@void+
東京都港区南青山3-16-14-1F
7/1(土)〜7/29(土)日祝休
月−金:17:00〜20:00 土:12:00〜18:00
表現の場としてこのvoid+の空間を与えられたアーティストは、幸せだと思います。
今回のvoid+では、この小さな空間にたった3点の油彩の作品、しかも、それぞれの絵画はもしかしたら本来であればある程度広い空間で飾るべき大きさのものが、入口を入って正面と両サイドの3面の壁に展示されているのみのシンプルな内容です。
白い空間に展示された白と黒の絵画。前回の谷山恭子さんの展示がカラフルだっただけに、この極端な色彩感の差も強烈に印象づけられます。
キャンバスはまず全面が白い絵の具で、ある部分は絵の具の物質的なインパクトが強烈なほどに分厚く、ある部分はキャンバスの目が残るほどに塗られ、そこに極太の黒による力強いラインが画面に登場しています。洋画材で表現していながら、「書」における日本的な「わび・さび」的な面白さがあります。
複雑な角度で交差する真っ直ぐな線、やわらかな曲線、幾何学的な軌跡を描いているひとつながりの線。3点の作品それぞれに描かれる線はどれも個性的で、それぞれの画面の構図が充分に考えられているだけでなく、作品が展示された空間のバランスから伝わってくるイメージも少なくありません。空間の真ん中に立つとよりこの空間の持つ迫力が体感できます。視覚だけでここまでの「圧」を感じられるのはそうそうないような気がします。
さらに、至近で作品を拝見すると、油絵の具の盛り上がりから描く行為が残した痕跡の生々しさが強烈に伝わってきます。絵の具を含んだ筆、あるいは刷毛が画面を這う様子、そして画面から離れるその瞬間がそのまま画面に残った油絵の具の「跳ね」。アーティストのテンションの高さが感じられ、たいへんスリリングな印象です。
・・・よく観ていると、白と思われていた部分にほんのり赤が混じったような箇所が見受けられます。
展示されている作品は抽象絵画といって差し支えないと思うのですが、それぞれにはタイトルがついていて、それを知った時の膝を打つような感覚は、空間の雰囲気が雰囲気なだけに、より痛快です。思いっきり膝を打つような...。
昨年横浜美術館で開催された李禹煥の展示で味わったものに似た感覚があるような気がします。会期ほぼ今月いっぱいで、平日も夜8時まで鑑賞可能な空間なので、ほんの小さな場所ですがより多くの人にこの異空間っぷりを体感してほしいです。



