2006年09月30日

review:sketch show / tomoaki marubashi《9/23、9/24》

sketch show / tomoaki marubashi
art & river bank
東京都大田区田園調布1-55-20 #206
9/23(土)〜10/7(土)月休
13:00〜19:00
sketch show パンフ.jpg

侮れない奴ら、BOICE PLANNING

もとい、決して侮っていたわけではなく、春に開催された『百花繚乱〜The BOICE PLANNING is covered with a profusion of flowers.〜』での圧倒的かつユニークすぎる人脈とキャラクターにむしろ「面白い!」と感じて、以来彼らの活動に向けて常にアンテナを張っているのですが、現在YUKA SASAHARA GALLERYで開催中の雨宮庸介さんの展示といい、そして今回の丸橋さんといい、ソロになるとパワフルに個性を発揮してきて驚かされます。

・・・といっても、至って静謐なのです。

more...
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2006年09月29日

review:下田嘉子 木版画展《9/23》

下田嘉子 木版画展
シロタ画廊
東京都中央区銀座7-10-8-B1F
下田嘉子DM.jpg

抽象の木版画、とにかく力強い!

ギャラリーのメインスペースに入ると大画面のモノクロの作品の堂々たる姿が目に飛び込んできていきなり圧倒されます。
いかにも木版画らしい朴訥でいて鋭い白抜きの線はもちろん、部分的には加納光於氏の亜鉛板を使用したデカルコマニー的な版画を思わせるてらてらと滲むような箇所もあって、見応え充分です。
また部分的に別の版で摺られたものを上から貼ったりと、ユニークなアプローチも興味深いです。

下田嘉子4

小品は、木版画の「手仕事」の味に加えて、木の肌触りがダイレクトに伝わってくる額とのマッチングが最高です。

下田嘉子2 下田嘉子3

大画面の作品に囲まれていると木版画のうねりがダイレクトに伝わってきます。

下田嘉子1
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review:―TOUGEN― 鴻崎正武《9/23》

―TOUGEN― 鴻崎正武
@ギャラリー・アート・ポイント
東京都中央区銀座8-11-13 エリザベスビルB1
9/21(木)〜9/30(土)
11:30〜19:30(最終日:〜17:00)
鴻崎正武DM.jpg

絢爛。
めくるめく想像の世界。

鴻崎正武さんが作り上げる世界は、これでもかというくらいにさまざまな奇妙な姿の動物や植物が登場します。
さらに、立体的な模様が入った箔の部分などがさらに混沌とした世界を加速させます。

鴻崎正武7 鴻崎正武6 鴻崎正武5

ひとつの作品にこれだけのものが入って...

鴻崎正武3

一体どれが主役でどれが脇役かまるで見当が付かないほど、登場するすべてのものが主張しています。
この力強さは尋常ではないです。

入口付近には小品がずらりと。
小品になると主役の存在感ががはっきりしてきます。

鴻崎正武2

メインの空間では大作がどんどんと展示されていて、それはもうすごい迫力。
四方から強烈に主張する大画面に圧倒されるのもけっこう気持ちがいいものです(笑)。

鴻崎正武1
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2006年09月28日

「封筒の中のギャラリー」とライブのお知らせ

お知らせがふたつ。

・お知らせその1「封筒の中のギャラリー」
以前にもお知らせした「封筒の中のギャラリー」ですが、リリースが迫って参りました。

今回は限定80部。価格は1部\500(税込み)です。

9/28現在で、以下のギャラリーでの販売が決定しています。

store & gallery S.c.o.t.t
東京都中央区銀座7-7-1 幸伸ビルB-1

exhibit Live & Moris
東京都中央区銀座8-10-7 東成ビルB2

SAN-AI GALLERY
東京都中央区日本橋蛎殻町1-26-8 三愛水天宮ビル1F

ギャラリーf分の1
東京都千代田区神田駿河台1-5-6 コトー駿河台

書肆啓祐堂
東京都港区高輪3-9-8 高輪インターコート1F

GALLERY MoMo
東京都港区六本木6-2-6 サンビル第3 2F

表参道画廊
東京都渋谷区神宮前4-17-3 アークアトリウムB02


現在交渉中のギャラリー、カフェもありますので、決まり次第その都度お知らせいたします。
10月最初の週から順次置いていただくかたちになると思います。
見かけたらぜひ手に取ってみてください!

※郵送での販売も承ります(郵送料として別途\100頂戴いたします)。
問い合わせはこのブログの「profile」にあるメールアドレス宛にお願いします。

・お知らせその2「ex-chamber music」

僕のバンド、ex-chamber musicがライブをやります!

バンド名:ex-chamber music(guest vocal:高宮マキ)
日時:10/24(火)19:30start
※3バンド中2番目、8時半頃の出演になります。
場所:高円寺ペンギンハウス(03−3330−6294)
チャージ:1600円(ドリンク別)
《メンバー》
幕内政治:bass
沼直也:drums
矢吹卓:keyboards

ちなみに新しめのジャズといった感じですが、今回は数曲でヴォ−カルの高宮マキさんをゲストに迎えます!

以上お知らせふたつ、またあらためて紹介したいと思います。
よろしくお願いします!
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review:津田やよい展《9/23》

津田やよい展
ぎゃらりぃ朋
東京都中央区銀座1-5-1 第3太陽ビル2F
9/22(金)〜9/30(土)日休
12:00〜19:00
津田やよいDM.jpg



津田やよい2

こういう雰囲気の絵で「いいなぁ」と心から思えることってそうそうないような気がします。
独特の深み。渋さ。
昨年の個展で拝見したときも感じたことですが、津田やよいさんが描く静物には、津田さんにしか醸し出すことができない唯一の風合いが感じられます。

展示は入口正面の壁に油彩、その両側に水彩の作品が並んでいます。
最初にご紹介した静物画2点は比較的前の作品とのこと(ただし、発表されたのは今回が最初だそうです)。並ぶ風景画がまた、ちいさな画面ながら深い霞みの向こうの存在が伝わってくるような渋味に溢れています。
津田さんのお話では、この風景画に使用された絵の具が違っているとのことです。

