ちでいっぱいになったり、建物や街を思わせる作品からは、そこで繰り広げられるストーリーに思いを馳せてみたり。また、動きそうなところがあれば、車の作品と同じくそれが動くことに期待が高まったり。。。

とにかくいろんな楽しいイメージが広がります。


服部睦美05 服部睦美06

服部睦美03 服部睦美02

服部睦美01



壁掛けのオブジェもユニークです。
ユーモラスなかたちもまた、さらにそのファンタジックなイメージを押し広げてくれます。
なんだか面白そうな、都市の標本のような感じもいいんです。
そして、羽根が付いていたら、飛んでいる、浮遊しているところを眺めているような気持ちも。


服部睦美10 服部睦美09 服部睦美08 服部睦美11

服部睦美07



1点だけ、パーツをパネルに配した作品も。
組み立てられる前のプラモデル(無論素材が圧倒的に違いますが)のような構図で、昔熱中したプラモデル作りの興奮が蘇ってくるような楽しさに溢れています。


服部睦美04



今回もっとも大きな作品、ギャラリーのほぼ真ん中に設置された台上にそびえるタワー。
大きい、ということがそのままダイナミックに感じられつつ、その中身も凝っていて、いろいろと内側に階段のようなものなどが施されていて、そういったものを見つける楽しみも。


服部睦美14 服部睦美15

服部睦美13



作品そのものからにじみ出るファンタジックな雰囲気と、作り手の楽しさと。
エンターテイメント性に富んだオブジェ、今回も堪能できて満足!
もっといろいろ観たいという衝動も沸き起こってきます。
posted by makuuchi at 18:55| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月23日

review:岸にあがった花火 宮永愛子《6/15》

岸にあがった花火 宮永愛子
すみだリバーサイドホール・ギャラリー
東京都墨田区吾妻橋1-23-20
6/16(土)〜7/15(日)
10:00〜19:00
宮永愛子6/16パンフ.jpg



「時間」とは、変わること。。。



今年も始まったアサヒ・アート・フェスティバルすみだリバーサイドホール・ギャラリー今回フィーチャーれたのが宮永愛子さん。

ギャラリーに並べられたユニークなアプローチの作品群。
それぞれが、過ぎ行く時間を感じさせてくれます。

会場の奥のほう。
吊るされた棚の上に並ぶ、古い陶食器。
その内側は透明で青い釉薬が塗布されています。

そして、耳を澄ましていると...







     チン

              チン


     
        チン





・・・といった具合に、繊細で澄んだ音が聴こえてくるんです。
本来、は自然につくり出される「ヒビ」が味わい深い模様になるように、磁器に施される釉薬。
その釉薬の調合を変え、延々と、緩やかに時間をかけてヒビが入り続けるようになっているんです。

期待しているとこちらの心を見透かしたように澄んだ音を響かせてくれない。。。
諦めかけたころに、続けざまに音を鳴らしてくれる。。。

なんだかそれも不思議な感じで、でもその音を耳にするとほっとして。
耳が聴き取ったほんの僅かな音は、心に中で美しく響きます。


宮永愛子01



会場のそこかしこに配置されたわずかに透明さを帯びた白色のオブジェ。
実際の物の型をとって、ナフタリンで再生した作品です。

多くの作品はアクリルのケースに入った状態で展示されていますが、それも時間が経つに連れて昇華し、その姿はだんだんと消えゆく。。。
ギャラリーの右と左とにあるショーウィンドーのそれぞれに展示されたルオーの道化師の絵、そしてその時代のドレス。
それらに呼応して制作された革靴や、古いミシンのなかの糸切りバサミ、金庫のなかに置かれた鍵、ケースの蓋を取って観られるさまざまなもの。
灯りに照らされて神々しくその姿を輝かせながら、観ているその瞬間も僅かずつ昇華を続けていることに思いを馳せるとなんとも神妙に、そして儚い気持ちが広がります。


宮永愛子03 宮永愛子02

宮永愛子04



この会場の中央に設置された大きなインスタレーション。

ふたつの大きなパネルの間に張り巡らされた糸。
それはすべて水平に。そして、片方から眺めるとぐんと競り上がっていく水平な糸の連なりのダイナミックさは相当なもの。色彩的にシンプルなこともあって、その展示のみの力強さが伝わってきます。

