片岡好 銅版画展
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アートギャラリー環東京都中央区日本橋室町4-3-710/9(月)〜10/21(土)日休
11:00〜18:30(最終日:〜17:00)

まるで刺繍のようなやわらかさ。
人の温もりや優しさ、ゆるやかな時間の流れがゆったりと伝わってくる銅版画です。
いわゆる色の「面」は存在せず、すべてが実に細かい「点」、言い換えれば「粒子」で成り立っていることに驚きを隠せません。しかも、その粒子のひとつひとつはごくわずかに滲んだような風合いです。エングレーヴィングなどに見られる鋭い線、あるいは黒の油性インクから伝わってくる熱、そういった銅版画特有のエネルギッシュなパワーではなく、むしろひとつひとつの輪郭の緩やかさや色合いのソフトさが感じられます。
こんな味わいの銅版画を拝見するのは初めてかも知れません。。。
細かな粒子の並びや流れによって、多く登場する人々が着ている服はまるで編んだかのようにふわりと表現され、床のカーペットは糸の一本一本、それもその感触のやわらかさまでもが伝わってくるようです。
ひとつの版で制作されるとのことなのですが、信じられないほどに豊かなグラデーションが生み出されています。
セーターのストライプや絨毯のチェック模様など、実に細やかに表現されていて、モノクロームでありながら大変カラフルなイメージが沸き起こります。

そしてなにより、描かれる光景が優しさに溢れているんです。
大勢の人が踊っている作品は、直にその喧噪の中にいるというより、その想い出に浸っている感じがして和めます。
また、どこかレイドバックした感じの場面も多く、レコード盤に針を落とした瞬間のノイズや豆から挽いたコーヒーの湯気と香りが連想されます。
2階へと上がる階段にはちいさな作品がひとつの額に収められたものが。
七つの大罪をそれぞれ描いたものだと思うのですが、これくらいちいさな画面でも片岡さんの手法はしっかりと活きています。


2階にはちいさな肖像画がたくさん展示されていました。
こちらも見応えは充分です。
・・・なんだか立って観るのがもったいない感じです。ソファーか何かに腰かけて、くつろいだ格好で、このドリーミーな雰囲気をじっくりと味わいたい気分です。
ぜひ、このふわりとしたモノクロームの世界を多くの方々に堪能してほしいです(カメラ技術が伴わず、どうしてもこの感触を画像で伝えられないのが残念なのですが、ぜひ実物をご覧いただいて、細やかな表現から伝わる風合いを直に感じてほしいです)。
posted by makuuchi at 20:39|
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