2006年10月31日

review:吉岡徳仁展 スーパーファイバーレボルーション《10/28》

吉岡徳仁展 スーパーファイバーレボルーション
アクシスギャラリー
東京都港区六本木5-17-1
10/27(金)〜11/5(日)
11:00〜19:00(最終日:〜17:00)
吉岡徳仁展 スーパーファ.jpg

とんでもなくスケールが大きいインスタレーション。
とにかくこれでもかという「量」で徹底的に圧倒してきます!

けっこう広い空間のアクシスギャラリーの至る所に浮かぶ雲。
おそらく綿状のファイバーで作られていると思うのですが(スタッフの方に伺ったら「秘密」とのこと)、一部の壁からも溢れてきていたり、モニターが設置されている壁などにも大量の雲が沸きあがるように配置されていて圧巻です。

綿の雲ともうひとつ、雲を模したインスタレーションがあって、こちらもすごい。
無数の乳白色のストローが正面の壁一面に積まれ、波打つように広がっています。
正面から眺めるとストローの穴が見えて素材そのものの生々しさも伝わり、ちょっと斜から眺めると、シャープな立体感を伴った空間が壮大なスケールで迫ってきます。



雲のインスタレーションと合わせて展示されているのが、ファイバー製の「PANE chair − パンの椅子」。
うっすらベージュ色の太めの繊維の塊が椅子のかたちに作り上げられたもの。
その製作過程は会場内の映像とコマ割りの連続写真、そして完成品と共に並べられた製作途中の椅子で分かります。
一見座る位置が窮屈そうな感じなのですが、実際に座ってみるとこれが思いのほか心地よい...ごわごわとした手触りと強い弾力でしっかりと体を支えてくれます。


観ておかないと損かも、と思う展覧会です。
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recommend:10/30〜11/5

今週のレコメンド、いろいろバタバタしてちょっと遅くなってしまいましたm(__)m

・金丸悠児展 −ある町の風景−
@ギャラリー・しらみず美術
東京都中央区銀座5-3-12 壹番館ビルディング4F
10/30(月)〜11/8(水)日祝休
12:00〜18:00
金丸悠児 しらみずDM.jpg

今年も精力的に発表を続けられた金丸悠児さんの個展です。
展示の度にテーマを決めて、本来の個性的なスタイルを駆使してさまざまな世界を展開している金丸さんですが、先日開催された「波濤の会」で出展された犬をモチーフにした作品を見る限り、今回もさらにその世界に広がりがもたらされているのでは、と楽しみです。


・鈴木敦子展06 〜夢のあと〜
不忍画廊
東京都中央区八重洲1-5-3 不二ビル1F
11/1(水)〜11/11(土)日休
11:00〜18:00(土:〜17:00)
鈴木敦子DM.jpg

あったかさがじんわりと伝わってくる多版多色摺りの木版画です。
木版特有の淡い色使いで描かれる懐かしいような風景やある日の一場面。


・「マルヤマ遠犀堂個展 蛇の巻」
Gallery Barco
東京都葛飾区亀有3-27-27
11/3(金)〜11/14(火)11/7、11/8休
12:00〜19:00
丸山友紀 BarcoDM.jpg

香染美術での個展でのユニークな日本画が印象的な丸山友紀さんの、続けて開催される個展です。


・斉藤邦彦個展「現像中」
ヴァイスフェルト
東京都港区六本木6-8-14コンプレックス北館3F
11/2(木)〜11/24(土)日月休
11:00〜19:00
斉藤邦彦DM

6月に開催されたレントゲンヴェルケのパーティーで一足先にレコメンドされた斉藤邦彦さんの満を持しての個展です。
どこまでもミニマムに展開される異様なまでのノイジーな世界。
posted by makuuchi at 06:45| Comment(0) | TrackBack(0) | recommend | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月29日

〜10/28のアート巡り

《10/24》
安藤孝浩+志水児王 二人展
表参道画廊
東京都渋谷区神宮前4-17-3 アークアトリウムB02
10/23(月)〜10/28(土)
12:00〜19:00(最終日:〜17:00)
安藤+志水DM.jpg


・長田堅二郎 個展 - 脈 -
@a href="a href="http://www.omotesando-garo.com/" target="_blank">MUSEE F
%C5%EC%B5%FE%C5%D4%BD%C2%C3%AB%B6%E8%BF%C0%B5%DC%C1%B04-17-3&CE.x=337&CE.y=251" target="_blank">東京都渋谷区神宮前4-17-3 アークアトリウムB02
10/23(月)〜10/28(土)
12:00〜19:00(最終日:〜17:00)
長田堅二郎DM.jpg

綿棒程度の細さ・長さのピースが延々と連なって空間に広がっています。
タイトルの「脈」になるほどと思いつつ、空間も作品も白で、軽みが清々しいインスタレーションでした。
長田堅二郎01


《10/26》
中村晴子展 空中庭園
ギャラリー同潤会
東京都渋谷区神宮前4-12-10 表参道ヒルズ 同潤会アパート再生棟「同潤館」2F
10/25(水)〜10/31(火)
11:00〜19:00(最終日:〜17:00)
中村晴子DM.jpg


《10/27》
『morph tokyo 4th Anniversary LIVE “描くオト”』
morph-tokyo
東京都港区六本木4-11-11 六本木GMビル B1F
10/27(金)
OPEN 18:00/START 19:00
前売り\2500/当日\3000


《10/28》
・鴻池朋子展
ミヅマアートギャラリー
東京都目黒区上目黒1-3-9 藤屋ビル2F
10/25(水)〜11/25(土)日月祝休
11:00〜19:00
鴻池朋子パンフ .jpg

おなじみの物語「みみお」に登場する一場面、六本足のオオカミが具現化された至高のインスタレーションが展開していて圧倒されます!
暗闇にスポットが灯り、全身をガラスの破片で覆い尽くされたオオカミがその体全体で光を反射し、空間全体に光の破片が散らばっていて、「みみお」のなかのどこかしら神々しい世界のなかに入り込んだかのよう。
オオカミの足元から後ろへは、オオカミが通ってきた残り香のように動物の毛皮やちいさな動物たちの姿が流れるように連なっています。オオカミの口許から滴るよだれのクリスタルも印象的です。
一角にはすごく大きな本がテーブルの上に開いて置かれ、そのページに「みみお」が上映されています。
サブスペースのドローイングがさらにこの世界のイメージをぐんと広げてくれます。


☆烏丸由美「分身−everyday life(エブリデイ・ライフ」
ミヅマ・アクション
東京都目黒区上目黒1-3-9 藤屋ビル2F
10/25(水)〜11/25(土)日月祝休
11:00〜19:00
烏丸由美DM.jpg


吉岡徳仁展 スーパーファイバーレボルーション
アクシスギャラリー
東京都港区六本木5-17-1
10/27(金)〜11/5(日)
11:00〜19:00(最終日:〜17:00)
吉岡徳仁展 スーパーファ.jpg


高橋理加展 in the cube
藍画廊
東京都中央区京橋3-3-8 新京橋ビル1F
10/23(月)〜10/28(土)
11:30〜19:00(最終日:〜18:00)
高橋理加DM.jpg

牛乳パックをリサイクルした素材を用いて作られた、たくさんの子供達。
頭部がキューブだったり、お腹のあたりにキューブを抱えていたり。
ひとつひとつが妙に淋しげな仕草に思えて印象に残ります。
敢えて明かりの広がりを極力狭め、影に深みを持たせているのが空間に独特の静謐な雰囲気をもたらしています。
高橋理加01


☆低音採取 小原愛 個展
アートスペース羅針盤
東京都中央区京橋3-5-3 京栄ビル2F
10/23(月)〜10/28(土)
11:00〜19:00(最終日:〜17:00)
小原愛DM.jpg


・金久保朝子展
ギャラリー山口B1F
東京都中央区京橋3-5-3 京栄ビルB1F
10/23(月)〜10/28(土)
11:00〜19:00(最終日:〜17:00)
金久保朝子DM.jpg

ブラウンの細かい線と、どこか古めかしい質感の色彩で描かれた作品。
懐かしさと新しさとが詰まっているような感じがユニークです。
金久保朝子01 金久保朝子02


☆西野正将 Doubt
Yuka Sasahara Gallery
東京都新宿区西五軒町3-7 高橋工芸社ビル3F
10/28(土)〜12/2(土)日月祝休
西野正将DM.jpg


・優麗 西尾康之
山本現代
東京都新宿区西五軒町3-7 ミナト第3ビル4F
10/28(土)〜12/2(土)日月祝休
11:00〜19:00
西尾康之個展.jpg

怖。(汗)
墨絵による軸の作品とオブジェと。
軸の作品にはそれぞれに和服を着ていたり今風のファッションを纏っていたりとさまざまな姿の女性が描かれていますが、足が宙に浮いていたり、顔がのっぺらぼうだったり...。
つまりは優麗な幽霊とのこと。
しかし、和服の柄が綿密に再現されている様子や背景の細かい描写など、大変見応えがある作品群です。
また、立体作品は、空間中央に堂々とした姿でいる和服の女や肋骨と内蔵を再現したものなど、尋常でない凄みを伴って強烈な存在感を放っています。


この日も最終日の展示をいくつか。

福井江太郎
東邦アート
東京都中央区銀座8-9-13 オリエントビル2F
10/16(月)〜10/28(土)日休
11:00〜19:00
福井江太郎DM.jpg

この空間に、もう一度心と体をを預けておきたくて、再訪。
一週間前よりもちょっとだけ照明の数が増えて、金箔のきらびやかさがいっそう映えていました。
この展示を観たあとに、福井さんのこれまでの「BROKEN FLOWER」やダチョウのシリーズを観たら、きっと印象が変わるような気がしています。


・萱原里砂展
void+
東京都港区南青山3-16-14-1F
10/7(土)〜10/28(土)日休
月−金:17:00〜20:00 土:12:00〜18:00
萱原里砂DM.jpg

結局4回ほど足を運んで、いちばん最後に観たときが、いちばんその空間のそのままのかたちを実感できた気がします。
足を踏み入れる度にさまざまなイマジネーションを与えてくれたこの展示にも感謝です。


☆RX-cube cubic
ヴァイスフェルト
東京都港区六本木6-8-14コンプレックス北館3F
10/6(金)〜10/27(土)日月祝休
11:00〜19:00
RX3 DM.jpg
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2006年10月28日

review:小出正義 個展 "STRANGE GUITAR"《10/21》

小出正義 個展 "STRANGE GUITAR"
ギャラリー椿GT2
東京都中央区京橋3-3-10 第1下村ビル1F
10/16(月)〜10/21(土)
11:00〜18:30(最終日:〜17:00)
小出正義DM.jpg

面白い!
まさにストレンジ・ギターズ!!!!!

ミニチュアのギターがスペースいっぱいに並べられていて壮観。
しかも、その一本一本は、例えば弦はちゃんと張られた状態になっていたり、12フレットが弦の全長のちょうど真ん中に設定してあったり、中が空洞になっていたりといった具合に、楽器としての理屈がきちんと通っているのも素晴らしい!

さらに、作品ひとつひとつには著名アーティストの名前がタイトルに付けられていて、そのアーティストの作風がギターの外装や形状に織り込まれているのが笑える!

というわけで.........








Q.以下のギターは誰がモチーフになっているでしょう?


(1)
小出正義01

(2)
小出正義02

(3)
小出正義03

(4)
小出正義04

(5)
小出正義05

(6)
小出正義06

(7)
小出正義07

(8)
小出正義08

(9)
小出正義09


答えはこちらに↓

A.
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review:東京藝術大学大学院デザイン専攻描画・装飾研究室 波濤の会《10/18、10/21》

東京藝術大学大学院デザイン専攻描画・装飾研究室 波濤の会
松坂屋銀座店別館4階美術画廊
9/27〜10/3
東京都中央区銀座6-10-1(住所は本館)
10/18(水)〜10/24(火)
10:30〜19:30(最終日:〜17:00)
波濤の会DM.jpg

僕がアートのめり込むきっかけとなった企画のひとつ。
毎年この時期に開催される、芸大デザイン科の研究室の現役・OBを集めたグループ展です。
本格派の日本画からかなりポップなフィーリングのものまでさまざまな個性が集まっていて、毎回そのバリエーションの多さに楽しませてもらっています。
今年のも面白かったです!