宮永愛子07

その糸には細かな粒子が照明を受けてきらきらと輝きを放っています。
これが、隅田川から汲み上げてきた水から抽出された塩の結晶、とのこと。
海水ではなくて川の水。これだけの量を取り出すのに一体どれだけの水量が必要で、そしてどれほどの時間が費やされたんだろう。。。

宮永愛子06


いろんな想像が沸き起こってくる作品です。


宮永愛子05



特に、ナフタリンの作品はおそらく会期終了が近付いた頃には劇的にその姿を変えているはず。
僕が拝見したのは会期が始まる前のレセプションのときで、靴も鍵もハサミもそのフォルムをしっかりと晒していたのですが、次に観たときにどうなってるか、そしてそれを観たときにどんな思いが浮かんでくるか、興味があります。
それを確認するために、何度も足を運びたい展覧会です。
posted by makuuchi at 10:04| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月22日

review:馬籠伸郎展《6/18》

馬籠伸郎展
ギャラリーツープラス
東京都中央区銀座1-14-15 白井ビル2&3F
6/18(月)〜6/23(土)
12:00〜19:00(金:〜21:00、最終日:〜17:00)
馬籠伸郎6/18DM.jpg



爽快な空と、そのなかに美しき姿を晒す短剣。


ギャラリーツープラスでの馬籠伸郎さんの個展です。


まず、2階。
こちらは小品がずらりと。


馬籠伸郎01



白い額に収められた空。
まず、その空の鮮やかで爽快な色彩に魅入られます。
雲が浮かぶ青空、遠くへと続いていく暮れる夕空。それぞれが、澄み切った青や、やわらかいグラデーションを伴ったオレンジ色、薄紫色で描かれていて、ちいさな画面の中の世界にスケールの大きなな広がりを感じます。

そしてそこに登場する剣のモチーフ。
剣の実用性からくる危うさはさほど感じず、むしろそのフォルムの美しさ、ケレン味のない直線性が醸し出すスピード感が、広がる空にダイナミックな動線と、さらなる爽快さをもたらしているように思えます。


馬籠伸郎04 馬籠伸郎02 馬籠伸郎05

馬籠伸郎03



3階には、向かい合うふたつの壁で違うアプローチの展開が。
まず右手、こちらには2階に出展された作品の世界が大きなパネルで繰り広げられています。
そのまま画面が広がっただけで、ぐんと広がっていくスケール感も実感できます。
空の青の清々しさ、沸き立つ雲のダイナミズム、そこをおおらかに舞う剣の高貴さ。


馬籠伸郎10 馬籠伸郎09 馬籠伸郎08

馬籠伸郎07



その向かい側では、ちょっと志向が違う作品が。
壁からそそり立ついくつものちいさな柱。そしてその群れの中心に存在するパネル。
黒などの線で細かく描かれた絵はなにやら有機的なイメージが感じられて、そこに混沌をもたらしています。
そのポップな混沌が、パネルのなかに星型に抜かれた画面の中に広がっている空の鮮やかな色彩を引き立てています。
なんだか不思議な印象のインスタレーションです。


馬籠伸郎14 馬籠伸郎12 馬籠伸郎13

馬籠伸郎11



一足先に夏を思わせる(といってもここ数日は天気がよかったので、外の空気がそのまま画面に収められたようでもありましたが...)、爽快な展覧会です!


馬籠伸郎06



ちなみに本日、6/22金曜日の夜はトウキョウ・ミルキーウェイ開催で多数のギャラリーが参加する中、こちらのツープラスでもキャンドルの灯りのみでの展示の模様。
行けるかなぁ・・・。
posted by makuuchi at 08:27| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

review:今川教子 日本画展《6/18》

今川教子 日本画展
Gallery d.g
東京都中央区新川2-7-4 矢島ビル1F
6/18(月)〜6/23(土)
11:00〜19:00(最終日:〜17:00)
今川教子6/18DM.jpg


ほのかに広がるやさしい色彩。



Gallery d.gでの今川教子さんの個展です。
今川さんの作品は、オンワードギャラリーでのグループ展で拝見したときに画面から広がる浮遊感が印象に残っていて、今回の個展も楽しみでした。

岩絵の具のさらりとした質感が、色彩のさわやかさをさらに押し広げたような作品が溢れています。


今川教子07



オンワードギャラリーなどでも拝見した、雨がテーマのシリーズ。
大きなスクエアの作品、その他さまざまなサイズの画面で展開されています。
画面全体に広がる「空」を思わせる色彩。そこに繊細に浮かぶ白い珠は、落ちる雨粒より、降る雨によって涼しくなった空気に浮かぶ魂のように、虚空に漂い、むしろ天へと昇っていくような印象を覚えます。
そして、手前の地面に当たる部分も実に細やかに描き込まれ、緩やかに奥行きを醸し出しています。
独特のやさしさに満ちた世界が広がっているような感じです。


今川教子10 今川教子09

今川教子02 今川教子03

今川教子01



風景を描いた作品が観られるのも嬉しいです。
夏の夜を思わせるしっとりとした黒。遠くにぱあっと開く大輪の花火、ほのかにぽつぽつとその黒に滲む家々の灯り。
精細に描かれた木々の枝のシルエット。それらが重なり、どこまでも続く林となって、板描きの画面に広がって。
記憶のなかの光景が思い起こされるような作品群です。


今川教子06 今川教子05

今川教子04



そして、清々しい薄青紫の色彩の作品。
この色彩でシンプルに描かれる風景も印象的です。
白とのコントラストも鮮やかで、それでいて岩絵の具の質感によって先鋭さが幾分か抑えられることで、そこに浮かぶシルエットや遠い景色に馳せる思いもどこか懐かしげだったり、涼しい空気がやわらかいそよ風となって吹き抜けていくような。


今川教子11 今川教子12

今川教子13



正面の壁には、横長の大作が展示されていて、こちらも見応え充分です。
横の広がりは、その広さに収まらなないイメージの広がりをもたらしてくれます。


今川教子08



穏やかでやさしくて、そして涼しげで清らかで。
そういう、気分が一新されるような雰囲気が広がる気持ちのいい展覧会です。
posted by makuuchi at 07:25| Comment(1) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月21日

笠原みゆき展 trigger

笠原みゆき展 trigger
東京日本橋高島屋6階 美術画廊X
東京都中央区日本橋2-4-1
6/6(水)〜6/26(火)
10:00〜20:00(最終日:〜16:00)
笠原みゆき6/6パンフ.jpg



記憶を辿って。。。



日本橋高島屋にできたコンテンポラリーアートスペースで開催されている、笠原みゆきさんの個展です。

アーバンな色調で統一されたこのスペース。
入口が見えるとまず、天井から釣り下がった無数の白い球体に目が留まります。


笠原みゆき01


白い珠が空間に浮かぶこのインスタレーション。
そのいくつかには、「耳」が付いています。そしてこの耳の穴の奥には、その耳の持ち主の記憶が。
手にとって、反対側からライトで照らしながら耳の中を覗いてみると、肖像や風景の写真が見えるんです。
実際に耳があるところを思い浮かべると、耳の穴の奥には脳があって、そこを覗き込んでいるような感じです。


笠原みゆき02


この「耳」が付いた球体、会期中の土日の午後2時から実際に公開制作が行われています。
ちょうど僕が伺った日も公開制作が行われて、テーブルに頭を横向きに寝かせた方の耳に枠を取り付け、そのなかに白い石膏を流し込んで型取りしていく様子は、観ていてどこかのんびりとしていると同時にちょっと緊張感もあって。


この展示では、さまざまな作品が出展されています。
手描きの作品、天井から吊るされた巻き物には、無数の人の姿がひとりひとり細かく描かれていて、巻かれた状態の紙に一体何人いるんだろう、と思うと気が遠くなります。


笠原みゆき07

笠原みゆき05


情動に従って画面にその痕跡を残していったような作品。
拡張する神経細胞のようにも見えたり、ストレートな線の重なりに、この作品の制作に当てられた時間が凝縮されたような印象も受けたり。


