エマージング・ディレクターズ・アートフェア「ウルトラ001」、多くの皆様のご来場ありがとうございました。
スパイラルガーデン
東京都港区南青山5-6-23 スパイラル1F
10/29(水)〜11/3(月祝)11:00〜20:00
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2007年02月27日

review:CLASSIC CARICATURE NOMBUMASA TAKAHASHI ART EXHIBITION 2007「大人の滑稽」《2/15、2/17、2/22》

CLASSIC CARICATURE NOMBUMASA TAKAHASHI ART EXHIBITION 2007「大人の滑稽」
CIBONE AOYAMA
東京都港区北青山2-14-6 青山ベルコモンズB1d
2/3(土)〜4/10(火)
11:00〜21:00
高橋信雅2/3パンフ.jpg

高橋信雅さんの、竹ペンで描かれる墨の作品の展示です。
実はたまたま青山ベルコモンズ近くを通りかかった際に、246通りに面したウィンドウに何やら面白そうな絵が飾られていて気になっていたのですが...いやもう文句なく楽しめる展示です!

高橋信雅01

とにかく壮観!
CIBONE AOYAMAにはこの展示ではじめて伺ったのですが、階段で下っていったスペースは天井も高く、壁も広々としていて、そこにところ狭しと、しかし整然と、たくさんの作品がちょっと幅のある黒の木製の額に1点1点収められて展示されています。

そのひとつひとつに描かれる光景...
展示の全景を俯瞰すると、その色彩からシルエット的な印象を最初は受けますが、ひとつひとつと眺めていくと、そこに登場する人々などは本当にいきいきとしていて、音や温度までがイメージとして沸いてくるような感じです。
それが、ホントに楽しい!

「大人の滑稽」というタイトルも素敵。
たくさんの「遊ぶ大人」が描かれていてて。
おそらくやってる側は大真面目なはずのオートバイのアクロバット走行とか、連なる自転車の隊列、クラシックカー、幅跳びする人、エアロビクスダンスに汗を流す人...中には装甲車や匍匐前進する歩兵なんていう少々物騒なモチーフもあったりしますが、そういった人々の動きをちょっぴりラメが入った黒で描き出されることで、その楽しさ、非現実的な世界を演出している感じが、独特の臨場感を伴って伝わってきます。

その他に、昆虫や動物を描いた作品が紛れて展示されています。こちらもかわいかったりして、いい感じです。

そういったのがこれだけ並んでいるんだから、楽しくないはずがない!

高橋信雅02

高橋信雅03


ひとつ、なんだか大きな円盤状のものが設置されています。
これも見どころのひとつ。

この円盤には小さな穴と手回しのハンドルとがあって、その穴から中を覗き、少々抵抗感があるハンドルぐるぐると回してみると...
その中では高橋さんが描くパラパラマンガが、アナログな手法で動画となって再現されています。
くるくるとロンドを舞う男女。こちらも壮観です。

高橋信雅05

加えてパンフレットがオシャレな包装紙のようになっていて、白の紙に高橋さんが描いたさまざまな作品がプリントされているのも、この展示の楽しさを演出しています。

ぜひ、このいきいきとした黒の線の世界を、浴びるように堪能してほしいです。

高橋信雅04
posted by makuuchi at 09:14| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

review:第55回 東京藝術大学卒業・修了作品展《2/24、2/25》

第55回東京藝術大学卒業・修了作品展
東京藝術大学東京都美術館
東京都台東区上野公園12-8
2/21(水)〜2/26(月)
9:00〜17:00(最終日:〜12:00)
芸大卒展2007 DM.jpg

芸大の卒業・修了作品展に行くのは今年で3年続けて。
今年も既知・未知のアーティストの作品をたくさん拝見できて、たいへん楽しめました。
なかでも特に印象的だった方を。


・龍口経太さん
個人的に、今年拝見した日本画でもっとも印象的だったのが、これまでも折りに触れて拝見している龍口さんの力作。
半透明感(こう言葉にするとなんだか元も子もないのですが...)のあるベージュとグレーの中間のような色彩を背景に、中央に黒い樹の幹があって、そこにその幹と同じ色のドレスを纏った女の子がしゃがんでいる、という作品。その女の子の仄かに憂いを帯びたような表情はあらためて語る必要もないほどの可憐さ、美しさで、無機的な雰囲気を醸し出す背景と樹の幹の異様さのなかに、女の子の顔と手の部分が精細さを伴った神々しい輝きを放っているように感じられました。
この美しさには何の物語も必要ない、そこにある美しさだけで充分に説得力が伝わってくる、龍口さんの独特の個性が発揮された素晴らしい世界でした。


・池田裕子さん
2点の鉛筆画に挟まれて油画が1点、合わせて3点が出展されていました。
暗めの色彩感、まるで型からとったようにくっきりとしたエッジで描き出された花や葉が画面に広がっていて、その不思議な雰囲気、植物のモチーフが持つなめらかな曲線によって生み出されるメルヘンチックさに紛れてそこはかとなく漂ってくる危うさ、アバンギャルドさに惹かれます。
2点の鉛筆画もそれぞれ若干異なるテイストで、油絵とはまた違った丁寧なグラデーションが印象的でした。