津田やよい3

水彩の作品も、東大寺の金具や蓮の花など、日本画的なモチーフがていねいに描かれていて、油彩とまた違う軽みで津田さん独特の渋さが再現されています。

津田やよい5 津田やよい4

全体にグレーの色調が印象的で、そこから浮き上がるように現れる明るさを抑えた渋めの色彩が描く世界からは、心が沈み込むように落ち着いていてやさしい静謐感が伝わってきます。

津田やよい1
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2006年09月27日

review:植松知祐展 The Fools in the Sky《9/23》

植松知祐展 The Fools in the Sky
GALLERY b.TOKYO
東京都中央区京橋3-5-4 第一吉井ビルB1F
9/18(月)〜9/30(土)日休
11:00〜19:00(金:〜21:00/最終日:〜17:00)
植松知祐DM1.jpg

セピア色の未来。
デジャヴじゃない、懐かしい感じ。

昨年も、今年と同じGALLERY b.TOKYOでの個展を拝見していたことを覚えていて、久し振りに拝見してそのときに感じたやさしい気持ちが蘇ってきました。

通りからギャラリーへと下る入口の階段を覗くとその先に1点展示されているのですが、それを観ただけで「あ〜、いいなぁ」と。

夕焼けを思わせるような少しずつていねいなグラデーションが施されたセピア色の背景が印象的な植松さんの作品には、甘い目許の人物やペットが登場します。若干上目遣いのその表情は、ぱっと観ただけでもなんだかほっとするんです。
くわえてシャツや帽子、トランペットといったアイテム、さらにポケットに突っ込まれた手や軽く曲げられた膝などから伝わる仕草もいい感じです。

植松知祐1

ギャラリーのメインスペースには大きな画面の作品が向かい合うように展示されています。空の向こうに浮かぶ大きな夕焼け雲を背景にたくさんの人たちがやさしい笑みを浮かべて向かい合う光景と、ひと組のカップルとペットがいっしょにいて、帽子をかぶった男の子がカラフルな傘を片手におどける様子。
大きな画面だと「なんだかいい感じ」がより伝わってきます。

植松知祐4 植松知祐5

いちばん奥の壁にはプロジェクターでアニメーションが上映されています。
といっても動くのはいちばん手前の男性の目と、奥の男性がくわえるタバコの煙だけ。それでも不思議と眺めていられます。

こういった作品のなかに、風合いが違う作品も。CDジャケットのために描かれたという断崖を描いた作品。ちいさな画面のずっと向こうに見える水平線の、色を失った空と海との曖昧さ。植松さんのペインターとしての懐の深さも力強く伝わってきます。

植松知祐3

植松さんの作品を僕が「いいなぁ」と思うのは、たとえ画面にひとりしか登場しなくても寂しい感じがしないから、という気がしています。
ひとりでもふたりでも、たくさんの人といっしょでも。人と人、人と物や風景、それぞれの関係があったかくてほっとするんです。

植松知祐2
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2006年09月26日

review:Takorasu World展《9/21》

Takorasu World展
ギャラリーコンセプト21
東京都港区北青山3-15-16
9/21(木)〜9/27(水)
11:00〜19:00(最終日:〜16:00)
TAKORASU DM.jpg

男の子心をくすぐるファンタジー!

どこまでも細かく描き込まれた立体的な街やメカニカルな動物の姿をした住宅の塊。とにかくかっこいい!

個展でTakorasuさんの作品を拝見するのは初めてで(それもそのはず、初個展なのです)、ギャラリーにはたくさんの大小の額に収められた作品がずらり
と展示されていて、そのすべてが細かいペン画。モノクロームで統一された色彩感もクールです。

Takorasu2

やはり、大きな原画に引き寄せられます。
全貌は実にダイナミック。天空を勇壮に移動しているかのような姿。
さらにひとつひとつのパーツのユニークさや微妙な陰影など、細微に至るまでていねいにイメージが具現化されています。
Takorasu5 Takorasu4Takorasu6

一角にはちいさな画面に描かれたキャラクター的な作品がびっしりと。
たくさんあるのがまた嬉しいです。
Takorasu3

映像作品も、人物は出てきませんが、登場する建物や乗り物があるところでは悠然と、あるところでは力強い早さで動く様子は観ていてやはり楽しい。
全部でいったいいくつの線が描かれているのだろうと考えると相当に気が遠くなりますが、そういった想像もまた楽しめてしまうほど。

Takorasuさんのお話では、今回は自分の中での「一区切り」だそうで、今後はこの世界をひとつ先へと発展させたい、例えばストーリー性を取り入れるなどしてもっと奥行きがでるようにしたいとのこと。これだけの精緻な世界がどのように展開していくのか、期待が膨らみます!
Takorasu1
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2006年09月25日

interview:谷山恭子

昨年の終わり頃から今年にかけて印象的な展示を拝見する機会が多かった谷山恭子さん。このブログを始めてからもふたつの展示を通じてすごくポジティブなイメージを受けました。
これはGALLERY 360°でのグループ展の会期中に谷山さんがさまざなまスタイルのアーティストたちと共有するアトリエに伺ってインタビューしてきたものです。

展示のレビューはvoid+での個展がこちらGALLERY 360°でのグループ展のがこちらです。

また、谷山さんのサイトに詳しいですが、各所で谷山さんのパブリックアートを観ることができます。ちょっと近くに行った際は気にかけてみると楽しいです。

interview:谷山恭子
posted by makuuchi at 07:49| Comment(0) | TrackBack(0) | interview | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

recommend:9/25〜10/1

・歴の会展
@銀座スルガ台画廊
東京都中央区銀座6-5-8 トップビル2F
9/25(月)〜9/30(土)
11:00〜19:00(最終日:〜17:30)
歴の会.jpg

東京芸大で文化財保存学保存修復日本画修士過程を修了したアーティストを集めたグループ展です。
この「文化財保存学」を敢えて選ぶ方々のその理由がさまざまで、単純に昔の作品が好きであったりというのもあるのですが、日本画のスキルを追求していく過程で行き着く方も少なくなく、そういった方々がこの学問から得た技術を用いて描く作品のクオリティは相当の見応えだったりします。
現在の日本画の極地のひとつが集まる興味深い展覧会です。
《参加アーティスト》
荒木恵信 大河原典子 大山龍顕 加藤恵 野地美樹子 藤井聡子