笠原みゆき04

笠原みゆき03



和紙にプリントされ、軸装された写真。どこかの風景であったり、ある心象の一場面を思い起こさせたり。
セピア調の色彩と、和紙の落ち着いた風合いがと醸し出す味わい深さも独特で、懐かしい感じに潜む先鋭的で鮮やかな感覚に心地よいインパクトを感じます。


笠原みゆき09 笠原みゆき08

笠原みゆき10



そして、ガラスの作品が美しいんです。
吊り下げられた紙の箱、その内側に広がるモノクロームの風景。そしてその中にぽつねんと置かれた錠前と鍵。
開けっ放しの記憶は、おだやかで、それでいて遠くなった記憶のくすみを伴った静寂をたたえているように感じられます。


笠原みゆき14

笠原みゆき15



床置きの手。
男性と女性の、違う大きさ、違う質感のふたつの手が重ねられたオブジェ。
下からの照明によって照らし出され、神々しく光を放っています。
また、再生紙のパックに収められたガラスの卵も、フィクションと現実の狭間を見せてくれているような不思議なイメージが伝わってきます。


笠原みゆき12 笠原みゆき13



入口すぐの台上の、子供の靴。
そこを通った子供の気配を現しているかのように。。。
また、ガラスの透明感も儚げな風合いを広げていて、そこだけ時間の流れが緩やかに感じられます。


笠原みゆき11



ひとりのアーティストによって繰り出されたさまざまな作品。そのアプローチの多彩さ、表現の幅の広さに感服した次第。
記憶や感情をやさしく揺さぶられるような展覧会です。
posted by makuuchi at 09:26| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月20日

6/18、6/19のアート巡り

《6/18》
村中佐智子 個展 -ここに在ること-
フタバ画廊
東京都中央区銀座1-5-6 福神ビルB1
6/19(火)〜6/24(日)
11:00〜19:00(最終日:〜16:00)
村中佐智子6/19DM.jpg

展示はいつも月曜日から始まるはずのフタバ画廊で、火曜日はじまりのこの展覧会。
敢えて月曜日にちょっと覗いてみたのですが。

!Σ( ̄口 ̄;)

ひとりずつ観るインスタレーションとのこと。なんだか面白そうです!



☆馬籠伸郎展
ギャラリーツープラス
東京都中央区銀座1-14-15 白井ビル2&3F
6/18(月)〜6/23(土)
12:00〜19:00(金:〜21:00、最終日:〜17:00)
馬籠伸郎6/18DM.jpg

澄み切った空に舞う短剣。
モチーフのストレートさが清々しい作品が並びます。
金曜日の夜はトウキョウ・ミルキーウェイ開催、キャンドルの灯りだけでの展覧会だそう。



・坂本知野展
Gallery Q
東京都中央区銀座1-15-7 マック銀座ビル2F
5/28(月)〜6/2(土)
11:00〜19:00(最終日:〜17:00)
坂本知野6/18DM.jpg

SAN-AI GALLERYでのグループ展でも拝見している坂本知野さんの個展。
GALLERY Qのちいさなスペースに凝縮された濃厚な世界。
それぞれの色彩がその色の強さを主張していて、なおかつお互いがいきいきと鮮やかさを発揮しています。


坂本知野04 坂本知野02 坂本知野03

坂本知野01


滲むように描かれるグラデーション、そして登場するモチーフにはけっこう危なさや妖しさが感じられるのですが、それすらも小さく感じられるほど、その色彩の鮮やかさに圧倒される、パワフルな油絵です。


坂本知野06 坂本知野05

坂本知野07



・レゾナンス 日本画作品4人展
アートスペース羅針盤
東京都中央区京橋3-5-3 京栄ビル2F
6/17(日)〜6/23(土)
11:00〜19:00(最終日:〜17:00)
レゾナンスDM.jpg