山本陽光さんの作品を拝見するのははおぶせ以来。
今回は、木の実を加えた白い鳥が家々が並ぶ街並を眼下に飛ぶ、なんともピースフルな作品が2点。
街並はそれぞれ黒面に青の線で描かれたものと、ピンクと薄茶とのグラデーションで彩られたものとがあって、お互い「昼と夜」、あるいは「北と南」という具合に呼応しているように感じられます。
素朴な感じの太い線の、素朴だからこそのピュアな質感とが印象に残ります。街並に紛れた「陽光」というサインもコミカルです。

ebcアトリエ展で拝見した食材や花の絵が印象に残っていた堤岳彦さんは、今回の展示のなかでもっとも意表を突く展開の作品をもってきていました。
お菓子のパッケージを展開して重ねて作った支持体をカラフルに彩色したもの。それぞれ黒と赤と黄色、青白黄茶ピンクの構成で、幾何学的なかたちの組み合わせからたっぷりのユーモアが発散されています。パッケージのかたちが建物に見えたり都市に見えたりといった具合に、自然にイマジネーションが喚起されるユニークな作品でした。

つねづねもっといろいろ拝見したいと思っている岡部忍さんの作品。
油彩で展開されるその静謐感は独特です。
今回は、ガラスの容器がモチーフとなった作品が2点並んでいます。暗がりに置かれた容器のなかにはりんごがひとつ。薄いグレーの光景には「から」の容器がぽつんと置かれています。
それが何であるか、そこがどこであるかが漠然と認識される程度の描かれ方が、いろいろと想像を膨らませてくれるような感じです。大きな作品ではありませんが、時間的な広さが伝わってきます。
ふたつの作品のどちらにもその静けさにすっと自然に気持ちが溶け込み、馴染んでいきます。この心地よさは岡部さんの世界ならではです。

ここで初めて作品を拝見していちばん驚いたのが、岡田直樹さん。
分厚いスクエアのパネルに描かれた女の子の絵に充満する雰囲気がすごくて、デザイン科にはちょっこれまでなかったテイストです。
壁とテーブルとがざらりとした白で一体化しているなか、ソファに腰かけ、テーブルに臥せる女の子がひとり。おぼろげな思いに耽るようっているような表情で、焦点が合っていない感じの目には静かに力が伝わってきます。一方、セーターの繊維や髪の流れ、手の皺などは実に細かく再現されているのにも目を見張ります。
もうひとつのテディベアを描いた作品も面白かったです。
今後が本当に楽しみな個性です。


今回目立つのが、猫が登場する絵。
野地美樹子さんのおなじみ「イスシリーズ」、長い背もたれのチェアにちょこんと丸くなっている猫。
冨田典姫さん、麗らかな気候の中で、眠たそうな表情で木にもたれる姿がなんとも愛らしい猫。
日根野裕美さんが描く猫は、ふわりと描かれた毛のやわらかさがまるで生まれ立てのよう。
三島祥さんの後ろを振り向く白い猫の凛とした表情。
それぞれ独特な雰囲気を醸し出していて楽しめました。


もちろん、他の作品もそれぞれ充分な見応えで。

瀧下和之さんが描く昇竜図のまさに現在、リアルタイムのクールさを纏っていてホントにかっこいい!他のポップカルチャーと組み合わせて楽しみたい感じです。
本格の雰囲気のなかに収められたユーモアがたまらない阿部穰さん。亀の上にちょこんと座り、遠くへと視線を投げる猿のコミカルさ、黒と白のユーモラスなコントラストが楽しい金魚。
押元一敏さんは、抜けるような空を背景に、画面に彫像の一部が登場する構成。白と青の色彩が清々しい!
金丸悠児さんの作品は、もうすぐしらみず美術で開催される個展が待ち遠しくなってくるような、さらに新しい展開。眠る犬と風車の構成がすごく面白いです。
名古屋剛志さんは今年のC-DEPOTで発表された作品からの展開が引き続いたような、空と海とを合わせたような独特な風合いの青が印象的な作品。
松永龍太郎さんは、箔が醸し出す凛とした風合い。優雅に蝶が美しく舞う姿が印象に残ります。
井上恵子さんが描く世界も面白いです。メルヘンチックな異国のイメージが広がっています。

濱岡朝子さんや渡邊史さん、川本淑子さんの変わらぬ個性、泉東臣さんや三枝淳さんの力強い個性に再会できたのも嬉しいです。
posted by makuuchi at 08:29| Comment(2) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月27日

review:growable****《10/22》

growable****
馬車道大津ギャラリー
神奈川県横浜市中区南仲通4-43 馬車道大津ビルB1
10/22(日)〜10/28(土)
12:00〜19:00(最終日:〜17:00)
growabel**** DM.jpg

9月のexhibit Live & Morisでの個展がすごくよかった渡辺明鈴香さんが参加されているこのグループ展。
女性アーティスト4人のユニークな個性がパッケージされた見応え充分の展覧会です。

