■10/18 Sun
GEISAI#13
Kaikai Kiki 三芳スタジオ
埼玉県入間郡三芳町竹間沢東2-610/18(日)
10:00〜18:00
郊外、倉庫街、打ちっ放しのコンクリートの床。そんななかで行われたGEISAI、これがなかなか楽しかった!
外のスペースではバーベキューなども行われていたりして、手作り感がいつも以上に強く伝わってきたのも、いつものGEISAIとは違うアットホームな雰囲気を生み出していて、すんなりとその空気に入っていけたのも心地よく感じられた次第。
出展されていた方の中にも既知のアーティストや、作品を拝見していてお目にかかったことがない方にもたくさんお会いできたこともあって、それもまた嬉しく感じられました。
華々しいビッグサイトでのGEISAIも楽しいですが、ここでのGEISAIもできれば続けてほしいなぁ、と。
遠山陽子展覧会 "trigger"
@
AISHO MIURA ARTS東京都新宿区住吉町10-1003 6807-9987
9/23(水)〜10/18(日)月休
13:00〜21:00(日:〜19:00)
最終日に再訪。
爆発するように溢れる色彩がとにかく痛快な風景。画面にもたらされる色のひとつひとつがエネルギーを発散しているような感触が頼もしいです。


比較的具象性も高くて、描かれる景色の世界へもスムーズに入っていけるのも興味深いです。そしてそこで繰り出される激しい気配感にどんどん呑み込まれていきます。


そして、照明を落としてブラックライトのみで作品を照らすと、また違う味わいが。
発光塗料の力が引き出され、ヴィヴィッドな景色にケミカルな表情も重なって、より不思議でシュールな雰囲気が導き出されます。


独特の楽しさ、無邪気なイマジネーションがポジティブな雰囲気を生み出す楽しいクリエイションです。めちゃくちゃ大きな絵なんかも観てみたい!

■10/21 Wed
村田朋泰 ゆるゆる☆ズ
@
東京日本橋高島屋6階 美術画廊X東京都中央区日本橋2-4-103- 3211-4111(代表)
10/21(水)〜11/9(月)
10:00〜20:00(最終日:〜16:00)

これまで発表された映像作品から、またまた登場のジュークボックス(実際に聴ける!)やインベーダーゲーム(実際に遊べる!)、さまざまなインスタレーションなど、これまでの村田さんのさまざまな作品が配され、独特の妖しさが溢れる楽しい空間が作り上げられています。
そして、壁面にずらりと並ぶさかだちくんのドローイング群が面白い!さまざまな場面に登場するさかだちくん、そのどうしようもなくユーモラスな振る舞いと、裏腹に仄かにメランコリックな気配を感じさせるのが妙に心に残ったり。
エンターテイメント性に富んでいながら、どこか深みを感じさせてくれる空間です。
下嶋知子展
@
藍画廊東京都中央区銀座1-5-2 西勢ビル2F03-3567-8777
10/19(月)〜10/24(土)
11:30〜19:00(最終日:〜18:00)

昨年拝見した個展も印象に残っている下嶋さんの、東京での1年振りの個展。
前回に引き続いて透明感溢れるグリーンが目に鮮やかに響きます。
そして、取り上げられる情景にバリエーションが加えられ、水辺を彷彿させる景色はもちろん、森や木漏れ日なども描かれていて、さらに広がりがもたらされているのも印象に残った次第です。
グリーンの濃淡だけで紡ぎ出される気配が心に豊かな心地よさをもたらしてくれます。


screening
さわひらき/
南隆雄@
OTA FINE ARTS東京都中央区勝どき2-8-19-4B03-6273-8611
10/21(水)〜11/14(土)日月祝休
11:00〜19:00