・一瀬幸信展
GALERIE SOL
東京都中央区銀座6-10-10 第二蒲田ビルB1
9/25(月)〜9/30(土)
11:00〜19:00(金:〜20:00/最終日:〜17:00)
一瀬幸信.jpg

油彩の力強さに日本画や墨絵的な要素が加わったユニークなスタイルの一瀬さん。
文字をデフォルメし、大胆に金色を用いた作品の個性は昨年に同ギャラリーで行われた個展やグループ展でも際立っていました。

・ながつき展
gallery d.g.
東京都中央区新川2-7-4 矢島ビル1F
9/25(月)〜9/30(土)
11:00〜19:00(最終日:〜16:30)
ながつき.jpg

女性3人のグループ展、こちらに先日印象的な風景を描いた日本画の展示が素晴らしかった林靖子さんが参加されます。
具象と心象の合間のような独特な世界、多くの人に触れてほしいです。
《参加アーティスト》
林靖子 佐々木環美 辻本恵津子

・今村綾展
Oギャラリー
東京都中央区銀座8-11-3 山田ビル2F
9/25(月)〜10/1(日)
12:00〜20:00(日:11:00〜16:00)
今村綾DM.jpg松坂屋銀座店別館4階美術画廊
9/27〜10/3
東京都中央区銀座6-10-1(住所は本館)
9/27(水)〜10/3(火)
瀧下和之 DM.jpg

意欲的な制作を続ける瀧下和之さんの、今回は銀座での個展です。
例によって愛嬌たっぷりの鬼ヶ島の鬼達の行動や仕草はたまらなく面白い!
そんな絵に囲まれつつ、加えて龍や風神雷神、最近発表された神将の二枚目っぷりも見応え充分。

・四季の香り 高橋浩規日本画展
池袋東武 6F1番地 美術画廊
東京都豊島区西池袋1-1-25
9/28(木)〜10/4(水)
10:00〜20:00(最終日:〜16:30)

繊細な稜線ときれのある鮮やかな色彩感が目に鮮やかな日本画の高橋浩規さんの個展です。
凛とした咲く花の姿、滝や富士といった日本画としておなじみの風景のモチーフ。これらが独特の色のチョイスで描かれつつも、その奇抜さむしろ程よい緊張感が絵の世界から感じられます。

・ニューアート展2006 糸の布のかたち
横浜市民ギャラリー
横浜市中区万代町1-1 横浜市教育文化センター内
9/29(金)〜10/22(日)
10:00〜18:00(最終日:〜16:00)

タイトルにある通り、糸や布を特徴的に用いるアーティストを集めたグループ展です。
参加アーティストに、青山悟さんもクレジットされていて、見逃せない企画です!
《参加アーティスト》
青山悟 眞田岳彦 津田亜紀子 平野薫
posted by makuuchi at 01:45| Comment(0) | TrackBack(0) | recommend | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月24日

〜9/23のアート巡り

《9/21》
Takorasu World展
ギャラリーコンセプト21
東京都港区北青山3-15-16
9/21(木)〜9/27(水)
11:00〜19:00(最終日:〜16:00)
TAKORASU DM.jpg

八木良太展「side b:waltz」
無人島プロダクション
東京都杉並区高円寺南3-58-15 平間ビル3F
9/21(木)〜10/21(土)木金土のみ(月〜水は要予約)
11:00〜19:00
八木良太waltz DM.jpg

今回も面白い!
ひとつの音程が延々と録音されたレコードが乗ったターンテーブルをろくろに仕立てて回転させ、針をレコードに降ろして音を出し、さらに粘土を乗せてお皿(?)を作る、というか気が趣くままにいろんなかたちを作ってレコードがかかり終わった時点で終了。それをレコードの音と供に映像に記録したものが3点。粘土に手が触れているときに回転が緩められ、音程が揺れたりするのがなんとも味わい深いというか、ずっと見てしまいます。完結させる瞬間なんてなんだか妙にスリリングだったり(笑)。
そして、「あ、ここ窓だったんだ」としばらく素で気付かなかったほど空間に馴染んだ、大きな額に額装された出力プリント。画面の上と下を真ん中で分け、上が銀色、下が青。何の写真かと思ったら...(あるもののアップなんですが。笑)。

《9/22》
・棚田康司展
void+
東京都港区南青山3-16-14-1F
9/9(土)〜9/30(土)日祝休
月−金:17:00〜20:00 土:12:00〜18:00
void+棚田康司DM.jpg

この日は棚田康司さんと森淳一さんとの対談が開催され、それを聴きに。
途中から伺ったのですが大盛況。
同じ年に制作されたお互いの作品の写真をプロジェクターに映し出しながら、その時期のそれぞれの考えや彫刻にまつわる状況など、いろいろ興味深いお話が聴けました。
棚田さんの過去作品がけっこうアバンギャルドな雰囲気を漂わせていたのおには驚きました。
僕がこういうことを書くのは大変恐縮なのですが、お二人のお話を聴いていて、迷う時期も含め、自分に正直でありつつ真摯に制作に取り組んだ現時点での成果と考えると至極納得、そしてそれすらもきっと過程なのだろうな、と思うと「これから」がますます楽しみになってきます。

《9/23》
☆下田嘉子 木版画展
シロタ画廊
東京都中央区銀座7-10-8-B1F
下田嘉子DM.jpg

☆―TOUGEN― 鴻崎正武
@ギャラリー・アート・ポイント
東京都中央区銀座8-11-13 エリザベスビルB1
9/21(木)〜9/30(土)
11:30〜19:30(最終日:〜17:00)
鴻崎正武DM.jpg

・sottaku ソッタク展
画廊宮坂
東京都中央区銀座7-12-5 銀星ビル4F
9/19(火)〜9/24(日)
11:00〜18:00(最終日:〜17:00)
sottaku DM.jpg