4名の岩彩のアーティストがピックアップされた展覧会。
Oギャラリーでの個展やさまさまなグループ展で拝見している神保千絵さん、音楽がモチーフとなっているのはこれまで通りなのですが、今回の作品には人の姿や手が織り込まれていて、ちょっと違う雰囲気があって新鮮です。
松本慎吾さんの薄暗い中に浮かび上がる艦船のシルエットのかっこよさも見応え充分。
神山玄さんの作品では、線画による光景を抱いた人の作品が面白かったです。足立正平さんの抽象画も迫力があります。



☆今川教子 日本画展
Gallery d.g
東京都中央区新川2-7-4 矢島ビル1F
6/18(月)〜6/23(土)
11:00〜19:00(最終日:〜17:00)
今川教子6/18DM.jpg

ふわりと浮遊感がやさしく漂う今川教子さんの日本画。
涼しげな色彩の作品や、夏の夜を思わせる、遠くで光が滲む風景を描いた作品など、連目と続いてきたスタイルも踏襲されつつ、新しい感覚も随所に感じる見どころの多い展覧会です。



《6/19》
・渕沢照晃展
ギャラリーエス S zone
東京都渋谷区神宮前5-46-13 ツインエルビル
6/19(火)〜6/24(日)
11:00〜19:00(最終日:〜17:00)
渕沢照晃6/19DM.jpg

ペン画と銅版画。
どこまでも精緻に重ねられる線によって作り上げられる光景。近未来的なイメージを喚起させてくれる、クールでホットな作品が並んでいます。

銅版画は、凹版の凹みに詰まったインクが紙の上に乗っている質感もかっこよくて見応えがあるんです。
まるで刺繍の糸のように立体的で、そして繊細でどこか熱を帯びているように感じられる濃い黒の線が作り上げる世界。ものすごいスピードが封じ込められているような印象を受けます。


渕沢照晃05 渕沢照晃04

渕沢照晃01


一方、ペン画はひとつの線からどんどん広がるように展開していく、そんな動的なイメージが沸き上がってきます。
細かい線で描かれる抽象的なモチーフ、それが見せる奥行き。こちらもかっこいい世界です。


渕沢照晃06 渕沢照晃08

渕沢照晃07



都守太朗展 時と場合のカルチャー
GALLERY LE DECO
東京都渋谷区渋谷3-16-3 ルデコビル1F
6/19(火)〜6/24(日)
11:00〜19:00(最終日:〜17:00)
都守太朗6/19DM.jpg

小さな角材を使った作品と、取っ手が付いたキャンバスの油彩の作品と。
ユーモアや作る楽しさがそれぞれの作品から伝わってくる、楽しい展示です。

それにしても、抽象画に取っ手が付けられただけで「この絵を持って歩いたらどう見えるだろう」みたいに具体的なイメージが湧いてくるから不思議です。
中にはおおきなキャンバスを畳んで持っていけるように仕立ててあったり、何故か四方に取っ手が無駄に付けられていたり。そのユーモアもいい感じ。


都守太朗02 都守太朗01 都守太朗04

都守太朗03


ちいさな角材を使った作品は、とにかく作る楽しみが伝わってきます。
自分も作ってみたくなるような、そんな気軽な雰囲気がいいんです。
生の木の色のなかにちょこちょこっとそこかしこに取り込まれた黒のパーツがアクセントとなっているのと、シルエットもなかなか面白く感じられます。


都守太朗06 都守太朗08

都守太朗07


もうひとつ、写真がいいんです。
数点展示された中で、数段によるレイヤー風に加工された建築現場の作品が最高。
アプローチのユニークさにやられてしまいました。


都守太朗09
posted by makuuchi at 07:20| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月19日

review:井村一巴[セルフポートレイト]展《6/16》

井村一巴[セルフポートレイト]展
ときの忘れもの
東京都港区南青山3-3-3 青山Cube 1F
6/15(金)〜6/23(土)日月祝休
12:00〜19:00
井村一巴6/15DM.jpg



瀟洒な内装のギャラリーに灯る、モノクロームの静謐。



前回、同じくときの忘れもので拝見した個展が強く印象に残っている井村一巴さん。

ちょうど「写真が面白い」と感じていた時期に偶然拝見したのですが、何の衒いもない等身大の、生活感が溢れる場所での写真から、「なぜそこにいるんだろう」と、そのシチュエーションに対する疑問がその世界への誘いになっているような作品まで、バリエーションに富んだカラーの写真が展示されていました。そして、さまざまな表情や場年があるにもかかわらず、ちゃんと「ひとりの」女性のポートレイトとしての統一感があって、きっとしっかりとしたイメージをお持ちなのだろう、と考えたりしていました。