まず、渡辺明鈴香さん。
ちょっと変わった床のかたちをした馬車道大津ギャラリーの奥まった一角に展示された渡辺さんの作品は、今回は大きなパネルの作品1点と白く塗られたスクエアのパネルに貼られたドローイングが数点。軽やかな色彩が明るく広がっています。
ドローイングの作品は、部屋の風景を描いたような感じ。晴れた日曜日、窓から自然光が入って清々しい朝、そんなポジティブなイメージが爽快に表現されていて、一目観ただけで充分、気分も晴れます。

growable渡辺明鈴香4 growable渡辺明鈴香3

パネルのタブローは、子供がひとり、一面に広がる淡い色彩に沈み込むように存在しています。胎内を連想させる深み。画面の世界に意識が吸い込まていくような錯覚を感じます。

growable渡辺明鈴香2

この作品の隣にレポート用紙に綴られたラフなイメージも楽しいです。

growable渡辺明鈴香1


ここで初めて出会うみなさんも印象に残る個性を感じます。
田中里奈さんは、会場中央に設置されたテーブルの上に置かれたちいさなペン画のドローイングと2点組のタブロー。ひとつひとつ違った味わいのある細かいペン画には文章が添えられています。

growable田中里奈2 growable田中里奈3

パネルの作品は、それぞれ昼と夜とを現した色彩のコントラストが鮮やかで美しいです。シンプルな色使いがていねいに陰影を施すことで精緻に再現された花の表情をぐっと引き立てています。

growable田中里奈1

山田晶子さんは、油絵の具の立体感溢れる重厚なマチエルと濃厚な色合いが印象的で、そういう画面に描かれるモチーフの軽みとのギャップが面白いです。

growable山田晶子2

growable山田晶子1

平田由布さんの作品は、透明感のある深い色彩の重なりが醸し出す奥行きが印象的です。
額装されることで作品の説得力も増し、無意識にじっくりと対峙し、意識を絵の世界に委ねてしまいます。

growable平田由布2

growable平田由布1

それぞれ、これからも続けて観ていきたい個性です。
どういうふうに変化し、世界が広がっていくか本当に楽しみです!
posted by makuuchi at 02:21| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

review:北浦亮子銅版画展 a letter《10/22》

北浦亮子銅版画展 a letter
@ギャラリー太田町
神奈川県横浜市太田町3-35-2 県公社ビル1F
10/22(日)〜10/28(土)
11:00〜19:00(最終日:〜16:00)
北浦亮子DM.jpg

ふ・わ・り。
浮遊感がある銅版画。

北浦亮子さんの作品は今年の春のギャラリー本城での個展で拝見して印象に残っていたのですが、それから約半年経って開催された今回の個展では、この間隔を思うと驚くほどに世界が広がっています。

北浦亮子01

北浦さんといえば「人の顔」といったイメージがあります。
目を閉じたその表情は穏やかで優しさに溢れていて、悠久の世に思いを馳せているような印象です。
独特の滋味が心に緩やかに広がっていきます。
抱かれる子供の表情など、あたたかな静けさに満ちています。

北浦亮子6 北浦亮子5

思わず笑みがこぼれるようなユーモラスな楽しさが感じられる作品も。
子供達がいたずらっぽい遊びに興ずる様子や、なんとも味わい深い姿のキャラクターが登場する作品、仕草がかわいらしい犬、など。
銅版画なのにこの緩さ、この軽やかさ。このギャップが気持ちいいんです。

北浦亮子2 北浦亮子3

北浦亮子4

他にも天を突くように上へと顔を向ける鳥の姿など、深く印象に残る世界が展開されています。
神々しささえ感じる深い世界とユーモラスな楽しい絵。このふたつの感触がひとつの空間で向かい合うように展示されて、お互いを引き立て、響き合っています。
ひとりのアーティストのイマジネーションの広がりをしっかりと堪能できる、素敵な展示です。
posted by makuuchi at 00:46| Comment(0) | TrackBack(1) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月26日

review:片岡雪子「ゼロ展」《10/21》

片岡雪子「ゼロ展」
GALLERY IT'S
東京都渋谷区猿楽町2-7 シャトーソフィア(竹久ビル)6F
10/21(土)〜10/28(土)
13:00〜20:00
A・PeX
谷区猿楽町2-12 相野谷ビル201号室
10/21(土)〜10/28(土)
11:00〜20:00
maruse
谷区猿楽町2-12 相野谷ビル205号室
10/21(土)〜10/28(土)
13:00〜20:00
片岡雪子DM.jpg

渋谷と恵比須の間、猿楽町の一角に隣接する3つのスペースで同時開催されている片岡雪子さんの個展へ、オープニングにいってきました。

メインスペースはGALLERY IT'S
こちらにはタブローが展示されています。
比較的小さめの画面で展開される抽象画。さまざまな質感の作品が小気味よく並んでいます。
土や金属なども大胆に取り入れられた作品で、作品の画面を眺めていてそこから別のスケールへとイメージが広がるのではなく、まさにその大きさの存在感が静かに、しかし力強く迫ってきます。
素材の無機的な質感から、壁に掛けられている作品であってもむしろ立体作品に近い感触です。特に重い色彩が鈍い艶を放つ作品にその傾向が顕著です。

片岡雪子its04 片岡雪子its03

ちいさな額のようなものが床に重ねられて置かれているのも片岡さんの作品。
こういったものがこの空間の各所にあるのですが、この質感が木の感触がひろがっているあったかい空間の雰囲気と意外に合っていて、面白い響きを生み出しています。

片岡雪子its02

眺めていると、だんだんその風合いに心が馴染んでいくような。
最初の印象からは想像できないくらい、やさしい味わいがじんわりと伝わってきます。

片岡雪子its01



もうふたつの会場では、片岡さんの写真を用いた作品が展示されています。
撮影される風景はいかにも無機的な雰囲気というか、ある種殺風景な印象のものが多い感じで、タブローのモチーフにも通ずる印象。両方観るとなるほど、と思わされます。

A・PeXは、ヴィンテージの家具のショップ。
ニスが塗られた木の色が溢れる空間のそこかしこに、透明の板にラミネートされた写真が配置されています。
戸棚やテーブルに置かれた様子を眺めていると、どこかのお家にお邪魔したような感じがします。

片岡雪子aPeX02 片岡雪子aPeX07 片岡雪子aPeX04 片岡雪子aPeX04

壁にも数カ所に展示されています。

片岡雪子aPeX05 片岡雪子aPeX06

こういった空間で体感するアート。新鮮です。

片岡雪子aPeX01

maruseは、月に2回ほど内容が変わるフレキシブルなショップだそうで、現在は入口から続く棚に並ぶガラスの作品が目に気持ちいい空間になっていますが、こちらには透明のキューブが棚にかわいらしく収まっています。
このキューブは、3つの角度からそれぞれ違う絵が見えるようになっていて、手にとって眺めると手の中に風景が収まっている実感が不思議に思えてきます。インタラクティブで面白い展開になっています。
ちいさな観葉植物といっしょになって展示されているのも楽しいです。

片岡雪子maruse02 片岡雪子maruse01

片岡雪子maruse03

さまざまな空間がフレキシブルに関わっていてて、大変興味深くて楽しい展示です!
posted by makuuchi at 09:33| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月25日

review:福井江太郎展《10/21》

福井江太郎
東邦アート
東京都中央区銀座8-9-13 オリエントビル2F
10/16(月)〜10/28(土)日休
11:00〜19:00
福井江太郎DM.jpg

妖艶に揺らめく金箔の輝きを背景に咲く、花菖蒲。無限の存在。

昨年同じ会場で開催された個展以来、デパートの展示などで福井江太郎さんの作品を拝見していて、昨年の個展での「BROKEN FLOWER」や福井さんの代名詞的な主題のダチョウをモチーフとした作品での異様なまでに物質感が全面に表出した「黒」の観る者の感性をも焦がすような迫力や、フリーキーな筆遣いが伝わってくる前衛的、アバンギャルドな雰囲気が充満したパワフルな静謐感を伴った画風が強く印象に残っています。

しかし、今回はその力強さの種類が違います。

ほとんど暗室といった明るさの照明によって、東邦アートに足を踏み込んだ瞬間に現実から遠い世界へと誘われます。
そして、今回の福井さんの個展は、それまで拝見してきた無彩色のイメージから一転。
照明の明かりを金箔が反射し、そこに紺色の色彩が浮かび上がる様子はあまりにも鮮やか。

・・・しかし、その紺の色面や、花菖蒲の葉や茎を描いた黒の線はいかにも福井さんらしい現代的・前衛的な風合いが強く感じられます。
写実的に描くのではなく、花菖蒲の茎や葉の直線的な鋭さを感じたままに、そのイメージを肉体と筆に託して降り下ろされるように描かれた線がそのまま葉と茎を表現しています。
そして、紺色。こちらはまず花菖蒲がどこまでも咲き続く光景を目にしたときの衝撃的な感動を伴った残像に対し、素直に、その印象をそのまま画面の上に広げるように紺の絵の具が叩き付けられているような感じ。そこに今度は実にていねいな白の線描で、可憐に咲く花菖蒲の花が描かれているんです。
悠久の昔から連綿と続く美しさと、ある種先鋭的とも言えそうな危うさとがこの空間から伝わってきます。

会場にはさまざまな大きさの画面の作品が展示されています。
スタンダードなサイズの画面はもちろん、縦や横に細い変型の画面での展開はユニークさがさらに強調されていて強く印象に残ります。わずかに奥まったコーナーに展示された縦に長い画面に咲く花菖蒲の、上方に乗る紺の色面から垂れるひとすじのか細い線は尋常でないスリリングな雰囲気を発散していて、アクロティックなインパクトが特に強く感じられます。

そして、この展示のクライマックスは何といっても横7メートル以上にも及ぶ超大作。
下方から仄々と灯される明かりに照らされ、優雅に咲く凛とした佇まいの無数の花菖蒲。その光景がどこまでも続くように描かれていて圧巻、ここがどこであるかを忘れさせるほどです。この作品がうまれた現在を誇りにさえ思えます。

福井江太郎1

この雰囲気、ぜひ多くの人に体感してほしいです。
posted by makuuchi at 07:34| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

感謝

満員御礼。

本日のペンギンハウスでのex-chamber musicのライブ、例によってお足元が悪い中たくさんの方々に来ていただきまして、おかげさまで大盛況でした。ありがとうございます。

「MCが少ないのでは」とか「切り干し大根(笑)」とかいろんな御意見をいただきましたが、ぜひ今後に活かしていきたいと思っておりますので今後もよろしくお願いいたします。
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2006年10月24日

review:丸山友紀展 -楽園の部屋-《10/20》

丸山友紀展 -楽園の部屋-
香染美術
東京都杉並区阿佐谷南1-10-1 松永ビル1F
10/20(金)〜10/31(火)
11:00〜19:00
丸山友紀 香染 DM.jpg

展覧会タイトルに偽りなし、まさに「楽園」!
熱帯に生息する(と思われる)いろんな種類の動物がさまざまな大きさの画面に描かれ、会場中のそこかしこに。

言ってしまえば「赤道直下の花鳥画」。

照明がちょっと暗めに設定されていることでそれぞれの作品の背景に使用された金色がより深みを増しています。
そこに はっきりとした発色で描かれる動物たちは、それぞれキャッチーでコミカルな表情や仕草をしていて楽しいです。そういった作品で溢れていて、この展覧会の空間はなんだか南の異国の夕景のようなイメージです。

入口の両脇には優雅でポップでユーモラスな姿を現すフラミンゴが。
金箔の背景にフラミンゴの薄いピンク色が映えて、ユニークな風合いを醸し出しています。

丸山友紀09 丸山友紀10

額に入った作品は、ジャングルの一場面のような雰囲気。

丸山友紀07 丸山友紀06

入口左手には、額装されていない作品がずらりと並んでいます。
独特の質感の和紙が支持体に採用されていて、箔の輝きとのコントラストも面白く、描かれるのはさまざまな動物たちと花や木の実とを組み合わせた構成が中心でホントに楽しい!
箔押し風のサインも効いています。
このなかに円形の金箔や銀箔をバックに描かれた無脊椎動物があるのですが、これがすごくかわいいんです。

丸山友紀01 丸山友紀02

このなかで、角度によって見え方が変わる面白い作品が。
トンボを描いたものなのですが、正面から見ると...

丸山友紀05

といった塩梅に羽が消えているのですが、角度を変えてあらためて観てみると...

丸山友紀04

こんな具合に見えてきます。
どうやら偶然こういう効果が得られたようなのですが、実際に観てみるとすごく不思議な感じがします。

そして、なんといっても四曲一隻の屏風がすごい!
大きな画面いっぱいにダイナミックに描かれる南国のオウムの迫力満点の存在感は、それはもうすごいインパクト!

丸山友紀08

こういった作品のなかに、ちょっと違うテイストのもいくつかあるのも興味深いです。
また、カエルの線画がプリントされ、そこに丸山さんご自身の手で一部彩色が施されたTシャツもかわいいです。

このコミカルで独特なムード、僕が伺ったのは遅い時間だったのでそれがそのまま熱帯夜のイメージへと繋がっていきましたが、明るい時間帯だとまた違う印象なのかもしれないです。

丸山友紀03
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2006年10月23日

rcommend:10/23〜10/29

安藤孝浩+志水児王 二人展
表参道画廊
東京都渋谷区神宮前4-17-3 アークアトリウムB02
10/23(月)〜10/28(土)
12:00〜19:00(最終日:〜17:00)
安藤+志水DM.jpg

カイワレの発芽の瞬間の光を捉えた安藤孝浩さんと、ミニマムな展開でレーザーによる光が展開を繰り返す志水児王さんによる二人展。期待大のコラボレーションです。


高橋理加展 in the cube
藍画廊
東京都中央区京橋3-3-8 新京橋ビル1F
10/23(月)〜10/28(土)
11:30〜19:00(最終日:〜18:00)
高橋理加DM.jpg

牛乳パックを再利用して制作されるオブジェの不思議な世界。
昨年の同ギャラリーでの個展や今年初めの佐藤美術館でのグループ展でも印象的でした。


中村晴子展 空中庭園
ギャラリー同潤会
東京都渋谷区神宮前4-12-10 表参道ヒルズ 同潤会アパート再生棟「同潤館」2F
10/25(水)〜10/31(火)
11:00〜19:00(最終日:〜17:00)
中村晴子DM.jpg

おてんばな表情が楽しい女の子が登場したり、または水彩によるふわりと揺らめくような金魚や花の絵があったり。
もう一昨年になってしまいますが、美篶堂での個展のあったかい雰囲気がたいへん印象に残っている中村晴子さんの2年ぶりの個展、個人的にすごく楽しみです!


・鴻池朋子展
ミヅマアートギャラリー
東京都目黒区上目黒1-3-9 藤屋ビル2F
10/25(水)〜11/25(土)日月祝休
11:00〜19:00

「みみお」や飛ぶナイフなどでもうおなじみ、鴻池朋子さんの個展です。
今年は大原美術館で大きな回顧展が開かれましたが、それ以降では最初の発表となります。どんな展開が繰り広げられるか、興味津々。


『morph tokyo 4th Anniversary LIVE “描くオト”』
morph-tokyo
東京都港区六本木4-11-11 六本木GMビル B1F
10/27(金)
OPEN 18:00/START 19:00
前売り\2500/当日\3000

こちらのイベントで、パフォーマーとしても希有な存在、神田サオリさんのライブペインティングが行われます!
その場の雰囲気に合わせて画面のなかの絵がどんどん表情を変えていくその過程はスリリング。
ぜひこの世界を多くの方に楽しんでほしいです。
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2006年10月22日

10/22のアート巡り

久々に味スタで勝った−。
その前まで横浜アート巡り。

☆アイドル!
横浜美術館
神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1
10/7(土)〜1/8(月)木休(11/23は開館)、11/24(金)、12/29(金)〜1/1(月)休
10:00〜18:00(金:〜20:00)
一般\1000 大学・高校生\600 中学生\300(土曜日は中学・高校生無料)(11/3はすべての来館者無料!)
アイドル パンフ1.jpg アイドル パンフ2.jpg


TAMA VIVANT 2006 今、リズムが重なる みなとみらい展
@みなとみらい線みなとみらい駅地下3階コンコース
10/15(日)〜10/22(日)
7:00〜23:00(最終日:〜17:00)
TAMA VIVANT パンフ.jpg

地下鉄のコンコースの未来的な空間を使ったユニークな企画!
まず、春にSpace Kobo & Tomoでの個展を拝見していてそのフリーキーなドローイングが印象的だったに田中七星さんの作品が展示された一角をチェック。
インクを大胆に使ったドローイングが並べて展示されていたのですが、金属の質感が醸し出す無機的なデザインの壁に実によく合っていてめちゃくちゃかっこいい!
青木千絵さんの磨かれた塊に上半身だけを突っ込み、下半身を晒している姿のオブジェの謎めいた雰囲気や、ちょうど同時期にギャラリー山口でも個展が開催されていた塩津淳司さんの巨大なキューブが未来的な風合いをさらに加速させるような感触など、大変斬新で新鮮な空間が作られていて面白かったです。
ここを通り道として通ってる方々にはこれらの作品はどのように映ったんだろう...。


☆北浦亮子銅版画展 a letter
@ギャラリー太田町
神奈川県横浜市太田町3-35-2 県公社ビル1F
10/22(日)〜10/28(土)
11:00〜19:00(最終日:〜16:00)
北浦亮子DM.jpg


☆growable****
馬車道大津ギャラリー
神奈川県横浜市中区南仲通4-43 馬車道大津ビルB1
10/22(日)〜10/28(土)
12:00〜19:00(最終日:〜17:00)
growabel**** DM.jpg


・ニューアート展2006 糸の布のかたち
横浜市民ギャラリー
神奈川県横浜市中区万代町1-1
9/29(金)〜10/22(土)
10:00〜18:00
糸と布のかたちパンフ.jpg

4名の布や糸を使ったアーティストがパッケージされたこの企画。やはり刮目したのは、わかっていても青山悟さんの刺繍でした。
漆黒を背景に存在する薔薇や、街並の夕景。物理的にはこれらが糸で構成されているという事実にはただただ平伏すばかり。。。
なかでも、昨年のミヅマアートギャラリーでの個展で発表されたコーヒーの染みを描いた作品に再び出会えたのがホントに嬉しくて...。
白地にダイナミックに散らばる薄茶色の染み。普通は「汚れ」として認識してしまう染みが、こうやって画面のなかに収められ、しかもそれが刺繍で描かれていることへの驚きと感動。
また、青山さんのアトリエでの制作風景の映像が流されていて、それを眺めていると、相当な慎重さに心が打たれます。
その他のアーティストでは、平野薫さんのインスタレーション的なアプローチが興味深かったです。
posted by makuuchi at 22:28| Comment(2) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