4人のアーティストのグループ展で、「超」が付くベテラン二人に混ざって 僕と同世代のアーティストである千々岩修さんと三瀬夏之介さんが参加。
三瀬さんの作品は、平面の体裁を保っていながらもやはり「もの」としての存在感、重みがどっしりと伝わってきます。ダイナミックなコラージュ感がユニーク。今回は比較的昔の作品も出展されたそうなのですが、実際に手を加えなくなってからも酸化が進み、緑青の独特の青みがさらに濃くなってきているとのこと。「完成し続ける」希有な作品です。
千々岩さんはこれまで何度か拝見していますが、今回のがいちばん自然に絵の世界のなかに気持ちが入っていきました。繊細で可憐、初冬の水たまりに張った氷のような1枚1枚の薄さを感じさせる色の重なりがはらりはらりと散っていくような。

・DIVVY/dual Project#1
Space Kobo & Tomo
東京都中央区銀座1-9-8奥野ビル(左階段地下)
9/18(月)〜9/23(土)
12:00〜19:00(最終日:〜17:00)
DIVVY DM.jpg

このギャラリーはけっこうイレギュラーな企画が多くて面白いのですが、今回もすごく楽しいインタラクティブな内容でした。
パソコンのソフトの展示。
文字(文章)を入力すると、その入力にかかった時間、間違えた回数などが文字の大きさに反映され、出来上がってみるとなんだか異様(笑)。
さらにそれをソフトが自動再生してくれて、カチカチとキーを叩く音と共にその文章が出来上がるまでを眺めていると、自分で入力しておきながら時間が掛かり過ぎたところに「イラッ」としたり(笑)。
スクリーンセーバーに採用したら面白そう。

・浅枝木綿子『集合と拡散』
フタバ画廊
東京都中央区銀座1-5-6 福神ビルB1
9/18(月)〜9/24(日)
11:00〜19:00(最終日:〜16:30)
浅枝木綿子DM.jpg

スプラッシュ!
粒子の集合で描かれた植物の姿。アプローチがユニークで、今後どういった世界へと展開していくか楽しみです。

☆津田やよい展
ぎゃらりぃ朋
東京都中央区銀座1-5-1 第3太陽ビル2F
9/22(金)〜9/30(土)日休
12:00〜19:00
津田やよいDM.jpg

☆植松知祐展 The Fools in the Sky
GALLERY b.TOKYO
東京都中央区京橋3-5-4 第一吉井ビルB1F
9/18(月)〜9/30(土)日休
11:00〜19:00(金:〜21:00/最終日:〜17:00)
植松知祐DM1.jpg

☆sketch show / tomoaki marubashi
art & river bank
東京都大田区田園調布1-55-20 #206
9/23(土)〜10/7(土)月休
13:00〜19:00
sketch show パンフ.jpg
posted by makuuchi at 08:35| Comment(2) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月23日

review:光の魔術師 インゴ・マウラー展《9/16》

光の魔術師 インゴ・マウラー展
東京オペラシティアートギャラリー
東京都新宿区西新宿3-20-2
7/8(土)〜9/18(月)月休(7/17、9/18は開館、7/18、8/6休)
11:00〜19:00(金土:〜20:00)
インゴ・マウラー パンフ.jpg

めくるめく「光」の、もとい、「明かり」のインスタレーション!

事前にいろんな方々の感想を拝見していてなんとなくどんな感じかイメージは掴んでいたのですが、実際に拝見してみたら.....














は、














は、














ハンズ大賞かお前はぁぁぁぁァ!!!!Σ( ̄口 ̄;)
(いやむしろLoft的かと)
(せめてリビングデザインセンターOZONEとか気の利いたことが言えんのかと)
(いちばん近所なんだから)


って第一印象。
まあ、あるわあるわのプロダクツ。
機能を追い求めたものは美しいなぁ、とか照明の周りに紙が浮くように付いていて余計だろアーティスティックだなぁ、とか感じ入っていたんですけど、壁の上方に据えられたちいさな棚から床へと吊り下げられた片手に乗るほどの照明を見て、

「どんな配線になってるんだよオイ!」

と驚くこともしばしば。

ショーケース的な第1室を出ると壁も黒い暗い部屋が続きますが、そこには奥の上のほうに金属の肌質むき出しのワイヤーがいっぱい張られていて、さらにそこでインスタレーションが展開されていました。














小松の親分の仕業か!Σ( ̄口 ̄;)

とかベタな印象は浮かぶべくもなく、なんだか連凧のようなものがいっぱいあって、下部には明かりが吊り下げられていて。
説明を読むと張られたワイヤーには微弱な電流が流れていて電線として機能しており、そこから電気を取って照明が点灯しています。

近くにいたスタッフのお兄さんに
「あの電線触ったらやっぱりピリッとくるんですかね?」(・_・)
と質問したら
「あ、微弱な電流なんで大丈夫ですよ」( ´∀`)
とのこと。














触ってみた〜〜〜〜い!(≧∀≦)ノ゛
とはさすがに思いませんでしたが、まあ触っても大丈夫ということで、ユニークなこと考えるなぁ、と。

他にもLEDを駆使して明かりが付いたり消えたり故障してたり( ´∀`)する作品や、水流が起こされている水槽のなかを透明のアクリルか何かの板と金魚が流れているインスタレーションとか、面白い作品がたくさん。

期待以上にエンターテイメント性に溢れた展示でした。



そして、4階のコレクション展に足を運ぶと、まず入江明日香さんのふわっとしたモノタイプの版画作品や時松はるなさんの画面いっぱいに同じ姿の人が描かれたユーモラスなペン画(こちら参照)、さらに服部知佳さんの渋い質感とかわいらしさがいい感じの木版画(こちら参照)など、アーティストの顔が浮かぶ作品が展示されていて、嬉しいサプライズでした。
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2006年09月22日

review:本と遊ぶ「おそろい−ミヤケマイ展」《9/16》

本と遊ぶ「おそろい−ミヤケマイ展」
nikiギャラリー册
東京都千代田区九段南2-1-17 パークマンション千鳥ヶ淵1F
9/5(火)〜10/5(木)月休(9/18(月・祝)開廊、9/19(火)休)
11:00〜19:00(最終日:〜15:00)
ミヤケマイDM.jpg