その井村さんの久々の個展。
前回と同じ「セルフポートレイト」というタイトルが付けられていますが、今回はモノクロームの写真、しかもすべてがスタジオらしきところで撮影されているようで、真っ黒の背景に浮かび上がる女性の姿を映した写真がずらりと並んでいます。


井村一巴03


憂いを帯びたような...。
強い視線を投げかけていたり...。
おぼろげな表情を浮かべて...。
秘めた思いを確かめるように俯いて...。
微睡むような表情を浮かべて、ゆるやかに視線を上げて...。

写真の中の女性は、艶かしく、妖しく、それでいてしなやかに、強く、さまざまな仕草や表情を浮かべて佇んでいます。
その写真に施されたアクセント。
1点1点を観ると、それぞれの写真がスクラッチされてできる細い線によっていろんなモチーフがポートレイトにオーバーダブされています。
蝶が飛んでいたり、桜が咲いていたり...かと思えば、奇妙に曲がる線の重なりによって抽象的に何かが現され、その写真のなかにまた違う時間の広がりを与えていたり。
同じ写真も、ピンの先でスクラッチされて描かれるというその線が織り成す模様によってまったく違う世界になってしまっています。

・・・だから、最初は同じ写真があることに気付けなかったんです。
伏せて目を閉じる女性、そのとき見ている夢のような絵が、スクラッチで繰り広げられていて。
独特の味わいがそれぞれの写真から感じられます。


井村一巴02



1点だけ、スクラッチが施されていないまっさらの写真があるなぁ、と思ってよく見たら、ほんの細かい点が腰かけ佇む女性の手のひらからこぼれ落ちているように描かれていて、その繊細さに目を見張り、驚き、そしてそうやってその写真が違う世界へと誘われ、それに伴って見る僕の意識も深いところへ沈み込んでいく...。
特に印象に残ったのは、4点組で額に収められた作品が多い中で数少なく1点で額装されていたうちのひとつである、その写真でした。

モノクロームの小さな画面それぞれが醸し出す深遠で、それでいてちょっとポップな味わいもある雰囲気も印象的な写真展です。


井村一巴01



最終日、23日土曜日は17時からギャラリートークと、セルフポートレイト撮影のパフォーマンスも行われるとうです。こちらも伺えたらせひ行ってみたいと思います。
posted by makuuchi at 09:01| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

review:柳沢利光展《6/12、6/16》

柳沢利光展
新生堂
東京都港区南青山5-4-30
6/13(水)〜6/23(土)日休
11:00〜18:00(最終日:〜17:00)
柳沢利光.jpg



ストレートな油絵。


新生堂で開催中の柳沢利光さんの個展です。


柳沢利光05


すこし前の時代に舞い戻ったかのような、どこか古めかしい質感の作品が並びます。
用いられるモチーフも、色彩も、とにかく渋い...。
花や食物などが主題となった静物画は、むしろ日本画の列びに組み入れたくなるような、そんな雰囲気が画面の中に充満しています。
登場するモチーフの姿はていねいに、それでいて素朴に描き出され、その奥に広がっている背景の適度に荒れて乾いた質感に浮かび上がっています。


柳沢利光06 柳沢利光04

柳沢利光07



人物画も同様に渋く、レトロな、というか、「近代」の空気が伝わってくる独特の雰囲気が溢れています。
レイドバックした世界、そこに佇む人物の仕草や表情の豊かさが、静けさをたたえながら、画面から滲み出ています。


柳沢利光01 柳沢利光02

柳沢利光03



今回の展覧会では、オーソドックスな構図の作品が集まっているのですが、独特の味わいがある背景が大きな画面を覆い、そこにぽつねんと佇む人物、あるいは静物が描かれた作品なども観てみたい気がします。


柳沢利光09
posted by makuuchi at 08:24| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月18日