・山本太郎展“日々是日本゜-ヒビコレニッポン”
@Bunkamura Arts&Crafts
東京都渋谷区道玄坂2-24-1
4/2(月)〜4/15(日)
10:00〜19:30
今年のVOCA賞のアーティスト、山本太郎さんの個展。
ギャラリーのウィンドウとGALLERY+とに大きな屏風の作品があり、さらに扇子の作品が数点。もう、すごく面白い!
VOCA展では、ちょっと考えさせられるような深いテーマの存在が印象に残ったのですが、こちらでは、ぱっと明るい賑やかさとユーモアとが直で伝わってきます。
幹のかたちがユーモラスな松や桜がずらると並ぶ山の表面にグレーの道路が水平に通っていたり、扇に現される年末年始が「もみの木とサンタ」から「松と鶴」へと移り変わるように描かれていたり、他にも信号機や飛行機、コーラなどのモチーフがうまい具合織り込まれていておもわず笑みがこぼれる構成で。
現実の世界では桜だけ、あるいは松だけの風景というのははむしろ演出された場所で、実際は道路脇に桜の木があったりして、いわゆる日本の情緒の象徴と近代化の象徴とが混在しているわけですが、こうやってひとつの画面に収められると絵画の世界は逆にシュールに感じられるのがすごく興味深かったです。
《4/7》
・狩野久美子展 [BACKYARD ―隠れた庭― 2007]
@新宿ニコンサロン
狩野さんの展示は檻に触れて拝見しているのですが、その都度、風景と「もの」との関係、全体と部分との関係が織り成すコントラストが印象に残ります。
モノクロームで現れたさまざまな写真、一見すると全体として統一感がなさそうな時間の切り取り方のように思えるのですが、ひとつの画面の中に内包される「なんでこんなものがこんなところにあるんだろう」という違和感、そして展示全体を俯瞰したときに感じる「なんでこの展示のこの写真があるんだろう」と、同じように感じられる違和感とが妙に心に残ります。
今回の展示では、写真の明るい部分の銀色のぎらつきが、これまで以上に無機的で、それぞれの光景のクールさをさらに演出していたような気がします。
・strange embroideries 中島弘美
@Cystem Gallery
東京都渋谷区千駄ヶ谷3-20-10
3/2(金)〜4/22(日)月休
12:00〜19:00
はじめて伺ったCystem Gallery。1階と地下とに展示スペースがあり、今回の展示はその両方を観ることで中島さんのクリエイションが立体的に感じられる展覧会となっています。
1階では、デッサンが壁中に、そして床にも溢れて展示されています。
そのボリュームは圧倒的。溢れるイメージというよりも、むしろ切迫感が感じられるほどに、さまざまな種類、サイズの紙に狼のデッサンを中心に描かれています。観ていて意識が呑み込まれます。
地下にはアクリル画が壁に直接描かれた絵とともにインスタレーションされています。
大きな画面の作品がそれぞれの壁にダイナミックに配され、僕は地下のスペースから見始めたこともあってすぐには気付かなかったのですが、それぞれの画面に描き込まれる狼の姿に気付いた瞬間から、ここで展開されるひとつの世界により臨場感が感じられました。
ダークな物語の世界の中に入り込んでしまったかのような...。
☆"Sweet Distance" 元木孝美
@トキ・アートスペース
東京都渋谷区神宮前3-42-5 サイオンビル1F
4/2(月)〜4/15(日)水休
11:30〜19:00(最終日:〜17:00)
・−神話宇宙− 峰田三根子展
@Gallery≠Gallery
東京都中央区新川1-3-23 八重洲優和ビル2F
3/31(土)〜4/12(木)
12:00〜19:00(最終日:〜17:00)
写真をいくつかコラージュして構成された作品。
「和」を感じるモチーフと「未来」の感覚とのコントラストがかっこいいです。
それぞれの画面が元となったショートムービーも上映されていて、こちらも圧倒的な世界が展開されています。
・第六十二回 春の院展
@日本橋三越本店7階ギャラリー
東京都中央区日本橋室町1-4-1
3/27(火)〜4/8(日)
10:00〜19:30
僕にとっては院展もコンテンポラリー。
続けて拝見している日本画のアーティストの今の作品が観られるので毎回楽しみなのですが、今回もそれぞれ力作が出展されていて、見応え充分。そして、展示スペースの複雑さには未だに慣れないのです(汗)。
近藤仁さん。冬の陽射しとその季節の空気の張り詰めた感じが伝わる風合い。眩しいほどに画面いっぱいに広がる爽やかさが嬉しい作品です。そして、「冬の蝉」というタイトルに、来るべき季節に備えて地面で暮らす蝉の幼虫の存在、そこで過ごす時間の長さを感じ、それがさらに絵の世界に深みをもたらしているように感じられました。
川瀬伊人さんの作品におけるモノクロームの背景のかっこよさも健在。銀箔に引っ掻き傷が入り、そこから滲む墨のシャープさが、華や鳥の姿が描かれる「和」の世界にオリエンタルでフューチャリスティックな味わいももたらしています。
荒木恵信さん。屋根のある駅の光景で、独特なやわらかさをもたらしている画面にまず惹かれます。
暗い駅の構内の屋根から光が射し込む様子が描かれ、光の広がりに神々しさが感じられます。荒木さんの光の表現には毎度胸を打たれます。
永井健志さんの作品、赤、黒、金の色彩で描かれる紅葉。いかにも和的な色合いで描かれていながら、繊細なその佇まいのなかに、信じられないほどのシャープさが感じられ、その強さ、強靱さに魅入られてしまいました。
院展ではいつも、加來万周さんの作品と対峙する瞬間に備えて気持ちが緊張しているのですが、今回も見つけた刹那の感動はやはり相当なもので。
深い黒の背景、そこに散らばる金箔。横たわる女性の姿。目にした刹那に引力が増したような錯覚さえもたらされるほどの重厚さ。
小畑薫さんが描く幸せ感いっぱいのあったかい色彩に出会えたことも嬉しかったです。のんびりとした雰囲気が伝わる南のどこかの風景。岩絵の具のやさしさも活きていて、そのあたたかさを更に演出しています。
はじめて拝見するなかでは、川地ふじ子さんの画面いっぱいに溢れる枝葉の臨場感と、中村英生さんの銀色で描かれた漁場の作品が特に印象的でした。
ほか、大石朋生さんの鮮やかな色彩、大河原典子さんの冬の運動場、高島圭史さんの優しくしなやかな風合い、高橋雅美さんのやわらかな赤が広がる部屋、廣瀬貴洋さんの魚の存在感、野地美樹子さんの銀杏の鮮やかな黄色、佐々木益さんの闇に広がる水輪などなどもチェックできて満足です。
・内林武史展 [attic]
@ギャラリー椿GT2
東京都中央区京橋3-3-10 第1下村ビル1F
4/2(月)〜4/14(土)日休
11:00〜18:30(最終日:〜17:00)
それぞれの作品の中からにじみ出るやさしい風合いに心が和み、もう何にもいらないって気持ちが沸き上がってきます。
昨年はメインスペースで開催された内林武史さんの個展、今回はギャラリー椿GT2で開催されているのですが、空間全体が狭まったぶん、そのひとつひとつの世界への距離感も近くなった感じです。
やわらかな灯りが広がる照明が内包された作品の優しさ、スイッチなどを入れるとラジオが鳴ったり灯りが灯ったりする、実際に動かしてみて楽しいものなど、ユニークなクリエイションが詰め込まれています。
驚いたのが、DMにもなっているミニチュアの机の作品。スイッチを入れるとラジオが鳴るのですが、これがその机の上に置かれた錆びたような風合いが施された回路が実は生きているそう。
ゆったりとした時間が過ごせる素敵な展覧会です。
・軸丸智香子展
@ぎゃらりぃ朋
東京都中央区銀座1-5-1 第3太陽ビル2F
4/6(金)〜4/14(土)日休
12:00〜19:00
ふわりとした色彩で描かれる、女の子が登場する作品がいい味醸し出しています。
また、遊具を描いた作品のダイナミックさも印象的です。
☆「25×4=□」展 尾崎真悟・大平龍一・柴田鑑三・飯田竜太
@東京画廊
東京都中央区銀座8-10-5-7F
4/4(水)〜4/28(土)日月祝休
11:00〜19:00(土:〜17:00)
・forerunners & four eggs 奈良美智&福島淑子
@GALLERY MoMo
東京都港区六本木6-2-6 サンビル第3 2F
4/3(火)〜4/14(土)日月祝休
12:00〜19:00
「forerunners & four eggs」の第3弾。昨年のシェル美術賞でも入賞された福島淑子さんがフィーチャ−されています。
どこか暗さが感じられる作品。絵の中に登場する人物の憂いを帯びたような表情に、自然に感情移入してしまいます。
☆ラントシャフト 阿部未奈子/大平龍一/成田義靖
@ヴァイスフェルト
東京都港区六本木6-8-14 コンプレックス北館3F
4/6(金)〜4/28(土)日月祝休
11:00〜19:00