なんだろう、この嬉しい気持ち(笑)。

今年の春に開催された村越画廊での個展の記憶も新しいミヤケマイさん。
今回は千鳥ヶ淵の知的和み空間、nikiギャラリー册での展覧会です。

入口のドアをくぐるとそこから、ミヤケさんワールドがいっぱいに広がっています。
まずは大きな額に入った作品がお出迎え。そこを過ぎると春夏秋冬を描いた4点組の立体額の作品。
そして、メインスペースには棚に書物やグッズといっしょになってさまざまなの立体額の作品、壁には軸の作品が展示されています。

例えていうなら、子供の頃に駄菓子屋さんに行って、色とりどりのたくさんのお菓子に囲まれたときの幸せな感じ。作品を目にして、自分でも目尻が弛んでしまっているのが分かるくらい(笑)。

作品には子供たち、動物たち、擬人化された動物や物たちが登場しています。
今回の展示のタイトルにある「おそろい」というキーワードがさまざまなかたちで織り込まれながら、それぞれかわいらしい出で立ちや仕草で画面のなかを、そして册の空間全体をほっこりと彩っています。

バドミントンに興じるひと組のトランプの絵札。
背中を合わせて座るひと組のダンディなワニ、その腰に巻かれたベルトのロゴには思わず笑みがこぼれます(というか、かなりツボに入りまくりで、僕の場合、笑みは「こぼれる」というよりむしろ「爆発」してました。笑)。
金魚に乗った女の子、その服の柄は犬とお揃い・・・など、など、など。
立体額の作品では、地面に描かれた四角の連なりの上で蟹たちが戯れる、その名も「パイナツプル、チヨコレート」が堪らない!「ちょき」しか出せない蟹がそんな遊びをやってどうするの、なんて突っ込みどころももちろん、立体的にていねいに作り込まれた蟹の姿がとにかくかわいくて、さらにその影も描かれていて、そのちょっとした視点が作品の楽しさを押し上げます。

軸の作品も負けず劣らずエンターテイメント性に富んでいて楽しいです。
立体額の作品とくらべると若干渋め。そこがまたいい感じ。
まず印象的なのが「球団シリーズ」の3点。「バッファロー図」「カープ図」そして「スワロー図」ときて最後のひとつのタイトルはちょっと待て、となるんですけど(笑)、それぞれの球団のイメージキャラクターがミヤケさん独特のくっきりとして明るい線とやわらかな色彩で描かれています。鯉の鱗の描かれ方あたりにミヤケさんの線の面白さがよく現れています。
他、ていねいな模様が施された壺からおみやげ片手に出てくる蛸のお父さん(「片手」ておい。笑)、涼しげな蚊帳のなかに入ろうとしている着物姿の女性などなど。

展示されている作品すべて、心から楽しめます。
童心が喜ぶのを実感できます。

今回の展示に合わせて作成されたカタログがまた素敵です。
あったかい手触りの紙が採用され、高級料亭のメニューのような感じで(って相当想像が入ってますけど)、なかには作品の写真や見どころがていねいに紹介されているのはもちろん、ミヤケさんと松岡正剛氏との対談もたっぷり掲載されています。
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2006年09月21日

review:東京藝術大学日本画第一研究室発表展《9/17》

東京藝術大学日本画第一研究室発表展
東京藝術大学美術館陳列館+正木記念館
東京都台東区上野公園11
9/15(金)〜9/24(日)
10:00〜17:00(金曜日:〜19:00)
芸大日本画パンフ.jpg

昨年も拝見して印象に残っているこの企画。
芸大の陳列館の1階と2階、そして正木記念館の2階を使用し、ちいさなスペースではなかなかお目にかかれないダイナミックな作品も展示されていますが、昨年とくらべるとダイナミックさは若干抑え目です。

陳列館から観覧し始めたのですが、こちらではなんといっても中村恭子さんの作品が面白いです。
昨年の同企画でも特に印象的だった中村さん。今年は3点出品され、なかでも画面をぐるりと巻くように描かれた黒の龍(じゃなかったかも。いずれにしても獣)。緻密さと大胆さとがひとつの画面に共存した面白さに溢れています。

この企画で楽しみなのが、正木記念館での展示です。
広い畳敷きの和室で、こちらに屏風や軸の作品が展示されています。
そして、今年は正木記念館に僕が今回の企画でチェックしなければ、と思っていた3人の作品が揃って展示されて嬉しい限り。

アダム・ブースさんの作品は、屏風が3点。一度観たら忘れない独特の感性で描かれた鋭い表情の風変わりな生物が画面に佇んでいます。
荒木亨子さんは、大きめの屏風が2点。深い緑を用いて抽象的な表現で描かれたテーブルの上の花瓶の花。引きで眺めると、その世界は一気に膨らみます。
これまでの展示ではユニークな屏風のインスタレーションが楽しかった大島真由美さんは、今回は屏風をお休みして軸と巻き物を出展。風景の墨絵の細やかさ、淡い色彩で描かれた幽玄に舞う鳥の姿。巻き物にはキュートな魑魅魍魎といった展開のストーリーが面白いです。
これらの作品を、畳の上に座してじっくりと拝見できるのが嬉しいです。

僕がお邪魔したとき、ちょうど照明の調整の最中でした。
天井から吊るされた間接照明のみのこの部屋。
それぞれの作品に床置きのスポットが配置されていて、これらをひとつずつ調整していきます。

スポットの明るさ、位置、角度が変わる度に微妙に、あるときは劇的に表情を変える作品。その変化を真剣な眼差しで見つめながら、それぞれの作品で伝えたいことを照明のプロの方に伝えていくアーティスト。そしてそれを真摯に受け止め、可能な限り応えるべく最善を尽くしながら、適切なアドバイスも行うプロの方。

アーティストの感性が繊細であればあるほど、照明が大切であることをあらためて感じました。
照明が調整されていく毎に凛としていく作品。ふたつの画面による屏風も、そのどちらにスポットを当てるかで伝わる意味も変わります。アダム・ブースさんの作品はそれが顕著で、登場するキャラクターのどれにどの程度スポットを当てるかで劇的に印象が変化します。これはたいへん興味深く、作品のポテンシャルの高さもしっかりと感じました。

そして、ひとつひとつ作品の照明を調整しつつ、空間全体のバランスもとっていきます。
調整がすべて終わってあらためて入口に立って眺めてみると、静謐な空間はさらに説得力を増し、ぱっと目に飛び込んでくる箇所もあれば、ゆっくりと鑑賞者の感性に届いてくる景色もあって、そのコントラストは見事でした。

作品があって、それを調和させるために照明をコントロールして空間を作り上げていく、そしてそうやって出来上がった空間から何かをインスパイアされるのも、アートを楽しむ大きな醍醐味のひとつであることを再認識した次第です。
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2006年09月20日

review:池田学展「景色」《9/13、9/16》

池田学展「景色」
ミヅマ・アクション
東京都目黒区上目黒1-3-9 藤屋ビル5F
9/13(水)〜10/14(土)日月祝休
11:00〜19:00
池田学DM.jpg

「絵」ってすごいなぁ、とあらためて実感。

数だけでいったら僕は相当な数の絵を観ているけど、それであっても、これほどまでフレッシュな感動を得られたことに驚きを隠せない。

圧倒的に精密な筆致には言葉を失います。
ものすごいテンション感。
この展覧会に展示されている池田学さんの作品は、大小合わせて全部で8点。
小品から超大作までさまざまなサイズの作品が出展されていますが、そのすべてにおいて寸分の隙をも見せず、徹底的にミニマムな世界が展開されています。

入口から受付を通過して右手の壁に展示されている作品。
信じられないくらいの数のビルディングが形成するひとつの塊、そこには巨大な湖が存在し、塊のいたる場所から水が噴き出して滝となる。
まるで絵のなかで九龍城が進化して蘇り、天空へと向かって浮かび上がっているかのようなイメージも浮かびます。いかにもアジアンテイストな実に雑多で混沌とした感触と、同時に未来的なクールさをも兼ね備えた「景色」です。
そして、描かれる無数のビルディングの窓には明かりが灯っていて、この数だけの人が、家族がいるんだという思いに至ると、冒頭の「絵ってすごいなぁ」という感動,高揚感が沸き上がってくるんです。

続いてはおよそ30cm四方のスクエアな画面のなかに縦横に走る線路の絵。
黒い背景に奇妙な曲線を描き、折り重なり、メビウスの輪のようにひねりが入る白い線路。そこを走る電車や駅も描き込まれ、時空の渦に意識が呑み込まれていきます。
このサイズの画面にして、描かれる世界の奥行きたるや、圧巻、の一言に尽きます。

今回の展覧会のメインは「興亡史」とタイトルされた大作です。
右に3点、左に2点、手のひらに乗るサイズのスクエアの画面の作品を控え、奥の壁の中に央展示され、まさに威風堂々という言葉が似合うかのごとく、その全貌を明らかにしています。

本当にすごい。

ひとつの作品にいったいいくつの場面が描き込まれているのだろう...。
それぞれのシーンは実に細かく描かれています。
縮尺が大胆に無視されているために、隣り合う場面のズレがさらに絵のなかのストーリーを複雑にしているようにも思えます。
屋根を駆ける武士の一群。あらゆる場面を結ぶように引かれた線路。唐突に存在する十手観音の手の群れ。クレーン。煙る滝...。
巨大な桜の幹と根に掴まれるようにダイナミックに聳える城の塊。あらゆる場所で展開しているスピード感溢れる場面とは裏腹に、眼下に広が田圃ののんびりとした雰囲気も印象的です。

いくら時間をかけて観ても発見が尽きることがない、尋常でないほどの見応えです。
DMの画像はこの「興亡史」の一部。
で、下の写真の左端に見えるのがこの作品。大きさをイメージする一助にしていただければ。
池田学1

池田さんの作品の面白さ、楽しみのひとつに、それぞれの作品に必ず描かれるサインを探すことがあります。
ちょっと崩された字体の「学」の文字がすべての作品に必ず織り込まれているとのこと。
「興亡史」は池田さんにどこにサインがあるか教えていただいて、ちょっと悔しかったのですが(笑)、その両脇に5点ある小品のうち4点のサインはなんとか自力で確認できました。
手前の2点はまだ見つけていないので、僕自身また見に行かないと、という感じです。サインを見つけるために足を運ぶ価値は充分にあります。

間違いなく見逃してはいけない展覧会のひとつです。

※東京から遠方にお住まいの方々でこのブログをご覧いただいてる皆様には申し訳ないと思いつつも、この作品の全貌を掲載してしまうことにどうしても抵抗を感じてしまいまして...。
この展覧会に合わせて、「興亡史」をメインに過去作品も含めて紹介されたパンフレットが制作されているので、ご興味がある方はぜひミヅマ・アート・ギャラリーに問い合わせてみてくださいまし。
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2006年09月19日

review:雨宮庸介個展「トランスレーターズ・ハイ」《9/9、9/16》

雨宮庸介個展「トランスレーターズ・ハイ」
Yuka Sasahara Gallery
東京都新宿区西五軒町3-7 高橋工芸社ビル3F
9/9(土)〜10/14(土)日月祝休
雨宮庸介パンフ.jpg

静かなる凄み。

入口に張られた暗幕。
くぐるとさっそく名刺代わりとでもいうように、雨宮さんおなじみのリンゴのオブジェがふたつ、台の上に行儀よく、行儀悪い姿で置かれています。
その先にある世界へと誘うと同時に、そこへ向かう直前に「覚悟はいいですか?」と問うているかのように、そこに存在するリンゴたち。

more...
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2006年09月18日

review:Exhibition one+one+one=one《9/14》

Exhibition one+one+one=one
And A shibuya
東京都渋谷区神南1-3-4
9/15(金)〜9/26(火)
11:00〜20:00
one+one+one=one DM.jpg

14日の夜に行われた前夜祭的なイベントに行ってきました。

夜の8時に始まったこのイベント、僕が渋谷のAnd Aに到着したのは8時を15分ほど回った頃。すでにたくさんの人で店内は溢れていて、ギャラリーでの展覧会のオープニングとはぜんぜん違う雰囲気にむしろワクワクさせられます。

1階スペースにはプロジェクターで映像が映し出され、その手前には場違いなコピー機、スタンギター用のエフェクターが床に配置されライブのスタンバイがなされたコーナー、普段は服やグッズなどの商品が置いてある大きめのテーブルには巨大な紙のオブジェ。
ブラウンの厚い再生紙が重なり、そこに飯田竜太さんの手によるアートワークが施されていて、その大きさ、紙の厚み、色彩の重みなどからくる圧倒的な存在感にまず驚いた次第。
他にも奥のほうの壁に棚にそれぞれのアーティストの個性やスキルが絡み合った平面の作品やオブジェが。さすがに一筋縄ではいかない超個性派が集っているだけにユニークなフォルムの作品が並んでいます。これらを眺めているだけでものすごく大きいインスピレーションを受けられそう。

2階では、その中央にある透明の壁で仕切られたブースの中に3人のアーティスト、飯田さんと黒田潔さん、林絵美子さんがなにやらライブで製作中。時おり笑顔を浮かべながら繰り広げられるその光景を、ホントに大勢の人が眺めています。
残念ながらそこで作られているのが何であるかは結局はっきりとは確認できなかったのですが、ある瞬間になると3人がブースから出てきてそれぞれの配置へと向かいます。
黒田さんはブースの入口正面にあるガラスのショーケースへ、飯田さんは2階のいちばん奥に設置されたテーブル、林さんは1階へ。
そして今度はそれぞれがソロで製作に入ります。

それぞれの製作状況を眺めたのですが、黒田さんはブースから持ってきたらしいちいさな画面をショーケースの上に置き、そこにさらにドローイングを重ねていきます。周りの人たちと話しながら、すらすらと画面に線を乗っけていきます。その自由さはなんとも痛快で。
one+one+one=one 3

飯田さんを見に行くと、こちらは知り合いと思われる方との話もそこそこに、カッターを片手に一心に重ねられた厚紙をくり抜いていきます。
分厚い紙の塊がどんどんかたちを変えていき、未来的な空間が出来上がっていく様子は見応え充分。カッターの刃の向かう先を眺めていて、「そっちにいくか!」と心の中で驚きと喝采を繰り返しながら出来上がってくのをしばらく眺めていました。ものが出来上がる瞬間に立ち会うことのスリルをしっかりと味わえて満足です。
one+one+one=one 4

林さんはその間、例のコピー機で、コラージュの材料を作っていた模様。

いつの間にか始まっていたソロギターによるミニマルな音響系のライブをBGMに、しばらくして林さんと黒田さんが1階の巨大オブジェで合流。
そこから、このオブジェにふたりのアーティストがどんどん手を加えていきます。
上半身を覆い被せるようにして花の絵をオーバーダビングしていく黒田さん。艶かしい棘を纏った太い茎、可憐な曲線で描かれる花と色彩とのギャップがむしろアングラ感を強烈に醸し出していてすごくかっこいい。
林さんはおそらくさっきまでに作っていたコピーをさらに細かく切り、それらをどんどんこのオブジェに重ねてコラージュで展開していきます。
ますます混沌としていくこの作品の世界。アーティストのインスピレーションと、それを瞬時に作品に反映させていく反射神経の鋭さ。とにかく面白い!

しばらくして、どうやら「制限時間終了」といった感じで二人が満足そうな表情で作品から離れます。
出来上がったオブジェが発散するリアリズム。パワーとクリエイティビティとがふんだんに詰め込まれた空間。
飯田さんによる立体的なアプローチと相まって、見る角度によって信じられないくらい豊かに表情を変化させます。
one+one+one=one 1 one+one+one=one 5

one+one+one=one 2

しばらく続く会期のうちにもう一度は、できれば日が昇っている時間帯に訪れてみたいと思っています。
こういうシーンを提供してくれたAnd Aの企画の方々には感謝はもちろん、それ以上に心からの喝采を送りたい気分です。

そして、こういった時間に立ち会う度に、僕にとっては「アート=もの」ではなくて「アート=人」だということを強く実感します。
こういうことを再確認できるのは嬉しくてしょうがない!
posted by makuuchi at 20:38| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

9/17、9/18のアート巡り

《9/17》
☆光の魔術師 インゴ・マウラー展
東京オペラシティアートギャラリー
東京都新宿区西新宿3-20-2
7/8(土)〜9/18(月)月休(7/17、9/18は開館、7/18、8/6休)
11:00〜19:00(金土:〜20:00)
インゴ・マウラー パンフ.jpg

☆東京藝術大学日本画第一研究室発表展
東京藝術大学美術館陳列館+正木記念館
東京都台東区上野公園11
9/15(金)〜9/24(日)
10:00〜17:00(金曜日:〜19:00)
芸大日本画パンフ.jpg

《9/18》
・瀧下和之 金丸悠児 絵画展
東急吉祥寺店 美術工芸サロン
東京都武蔵野市吉祥寺本町2-3-1
9/14(木)〜9/20(水)
10:00〜20:00(最終日:〜17:00)
瀧下・金丸DM.jpg

安定したスタイルとクオリティのアーティスト同士による二人展。
それぞれの作品のひとつひとつはもちろん楽しいのですが(今回特に印象的だったのが瀧下さんの大きな画面に描かれた竜。ダイナミックさがさらに増加していて迫力満点、そしてコミカルなタッチが二枚目なユーモラスさを醸し出しています)、やはりこの二人のコラボレーション作品が面白い!
この日の時点で4点あったうちの3点はすでにお客さんの手に渡ってしまっていて実物を拝見できたのは1点のみでしたが、今回はそれぞれ「色」をテーマにお互いがスクエアの画面に描き、ひとつの額の中で競演するといったもの。同じ色でもそれぞれで使う絵の具だけではない差があって、その微妙なコントラストが面白い作品でした。
posted by makuuchi at 19:14| Comment(0) | TrackBack(0) | review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

recommend:9/18〜9/24

祝日に挟まれた一週間。

Takorasu World展
ギャラリーコンセプト21
東京都港区北青山3-15-16
9/21(木)〜9/27(水)
11:00〜19:00(最終日:〜16:00)
TAKORASU DM.jpg

これまでGEISAIやデザインフェスタで拝見して、その圧倒的な緻密さに目を奪われたTakorasuさんの初個展。
モノクロームで展開されるワクワクするようなファンタジックな世界です。

・―TOUGEN― 鴻崎正武
@ギャラリー・アート・ポイント
東京都中央区銀座8-11-13 エリザベスビルB1
9/21(木)〜9/30(土)
11:30〜19:30(最終日:〜17:00)
鴻崎正武DM.jpg

僕にとってはおなじみのアーティスト、鴻崎正武さん。
今年もすでに何度か個展やグループ展で接する機会を得ているその絢爛で不可思議な世界。

八木良太展「side b:waltz」
無人島プロダクション
東京都杉並区高円寺南3-58-15 平間ビル3F
9/21(木)〜10/21(土)木金土のみ(月〜水は要予約)
11:00〜19:00
八木良太waltz DM.jpg

前期の過去の傑作も集めたカタログ的な展示に続いて、今回は新作中心の展示になりそうとのこと。
何が出てくるか楽しみです!

・津田やよい展
ぎゃらりぃ朋
東京都中央区銀座1-5-1 第3太陽ビル2F
9/22(金)〜9/30(土)日休
12:00〜19:00
津田やよいDM.jpg

昨年の個展がとにかく印象に残っている津田やよいさん。
なかでも靴や椅子が置かれた薄暗い画面のなかの鏡に姿を覗かせるかたちで描いた自画像がとにかくかっこよかったんです。

・sketch show / tomoaki marubashi
art & river bank
東京都大田区田園調布1-55-20 #206
9/23(土)〜10/7(土)月休
13:00〜19:00
sketch show パンフ.jpg

BOICE PLANNINGの主要スタッフ、丸橋伴晃さんの個展です。
なにより丸橋さんのキャラクターにはすごく惹かれるものがあって、そんな彼の作品に溢れる空間がどういう感じか、とにかく興味津々です。
posted by makuuchi at 04:13| Comment(0) | TrackBack(1) | recommend | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月17日

新日曜美術館「悲しみのキャンバス 石田徹也の世界」

新日曜美術館「悲しみのキャンバス 石田徹也の世界」を観ました。
自宅にあるテレビは3cm×4cmの白黒ブラウン管なのですが。

感じることはいろいろありますが、一言だけ。
生きて描き続けていてほしかったです。
posted by makuuchi at 10:48| Comment(0) | TrackBack(0) | note | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

〜9/16のアート巡り

《9/13》
☆池田学展
ミヅマ・アクション
東京都目黒区上目黒1-3-9 藤屋ビル5F
9/13(水)〜10/14(土)日月祝休
11:00〜19:00
池田学DM.jpg

《9/14》
☆Exhibition one+one+one=one
And A shibuya
東京都渋谷区神南1-3-4
9/15(金)〜9/26(火)
11:00〜20:00
one+one+one=one DM.jpg

《9/15》
遠山由美 Dual Letter 新作展 "月のうさぎ/Moon Rabbit"
GALLERY 360°
東京都港区南青山5-1-27-2F
9/15(金)〜9/30(土)日祝休
12:00〜19:00

月を模した丸い画面、その月影の部分がラメ入りの顔料で表され、残りの部分にヒビのようなデフォルメされた文字が詰め込まれている作品など。
文字のエネルギーはさすがです。
ただ、今回拝見する作品は文字のデフォルメ具合が難解すぎて「読む」ことができず残念...。

《9/16》
・琳vol.4
ギャラリー52
東京都千代田区飯田橋3-2-12
9/15(金)〜9/23(土)木休
11:00〜19:00(最終日:〜17:00)
琳DM.jpg

新生堂での個展からそれほど間を空けずに立尾美寿紀さんの作品を拝見しましたが、こちらでは作品の色彩感に統一感があったせいか、その抽象的な世界にぐっと引き込まれます。岩絵の具特有の質感の青の上でノイジーに広がる黒の線がかっこいい!
小林夏奈子さんはぎゃらりぃ朋での個展以来。アンニュイな表情の女性が登場し、幻想的な雰囲気が画面から広がります。
この展示では唯一の油彩である奥山久美子さんの抽象画も、その歪みと色とがなんだか楽しげです。

☆本と遊ぶ「おそろい−ミヤケマイ展」
nikiギャラリー册
東京都千代田区九段南2-1-17 パークマンション千鳥ヶ淵1F
9/5(火)〜10/5(木)月休(9/18(月・祝)開廊、9/19(火)休)
11:00〜19:00(最終日:〜15:00)
ミヤケマイDM.jpg

・川崎優展 sun the room
@gallery OPEN DOOR
東京都中央区銀座4-10-7 早川ビル3〜4階
9/11(月)〜9/16(土)
11:00〜19:00(初日:12:00〜/最終日:〜17:00)
川崎優DM.jpg

4階には襖のようなインスタレーション。和のテイストは新鮮です。
そして3階と4階とに中央が凹んだ画面に描かれた油彩の作品。
広がる空が金や銀で表現されていて、写実的な構成ながら不思議と斬新な感じがするのが印象的でした。

・宮川かず美展
すどう美術館
東京都中央区銀座6-13-7 新保ビル4F
9/12(火)〜9/17(日)
11:00〜19:00(土日:〜17:00)
宮川かず美DM.jpg

昨年のちょうどこの時期にギャラリー舫で拝見した宮川かず美さんの、今回はすどう美術館での展示。
さまざまな種類の板をていねいにカットして貼り合わせた作品。木目や鋸痕による模様も活かし、驚くほどの写実力でていねいに制作されていて、見応えがあります。
その写実力のせいで見逃しがちになってしまうのですが、例えば風車の網の目になった部分など、細かい部分も精緻に制作されています。

宮川かず美1 宮川かず美2 宮川かず美3

・あじん個展『オモイニフケル』
store & gallery S.c.o.t.t
東京都中央区銀座7-7-1 幸伸ビルB-1
9/12(火)〜9/17(日)
11:00〜20:00(最終日:〜18:00)
あじんDM.jpg

なんだかいっしょの空間にいるだけでだんだん愛着が沸いてくるユニークな人形のオブジェ。
タイトルの「オモイニフケル」というのも納得の表情。
さまざまな大きさや仕草のオブジェがズラリと並んでいて楽しい展示です。

あじん1 あじん2