・大庭大介さん
昨年もmajical ARTROOMでの個展で拝見している大庭さん、絵画棟のいちばん上のいちばん遠い部屋で展示が行われていました。
壁いっぱいの大きさの大作と小品、加えて展示室内にはフクロウが数匹、天井から吊るされた止まり木に留まっていました。
これまで拝見してきた作品と比べると、画面の上に盛られた絵の具の物質感のインパクトが結構強烈。そして、使用されている絵の具にラメが入っている感じで、大きな窓から入る陽射しを反射して輝き、特に壁いっぱいの作品は端から端ヘと移動しながら眺めるとそれに従って景色が劇的に変化していき、角度によっては画面に描かれるものがほとんど分からないのですが、そこからどんどん絵の世界が現れてくる様子は圧巻。
また、フクロウがセンサーに反応して側を通ったりするとふいに鳴くのも楽しかったです。


・安田豊さん
モノクロのリトグラフ作品。
スクエアのドットで構成され、デジタルな表現による人物の顔や肖像など。
アプローチの面白さ、分かりやすさはもちろん、そこに込められたユーモアも感じられて、楽しい作品でした。


・福井直子さん
部屋中がカラフルな色彩に溢れたインスタレーション、その世界、「やっちゃった」感は痛快です。
太めの稜線で描き出される絵のスタイルも、その楽しい雰囲気を効果的に演出していて、それがこの非現実的な世界へとイメージを誘ってくれた感じです。



・田村吾郎さん
ars galleryでの個展でもたいへん興味深い世界を展開していた田村さん、この展示では未来の光景を連想させるインスタレーションが天井から吊られていました。
個展で出展された作品は水平感があったのですが、今回拝見したものは統一された水平な感覚がなく、ひとつ次元を踏み越えたような斬新さを鮮烈に漂わせていて、そこにいると他では得難いイマジネーションがどんどん広がっていきます。
その作品中の各所に配される大きなパネルにモニターがあって、そこに会場内の各所からその作品のリアルタイムの映像が映し出されていたのも、その未来的な感覚をさらに押し出していました。


・倉内慎介さん
暗い部屋のなかに広がる、降る雨の波紋。
床に接地された円形をつなぎ合わせたかたちの透明のパネル、それぞれの円の中央のダイオードが発光し、その光の筋が下方へと落ちていく...。
その静けさ、美しさは格別。澄んだイメージが印象に残ります。


・杉崎典子さん
Oギャラリーでのグループ展で拝見していた杉崎さん、そのときはちいさな棚の上で展開されたかわいい作品が印象に残っているのですが、今回は暗がりに設営されたひとつの部屋のなかに配されたアクセントがなんともかわいくて。
ドアノブ、壁のフック、壁に掛けられたドレスのスカートの部分、天井から吊るされた照明、花瓶の中、コップの中...さまざまな箇所に、そこからミニマムな世界へと誘ってくれるちいさなちいさな白い世界が発光していて...それぞれを眺めているとなんだか清々しい気持ちに。
全部で10ケ所あるその小さなインスタレーションを、実物大の部屋の中から探し出すインタラクティブさも楽しめました。


石松勇人さん
とにかくその圧倒的な描き込みに感服。
虚空に浮かぶ巨大な船。そこには動力など、あるいは街やコンビナートを思わせるものが精緻に描き込まれ、それが静止画のアニメーションとなって壁いっぱいのモニターに壮大なクラシカルなBGMと共に映し出されていました。
手元のリモコンによって各部分を拡大して観ることができて、それをいじりながら展開される世界に見入ってしまいました。


・阿部香さん
なかなか修了・卒業展示では映像作品を観る余裕が時間的になくて申し訳ないと感じるのですが、これまでも作品を拝見している阿部さんの作品はしっかりと。
特に潤む目が阿部さんらしいなぁ、と思わせてくれる、かわいい鳥のキャラクターによって繰り広げられるちょっとかなしい結末の壮大な物語。
アコーディオンと弦楽のBGMとの絡み合いも素晴らしかったです。


・岡地習子さん
学祭で拝見した作品も印象に残っていた岡地さん。
林の奥へと続く道が金色で描かれ、その圧倒的な雰囲気に見とれてしまいました。
空、あるいは道と思われる部分は金色に斜線が施され、それがユニークなグラデーションをもたらしていたのも面白く感じられました。
ぜひもっといろんな作品を拝見したいです。


・小芝千尋さん
どこか殺伐とした感触の白に、街並を線画で再現したような作品。
それも画面いっぱいに描き出されることはなく、敢えて違和感のあるバランスで構成されているのも逆にかっこよく感じられました。


梅田啓介さん
瑞々しささえも感じる、鮮やかな色彩のインパクトがまず感じられます。
そこに描かれているのは、ちょっと奇妙でユーモラスな外観の生き物たちの群れ。
素朴な表情がかわいらしいです。
そして、色彩や表情によってそれらがなんともいきいきと感じられて、それが楽しい気持ちにさせてくれます。


他にもたくさん印象に残るクリエイションがありましたが、さすがに全部は書けず...きっとまたどこかで拝見できることを期待しつつ...。


あと、卒業作品には必ず自画像が添えられていたのですが、その自画像の解釈がまた面白くて。
そういったなかでもっともインパクトがあったのが、松田修さん。
カラフルな原色に彩られた木のブロックで作られた浴槽のなかにモニターがある、なんだか良く分からないけどだから面白い作品もよかったのですが、自画像が...(爆)
もうね、ホントにそれでいいのかと(笑)。
ホントにそれで卒業させていいのかと(笑)。
posted by makuuchi at 07:30| Comment(0) | TrackBack(1) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする