@BOICE PLANNING
神奈川県相模原市相原5-12-47-2F
5/19(土)〜6/17(土)土日祝のみオープン
12:00〜19:00(最終日:〜17:00)
表向きには3つの展覧会が開催されている、この初夏のBOICE PLANNING。
3階のSPACE Aで、海外の3名のアーティストのインスタレーションが展開されている「When too perfect...,liber gott boese.」。
2階のSPACE Bでは、輪派絵師団の映像作品「ROOM」が上映。
そしてSTUDIOでは、BOICEのメンバーがそれぞれ、1台のテーブルの上で個展形式の展開をする「机上位」。
・・・といった具合で。
順路通り、まずは3階から。
《When too perfect...,liber gott boese.》
いかにも海外のアーティストらしい、コンセプトが全面に押し出されたインタラクティブなインスタレーションが3つパッケージされています。
まず、オーストリアのトニ・クラインレルヒャーさんのインスタレーション。
まず手前に、「お箸なげ」が。
コンクリートの上に妙に行儀よく配置されたそれぞれの行為の案内が不思議な感じを醸し出しています。
で、「芸が細かい」と思わず唸ったのが、置かれた紙に漢字が当てられたトニさんの印が押されているところ。これが入ってることで、いろんな人がこの紙にいろんなことを描いても、それが自分の作品なのだそう。人が描いたものを自分の作品にするのではなくて、自分の作品が人の手によって他方面へと広がる、そんなイメージのようで、なかなかユニークなアプローチだなぁ、と。
その奥には、瓶に詰められた豆腐が。そしてそれらは山のかたちをしているのですが、「富士山」とのことで。
しかもその数、36個。
富嶽三十六景かよ!Σ( ̄口 ̄;)
また、その豆腐に突き刺さる割り箸は、宗教的な意味合いも込められているようでした。
ディーター・ブッハートさんの「交換のモニュメント」には、長いテーブルにさまざまなものが置かれていて、それらをどんどん物々交換していうというもの。その光景はどんどん変化していきます。実際に、かなりキテレツなものも置かれていたり。
もうひとりのマルコ・エヴァリスティさんのところには、かなり奇妙な感じで缶詰が並べて置かれていたわけですが...ちょっと分からなかったです(汗)。
《ROOM》
輪派絵師団の映像作品が、2階の手前のコーナーであるSPACE Bで上映されていたのですが、これがめちゃくちゃ面白い!
なんでも、彼らの映像がYouTubeでかなりのアクセスを集めて話題にもなっているそう。
冒頭に登場する男。
電話をかけて、一日の終わりを迎え、ベッドに横たわって眠りに入る男のこの部屋で、このあとから繰り広げられていく空前絶後、波乱万丈な展開に、ひとときたりとも目を離せないのです。
時には「えっ!!!」と思わず息を呑むようなアクロバティックなシーンも。
ひとつ前の段階ではたしかにその部屋に描かれたり作られたりしたものが、次の場面では消えていたり、劇的に変化していったり。
そして最後に登場する木。ここまでの紆余曲折がとにかく見応え充分、抜群の臨場感で。
サブスペースの小さなモニターでも映像作品が流れていて、それを観て気付いたのですが、多摩美術大学の昨年度の学内卒業・修了制作展で観て強く印象に残っていたのでした。
サイトを拝見すると、ライブペインティングも精力的に行っているようなので、そちらもぜひ時間を作って伺いたいと思っています。
《机上位》
そして、僕にとっては、いつも展示のオープニングの歓談の場になっている印象が強いスペースでは、BOICEのメンバーがそれぞれ1台のテーブルの上でさまざまな展開を行うという面白い企画が開催されているんです。
まず、同日に府中での展示もチェックしている横手山慎二さん。
まずシンプルなのが、逆に奇妙なインパクトを感じます。
テーブルの上に置かれたアイテムはふたつ。
合版と反射鏡による、なんだか最先端のアイテムを模したようなものと、ビールケースから生えていて、ビニールが被せられたセイタカアワダチソウっぽい雑草。
シンプルなのはその光景だけだはなく、素材も。
セイタカアワダチソウに見えるものももちろん、といか、実はというか...。
素材がはっきりと認識できるところに、横手山さんのクリエイションのユニークさが力強く込められているような気がします。
・・・敢えて『この』精度。今は具体的な言葉が浮かんでこないのですが、そこに奥深さが潜んでいるような感じで、この先の展開もすごく興味深いです。
山下美幸さん。
焦茶色に塗られたテーブルの上に描かれる、白に淡い色彩が滲む、このなかでひときわ素直な美しさをやわらかく発散している作品。
桜を思わせる太い木の幹、地面に広がる先端が尖った草の葉。そして、唐突に、ボーリングのピンが。
泡のような白の色面が寄り添って描き出す世界。もっとこの続きを観てみたくなるような。
テーブルスタンドの強い灯りもむしろ自然にそこに収まっているんです。
丸橋伴晃さんは、またこれが丸橋さんらしい構成で。
そのテーブルの一角の壁には、先月開催されていた「赤坂娘」がところ狭しと重ねられています。この距離で見て、改めてその大きさを実感。
そして、テーブルの上はクロスが敷かれ、その上にはお茶碗とお箸が。
さらに正面には、女の子がひたすら食べる映像が流されています。
カメラの主(おそらく丸橋さん)と談笑しながら食べる女の子、何やら不可解な行動で食べる女の子とその仕草はさまざま。
なかでもいちばん強烈だったのが、唯一逆回しで編集されている女子高生。
口から食べ物が出てくるわけですが、出てきてもまだ口を動かしてる・・・
ど、
ど、
どんだけ食ったんだぁぁぁっっ!!!Σ( ̄口 ̄;)
という具合に絶句、しかもメロンパンにサラダにカラアゲにヤキソバその他、合間に飲むのはオレンジジュース、それらをとっかえひっかえ。
いや、すごいものを観た、という、充実感、達成感が。
佐藤純也さんは、今の佐藤さんを現しているような感じです。
スクエアの画面に描かれたさまざまなモチーフと、そこにいっしょに置かれた何も書かれてないノートのコピー。
現在進行形のクリエイションは、どの時点からでも始まりなんだ、ということを主張しているかのようで、それが頼もしく思えてきます。
周辺には、小品がいろいろと置かれていて、こちらも観ていて楽しいです。
そして、それでは終わらない...!
テーブルの下に配された白熱灯が照らすのは、テーブルの下の絵。
このあたりのユーモアが堪らないんです。
雨宮庸介さんは、いちばん奥の薄暗い一角で。
しかも、テーブルではなく、イーゼルに平面の作品が置かれています。
では、テーブルは、というと、絵のなかに。
雨宮さんのタブローというのも新鮮でたいへん興味深く、それがロウソクの火の灯りだけで照らされて、さらに描いている現場そのままの感触が伝わるように、いっぱいの灰皿や筆立てなども置かれていて、それが絵の世界の奇妙さに臨場感をもたらしています。
これらの3つの展示で発揮されたクリエイションは、アーティストの数以上の大きさ、規模で。
それぞれが思い切りのある展開なのが痛快で、さて次は、と期待も膨らむ展覧会です。
《おまけ》
丸橋さんのテーブルの下で蠢く人影に全米が泣いた



