Exhibition one+one+one=one
@
And A shibuya
東京都渋谷区神南1-3-49/15(金)〜9/26(火)
11:00〜20:00

14日の夜に行われた前夜祭的なイベントに行ってきました。
夜の8時に始まったこのイベント、僕が渋谷のAnd Aに到着したのは8時を15分ほど回った頃。すでにたくさんの人で店内は溢れていて、ギャラリーでの展覧会のオープニングとはぜんぜん違う雰囲気にむしろワクワクさせられます。
1階スペースにはプロジェクターで映像が映し出され、その手前には場違いなコピー機、スタンギター用のエフェクターが床に配置されライブのスタンバイがなされたコーナー、普段は服やグッズなどの商品が置いてある大きめのテーブルには巨大な紙のオブジェ。
ブラウンの厚い再生紙が重なり、そこに飯田竜太さんの手によるアートワークが施されていて、その大きさ、紙の厚み、色彩の重みなどからくる圧倒的な存在感にまず驚いた次第。
他にも奥のほうの壁に棚にそれぞれのアーティストの個性やスキルが絡み合った平面の作品やオブジェが。さすがに一筋縄ではいかない超個性派が集っているだけにユニークなフォルムの作品が並んでいます。これらを眺めているだけでものすごく大きいインスピレーションを受けられそう。
2階では、その中央にある透明の壁で仕切られたブースの中に3人のアーティスト、飯田さんと黒田潔さん、林絵美子さんがなにやらライブで製作中。時おり笑顔を浮かべながら繰り広げられるその光景を、ホントに大勢の人が眺めています。
残念ながらそこで作られているのが何であるかは結局はっきりとは確認できなかったのですが、ある瞬間になると3人がブースから出てきてそれぞれの配置へと向かいます。
黒田さんはブースの入口正面にあるガラスのショーケースへ、飯田さんは2階のいちばん奥に設置されたテーブル、林さんは1階へ。
そして今度はそれぞれがソロで製作に入ります。
それぞれの製作状況を眺めたのですが、黒田さんはブースから持ってきたらしいちいさな画面をショーケースの上に置き、そこにさらにドローイングを重ねていきます。周りの人たちと話しながら、すらすらと画面に線を乗っけていきます。その自由さはなんとも痛快で。

飯田さんを見に行くと、こちらは知り合いと思われる方との話もそこそこに、カッターを片手に一心に重ねられた厚紙をくり抜いていきます。
分厚い紙の塊がどんどんかたちを変えていき、未来的な空間が出来上がっていく様子は見応え充分。カッターの刃の向かう先を眺めていて、「そっちにいくか!」と心の中で驚きと喝采を繰り返しながら出来上がってくのをしばらく眺めていました。ものが出来上がる瞬間に立ち会うことのスリルをしっかりと味わえて満足です。

林さんはその間、例のコピー機で、コラージュの材料を作っていた模様。
いつの間にか始まっていたソロギターによるミニマルな音響系のライブをBGMに、しばらくして林さんと黒田さんが1階の巨大オブジェで合流。
そこから、このオブジェにふたりのアーティストがどんどん手を加えていきます。
上半身を覆い被せるようにして花の絵をオーバーダビングしていく黒田さん。艶かしい棘を纏った太い茎、可憐な曲線で描かれる花と色彩とのギャップがむしろアングラ感を強烈に醸し出していてすごくかっこいい。
林さんはおそらくさっきまでに作っていたコピーをさらに細かく切り、それらをどんどんこのオブジェに重ねてコラージュで展開していきます。
ますます混沌としていくこの作品の世界。アーティストのインスピレーションと、それを瞬時に作品に反映させていく反射神経の鋭さ。とにかく面白い!
しばらくして、どうやら「制限時間終了」といった感じで二人が満足そうな表情で作品から離れます。
出来上がったオブジェが発散するリアリズム。パワーとクリエイティビティとがふんだんに詰め込まれた空間。
飯田さんによる立体的なアプローチと相まって、見る角度によって信じられないくらい豊かに表情を変化させます。


しばらく続く会期のうちにもう一度は、できれば日が昇っている時間帯に訪れてみたいと思っています。
こういうシーンを提供してくれたAnd Aの企画の方々には感謝はもちろん、それ以上に心からの喝采を送りたい気分です。
そして、こういった時間に立ち会う度に、僕にとっては「アート=もの」ではなくて「アート=人」だということを強く実感します。
こういうことを再確認できるのは嬉しくてしょうがない!