ふたりの映像作家をフィーチャーする展覧会。
薄暗い空間にそれぞれの作品がさまざまなかたちで配され、映像から滲む光がその暗がりにふわりと放たれて、絶妙に音声が空間を交錯し、ひとつのインスタレーションとしても不思議と説得力に満ちた空間が作り上げられています。
もっとも大きく上映されている南さんの、船旅の最中に撮影された画像を用いて編集された作品の独特の深み、およそ20分の間に起こるさまざまな情景になんとも不思議なイメージが心に沸き起こってきます。
岡田裕子展「翳りゆく部屋」
@
MIZUMA ACTION東京都目黒区上目黒1-3-9 藤屋ビル2F03-3793-7931
10/21(水)〜11/21(土)日月祝休
11:00〜19:00
濃い!Σ( ̄口 ̄;)とにかく濃い!Σ( ̄口 ̄;)黒のカーテンの向こうに現れる、とてつもなく濃密な空気。キャアキャアと交錯する声。否応無しにこの迫力に気圧され、この深い雰囲気に引きずり込まれ、意識が沈み込んでいきます。
O JUN・森淳一展「痙攣子」
@
MIZUMA ACTION東京都目黒区上目黒1-3-9 藤屋ビル5F03-3793-7931
10/21(水)〜11/21(土)日月祝休
11:00〜19:00

ペインティングと木彫、メディアだけでなく、それぞれが繰り出す世界もまったく異なるふたりのアーティストの作品がひとつの空間にパッケージされた展覧会。
しかし、そのくっきりとしたコントラストでさえ、不思議と説得力に満ち、ひとつの調和を導き出しているように感じられるのが印象的です。
じっくりとそれぞれの作品が醸し出す深い世界観に心を委ね、さらに空間全体からも何らかのイメージを捉えたい、そう思わせてくれる展覧会です。
■10/22 Thu
NEXT DOOR vol.10
大小島真木 徳本茉莉子
黒柳陽二郎 平慎介 齋藤雄介
渡辺元佳@
T&G ARTS東京都港区六本木5-9-2003-5414-3227
10/15(木)〜11/12(木)土日月祝休
11:00〜19:00

再訪。
平面のアーティストが多くピックアップされた今回のNEXT DOOR、なかなかの見応えです。
ペインティングとドローイングを出品の
大小島真木さん。大胆なモチーフの採用によってもたらされる危うさ、妖しさとユーモア、それぞれが画面より目一杯溢れているように感じられるのが痛快です。

なんともシュールなシーンが描き上げられています。
そして、構図の面白さ、さまざまな味わいの筆致をひとつの画面に繰り出す大胆さ、一部のモチーフの描写の具象性の高さなどが深い世界観となって力強い説得力を導き出しているように感じられます。


ドローイングも楽しい!
溢れるイメージがどんどん綴られていくような感触が頼もしいです。


CASHIでのグループショーでも拝見し、印象に残っている徳本茉莉子さん。
スクエアの小品がずらりと並んでいて壮観、さまざまなシーンが独特の艶かしいタッチで描き上げられています。

際どく躱される具体的なイメージ。人物は匿名性が放たれ、曖昧に描かれる要素も、しかしそこにもたらされる気配や感情はなぜかしら生々しく伝わってくるような気がします。
また、景色や場面を描いた作品においても、独特の透明感を備える不思議な濃密さが、眺めていて心に仄かな揺らめきをもたらしてくれるように感じられます。


先にGALLERY SIDE2で開催された個展でも興味深い雰囲気を導き出していた齋藤雄介さん。
まずは、個展に引き続き、鏡面を使った作品を階段に設置。どこかラディカルな気配を深く放つ、グラフィティ的な痛快さに満ちた世界観が印象的です。

会場にはプリントを巧みに使ったドローイングがずらりと並び、それぞれに番号が振られてダイナミックな壁面インスタレーションを構築しています。
ビニールに覆われ、そこにもたらされる層が独特の気配も導き出しているように思えます。

平慎介さんの咲く品は、とにかくその描き込みが痛快!


ただひたすらにペンが画面を走ったその軌道が、凄まじい密度で画面を覆い尽くしていて、それによって生み出される濃淡と奥行き感、何よりそこで瑠璃広げられた仕事の圧倒的なボリュームにただ呆然とさせられます。


そこに地図などの具体的なイメージが重なると、一気にキャッチーなクールさがもたらされていきます。
画面のポイントを繋ぐ糸状の白い線は空路を思い起こさせるなど、イマジネーションを楽しく刺激する要素にも溢れます。


■10/23 Fri
"Mickey Mouse Funeral Shit" 菊池良博
@
AISHO MIURA ARTS東京都新宿区住吉町10-1003 6807-9987
10/21(水)〜11/15(日)月休
13:00〜21:00(日:〜19:00)

エロとグロが脳裏に行き交う独特の濃密な世界観。
暗めの空間に配される、相当に妖し気な雰囲気を充満させる作品群からは、相当に濃い刺激が醸し出されているように感じられます。
さまざまな素材からピックアップされたモチーフをコラージュさせて紡がれた塊。強烈な気配感が心に重いインパクトをもたらします。
イイダキリコ「眼福/複眼」
@
artdish g東京都新宿区矢来町10703-3269-7289
10/23(金)〜11/15(日)月休
12:00〜22:00

どこか妖し気な、そして憂いを帯びた気配感が印象的な人物像。
その独特の味わいを保ちつつ、作品によっては抽象性の高いモチーフを挿入することに寄り、より幻想的な風合いが導き出されているように感じられます。
それぞれの作品に広がる微妙な白の気配が現実との不思議な距離感を生み、ふわりと繊細な空気に引き込まれるような感触が印象に残ります。
Viewing Week
タムラサトル@
Takuro Someya Contemporary Art東京都中央区築地1-5-11 築地KBビル1F10/23(金)〜11/7(土)日月祝休
12:00〜19:00
これまで柏のスペースで、独特のスタンスでユニークなクリエイションを紹介してきた
Takuro Someya Contemporary Artの築地の新たなスペースのお披露目展。
入り口からその中を覗くと狭めの印象を持つものの、実際に中に入ると複雑に入り組み絶妙な矩形を導き出す壁面がファットな動線を生んでいて、実に興味深い空間となっていて、これからここでどんなクリエイションが紹介されるかワクワクしてきます。
タムラさんの作品もお馴染みなものが多く、そこかしこに現れるスパークとそれに応じて放たれるノイズが妙な心地よさを感じさせてくれます。
森村誠「Dear Thomas」
@
TOKIO OUT of PLACE東京都港区南麻布4-14-2 麻布大野ビル3F03-5422-9699
10/23(金)〜11/28(土)日月火祝休
12:00〜19:00

空間内にさまざまなかたちで配される言葉。何かが綴られるのではなく、逆にもとからあるテキストをおそらくある法則で塗り潰されているのが、「なんだろう?」とそこで展開されているクリエイションに対する好奇心を煽ります。
映像作品なども含め、じっくりと対峙したい展覧会です。
WORM HOLE episode 11 小牟田悠介 平嶺林太郎 古畑智気 間瀬朋成 松下徹
@
magical, ARTROOM東京都渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T 3F03-3445-8988
10/23(金)〜11/21(土)日月祝休
12:00〜20:00

いや、もう!
痛快極まりない、ある意味無邪気、しかし実に力強い説得力と魅力に満ちるヴィヴィッドなクリエイションがずらりと並び、いつも以上に重厚な空間が構築されているように感じられます。
参加している5名のアーティスト、それぞれが持つ個性がしっかりと発揮されていて、そのひとつひとつが訴えかけるイメージに引き寄せられます。
■10/24 Sat
末むつみ個展 “10”
@
fabre8710大阪府大阪市鶴見区放出東3-6-2506-6968-8535
10/10(土)〜11/7(土)日月祝休
12:00〜19:00

ボールペンによる緻密な線が紡ぐ抽象的な情景、そこにぽつんとモチーフが置かれることで、その抽象性におおらかなスケール感がもたらされるのが興味深いです。
支持体に用いられるさまざまな紙も、ボールペンによる筆圧で絶妙な歪みがもたらされ、それが作品の深みへと転化しているように感られます。
水野勝規 新作展 フィールド・モーション - Field Motion
@
ARTCOURT Gallery大阪府大阪市北区天満橋1-8-5 OAPアートコート1F06-6354-5444
10/9(金)〜10/24(土)日月休
11:00〜19:00(土:〜17:00)

さまざまなサイズで上映される映像作品。
ただそこで起こったことをシンプルに撮影されたものでありながら、その映像の中で起こることすべてが奇跡に思えてしまうほど、実にユニークな展開を導きい出していて、淡々と過ぎる情景にいつの間にか引き込まれているのが面白いです。
敢えてモニターを縦長に設置、または同サイズのモニターを横に3点で並べてそれぞれに同じ映像を流すなど、ほんのわずかなアイデアが作品のユニークさをよりいっそう引き出しているように思えるのも興味深く感じられた次第。
観終わった後の心地よさも心にやさしく残ります。
contiguous zone「虚構のかけら〜Virtual Records」
川上幸之介,
Pia Borg,
Tom Leighton@
YOD Gallery大阪府大阪市北区西天満4-9-1506-6364-0775
10/6(火)〜11/7(土)日月祝・10/9・10/10休
11:00〜19:00

異なるメディアの3名のアーティストの作品をパッケージしたユニークな展覧会です。
凄まじくシャープなコラージュを繰り広げる写真作品、そのソリッドな感触が印象的な
Tom Leightonさんのクリエイション。大胆なシンメトリーの構図のインパクト、随所にもたらされるアクセント。さまざまな要素が無機的な情景を構築し、独特のクールさがヴィヴィッドに放たれているように感じられます。

ZAIMでの「ECHO」展で拝見し、強烈に印象に残っている
川上幸之介さんのペインティングが観られたのがとにかく嬉しかったです。
描かれる情景の構図の圧倒的なシャープさ、随所にもたらされる抽象性の高い描写、そして律儀なまでの再現性の高さ。さまざまな面白味と説得力に満ちる画面からは、無数の発見が見つかっていきます。


一転して、激しいマチエルの作品。
画面から溢れる、と言い表すレベルを軽く超越する過剰に大胆な立体的アプローチ、その強烈な迫力とそれによって導き出される圧倒的に濃密な世界観。これほどまでに強烈な画面がつくり出されていながらも、それがそうでなければいけない説得力にも満ち溢れているように感じられ、実に刺激的です。
あらためてもっと観たいと思わせてくれる、好奇心を煽る強烈に濃密なクリエイションです。



もうひとりのアーティスト、
Pia Borgさんの映像も実に興味深いです。さまざまなモチーフを挿入させるコラージュの要素が強いアニメーション。そこで繰り広げられる幽玄な気配感と随所に唐突に起こる衝撃、そのコントラストに翻弄されっぱなしで。
山下春菜展
@
O Gallery eyes大阪府大阪市北区西天満4-10-18 石乃ビル3F06-6316-7703
10/19(月)〜10/24(土)
11:00〜19:00(最終日:〜17:00)

東京で開催されたふたつの個展で拝見した作品も印象に残る山下春菜さん。
大阪で、またまた個展を拝見でき、そこでこれまでとは異なる展開が繰り広げられていて実に興味深く感じられた次第。

食べ物がモチーフとなる印象が強いのですが、その食べ物がでてくる作品も、食べているところが描かれていたりと、ほんのりとユーモラスな気配が心地よいです。


そして、独特の色使いとタッチはそのままに、部屋の中の情景を描いた作品が面白い雰囲気を醸し出していたのが興味深いです。
適度な具象性がキャッチーな雰囲気を導き出していて、その独特の味わいが楽しいイメージをもたらしてくれたような。
これからの展開も楽しみです。

ギャラリーほそかわ 移転記念展「New Location/Generation」
居城純子 藤井治俊 森末由美子
@
ギャラリーほそかわ大阪府大阪市浪速区元町1-2-25 A.I.R .1963ビル3F06-6633-0116
9/28(月)〜10/24(土)木日祝休
12:00〜18:30

3名のアーティストがフィーチャーされた展覧会に、最終日に滑り込みで伺うことができました。
折に触れて拝見している藤井治俊さん、最初に拝見したサーモグラフィ的なアプローチから相当に変化し、マスキングも駆使したヴィヴィッドな世界がシャープな配色で繰り広げられています。

ダイナミックに繰り出される絵の具の質感が痛快です。
より動的なイメージが奏でられ、その迫力に引き込まれていきます。

居城純子さんは、ややレイドバックしたような、あたたかみが滲む作品。
艶やかに描き出される光の表情と、そこから醸し出される空気感、その温度感が心地よく感じられます。


森末由美子さんの作品が面白い!

針金で丁寧に紡がれる言葉。重なるひらがなが不思議な雰囲気と軽やかなユーモア、そしてなんともいえない深みを醸し出しています。


「き」。
いやもう、見事です。眺めていてホントに楽しい!


削られる本も、不思議な雰囲気を導き出しているように感じられます。
素材として使われる感じ、その造形の美しさが、しっくりとくる説得力をもたらしているように感じられます。


展示はされていなかったのですが、特別に見せていただいた食塩の作品も最高でした!
■10/25 Sun
achiragawa アチラガワ+ 尾家杏奈 唐仁原希 山名彩香
京都市立芸術大学内大ギャラリー京都府京都市西京区大枝沓掛町13-610/20(火)〜10/25(日)
9:00〜17:00

3名の女性アーティストによるグループ展が開催されていることを知り、京都市立芸術大学へ。
自転車で行けることが確認できたのも収穫で。
で、これがなかなか見応えのある展覧会でした!
山名彩香さんはオンペーパーの線画とキャンバスの油彩作品。
線画はふたつのパターンがそれぞれ纏めて展示されていて、その緻密な描写に引き込まれた次第。

モノトーン、白い紙に黒の線で描かれた作品は、さまざまな生物を思わせるモチーフが有機的な風合いをいっそう深めたような感触で描き上げられ、そこかしこから放たれる緻密な混沌が楽しい!


カラーの紙に白い線、こちらでは無機的なモチーフを、同様に緻密な描写で再現していて、そのひとつひとつの細密表現の面白さにおおいに感嘆。相当に複雑に線が入り組んでいながら、どれも必要な線に思えてくる感じも興味深いです。



一転して油彩の作品は相当に濃密なマチエルが強烈なインパクトを放っています。


画面に盛り上がる油絵の具の凄まじい臨場感。その質感が放つ濃密な気配は、描かれる情景やモチーフへも飛び火し、圧倒的な迫力となって画面より放たれているように感じられます。
その凄まじい感触は後ずさりしそうなほど、しかし、画面の立体感も加わってそこに表出される情景の壮大さに引き込まれます。


唐仁原希さんは、VOICE GALLERYで拝見した世界観を継続、独特のポップセンスが発揮されたガーリーな雰囲気が印象的です。


赤系統の色彩の鮮やかさが印象的です。
そこにかわいらしいモチーフが描き込まれ、ファンタジックで、しかし危うさと背中合わせの脆さも潜んでいるかのような風合いが、独特な濃さを持つ物語を滲ませているように思えます。描かれる女の子の顔も個性的で、得難い気配感を導き出しているように感じられるのも印象的です。


尾家杏奈さんの作品は、奥の長い壁面に一気に展示されていて圧巻。
ダークな色彩によって深く重い気配が導き出され、そこにさらにサディスティックな筆致で描かれるさまざまなモチーフが、幽玄な雰囲気を濃密に滲ませているように感じられます。

1点ずつ眺めていくと、そこに描かれる表情の深みに感じ入ります。
また、女の子と思われるものと動物との作品が混ざり込んでいて、そのなかで女の子の絵はひとつの流れが紡ぎ出されていて、そこに漂う物語性にも引き込まれていきます。
時おり灯るように画面に浮かぶ黄色や赤などは、その色の強さを奏でつつ、どこか儚げな気配を感じさせてくれます。
圧倒的な世界観に、今後の展開もさらに楽しみになってきた次第です。


苅谷昌江 個展『A room is getting ruined』廃墟になっていく部屋
@
AntennaAAS京都府京都市西京区川島粟田町18-23075-381-1189
10/24(土)〜11/8(月)土日祝のみ
11:00〜19:00
苅谷昌江 さんが
AntennaAASで個展、いったいどんな展開がなされるか興味津々だったのですが、そこに創り出された景色はひたすら青の濃淡で紡ぎ出される廃墟の情景。

壁面に直接貼られた支持体、その画面のかたち自体が持つ奥行き感が空間以上の「引き」を感じさせ、なんとも不思議な気配が作り上げられています。
そして、ひとつひとつのモチーフは思いのほかあっさりとした仕上がりで、しかしその淡い感触も、やはり奇妙なバランスの雰囲気となって現れ、知らない異空間へとイマジネーションが誘われていきます。


ガラス窓にも直に。ここには野原に生える木々を思わせる景色が。

刈谷さんのキャンバスの作品を知っていると、巧みにマスキングなどで創り出されるシャープネスと具象的な表現で導き出す独創的な気配感の印象とは、見た目の質感、テイストとして相当にキャップがあり、しかし、時間が経つに連れてそこで繰り広げられている気配や奥行き感に、やはり刈谷さんらしさを強く感じます。
インスタレーションなど展示ごとに繰り広げられてこられた刈谷さん、今後の展開ではどんな色や空間がつくり出されていくか、さらに好奇心が湧いてきます。
岡山愛美 個展 ”smoke and mirrors”
@
MATSUO MEGUMI+VOICE GALLERY pfs/w京都府京都市南区東九条西岩本町10 オーシャンプリントビル/OAC1階075-585-8458
10/13(火)〜10/25(日)月休
12:00〜19:00(最終日:〜17:00)

暗めの照明。映像と平面作品、写真、インスタレーションと、バラエティに富んだ作品をひとつの空間に持ち込んで、ある幻想的な、そして記憶を解きほぐすような独特の雰囲気が作り上げられていたのが印象的です。
メイン的な映像作品は、焦点がぼやけたホームビデオが淡々と流され、しかしそのプロジェクターのレンズの正面にぶら下げられた虫メガネが揺れて、虫メガネのレンズ越しに映像が映し出された瞬間のくっきり人の姿が画面に現れるのが実にスリリングで深い印象を覚えた次第。


平面作品はカラフルな色調と、その表面に散りばめられるガラスの粉末が生み出す現像的な気配感が不思議な感触をもたらしています。


■10/30 Fri
山口裕美 特別企画 Vale of Tears コバヤシ麻衣子 新作展
@
hpgrp GALLERY 東京東京都渋谷区神宮前5-1-15 CHビルB1F03-3797-1507
10/30(金)〜11/23(月)月休(11/2、11/23開廊)
11:00〜20:00

大きな作品がずらりと並び、そこに描かれる動物たちのさまざまな表情が印象的です。
展示、画面の構成は共にシンプルで、しかしサイズが放つ迫力や敢えて画面の縁を削って角が落とされている仕上げなどが不思議な世界観を創出しているように思えます。
小作品、ドローイングは一転してかわいらしい雰囲気が伝わってきます。
■10/31 Sat
若手作家グループ展「ネオネオ展 Part1 [女子]」
@
高橋コレクション日比谷東京都千代田区有楽町1-1-2 日比谷三井ビルディング1F03-6206-1890
10/31(土)〜12/27(日)月休
11:00〜19:00

男子の部も楽しかったのですが、今回の女子の部も再会できて嬉しい作品が並んでいて、やっぱり楽しいです!
なかでも懐かしいのが、和田典子さんのベッド。ギャラリー小柳で拝見し、相当にキッチュなインパクトが忘れられずにいたのですが、久々に拝見して記憶より随分小さくて驚かされたり。いやはや、記憶は変化するものなのだなぁ、とあらためて実感した次第です。
もとい、ベッドの骨組みの部分にさまざまな色彩が、湧くように施され、独特の危うさとかわいらしさとの共存にあらためて接することができ、ありがたいなぁ、と。
他のアーティストの作品も印象的なものや懐かしいものが多くて、またあらためてゆっくり観に行きたいと思います。
■11/4 Wed
November Steps―Suzan Philipsz & Gallery Artists
@
ミヅマアートギャラリー(市谷田町)東京都新宿区市谷田町3-13 神楽ビル2F11/4(水)〜12/5(土)日月祝休
11:00〜19:00
いや、すごいです。
天井高5mを謳う空間は伊達じゃない。
所属アーティストの作品が、基本的に小品でずらりと並んでいてその共演も楽しいです。池田学さんの小品、青山悟さんの前科の個展のシリーズの新作も!
で、メインとなるSuzan Philipszさんのサウンドインスタレーションは、オープニングで初日にいきなり床が抜けるんじゃないかと心配になるほどたくさんの来場者でじっくりと聴くことができず...あらためてそれぞれのアーティストの作品をチェックするのとともに、音もじっくりと楽しみたいと思います。