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2007年03月22日

review:鴻崎正武展《3/17》

鴻崎正武展
Art Gallery 山手
神奈川県横浜市中区山手100 サンセット山手1F
3/17(土)〜3/27(火)
11:00〜19:00(最終日:〜17:00)
鴻崎正武@山手DM.jpg



微妙に、しかし明らかに変化を感じさせる「TOUGEN」。



精力的に作品を制作・発表されている鴻崎正武さんの、今年最初の個展へさっそく行ってきました。
場所は、Art Gallery 山手。賑やかさが心地よい中華街までは行ったことがあったものの、そのすぐ側にこんな瀟洒な雰囲気の場所があったんだ、と横浜の奥深さにあらためて感じ入った次第です。
目の前の坂を挟んだすぐには大きな桜の木があります。僕が伺った日はまだ開花の素振りも見せていませんでしたが...。


で、鴻崎正武さん。
昨年も3つの個展に足を運びましたが、過去の油彩の屏風作品も合わせて展示されたスルガ台画廊、大作が多く出展されパワフルな空間が展開されていたギャラリーアートポイントと、このふたつの展示では混沌とした力強さが印象に残っているのですが、年末の啓祐堂での展示で感じた変化・・・独特の画面構成に柔らかさ、明るさが感じられるようになってきました。

そして今回の個展。
その明るさがさらに全面に押し出されたような感じです。
これまでの観る人の存在を呑み込むようなインパクトから、ある種の幸福感さえも感じるようなやわらかい雰囲気が漂っているように思えます。


鴻崎正武@山手08


鴻崎さんが日本画の画材を用いるようになってからずっと続けて拝見しているのですが、独特の手法で画面に取り入れられる箔などの使い方がたいへん熟れてきた印象が嬉しいです。見事に作り込まれた立体的な模様の部分、箔が散らされた箇所など、その風合いに、意図しているものと実際のものとの差がおそらくずいぶんと埋められてきたのでは、と。。。
この熟れ具合も、もしかしたら画面の明るさに貢献しているのかも知れません。

加えて、画面の中の鮮やかな色彩のラインが複数に沿ってつくり出す未来的な模様も印象的です。絢爛で個性的な「和」の世界に取り込まれたこの線がアクセントとなって、未来的な味わいも加えられています。


鴻崎正武@山手02 鴻崎正武@山手0 鴻崎正武@山手04

鴻崎正武@山手01



今回もずらりと小品が並んで展示されています。
小品では、ひとつの画面に登場するさまざまな生物のパーツを組み合わせて構成されたモチーフがひとつだけ描かれ、その存在をさまざまな色彩や質感を取り込んだ背景によってよりそのユニークさを全面に現しています。


鴻崎正武@山手10 鴻崎正武@山手11

鴻崎正武@山手07


そして、全体に感じられる明るさがそれぞれの小品ひとつひとつからも滲み出ています。中央に描かれるモチーフも、これまでのと比較するとグロテスクさがずいぶんと抑えられたような印象で、そこに咲く花にもどこはかとなく可憐な雰囲気を漂わせていたり、昆虫や動物を思わせるものの素朴な印象があります。


鴻崎正武@山手12 鴻崎正武@山手14 鴻崎正武@山手13

鴻崎正武@山手06


優しく灯るような、そういうポジティブな明るさが満ちています。
同じサイズの作品がずらりと、整然と展示されている楽しさも印象的です。


鴻崎正武@山手09


背景の中の、箔のきらびやかさと岩絵の具の色彩の鮮やかさとのコントラスト。
そこに浮かび上がるモチーフのユニークな佇まい。
それらが見事に調和しあって、面白い雰囲気が作り上げられています。

少しずつ変化が感じられることも、今後の鴻崎さんの展開に期待を抱かせてくれます。


鴻崎正武@山手05
posted by makuuchi at 07:11| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする