@Gallery Q
東京都中央区銀座1-15-7 マック銀座ビル2F
3/12(月)〜3/24(土)日休
11:30〜19:00(最終日:〜17:00)
今年のVOCA展で拝見した未知のアーティストの作品の中でもっとも印象に残ったひとつ。
横長のパネルにマウントされたおそらく出力の作品で、不思議な透明感のある白のグラデーションで構築され、尋常でない広がりを感じてしまうダイナミックな一面と、無意識に作品へと近付いて至近でじっと凝視してしまうほどに、細かな影と白とのコントラストによる混沌とが一体になって、ぐんぐんと意識が揺れるような圧倒的な風合いに驚嘆した次第。
その作品のアーティスト、佐々木里加さんの個展がGallery Qで開催されているのを人づてに知り、これ以上ないタイミングで拝見することができました。
コンパクトなスペースの四方の壁に1点ずつと、事務所のほうに小品が数点というシンプル構成。
メインスペースに展示されたのはVOCA展に出展されていた作品と同サイズのものが入く口から続く壁に1点と、縦長の作品が他の3つの壁にそれぞれ配され、ギャラリーの真ん中に佇むと、作品群が醸し出す強烈な引力に圧倒されるような気がします。
残念ながらご本人は不在で、直接お話を伺うことは叶わなかったのですが、佐々木さんの作品は「脳」がモチーフとなっているとのこと。
脳の模型を制作し、その画像をパソコンに取り込んで加工することで、このような特有のうねりを持った曲線がなめらかに、かつ複雑に交錯する作品が作り上げられるようです。
そういった過程を知ると、無機的な色彩感の中に強く有機的な要素を感じ、そこに意識がどんどんと呑み込まれていくような印象を佐々木さんの作品に持つ理由も理解できます。
縦長の作品は、脳がその画面にあわせるように、縦長に引き伸ばされています。
それがまるでその色の水に保存されているかのように、尋常でない透明感を放ちなががそこに存在しています。
この圧倒的な縦のダイナミズムに囲まれ、自分がミニマムな世界へと入り込んでしまったかのような状況が連想されます。
その3点に囲まれた状態で俯瞰する正面の横長の作品。
今もなお、ぐんぐんと左右へ広がり続けているかのような勢いを感じます。
作品の中のなめらかな曲線で描き出されるひとつひとつのパーツが隣り合い、重なり、ずっと画面の向こうへと続く奥行きを醸し出すと同時に、画面の表へと立体的に迫ってくるような臨場感も発散しています。
また、その曲線とグラデーションとが織り成すものは、あたかも澄んだ音で発せられる不協和音のように、それに触れた刹那に受ける素直な美への刺激とは裏腹に、危ない芳香も漂ってくるような。。。
この画面から感じる鮮烈なインパクトは忘れ難いです。
この佐々木さんの作品、さらに引き伸ばされて展開されたらどうなるんだろう、という興味も湧いてきます。
出力作品の強みとして、そういったことも不可能ではないところに期待も思わず抱いてしまいます。


