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2007年01月13日

review:堀清英写真展「自らに宛てた、99の手紙」《1/11》

堀清英写真展「自らに宛てた、99の手紙」
B GALLERY
東京都新宿区新宿3-32-6 BEAMS JAPAN 6F
1/11(木)〜2/20(火)
11:00〜20:00
堀清英DM.jpg

今年最初のB Galleryは、写真の展示。
・・・もとい、インスタレーションです。

ギャラリースペースの床には、並べて配置されたポートレート。
床置きになった写真の数々が視界を覆い、一気にその雰囲気に呑まれていくような。

堀清英01

タイトルにもあるように、99の写真が床置きで展示されています。
これらはいちおう踏まれることも前提に展示されているようなのですが、やはり意識的に、何も映り込んでいないように見える真っ黒の画面を選んで移動してしまいます。

この床置きになった写真の多くに女性が登場しています。ヌードや幻想的なワンピースを纏って、遺跡らしい場所で何やら興じていたり、草原に横たわっていたり...演出的な出で立ちで。
人の姿は情報として強いのでどうしてもまずそちらに視線が向かってしまうのですが、特にヌードの写真が異様に無機的に撮られているような感じでエロティックさをほとんど感じないんです。物語性さえも排除されたように思えるほどにかなり物質的。
一方、服を着た女性たちが登場する写真は、幻想的なイメージが広がります。

自分で観ていて面白かったのが、99点の写真の中から同じような場所・時間で撮影されたものが見つかったときに「別のはどこかにあっよな...」と再び探してしまうんです。
なんとなく神経衰弱をやっているときの気分に似ていて...といっても気持ちを追い込んではいないので、ほんの少し前の過去の記憶をここで辿っている感じです。

女性が登場している写真に紛れて配されている風景。
これがホントにいい。。。
そのなかには人が登場しているものもありますが、幻想的な雰囲気は消えて、その景色の美しさやそこに織り込まれるアイテムが醸し出る「味」のようなものが滲み出て、また違った刺激を受けます。


・・・そして1点だけ、カラーの写真が添えられるように織り込まれていて、これを見つけたときになんとなくほっとするというか、あったかい気持ちが沸き上がってくるんです。


そして、この空間のほぼ真ん中に、テーブルの上に散らばったポストカードが。
これらには堀さんがご自身宛に送った写真が添付されています。その写真というのが、床に並ぶのと同じもの。
これらは手にとって観ることができるのですが、床面に並んでいっぺんに視界を占領されるときの圧倒されるような感じとは違い、ひとつひとつの写真が持つ力・・・ポストカードサイズであるにもかかわらず・・・に意識が吸い込まれるような印象を受けます。

できることならすべてを1枚1枚じっくり観て、それらが放つ雰囲気を感じてみたいです。


堀清英04


床のポートレートが浮かぶ湖面を渡って辿り着く壁には、ちいさなカラーの写真がちいさな額に収められて展示されています。
床とはまったく違う、鮮やかなセピア調の彩りが、色調的にはやわらかな印象を与える作品です。
しかしその雰囲気とは裏腹に、どこかアバンギャルドなインパクトをその構図に内包させているように感じられたり、作品によっては床のヌードよりも生々しいイメージを喚起するものもあって、油断は禁物。


時間をかけてじっくりと味わいたい展示です。会期が長いのもありがたいです。
posted by makuuchi at 09:31| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

review:WORM HOLE episode 5 Takuma ISHIKAWA + Kohei TAKAHASHI《1/9、1/11》

WORM HOLE episode 5 Takuma ISHIKAWA + Kohei TAKAHASHI
magical. ARTROOM
東京都港区六本木6-8-14
1/9(火)〜2/17(土)日月祝休
11:00〜19:00
WORM HOLE 高橋耕平.jpg WORM HOLE 石川卓磨.jpg

写真と映像のアーティストがピックアップされた2人展です。

magical. ARTROOMは展示の度に内装を大胆に変えるギャラリーで、毎度そのフレキシビリティには驚かされるのですが、今回は手前と奥とのふたつにスペースが区切られ、手前の部分の壁が真っ黒に塗られていてこれまでと比べてもかなりのインパクト。
このスペースでは、石川卓磨さんの写真の展示が行われています。

石川卓磨01

まるで、無声映画を観ているような。。。

黒い壁に黒い額。画面の中に収められるものに演出的な意図を感じたり、演じるような人々の表情や仕草、佇まいなど、フィクションの一場面を切り取ったかのような...むしろ、フィクションだからこその生々しさを伴った光景が写真に収められて、それらがこのスペースを一周するように壁沿いに連なって展示されています。

1点1点がそれだけでも充分にひとつの物語を語ってくるかのよう。
そういった写真が並ぶと、隣り合う物語同士が関係しあい、漠然とはしているけれども、なんだかひとつの物語のように感じられて不思議です。

石川卓磨04 石川卓磨03

ここで提示された曖昧な物語。
観る人がその曖昧さに具体的なイメージが加えて絵と絵とを繋げていって、観る人の数だけ違う種類の物語が生まれるような。
その数が膨大になっても、黒い空間はそれを受け止めてくれるような気がします。

できることならひとりでこの空間に浸って、じっくりと時間をかけて自分なりの物語を紡いでみたいです。

石川卓磨02


この黒いアダルトな空間を抜けると...





・・・同時に拍子も抜けるというか...

高橋耕平01

3つ並んだモニターには大学の教室らしい風景が映っています。
映っていますが...



(・。・)<静止画?



・・・いや、動画らしい。
動画らしいので、暫しぼーっと観覧。



細かいなおい!!!Σ( ̄口 ̄;)


そして...


今度はそっちかよ!!!Σ( ̄口 ̄;)



・・・たしかに動画でした(笑)
どこが動くかを探るように見入るのは、かな〜り面白いです( ´∀`)

高橋耕平02


この他、入口のウィンドウ部分に1点、こちらは石川さんの空間と呼応するかのような雰囲気。
さらに、コンプレックスの階段を昇りきったところにも1点。強烈なサブリミナル提示の作品が上映されています。それぞれ、じっくりと観てしまう「引力」を持った世界です。


ふたつのユニークな個性に気分が乱高下させられてしまいます。
そうなってしまうことを痛快に感じる、かなり面白い展示です!
posted by makuuchi at 00:25| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする