@ヴァイスフェルト
東京都港区六本木6-8-14 コンプレックス北館3F
5/11(金)〜5/26(土)日月祝休
11:00〜19:00
「じょおうさまとお呼びっ!」
・・・なんて高慢さはなくて、むしろ親しみ溢れるクリエイションがそこかしこに配置されて、ユニークでユーモアもあるグループショーです。
さまざまな発見やイマジネーションに彩られた素敵な展覧会。
まず、石川結介さんの絵がばっと目の前に現れて圧倒されます。
壁に直接描かれた、巨大なダイヤモンド。
屈折して導きだされたさまざまな光の色彩が、迫力ある立体感をもたらしています。
青木克世さんのセラミック。
今回はこの1点のみですが、その存在感はある意味圧倒的です。
とにかく精緻な作り込みと釉薬の「照り」とがゴージャスさをいっぱいに発散させています。
勝本みつるさんの作品は、箱のなか繰り広げられる静かなジオラマ風。
緑の繊維のかたまりが、奇妙なかわいさを醸し出しています。
入口左手の壁に取り付けられた2段の細長い棚にずらりと居並ぶ、久保田珠美さんの手によるキュートな人形のオブジェ。
さまざまな姿、形、模様、そして色がなんとも楽しい!
芳木麻里絵さんの作品が、今回の展示の中で一番の驚き。
ぱっと見ると、額に収められたレースの布、ボタン、絆創膏。
しかし、それらはすこぶるクリアな色彩で、特にボタンの赤のやわらかさを伴った鮮やかさが印象的。
そしてこれらの作品のクレジットを見てみると・・・シルクスクリーン、とある。
・・・え?
シルクスクリーンかよ!Σ( ̄口 ̄;)
版なのかよ!Σ( ̄口 ̄;)
と、その刹那の戸惑いの直後に訪れる衝撃。
なんでも、ひとつの版を繰り返し繰り返し刷ることで作り上げられた、いわば「インクの塊」。
そうと分かって観ると、レースの精緻な柄が、絆創膏の模様が、それまでとはまた違うインパクトで迫ってきます。
横から見ると、たしかに幾重にも重ねられた痕が見受けられて、その驚きも倍増。
そして、その下方に設置されたガラスの棚の上にかかっているレースのハンカチが。
もう、何も言うまい(笑)。
中央に置かれた長いテーブル。
グラスが美しく配置されて実にきらびやかにこの空間を演出しています。
そしてこのテーブルの上にもユニークなクリエイションが置かれています。
藤芳あいさんの「水」。
昨年開催された個展ではプールに張られた水を立体的に再現した美しい作品が展示されていましたが(現在横浜美術館で開催中の展覧会にも出展されているようです)、今回はその一部のような、ちいさな水のオブジェが。
鮮やかな青の透明さが、グラスが並ぶテーブルの上でひときわ映え、瑞々しいアクセントをもたらしています。
岩井久美子さんが咲かせたティッシュの花。
その姿はまるで手品のような可憐さ。素材が親しみあるだけに、そのギャップが醸し出すユーモアも味わい深いです。
カットされた文庫本に細かく施された刺繍。
福田尚代さんの作品で、表に現れた文章が、おそらくこの本の文脈からは離れてしまって、不思議な説得力を持って迫ってきます。
長谷川ちか子さんのクリスタル。それぞれの奥に潜むミニマムな紋の美しさ。
鮮烈でアグレッシブな色彩、そしてそれがこのサイズの画面に収められることで、ぎゅっとエネルギーも詰め込まれたような。
力強さに溢れ、それがいろんなパターンで提示されていて、思わず見入ってしまいます。
なんとなく、この展覧会のタイトルが漢字で「女王様」と書かずにひらがななのもなんだか分かる気がします。
敢えてひらがなになっていることで、やわらかさや親しみが現れていて、そこに逆の奇妙さ、コメディアンが演ずる悪役が醸し出す妖しさ、というと例えとしてはネガティブだしちょっと大げさなんですけど、まあ、そんな感じも伝わってきます。