〜10/21のアート巡り

《10/18》
☆東京藝術大学大学院デザイン専攻描画・装飾研究室 波濤の会
松坂屋銀座店別館4階美術画廊
東京都中央区銀座6-10-1(住所は本館)
10/18(水)〜10/24(火)
10:30〜19:30(最終日:〜17:00)
波濤の会DM.jpg


《10/19》
・武田哲「Primitive Vision」
WALL
東京都港区南青山6-13-9 ANIES南青山B1-A
10/13(金)〜10/26(木)月休
13:00〜19:00(最終日:〜17:00)
武田哲パンフ.jpg

厚手の水彩紙に飛び散る赤などの絵の具。そこに黒のペンによる細かな皺のように線が重ねられることで不穏なリズムが奏でられるなか、狂ったようにエアギターに興ずる男が。
殺伐とした風合いが不良願望を刺激する、めちゃくちゃかっこいいポップなアートです!
ひたすらペンで描かれた樹皮、あるいは川の流れ、もしくは蛇の鱗を連想させる模様、そこからひょこっと覗かれる顔はカートゥーンふうの楽しさが伝わります。


・萱原里砂展
void+
東京都港区南青山3-16-14-1F
10/7(土)〜10/28(土)日休
月−金:17:00〜20:00 土:12:00〜18:00
萱原里砂DM.jpg

この日は萱原さんと交流のある写真家の鈴木理策さんと萱原さんとのアーティストトークが開催されました。
最初にプロジェクターで紹介された、鈴木さんによる雪に覆われた青森県立美術館を撮影した写真がきれいで。
お話で印象に残ったのは、鈴木さんが今回の萱原さんの展示を「雪山に立てられた小屋みたいだ、その窓から雪景色を覗く感じ」とおっしゃってて、そのイメージを思い浮かべてなるほどなぁ、と。
また、萱原さんの今回の作品の制作のエピソードや、大学在学中からしばらくはマンガを描かれていたことなど、知ると納得だったり意外だったりといった内容で、大変楽しめました。
ちなみにこの日に展示を観た印象は、一面の白のなかにわずかに滲む青が心に広がってく感じでした。


《10/20》
丸山友紀展 -楽園の部屋-
香染美術
東京都杉並区阿佐谷南1-10-1 松永ビル1F
10/20(金)〜10/31(火)
11:00〜19:00
丸山友紀 香染 DM.jpg


《10/21》
門秀彦 個展 KadoKoten#9/そこにある絵
B GALLERY
東京都新宿区新宿3-32-6 BEAMS JAPAN 6F
10/19(木)〜11/14(火)
11:00〜20:00
門秀彦DM.jpg


福井江太郎
東邦アート
東京都中央区銀座8-9-13 オリエントビル2F
10/16(月)〜10/28(土)日休
11:00〜19:00
福井江太郎DM.jpg


・banboo swimmer 斉藤とも子展
exhibit Live & Moris
東京都中央区銀座8-10-7 東成ビルB2
10/16(月)〜10/21(土)
12:00〜19:30(最終日:〜17:30)
斉藤とも子DM.jpg

細かいペン画が面白い!
続きをせひ観てみたい画風です。


・武田史子新作銅版画展
ミウラ・アーツ
東京都中央区銀座8-12-6 小野商ビル401
10/16(月)〜10/28(土)日休
11:30〜18:30
武田史子DM.jpg

今回の武田さんの銅版画は、背景に紙の白がそのまま活かされたものが多いのがまず印象的でした。
その効果か、いままでよりも稜線がくっきりと見え、今までとはちょっと違った印象。木の実や花など、取り上げられる主題がきりりとしたような感触。


・NOISE 海老原靖
フタバ画廊
東京都中央区銀座1-5-6 福神ビルB1
10/16(月)〜10/22(日)
11:00〜19:00(最終日:〜16:30)
海老原靖DM.jpg

ギャラリーのなかにところ狭しと展開される顔、顔、顔。
映画のワンシーンをビデオで一旦停止して、そのときに現れるノイズもいっしょにキャンバスに取り込んだ、大胆な作品が並んでいて圧巻でした。


☆小出正義 個展 "STRANGE GUITAR"
ギャラリー椿GT2
東京都中央区京橋3-3-10 第1下村ビル1F
10/16(月)〜10/21(土)
11:00〜18:30(最終日:〜17:00)
小出正義DM.jpg


・山内賢二展
SAN-AI GALLERY
東京都中央区日本橋蛎殻町1-26-8 三愛水天宮ビル1F
10/20(金)〜10/28(土)
11:30〜19:00(20日:〜18:00/最終日:〜17:00)
山内賢二DM.jpg

超自然的な色彩によって描かれた風景。
まずその色の鮮やかさによるインパクトに目を奪われ、そこからだんだんとその絵のなかに詰められたさまざまな風景が見えてきます。その過程における瞬間の連続が堪らなくスリリング。
山内賢二2 山内賢二1


・日本橋・京橋 美術骨董通りまつり
10/20(金)、21(土)、22(日)
美術骨董通りまつりDM.jpg
タイトル通り、日本橋界隈の画廊によるイベント。といっても大々的に行われている感じではないのですが、こういう機会があるとつい伺いたくなるのが紫鴻画廊
奥村土牛氏の力のこもった作品や、親しみ溢れるやさしい色合いと静かにふわりと浮かぶような神々しさとが同居する手塚雄二氏の作品に囲まれると、背筋があらためて伸びるような感じです。
また、こちらでの個展が大変印象に残っている大好きな日本画家の加來万周さんが文芸誌のために制作されたという作品を見せていただけました。横長の画面に収められた、黄金色に広がる山の影と木立。ちいさな作品なのですが、そこから懐かしい記憶が蘇るような、それでいてかつ清々しい、そんな感動に包まれます。偶然に拝見できて、ホントに嬉しかったです。


☆未来への視座VF6 tranprint 透明
Higure 17-15 cas
東京都荒川区西日暮里3-17-15
10/18(水)〜10/24(火)
12:00〜19:00
視座DM.jpg


・“版の今”Part 2
Gallery Jin
東京都台東区谷中2-5-22 山岡ビル1F
10/20(金)〜10/29(日)月火休
12:00〜19:00
版の今DM.jpg

たくさんの若い版画アーティストが取り上げられているこの展覧会で、僕がチェックしたかったのは、これまでもグループ展で拝見する度に印象に残り続けている片平菜摘子さんの木版画。
子供達が集まる運動場での一場面や、カフェの光景など、片平さん独特のやさしい色調が醸し出すふわりとした風合いが気持ち良いです。


片岡雪子「ゼロ展」
GALLERY IT'S
東京都渋谷区猿楽町2-7 シャトーソフィア(竹久ビル)6F
10/21(土)〜10/28(土)
13:00〜20:00
A・PeX
谷区猿楽町2-12 相野谷ビル201号室
10/21(土)〜10/28(土)月休
11:00〜20:00
maruse
谷区猿楽町2-12 相野谷ビル205号室
10/21(土)〜10/28(土)月休
13:00〜20:00
片岡雪子DM.jpg
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2006年10月21日

review:小林 英且展 〜華〜《10/14》

小林 英且展 〜華〜
ギャラリーゴトウ
東京都中央区銀座6-4-8 曽根ビル6F
10/10(火)〜10/16(月)日休
11:30〜18:30(最終日:〜16:30)
小林英且DM.jpg




小林英且04

この「記憶」という作品には個人的に思い入れがあって、これまでにも何度か拝見しているのですが、緩やかな赤のグラデーションとジェッソで施された下地を彫って細かく作り込まれた髪の流れや背景の草花の立体感にどれだけ目を見張り、そして何より、軽くうつむいた女性のやさしい表情にどれだけ見とれたことか...。
「こんなにすごい絵を描ける人がいるんだ...」と、僕がギャラリー巡りに拍車をかけるきっかけになった作品のひとつなんです。この作品と今年も再会できたことの嬉しさ。

今回の小林英且さんの個展は、過去の作品と新作とが出展されていました。
過去の作品は、上記の「記憶」の他、淡いグリーンが印象的な作品や、下地の感触がより活かされ独特な風合いを醸し出している作品が。
作品から伝わる太古のイメージを彷佛させる背景に登場する女性の優雅な様子。不思議な世界感があります。

小林英且02 小林英且01

新作は、小品が中心でした。
過去の作品と比較して、濃い色彩が印象的です。どことなくエキゾチックな風合いになっています。

小林英且06 小林英且05

そして、おぶせで拝見した大作も。
小さい空間であらためて拝見すると、大きな画面のなかに寸分の隙もなく作り込まれたマチエルの立体感がより力強い説得力を持って迫ってきます。
凛とした女性の表情と、その頭上でダイナミックな姿を晒すアロワナ。ゆったりとした時間の流れが感じられます。

小林英且03
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2006年10月20日

review:加藤怜子 個展 ―MAKE SURE―《10/14》

加藤怜子 個展 ―MAKE SURE―
フタバ画廊
東京都中央区銀座1-5-6 福神ビルB1
10/9(月)〜10/15(日)
11:00〜19:00(最終日:〜16:30)
加藤怜子DM.jpg

加藤怜子さんの作品を初めてちゃんと拝見したのは今年の春にギャラリー山口で開催された個展です。
そのときに展示された岩絵の具を用いた大作における、水平線を思わせる横に伸びる動線上に無数に配置された、面相筆ですらりと描かれたさまざまな表情の細身の手が強く印象に残っています。
その他、手をモチーフにした作品が多く展示されていて、僕にとって加藤さんといえば「手」、というイメージがこのときに脳裏に焼き付いた次第です。

その加藤さんの個展が、夏のスルガ台画廊でのグループ展をひとつ挟んで開催されると知り、今回はどんなかたちで「手」のモチーフを展開してくるか楽しみで。

まず、正面奥の壁に、スルガ台画廊でのグループ展にも出展された作品が再び登場しているのを視界が捉え、前回とはまったく違った雰囲気で再会に嬉しい気分に。
鮮やかな色彩感と、絶妙ながらも大胆なグラデーションが施された背景。そこに手が例によってさまざまなかたちを伴って、舞うように配置されています。
背景の色が変化する部分の透明感がホントに美しい...。

加藤怜子01

この両側には、1年の月の数をあらわした12枚のパネルがぞれぞれのバランスで配置されていました。

左手は、正面の作品の風合いを踏襲したような風合い。
ランダムに配置された12枚のパネルは、どれがどの月を表しているのか特に限定はしていないそうなのですが、手が31個描かれているものと30個描かれているもの、そして28個のものもちゃんとひとつ存在しているとのことでした(数える余裕がなかったのが残念...)。

加藤怜子03 加藤怜子04 加藤怜子05

この神々しさ。光のスピード感を伴って無限に広がり続ける壮大な宇宙のさまざまな表情を連想してしまいます。
正面の作品と同様に、背景の色彩が変化する部分の神秘的な美しさが印象に残ります。画面によって滲むようにじわりと広がっているようなものもあれば、大きな断面を切り取ったようなものも。さまざまな色彩や構成がひとつの壁に揃い、未来的な恍惚感とともにイマジネーションもダイナミックに広がっていきます。

加藤怜子02

向かい側の壁には、12点のパネルが2段に整理されて並んでいて、ひと味違う世界が展開しています。
画面によっては箔も用いられている表面の感触や使用される色彩が、渋い。他のふたつの壁で展開される作品の発色がぱっと明るいこともあって、その渋さが際立ちます。
画面のなかに描かれる手も同様に整然と並んでいます。こういった構成だと、古くから伝わる紋様にも見えてきます。ただ、やはりひとつひとつの手の表情は可憐で優雅で、渋さとのギャップが醸し出す不思議な雰囲気も面白いです。
こちらも同様に、具体的な指定はないものの、パネルの12枚という数とそれぞれに描かれる手の数とによって12ヶ月を表しているようです。

加藤怜子07