2007年02月28日

review:樋口佳絵 耳鳴り《2/20、2/24》

樋口佳絵 耳鳴り
西村画廊
東京都中央区日本橋2-10-8 日本橋日光ビル3F
2/20(火)〜3/17(水)日月祝休
10:30〜18:30
樋口佳絵2/20DM.jpg



惚れた僕の負け。。。



一昨年に続いて西村画廊で開催されている樋口佳絵さんの個展です。
前回の個展でも、樋口さんの作品に囲まれた空間で時間を過ごすうちに、そして作品と対峙しているうちに、その魅力へと引き込まれてしまったことをしっかりと覚えていて、今回の展示も楽しみにしていた次第で。


樋口佳絵01


なにはともあれ、第一印象のインパクトたるや。。。
画面から一斉にあの「目」で見つめられると思わずたじろぎ、後ずさり。。。
そして、声にならない声が脳裏に響くような錯覚が。
敢えて文字にするとしても、「jjjjj.....」とか「ggggg.....」のようにアルファベットの子音だけを綴った感じであったり、あるいはひらがなの「あ行」に濁点をつけて伸ばしたような...そんな声。

それでも「声にならない声」に耳を澄ませ、指先で触ると潰れてしまいそうなほどに小さく奇妙な瞳を見つめ返していると、それはやはり言葉にならない言葉ではあるけれども、何かを伝え返してくれるような気がするんです。


樋口佳絵02


描かれる子供たちは、糸電話を耳に当てていたり、プールに服を着たまま半身を沈めていたり、あるいは遊戯に興じていたり...そんな具合に何かをやっていますが、それでもおおむね無表情。
その無表情さ、無感覚さがだんだんと、逆にいとおしく思えてくるんです。

そしてさらに、作品によってはふいに、僅かながらも何かの意図を感じてしまう表情が描かれていて、その「僅かさ」から、尋常でないほどに豊かなイメージが沸き上がってきます。
画面の中からこちらを見つめる目が本能的に警戒、威嚇しているような印象を受ける一方で、若干下を俯いたり何かに視線を送る表情には、それだけでぐんとその絵の中の子供が向かう意識へとこちらも引き込まれるような感覚が。


樋口佳絵03


たくさんの子供が登場する壁いっぱいの大作から、ちいさな画面にぽつんとひとりだけがいる小品まで、さまざまなサイズの作品が展示されていて、独特の世界を体感できます。
また、パネルに直に描かれた作品が多く、その物質的な生々しさも臨場感を演出しています。作品によっては画面が削られてベニヤ板の質感がそのまま絵の中に取り入れられたものも。


この「瞳」に何かを感じたら...ぜひ画面と対峙してみてほしいです。
「食わず嫌い」はもったいない。。。
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review:中山恵美「スワロウ」《2/23》

中山恵美「スワロウ」
WALL
東京都港区南青山6-13-9 アニエス南青山B1-A
2/23(金)〜3/8(木)
13:00〜19:00




蜃気楼のような。。。

中山恵美02

一度、Oギャラリーが関西のアーティストをピックアップして紹介する企画の展示で拝見して印象に残っていた中山恵美さんのWALLでの個展です。

階段を下って入口を通ると、カウンター傍に開く青い傘の絵。
独特の色の広がりと鮮やかさが、霞のように掴みきることができないどこかふわりとした感覚の世界へと誘ってくれます。

中山恵美05

滲む風景。遠のくイメージ。

作品によっては一見してそこがどこか、それがなにか分からないほどにぼやかされ、観ていて意識が絵の中に入っていくに連れて時間の感覚がだんだん緩やかになっていくような気がします。
キャンバスではなく、綿布に油絵の具という、支持体と絵の具との組み合わせがユニークなのも特徴的で、絹の目の細かさと、さらにそこに乗る絵の具もだいたいにおいて薄塗りであることが、作品に描かれる世界の『曖昧さ』をさらに押し出しているように感じられます。

中山恵美03

中山恵美01

さまざまな大きさの作品がていねいにインスタレーションされています。
作品のひとつひとつに、ゆったりと充てられた壁面。大きな作品ではそこに描かれている風景にデジャヴのようなものを感じてしまったり、モチーフがもっと絞られていたり、あるいは小さな作品では、それが何であるかの認識を試みつつ、収められた無拍子のリズムに自然と感性を委ねてしまううちに、そのミニマムな世界に溺れるような錯覚を感じます。

中山恵美04


この独特の世界のユニークさ、特に綿布の質感はやはり実際に目にしてみないと伝わらないものがあって、こうやって書いていてももどかしく...
ぜひご覧いただけると嬉しいです。
posted by makuuchi at 06:03| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月27日

review:CLASSIC CARICATURE NOMBUMASA TAKAHASHI ART EXHIBITION 2007「大人の滑稽」《2/15、2/17、2/22》

CLASSIC CARICATURE NOMBUMASA TAKAHASHI ART EXHIBITION 2007「大人の滑稽」
CIBONE AOYAMA
東京都港区北青山2-14-6 青山ベルコモンズB1d
2/3(土)〜4/10(火)
11:00〜21:00
高橋信雅2/3パンフ.jpg

高橋信雅さんの、竹ペンで描かれる墨の作品の展示です。
実はたまたま青山ベルコモンズ近くを通りかかった際に、246通りに面したウィンドウに何やら面白そうな絵が飾られていて気になっていたのですが...いやもう文句なく楽しめる展示です!

高橋信雅01

とにかく壮観!
CIBONE AOYAMAにはこの展示ではじめて伺ったのですが、階段で下っていったスペースは天井も高く、壁も広々としていて、そこにところ狭しと、しかし整然と、たくさんの作品がちょっと幅のある黒の木製の額に1点1点収められて展示されています。

そのひとつひとつに描かれる光景...
展示の全景を俯瞰すると、その色彩からシルエット的な印象を最初は受けますが、ひとつひとつと眺めていくと、そこに登場する人々などは本当にいきいきとしていて、音や温度までがイメージとして沸いてくるような感じです。
それが、ホントに楽しい!

「大人の滑稽」というタイトルも素敵。
たくさんの「遊ぶ大人」が描かれていてて。
おそらくやってる側は大真面目なはずのオートバイのアクロバット走行とか、連なる自転車の隊列、クラシックカー、幅跳びする人、エアロビクスダンスに汗を流す人...中には装甲車や匍匐前進する歩兵なんていう少々物騒なモチーフもあったりしますが、そういった人々の動きをちょっぴりラメが入った黒で描き出されることで、その楽しさ、非現実的な世界を演出している感じが、独特の臨場感を伴って伝わってきます。

その他に、昆虫や動物を描いた作品が紛れて展示されています。こちらもかわいかったりして、いい感じです。

そういったのがこれだけ並んでいるんだから、楽しくないはずがない!

高橋信雅02

高橋信雅03


ひとつ、なんだか大きな円盤状のものが設置されています。
これも見どころのひとつ。

この円盤には小さな穴と手回しのハンドルとがあって、その穴から中を覗き、少々抵抗感があるハンドルぐるぐると回してみると...
その中では高橋さんが描くパラパラマンガが、アナログな手法で動画となって再現されています。
くるくるとロンドを舞う男女。こちらも壮観です。

高橋信雅05

加えてパンフレットがオシャレな包装紙のようになっていて、白の紙に高橋さんが描いたさまざまな作品がプリントされているのも、この展示の楽しさを演出しています。

ぜひ、このいきいきとした黒の線の世界を、浴びるように堪能してほしいです。

高橋信雅04
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review:第55回 東京藝術大学卒業・修了作品展《2/24、2/25》

第55回東京藝術大学卒業・修了作品展
東京藝術大学東京都美術館
東京都台東区上野公園12-8
2/21(水)〜2/26(月)
9:00〜17:00(最終日:〜12:00)
芸大卒展2007 DM.jpg

芸大の卒業・修了作品展に行くのは今年で3年続けて。
今年も既知・未知のアーティストの作品をたくさん拝見できて、たいへん楽しめました。
なかでも特に印象的だった方を。


・龍口経太さん
個人的に、今年拝見した日本画でもっとも印象的だったのが、これまでも折りに触れて拝見している龍口さんの力作。
半透明感(こう言葉にするとなんだか元も子もないのですが...)のあるベージュとグレーの中間のような色彩を背景に、中央に黒い樹の幹があって、そこにその幹と同じ色のドレスを纏った女の子がしゃがんでいる、という作品。その女の子の仄かに憂いを帯びたような表情はあらためて語る必要もないほどの可憐さ、美しさで、無機的な雰囲気を醸し出す背景と樹の幹の異様さのなかに、女の子の顔と手の部分が精細さを伴った神々しい輝きを放っているように感じられました。
この美しさには何の物語も必要ない、そこにある美しさだけで充分に説得力が伝わってくる、龍口さんの独特の個性が発揮された素晴らしい世界でした。


・池田裕子さん
2点の鉛筆画に挟まれて油画が1点、合わせて3点が出展されていました。
暗めの色彩感、まるで型からとったようにくっきりとしたエッジで描き出された花や葉が画面に広がっていて、その不思議な雰囲気、植物のモチーフが持つなめらかな曲線によって生み出されるメルヘンチックさに紛れてそこはかとなく漂ってくる危うさ、アバンギャルドさに惹かれます。
2点の鉛筆画もそれぞれ若干異なるテイストで、油絵とはまた違った丁寧なグラデーションが印象的でした。


・大庭大介さん
昨年もmajical ARTROOMでの個展で拝見している大庭さん、絵画棟のいちばん上のいちばん遠い部屋で展示が行われていました。
壁いっぱいの大きさの大作と小品、加えて展示室内にはフクロウが数匹、天井から吊るされた止まり木に留まっていました。
これまで拝見してきた作品と比べると、画面の上に盛られた絵の具の物質感のインパクトが結構強烈。そして、使用されている絵の具にラメが入っている感じで、大きな窓から入る陽射しを反射して輝き、特に壁いっぱいの作品は端から端ヘと移動しながら眺めるとそれに従って景色が劇的に変化していき、角度によっては画面に描かれるものがほとんど分からないのですが、そこからどんどん絵の世界が現れてくる様子は圧巻。
また、フクロウがセンサーに反応して側を通ったりするとふいに鳴くのも楽しかったです。


・安田豊さん
モノクロのリトグラフ作品。
スクエアのドットで構成され、デジタルな表現による人物の顔や肖像など。
アプローチの面白さ、分かりやすさはもちろん、そこに込められたユーモアも感じられて、楽しい作品でした。


・福井直子さん
部屋中がカラフルな色彩に溢れたインスタレーション、その世界、「やっちゃった」感は痛快です。
太めの稜線で描き出される絵のスタイルも、その楽しい雰囲気を効果的に演出していて、それがこの非現実的な世界へとイメージを誘ってくれた感じです。



・田村吾郎さん
ars galleryでの個展でもたいへん興味深い世界を展開していた田村さん、この展示では未来の光景を連想させるインスタレーションが天井から吊られていました。
個展で出展された作品は水平感があったのですが、今回拝見したものは統一された水平な感覚がなく、ひとつ次元を踏み越えたような斬新さを鮮烈に漂わせていて、そこにいると他では得難いイマジネーションがどんどん広がっていきます。
その作品中の各所に配される大きなパネルにモニターがあって、そこに会場内の各所からその作品のリアルタイムの映像が映し出されていたのも、その未来的な感覚をさらに押し出していました。


・倉内慎介さん
暗い部屋のなかに広がる、降る雨の波紋。
床に接地された円形をつなぎ合わせたかたちの透明のパネル、それぞれの円の中央のダイオードが発光し、その光の筋が下方へと落ちていく...。
その静けさ、美しさは格別。澄んだイメージが印象に残ります。


・杉崎典子さん
Oギャラリーでのグループ展で拝見していた杉崎さん、そのときはちいさな棚の上で展開されたかわいい作品が印象に残っているのですが、今回は暗がりに設営されたひとつの部屋のなかに配されたアクセントがなんともかわいくて。
ドアノブ、壁のフック、壁に掛けられたドレスのスカートの部分、天井から吊るされた照明、花瓶の中、コップの中...さまざまな箇所に、そこからミニマムな世界へと誘ってくれるちいさなちいさな白い世界が発光していて...それぞれを眺めているとなんだか清々しい気持ちに。
全部で10ケ所あるその小さなインスタレーションを、実物大の部屋の中から探し出すインタラクティブさも楽しめました。


石松勇人さん
とにかくその圧倒的な描き込みに感服。
虚空に浮かぶ巨大な船。そこには動力など、あるいは街やコンビナートを思わせるものが精緻に描き込まれ、それが静止画のアニメーションとなって壁いっぱいのモニターに壮大なクラシカルなBGMと共に映し出されていました。
手元のリモコンによって各部分を拡大して観ることができて、それをいじりながら展開される世界に見入ってしまいました。


・阿部香さん
なかなか修了・卒業展示では映像作品を観る余裕が時間的になくて申し訳ないと感じるのですが、これまでも作品を拝見している阿部さんの作品はしっかりと。
特に潤む目が阿部さんらしいなぁ、と思わせてくれる、かわいい鳥のキャラクターによって繰り広げられるちょっとかなしい結末の壮大な物語。
アコーディオンと弦楽のBGMとの絡み合いも素晴らしかったです。


・岡地習子さん
学祭で拝見した作品も印象に残っていた岡地さん。
林の奥へと続く道が金色で描かれ、その圧倒的な雰囲気に見とれてしまいました。
空、あるいは道と思われる部分は金色に斜線が施され、それがユニークなグラデーションをもたらしていたのも面白く感じられました。
ぜひもっといろんな作品を拝見したいです。


・小芝千尋さん
どこか殺伐とした感触の白に、街並を線画で再現したような作品。
それも画面いっぱいに描き出されることはなく、敢えて違和感のあるバランスで構成されているのも逆にかっこよく感じられました。


梅田啓介さん
瑞々しささえも感じる、鮮やかな色彩のインパクトがまず感じられます。
そこに描かれているのは、ちょっと奇妙でユーモラスな外観の生き物たちの群れ。
素朴な表情がかわいらしいです。
そして、色彩や表情によってそれらがなんともいきいきと感じられて、それが楽しい気持ちにさせてくれます。


他にもたくさん印象に残るクリエイションがありましたが、さすがに全部は書けず...きっとまたどこかで拝見できることを期待しつつ...。


あと、卒業作品には必ず自画像が添えられていたのですが、その自画像の解釈がまた面白くて。
そういったなかでもっともインパクトがあったのが、松田修さん。
カラフルな原色に彩られた木のブロックで作られた浴槽のなかにモニターがある、なんだか良く分からないけどだから面白い作品もよかったのですが、自画像が...(爆)
もうね、ホントにそれでいいのかと(笑)。
ホントにそれで卒業させていいのかと(笑)。
posted by makuuchi at 07:30| Comment(0) | TrackBack(1) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月26日

〜2/25のアート巡り

《2/20》
☆樋口佳絵 耳鳴り
西村画廊
東京都中央区日本橋2-10-8 日本橋日光ビル3F
2/20(火)〜3/17(水)日月祝休
10:30〜18:30
樋口佳絵2/20DM.jpg


《2/22》
☆Dropkick Angelica Vivienne Alice Go-Go! woodcut show!
@a href="http://www.beams.co.jp/beams/html/bgallery.php" target="_blank">B GALLERY
東京都新宿区新宿3-32-6 BEAMS JAPAN 6F
2/22(土)〜3/29(火)
11:00〜20:00
Vivienne Alice2/22DM.jpg


《2/23》
☆中山恵美「スワロウ」
WALL
東京都港区南青山6-13-9 アニエス南青山B1-A
2/23(金)〜3/8(木)
13:00〜19:00


《2/24》
☆第55回東京藝術大学卒業・修了作品展
東京藝術大学東京都美術館
東京都台東区上野公園12-8
2/21(水)〜2/26(月)
9:00〜17:00(最終日:〜12:00)
芸大卒展2007 DM.jpg


☆峰岡正裕展 〜海底探検〜
MAKII MASARU FINE ARTS
東京都台東区浅草橋1-7-7
2/19(月)〜3/3(土)
11:00〜19:00(土:〜17:00)
峰岡正裕2/19DM.jpg


☆荒木享子展
ギャラリーオカベ
東京都中央区銀座4-4-5
2/19(月)〜2/24(土)
11:00〜18:30(最終日:〜17:00)
荒木享子2/19DM.jpg


☆小田志保展
ぎゃらりぃ朋
東京都中央区銀座1-5-1 第3太陽ビル2F
2/23(金)〜3/3(土)日休
12:00〜19:00
小田志保2/23DM.jpg


・トーキル・グドナソン展
MA2 GALLERY
東京都渋谷区恵比寿3-3-8
2/2(金)〜2/24(土)日月祝休
11:30〜19:00(最終日:〜17:00)
Torkil Gudnason2/2DM.jpg

植物のシルエットがベージュの背景に浮かび上がる写真作品。
落ち着いたシンプルな配色によって、植物の葉や蔦、茎などが生み出した曲線の美しさがさらに押し出されていて感じられ、シルエットの鋭さと色彩のやさしさとのバランスが独特な雰囲気を醸し出していました。
真っ白な空間に、ベージュの背景と黒のシルエット。たった3つの色で作り上げられた空間も、すっと気持ちが沈むような心地よさが感じられました。
結局最終日になってようやく伺えたこの展示、もう少し早い時期に観ておきたかったなぁ、と。


☆松山智一展 - 極の間に -
Takuro Someya Contemporary Art
千葉県柏市若葉町3-3 TSCA KASHIWA
2/24(土)〜3/25(日)月火水休・3/21開廊
12:00〜21:00



《2/25》
・第30回東京五美術大学連合卒業制作展
東京都美術館
東京都台東区上野公園8-36
2/21(水)〜2/26(月)
9:00〜17:00(最終日:〜13:45)
五美大展2007 DM.jpg

なんといっても東京造形大学の学内展でチェックし損ねた田代裕基さんの木彫が、噂に違わぬ大作、力作で感激!
どっかりと床に体を預けた雄鶏、でっぷりと肥えた身体に彫り込まれた羽の剛胆さと細やかさ、頭部、とさかの生々しいほどの迫力、そして空、天を衝くようにぶわっと広がる尾のゴージャスさ。さまざまな木彫、立体の作品が展示されていた中でもその存在感は格別に感じられました。

その他、造形大、ムサビの展示で印象に残った作品を最チェックできたり、後日あらためて学内展にも行く予定でいる女子美、タマビの作品も一足早く拝見できて、かなり楽しめました。


・Y・Aコレクションと2人のあさこ展
ギャラリーパレス
東京都千代田区丸の内1-1-1 パレスビル1F
2/20(火)〜2/25(日)
11:00〜19:00(最終日:〜17:30)
2人のあさこ展 DM.jpg

昨年開催されたふたつの個展(みゆき画廊新生堂)などで素敵な作品が印象的な濱岡朝子さんと、おぐまあさこさんの二人展。
濱岡さんの作品は旧作が中心だったものの、やはりそのやさしい風合いに触れると思わず笑みがこぼれ、優しい気持ちが溢れてきます。僕は初めて拝見したのですが、桜か何かだと思うのですが、うねる幹が印象的な和モチーフの作品の雰囲気がユニークに感じられたのが面白かったです。
おぐまあさこさんの作品は、すっきりとした背景にひとつのモチーフが添えられたような、あったかさとさわやかさとを感じる優しい風合いが印象的でした。


タタントヘニノレ
リビングデザインギャラリー
東京都新宿区西新宿3-7-1 新宿パークタワー6F
2/22(木)〜2/27(火)
10:30〜18:00
タタントヘニノレ2/22DM.jpg

多摩美術大学造形表現学部デザイン学科の2006年度の卒業制作優秀作品がピックアップされた展示。
思わず「頭いいなぁ!」と唸らずにはいられない、たいへん面白いクリエイションが並んでいます。

いや、もう、楽しい!
楽しすぎる!
ほんのちょっとしたアイデアやクリエイションが、ふだんの生活をより豊かにしてくれるんだなぁ、と感心しきり。

長内智子さんの「プチ・ドット」。
梱包資材のクッション、たまに贈り物のお菓子に入っててお母さんとかがヒマなときにおもむろにプチプチやってるあれ。気泡のいくつかに染料を入れて色紙やカレンダー、CDジャケット用の紙を添え、その気泡をプチッてやって紙を染める、という遊び心に溢れたアイデア作品。
瀧口修造のデカルコマニーみたいな絵ができあがるんですけど、難しいこと一切抜きの描けちゃう楽しさが、想像しただけでたまらないです。

長内智子02 長内智子01

淀川寛子さんのアイデアは、横長のカードに江戸情緒溢れる絵があって、それを切って組み立てるとジオラマができあがる、というもの。
絵柄がたくさんあって、それがずらりと並んだ様子は壮観!
この小ささ、かわいらしさがまた楽しいイメージを助長してくれます。

淀川寛子01 淀川寛子02

他にも目から鱗が落ちまくるアイデアが満載で。
小林紘子さんのカレー皿、最後のひと粒をすくいやすくしてくれる細工がなされていて、ほんのちょっとしたことなんですけど、実際にそのお皿に盛られたコーンをスプーンですくってみるとホントにすくいやすくて思わず笑ってしまったり。
大西由希子さんの和紙で作った蛇腹を用いたテーブルウェア。ぷしゅぷしゅっ空気を押し出すようにすると、均一に粉末が出てくる、という素敵なアイテム。見かけも素晴らしいです。これがちょっと高級なお蕎麦屋にでもあったら、嬉しくて堪らない、と思うんです。
須賀じゅんさんのギブスにも感心。コルセットの物々しさが消えて、そういう器具を用いているようには思えないくらいにおしゃれな作りになっています。実用化されたら、ホントにたくさんの人を幸せにしてくれるはず。

他にもさまざまなアイデアがあって、時間いっぱい感心しまくってました。
posted by makuuchi at 07:06| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月25日

review:上條花梨展『parallel world』《2/17》

上條花梨展『parallel world』
GALLERY b.TOKYO
東京都中央区京橋3-5-4 第一吉井ビルB1F
2/12(月)〜2/17(土)
11:00〜19:00(金:〜21:00、最終日:〜17:00)
上條花梨2/12DM.jpg

独特の静けさ。
遠くの記憶。


昨年夏のgallery OPEN DOORでの個展に続いて開催された、上條花梨さんの個展です。
今回は、上條さんの作風に実に雰囲気が合った空間、GALLERY b.TOKYOでの展示ということもあって、さらに上條さんの作品が持つ、格調を感じる渋い色彩感によって得られる独特の雰囲気を、空間がうまく引き出していたように感じられました。

フラットな画面のマチエル。そこには、筆から飛び散った絵の具による無数のドットが隅々まで散らばっています。これが、細かい部分が風化していってしまう記憶のイメージを醸し出しています。
描かれる絵には人物が登場するものとそうでないものとがありますが、静物のみの構成による作品においても、その作品からは人の気配や残り香のような温かみを感じます。

また、印象的なのは、光の表現。
間接照明のように、そこからやわらかく、かつじっくりと滲み広がるような光の美しさ、味わい深さにも、感嘆してしまいます。

上條花梨b02 上條花梨b03 上條花梨b04

上條花梨b01


人物が登場する作品は、やはりそのモチーフの存在感が際立ちます。
顔が描かれていなくても、動きを伴ったその姿、佇まいによって、その作品から広がるイメージに奥行きを与えていきます。あるいは顔が描かれているものは、その憂いを帯びた目許を見つめることで、絵の中の世界に誘い込まれるような錯覚を覚えます。

上條花梨b08 上條花梨b07

上條花梨b06

ちょっと厚めのパネルの小品も印象的です。
物理的に強調された立体感が、いつかどこかの風景を拡大して描かれたものにさらに臨場感を与えているような感じです。

上條花梨b09

上條花梨b10


入口付近を振り向くと、正面にはうさぎが黄金の光を放ちながらこちらを向いていて。
その両脇、短い通路部分に展示された作品の、間接照明に照らし出された夜の部屋のイメージが広がる光景が心を捉えます。

上條花梨b12 上條花梨b11

上條花梨b13


b.TOKYOのグレーの床、暗めの照明によって、上條さんが描く深まる夜のイメージ、それぞれの画面がある物語のひとつの場面を再現しているようにも感じられるアダルトな質感がさらに効果的に演出され、その世界にじっくりと浸ることができました。


上條花梨b05
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2007年02月24日

review:イリニ・ミガ展《2/16、2/17》

イリニ・ミガ展
GALLERY SIDE 2
東京都港区赤坂2-18-3 三葉ビル1F
2/16(月)〜3月 日月祝休
11:00〜19:00

ギリシャの女性アーティスト、イリニ・ミガさんの個展です。
異国の空気をそのまま持ってきてくれたような、キュートなファンタジーが展開されています。


色鉛筆によるふわりとやわらかい感触が広がる、軽やかな色彩。
それぞれの画面に取り入れられるモチーフがとってもユニークで、ユーモラス。

スクエアの画面の作品。
ひとつひとつの画面のなかに、現在もヨーロッパの各美術館が所蔵する彫像やそのレプリカの姿が、今あるかたちで登場しています。その佇まいはずっと昔の時代の香りを漂わせ、それが現代の女の子らしい感性で画面の中に再現されていて面白いです。
さらに、よくよく眺めていると、そういった永遠の時間を感じさせるモチーフと合わせて、現代のクラシックといった感じのキャラクターがぽっと描き込まれていて、これがまた独特の世界を演出しています。

イリニ・ミガ11 イリニ・ミガ12 イリニ・ミガ13

それぞれの作品の中で展開されるストーリーを想像してみるのも楽しいです。
会場内に置かれたファイルにそれぞれの作品の説明があって、こちらを読みながら作品の世界にあらためて触れるのも面白いです。

で、そういったなかでも、ボッティチェリの名作のパロディ的な作品、これがまたなんともかわいい!
なんでも、ここに描かれる女性の姿はご自身だそう。そのまわりに描かれるそれぞれのキャラクターとの関連を想像すると、思わず笑みがこぼれます。

イリニ・ミガ14


正面には、壁いっぱいの幅の大作が。
その広さを活かし、さまざまなファンタジーが画面の各所で展開されていて、まるで絵巻のようなダイナミックさです。

イリニ・ミガ10


しかし、やはり随所に感じるのは、ギリシャの感性。
・・・といってもギリシャに行ったことはないのですが...その土地や文化によって育まれた感性でしか描ききれない色彩感や構成に、新鮮な感動も覚えます。
何千年にも及ぶヨーロッパの文明とまさに現代とのクロスオーバー。
そのハイブリッド感は痛快です。

イリニ・ミガ06 イリニ・ミガ07 イリニ・ミガ08

イリニ・ミガ05


今回出展されている作品には1点だけ立体があって、これがまたいいんです。
真ん中の窪んだ部分がほんのりピンク色に染まった白い台。その上に、絵の世界をさらにキュートにしたような空間が乗っています。

イリニ・ミガ03 イリニ・ミガ02 イリニ・ミガ04

緑の上にこんもりと佇むふたつの山。大きいのと小さいのがふたつ、寄り添うように。
なんでもこれは親子だそうで。お母さんのほうには鼻みたいなものもあったりして。
やわらかい色彩が薄く彩られているのも、このオブジェの軽やかな世界の演出に一役買っています。

イリニ・ミガ01


なかなかお目にかかることのない、現代のギリシャのアーティストのクリエイション。
貴重なイマジネーションの広がりを体験できたと同時に、そういう存在を実感できたのも嬉しいです。
ひとりでも多くの方にこの感性に触れてほしいと思いますが、なかでも特にイリニさんと同世代の方にぜひ観てほしい展覧会です。

イリニ・ミガ09
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2007年02月23日

review:酒井正 展「Breath of air」《2/20》

酒井正 展「Breath of air」
和田画廊
東京都中央区八重洲2-9-8 近和ビル302
2/20(火)〜2/25(日)
12:00〜19:30
酒井正2/20DM.jpg

そこにほんの一点だけの接地点があって...
そして、さらにそこに素敵なクリエイションとスキルが加われば。

メディアアート、テクノロジーアートの展覧会を多く取り上げ、その度に素晴らしいクリエイションやイマジネーションを届けてくれる和田画廊。個人的には「ディメンションズアートの聖地」と思って止まないこのスペースが今回ピックアップしたアーティストは、酒井正さん。

酒井正08

木の板の床の上にずらりと並んでいるのは、いわゆる「やじろべえ」。
黒い台...といっても、一見してほんの1本の棒でしかないのですが...の上に乗っかる白い作品。
このさっぱりすっきりとした空間、色彩感のシンプルさに、軽やかなインパクトを感じます。

そして、その上に乗るやじろべえはさまざまなかたちをつくり出しています。
幾何学的なラインを構成していたり、美しいたおやかな曲線がしなっていたり、またはそのフォルムをみているだけで咲く花のイメージが沸いてきたり。

酒井正02 酒井正03

しかし、これがただのやじろべえでは終わってないのがこの展示のミソになっています。
この台、実は回転しているんです。
その動力が上に乗るやじろべえに伝わり、ゆるやかに旋回しているんです。

ホントに、ふわ〜っと。緩やかに。。。

その様子を眺めているとなんとも和めます。展示タイトルにもあるように、空気の呼吸がイメージとして浮かんできます。

酒井正12 酒井正09 酒井正10

酒井正01 酒井正11 酒井正06

で、思わず考えてしまうのは...

「この作品、どこにあったら楽しいだろう」と。

酒井正07 酒井正13 酒井正05

例えば、人が待ち合わせる場所にあって、その待つ時間をのんびりと和ませてくれたら嬉しいなぁ、とか。
または、学校の校長先生が退屈な訓示を続ける壇上の傍でゆるゆると回転していたら楽しいな、とか...あ、すみません、暴走してしまいました(笑)。

とにかく、さまざまなイメージをもたらしてくれる空間、クリエイションです。

酒井正04
posted by makuuchi at 17:29| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

review:武藤努展 color+ 拡張する色彩体験《2/17》

武藤努展 color+ 拡張する色彩体験
ASK? art space kimura
東京都中央区京橋3-6-5 木邑ビル2F
2/13(火)〜2/24(土)日休
11:30〜19:00(最終日:〜17:00)
武藤努2/13DM.jpg


テクノロジーがユニークなクリエイティビティで味付けされると、未来が見える。



それにしても、ASK? art space kimuraはこういった展示がホントに映えます。先日伺った川崎広平さんの個展に続いて、今回の武藤努さんの個展も、まさに未来を体感した気分にさせてくれる、たいへん興味深い展示となっています。

照明を落とされたギャラリーに入ると、まず、床置きの大きな立体作品が目に入ってきます。
全体が発光していて、さらに先鋭的なフォルムのこの作品、内側はそ中央へと段々に沈み込むようになっていて、その中がさまざまな色の光が。

武藤努06


続いて、今度は丸い台の上におよそ高さが1メートルほどのおきあがりこぼしが。
ちょうどその頭の部分が発光しています。
ただそこに置かれているだけでも充分にフューチャリスティックな佇まいなのですが、ちょこんと頭の部分を押して揺らしてみると、それにセンサーが反応し、さまざまな色の光が発散されてびっくり。

武藤努05

武藤努04


パーテーションで仕切られたその隣には、今度は大きな振り子が。
おきあがりこぼしのと同様に、発光する球体が天井からぶら下がっているのですが、これも揺らすと光の色が変化します。
そして、それだけでなく、床面にもその球体の軌跡がさまざまな色彩の光で描き出され、これがとにかく面白い!
球体が動くスピードなども影響し、さまざまな色や太さの線によって、残像が生み出されていきます。その美しさに恍惚とした気分に。

武藤努02

武藤努01

最後の作品は、壁に配されたグラフィカルな絵をライトで照らすというもの。

武藤努03

ただ眺めると捉え難い色彩でそこにある絵をライトで照らすと、ライトがあたった部分だけが変化し、色彩が浮かび上がります。
これにはもともとの絵の色彩を消すように配置された映像が当てられているそうで、その本来の絵の色を見せていただいたときがいちばん驚きました。このアイデアに、とてつもない可能性を感じてしまいます。

それぞれの作品がインタラクティブな要素を持ち合わせていて、ちょっとしたメディアアートの遊園地状態。
わくわくするようなクリエイションに、こちらのイマジネーションもすこぶる刺激された次第です。
posted by makuuchi at 08:15| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月22日

review:Lab☆Motion《2/14、2/16》

Lab☆Motion
トーキョーワンダーサイト本郷
東京都文京区本郷2-4-16
2/14(水)〜3/21(水)月休
11:00〜19:00
Lab☆Motionパンフ.jpg


一言でいうならば、「クリエイションの遊園地」!


3つのユニークなアーティストユニットをピックアップした展覧会です!
それぞれ、いわゆるアートのカテゴリーをひょいと越えちゃってる身軽さを伴ったクリエイティビティがとにかく痛快です。

1Fはexonemoによるインタラクティブなインスタレーション。
音のなるおもちゃで溢れかえっています。一見するとがらくたがごちゃごちゃ散らかってたり固まってるだけなんですけど、そのひとつひとつにインタラクティブな要素が盛り込まれていて、実際にいじってみるとこれが結構はまるはまる(笑)。

展示室に入るとその中央に、天井から吊るされているがらくたの塊が目に飛び込んできます。
「・・・あのねぇ」と瞬間おいて呆れるのですが、球体部分からぶら下がってるぺちゃんこのボールについているボタンをいじってみると、いろんな音が出てくる出てくる!
しかも、そのボールの最下部についたセンサーが反応して音が歪んだりして、かなり遊べます。ピンクのぬいぐるみも最高(笑)。

Lab☆Motion exonemo 02 Lab☆Motion exonemo 03 Lab☆Motion exonemo 04

Lab☆Motion exonemo 01

壁に接地されたパネルにところ狭しと配置されたさまざまな機器。
これがまた、かなり面白い!
ミニマルミュージック、あるいはポストロック的な音楽のエキップメントとしてもちゃんと機能しているんじゃないか、と感じさせるほど、さまざまな電子音のノイズが唐突に鳴り響きます。
時間を忘れてつまみやボタンをいじり倒してしまいまった次第。

Lab☆Motion exonemo 10 Lab☆Motion exonemo 11

Lab☆Motion exonemo 09

この他にも、床に散乱するおもちゃがそれぞれ何らかの動きや音を伴っていて、ひとつひとつがどんな封になるのかを確かめるのも楽しいです。
インスタレーションも会期中に少しずつ変化する模様。

Lab☆Motion exonemo 05 Lab☆Motion exonemo 06 Lab☆Motion exonemo 07


2Fは、TOCHKAの映像作品。
もう、圧巻です。

Lab☆Motion TOCHKA 01 Lab☆Motion TOCHKA 02 Lab☆Motion TOCHKA 04

出演者が光を放つスティックを持って、それを振りかざしながら虚空に線を描き、それが生み出す光の残像によってさまざまな絵が現れてきます。それを高速のコマ送りに編集し、シェイカーの軽妙なリズムがスピード感をさらに演出して、動きのある映像が展開されます。

Lab☆Motion TOCHKA 05 Lab☆Motion TOCHKA 06 Lab☆Motion TOCHKA 07

勢いに呑まれて、ホントに時間が一気に過ぎ去ります。
アイデアとその展開力に脱帽です、文句なしに面白い!
オープニングで開催されたパフォーマンスも相当楽しいもので、ボイスパーカッションとシェイカーの二人のミュージシャンが紡ぎグルーブに乗って、リアルタイムで光の残像をどんどん取り込んでスクリーンに映し出される様子に圧倒的な勢いを感じました。

Lab☆Motion TOCHKA 03



3階はassistantのインスタレーション。
1階と2階での動的なインパクトのある展示と比較すると、静かな印象を受けます。

展示室はほぼ真ん中からふたつに区切られています。
手前は、黒が基調に。
床面には幾何学的なかたちにカットされたマットが配され、その上に黒のテーブルと黒の椅子、さらにそのテーブルの上にも黒い食器などが置かれ、すべてが眠りについた夜を感じさせる独特の静謐さを伴った空間が展開されています。

Lab☆Motion assistant 06 Lab☆Motion assistant 07 Lab☆Motion assistant 08

そして、中央のパーテーションの向こう側は、一転してオレンジとゴールドが目に眩しい明るい空間が。
いきいきとした色彩が溢れる静謐感、と言葉にするとなんだか矛盾しているようにも思えるのですが、人の存在を感じないどこか醒めた雰囲気が非現実的な異空間にいることを強く感じさせてくれます。
壁に接地された幾何学模様のパネルのいくつかも回転していたりして、アクセントも溢れています。

Lab☆Motion assistant 02 Lab☆Motion assistant 03

Lab☆Motion assistant 04 Lab☆Motion assistant 05

このふたつの異なる空間を行き来すると、現実から離れたイメージが沸き上がってくることを実感します。
不思議な味わいが心に広がります。

Lab☆Motion assistant 01


すべての展示を観て、確実にイマジネーションが刺激されていることが実感されます。
これほどまでに現存のカテゴリーからはみ出たクリエイショインがパッケージされ、それがちゃんとひとつの統一感に収められていることに喝采!
posted by makuuchi at 07:25| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月21日

review:黒木美希 -木版画・コピーによる和紙のコラージュ-《2/17》

黒木美希 -木版画・コピーによる和紙のコラージュ-
シロタ画廊
東京都中央区銀座7-10-8
2/13(火)〜2/24(土)日休
11:00〜19:00(最終日:〜17:30)
黒木美希2/13DM.jpg


黒木美希09

軽やかな「和」の風合い。
昨年に続いて開催されている、黒木美希さんの個展です。

黒木美希08 黒木美希03

黒木美希11

まるで絣(かすり)を重ねたような、爽やかな和風の味わいが広がっています。
このパターン、CGなどでコピペを繰り返して作ったのではなく、同じ種類の種子や葉などを並べてコピー機で和紙にコピーされたそう。よく観察すると実際にひとつひとつのかたちや向きが微妙に違っていて、そういうアナログな感覚もこの軽やかさを後押ししてくれるような感じです。
また、使用される和紙の色味もさっぱりした淡いものが取り入れられているのもまた、清々しいです。

黒木美希06 黒木美希07

黒木美希05

パネルに張り込まれたパターン。
こちらは額装された作品とは若干趣が違って、その大きな画面と濃いめの色合いのなかに配されたパターンとによって、どこか独特の重厚さを醸し出しています。

黒木美希02

黒木美希01


立体の作品もユニークです。
和紙の素材感が全面に押し出されて、黒木さんの一面ということをしっかりと感じさせつつも、これまたまったく違う風合いで。
なんだか不思議な印象です。

黒木美希13

黒木美希12


大変ユニークなプロセスを経て作り上げられる、オリジナリティ溢れる和の世界。
ケレン味のないリズムの軽やかさ、楽しさと、彩りの爽やかさ。
なんとなく、初夏の江戸の町並みで繰り広げられる光景が思い浮かんでくるような...そこで交わされる軽妙なやりとりがこの画面のなかで再現されているような感じです。

黒木美希10
posted by makuuchi at 06:26| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月20日

review:有馬祐己展「ヒトリノミナサン」《2/17》

有馬祐己展「ヒトリノミナサン」
新生堂
東京都港区南青山5−4−30
2/14(水)〜2/24(土)日休
11:00〜18:00(最終日:〜17:00)
有馬祐己2/14DM.jpg



有馬祐己01


「こういう空間の使い方があったのか・・・!」
そう思わずにはいられない、ユニークな映像インスタレーション。

新生堂というとメインストリームの絵画のイメージがあるのですが、今回の有馬祐己さんの個展ではその空間の天井の高さを活かして、ちょっとルソーっぽさを思わせる太い黒の稜線が味わい深いパステル画を取り込んだ、一見地味で、その実ユーモラスなアニメーションが上映されています。


有馬祐己03 有馬祐己05

有馬祐己04 有馬祐己08

「ヒトリノミナサン」というタイトル通りに、ひとりずつ登場してきて呟いたり語ったり。
分かりやすいほどに不良な出で立ちのあんちゃんが達観したことをしゃべったり、女性が他愛もないことをしみじみと語ったり。神妙さやシュールさ、空回りする気合い、ホントにどうでもいいことなど...いろんなシチュエーションも思い浮かべながら、それでも妙に共感できる言葉。

そして、そのひとり語りが展開されるなかで、背景が唐突に転換したりして、その瞬間に「あ!」と思ったり。
さらに強烈に印象深いのは、画面と音声によるノイズが刹那的に出現しまくるところ。その臨場感はかなりのインパクトです。そしてかっこいい...!


有馬祐己07 有馬祐己10

有馬祐己09 有馬祐己06


1階のウィンドウには原画も展示されていて、映像とは違う味わいも。

とにかく贅沢な空間の展開で楽しめます。
このポップさは、もっといろんなところや媒体でも展開できそうなポテンシャルも感じます。

有馬祐己02
posted by makuuchi at 06:48| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

review:生駒さちこ個展「群像」《2/16、2/17》

生駒さちこ個展「群像」
HB Gallery
東京都渋谷区神宮前4-5-4 原宿エノモトビル1F
2/16(金)〜2/21(水)
11:00〜19:00
生駒さちこ2/16DM.jpg


うきうきするような光景。

昨年のDAZZLEでの個展からおよそ1年ぶりに開催されている、生駒さちこさんの個展です。
額装された作品を中心に、パネルに描かれた大きな作品も。

生駒さちこ10

銀座、鎌倉、表参道...ショッピングや敢行で訪れた場所のさまざまなシーン。
そういった場所での楽しい想い出が明るく爽やかな色彩で彩られ、軽やかに再現されています。
馴染みのある光景が独特の瑞々しいタッチで画面のなかに広がり、そのなかに自然に描かれている人々の姿もいきいきとして感じられ、それれぞれの人間模様のようなものも伝わってくるように感じられます。

そして、それぞれの作品における場面の季節や気候がどんな感じだったかも伝わってきます。
作品によってはそののタイトルもそのイメージを後押ししてくれるのですが、しとしと降る雨のなかの街並み、きりりと冷たい冬の空気、あったかくなった春先の軽やかな気分、そんなことが自然に思い浮かんできます。

生駒さちこ01 生駒さちこ02

生駒さちこ08

風景だけでなく、カフェでの光景が描かれた作品なども味わい深いです。
こういった作品から伝わる緩やかさは、なんとなく、自然体のエッセイを読んでいるときの気持ちに通ずるものを感じます。

生駒さちこ04 生駒さちこ03

生駒さちこ07


小品がていねいに並べられた一角も楽しいです。
小さな想い出が綴られているかのような、やさしい風合い。

生駒さちこ06

生駒さちこ05


自然体の絵。
パネルの大きな画面に描き出された広々とした場面、額に収められた作品のなかのたくさんの想い出。
肩肘張らずに生駒さんの描く世界に触れることができて、そのやさしい色彩に囲まれただけで、そのおしゃれな感触に楽しい気分が沸き上がってくると同時に、ほっと和めます。

生駒さちこ09
posted by makuuchi at 06:23| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月19日

〜2/18のアート巡り

《2/14》
☆Lab☆Motion
トーキョーワンダーサイト本郷
東京都文京区本郷2-4-16
2/14(水)〜3/21(水)月休
11:00〜19:00
Lab☆Motionパンフ.jpg


《2/15》
☆CLASSIC CARICATURE NOMBUMASA TAKAHASHI ART EXHIBITION 2007「大人の滑稽」
CIBONE AOYAMA
東京都港区北青山2-14-6 青山ベルコモンズB1d
2/3(土)〜4/10(火)
11:00〜21:00
高橋信雅2/3パンフ.jpg


・JOSHIBI GRADUATION WORKS EXHIBITION 2007(陶・硝)
スパイラルガーデン
東京都港区南青山5-6-23
2/15(木)〜2/19(月)
11:00〜20:00
女子美工芸2007DM.jpg

女子美の工芸というとたいへんユニークな個性が現れるという印象があって、今回の学外卒業制作展の開催を知って楽しみだったのですが、静謐な美しさであったりあったかさを感じるユーモアであったり、楽しい作品が溢れていて嬉しくなる展示でした。
数が多く、すべてを紹介できないのが残念なのですが、僕にとって印象的だったものを。

佐藤亜紀さんの作品は、陶でひとつひとつ作られた蛙たちが畳の上で宴会を開いているという、ぱっと目にしたけで楽しい気分にさせてくれるインスタレーション。蛙の表情もかわいらしく、散らかった盃などにも丁寧さを感じます。
佐藤亜紀01

金子ひとみさんの咲作品は、展示スペースの中央に鎮座していた巨大な器。水も張られていて、鈍く輝く黒の重厚さが心に静謐をもたらしてくれます。
金子ひとみ01

台の上に横たわるたわわな女性の姿を再現した飯塚裕美さんの作品。壁に接地された陶製のパターンが、女性にもほぼそのまま用いられています。のっしりとした感じと土の色のやわらかさが、なんともユーモラスです。
飯塚裕美01

大塚麻由さんの作品は、硝子で制作された狼が横たわるインスタレーション。白く広がる床面のうえに、まるで内側から発光しているかのように感じるその狼の姿に、物語のクライマックスのような神々しさを感じます。
大塚麻由01

ガラス板が重ねて展示されていた、片桐麻実子さんの作品。正面から眺めると、ぼやけた女性の肖像が浮かび上がってきて、未来的なイマジネーションが沸き上がります。
片桐麻実子01

小出早紀さんの、波をモチーフにしたような作品。黒のテーブルの上に置かれ、それほど大きな作品ではないものの、色彩的な情報量の少なさもあって雄大な光景や音が脳裏に浮かんできます。
小出早紀01

今回の作品は、女子美の学内での卒業制作展でも出展されるとのことです。


《2/16》
生駒さちこ個展「群像」
HB Gallery
東京都渋谷区神宮前4-5-4 原宿エノモトビル1F
2/16(金)〜2/21(水)
11:00〜19:00
生駒さちこ2/16DM.jpg


☆イリニ・ミガ展
GALLERY SIDE 2
東京都港区赤坂2-18-3 三葉ビル1F
2/16(月)〜3月 日月祝休
11:00〜19:00


《2/17》
・2006おぶせミュージアム「作家の卵展」巡回 ShinPA 〜中島千波と東京藝術大学デザイン科描画系作品展〜(後期)
佐藤美術館
東京都新宿区大京町31-10
2/7(水)〜2/25(日)月休
10:00〜17:00(金:〜19:00)
入場料:一般\500 学生\300
ShinPA.jpg

前期から展示内容を変えて開催されているこの展示。
後期は僕にとって新しい作品は少なかったのですが、大好きな作品に再び拝見できたのはやはり嬉しいです。

瀧下和之さんの作品。おなじみの鬼ケ島ですが、尋常でない数のパネルが連なって展示され、「一体何匹いるんだろう」と、何度観ても鬼の数の多さに圧倒されます。そして、そこかしこで繰り広げられているシーンのおかしさがまた堪らない!
瀧下和之S01

金丸悠児さんの作品、このサイズで金丸さんの世界と対峙できるのは本当に嬉しいです。悠々とした巨大な姿を晒す古代魚が醸し出す壮大なイメージ。時間を忘れてしまいそうになるほど。
金丸悠児S01

残念ながら、展示スペースの関係でおぶせで出展された作品が展示されなかった永井夏夕さん。昨年のごらくギャラリーでの個展で発表された作品が展示されていますが、コンビナートの無機的な表情と真っ青な空とのコントラストが、それぞれお互いの姿を引き立てあっています。
永井夏夕S01

山本陽光さんの作品は、味わい深い線が画面のなかで踊るように広がっている様子が楽しいです。加えて、そこに描かれる鳥の青の透明感の鮮やかさも格別に印象に残ります。
山本陽光SB01


・小原健吾展 "The last storoke"
Gallery≠Gallery
東京都中央区新川1-3-23 八重洲優和ビル2F
2/17(土)〜3/1(木)
12:00〜19:00(最終日:〜17:00)
小原健吾2/17DM.jpg

今回のGallery≠Galleryもユニークな企画です。
小原健吾さんの作品がメインスペースとサブスペースそれぞれに、例によって空間もしっかりとインスタレーションされて展示されているのですが、今回の展示期間中の来るべき瞬間に、小原さんが現在展示されている画面に「最後のひと筆」を加えるとのこと。そうやって、空間とのコラボレーションの度合いをより密なものへと押し進めよう、という試みのようです。
もちろん、現状でも充分にその空間と絵の世界を堪能できます。その空間の光の具合によって、メインスペースでは黒へと近付いた濃い紫のような色の重厚さが、サブスペースでは青と赤の鮮やかさが印象に残って、そういった演出的な部分も興味深いです。

小原健吾02 小原健吾01



☆武藤努展 color+ 拡張する色彩体験
ASK? art space kimura
東京都中央区京橋3-6-5 木邑ビル2F
2/13(火)〜2/24(土)日休
11:30〜19:00(最終日:〜17:00)
武藤努2/13DM.jpg



☆上條花梨展『parallel world』
GALLERY b.TOKYO
東京都中央区京橋3-5-4 第一吉井ビルB1F
2/12(月)〜2/17(土)
11:00〜19:00(金:〜21:00、最終日:〜17:00)
上條花梨2/12DM.jpg



佃勇樹 個展「雨のち雨」
@Gallery銀座フォレスト・ミニ
東京都中央区銀座1-9-8 奥野ビル513
2/12(月)〜2/17(土)
12:30〜19:00(最終日:〜17:30)
佃勇樹2/12DM.jpg

パネルに直に彫られた線など、素材感が活かされた作品。
茶系の色彩の渋さと相まって、独特な風合いを醸し出していました。

佃勇樹03 佃勇樹01